08/12/15 18:05:03 0
>>243
目的地に向かう道中。
闇の解析者には分かっていた。自分達レジスタンス『殲滅結社(ファンダメンタルデリート)』が今夜攻め入る事が機関に知られていると。
そしてこのような事態が起こりうる事も分かっていた。ふいに風を切る音を感じる。その方向を振り返った瞬間―
―共に歩いていたクロノは飛んできた矢に前から胸を貫かれた。
矢の向きから飛んできた方向を察すると、すぐに近場の電柱の影に隠れる。自分にも攻撃が向けられている事が闇の解析者には解っていた。
電柱の影から様子を見ると、先程まで自分のいた位置に上空から飛んできた矢が地面に突き刺さっていた。
一方クロノの様子を伺うと、その身体には新たにもう一本の矢が追加されていた。
「……」
彼は矢に体を貫かれて仰け反った姿勢のまま、弁慶のごとく立ちすくんでいた。
顔はいつもの笑顔を崩しておらず、腕はだらりと背中で揺れている。そしてその手には…
闇の解析者には解っていた。彼が今何を思っているのか、自分に何を求めているのか―
「―今です!」
闇の解析者が叫ぶと同時にクロノの腕の揺れが止まり、夜の街に銃声がこだまする。
クロノは背中で後ろ手に拳銃を持っており、親指で引き金を引いていた。
放たれた銃弾はクロノの身体を背中から貫通し、矢の飛んできた方向…ナガツカインテリジェンスビル屋上の姫野に向けて飛んでいく。
【闇の解析者:自分に向けられた矢を避け、クロノの様子から異能力で解析した弾道に差し掛かった時に銃を撃つタイミングを指示】
【クロノ:矢が飛んできた方向から見えないように、袖下に仕込んでいた拳銃を後ろ手に構えて、闇の解析者の示したタイミングで撃つ】
【矢や銃弾に対して異能力により身体をすり抜けるように貫通させている為、身体は無事。着てる服に対しては異能力を込めてなく、矢は刺さった状態】