08/12/12 23:36:59 0
>>217
「ハッハッハ!相変わらずここは熱気であふれておるの!
ガキの頃を思い出すわ!
狙いは定まっておる。国産牛ステーキ肉。やはり客人は盛大に歓迎せねばならなからのう
肉コーナーの中でもここは特に狙う者が多く、常に熟練の主婦が張り付いており
初心の者では触る事は愚か、見ることさえ不可能じゃった。
(ねぇ…あの人ってもしかして…)
(クリムゾンよ…!クリムゾンが帰ってきたんだわ!)
この鳳旋 希一、主婦からも恐れられる存在よ。
スーパー唯能に残る生きた伝説。クリムゾン。
店内のあらゆるコーナーの最難関を僅か14歳で制覇し、スーパー唯能の主婦王・松水伸子をも打ち負かした男。
紅い髪、眼からその異名が取られている。が数年前からこのスーパー唯能から姿を消していたのじゃ。
開幕一分前。少しずつ身構える人々が増えてきている。
ふん、いくら身構えようと強靭な肉体でも持っていなければ人の波に飲まれてお終いよ。
「あー、あー、只今より、タイムサービスを開始しまっすっ!」
店長の放つ開幕の一言。人の波は雪崩の如く攻め寄せる。
これで数十人倒れたことか。
「かの主婦王からも恐れられたワシの力、見るがいい!」
走り出す。人の波を掻い潜り、確実に通れる道を見つけながら
「この合戦、地形を読み取った者の勝ちよぉ!」
やはり、店内は主婦の数が多かった。流石ベテランといったところか。肥満気味の太った女でも、この状況ではサッカー選手並の俊敏性があった
だが、只一人、王の如くゆっくりと道を歩く白髪交じりのロングヘアーで四十代半ばの女。松水伸子。
周囲の主婦は端に離れ、何故か、倒れていた。
「久しぶりじゃな!主婦王よ!再びわしの前に平伏すがいいわ!」
「出たわね…!クリムゾン!あなたに敗北して、私がどれだけ苦労を重ねたことか…
数年前の私とは違うことを教えてあげるわ!次はあなたが私に平伏す番なのよ!」
火花を散らしあい、互いに走りあう。精肉コーナーは店内の最奥にあり、数十メートル先にあった。
「さぁ、クリムゾン!私に道を譲りなさい!」
「ぐおぁっ!なん…じゃと…か、体が重い…!」
この言葉を聞いた瞬間、体が重くなった。
《欲望という名の刻印》松水伸子の底知れぬ欲望は異能の領域に達していたのだ
「あっはっは!この勝負、私の勝ちかしらねぇ!?クリムゾン!」
【スーパー唯能】
【飯の為のタイムサービスに挑む】
【鳳旋、戦闘?中】