08/10/12 05:26:06 O
【月夜の梟亭】
>>81 レクイスタ
(声をかけられると、妙な顔をしてしげしげと顔を眺めるが、やがて思い至り
・・・あぁ。お前か・・・というかお前、まだいたのか。
落ち着いた?何言って・・・うわっ
(まだフォークを握っていた手元が狂い、器をひっくり返してしまう。当然中身は全滅
・・・・・・・・・はぁ、やれやれ。・・・少し外の空気を吸うか・・・
(ため息をつき、残骸を片付けると軽装のまま外へ出て行く
(宿の前でしばらく風でも見るように佇んでいるが、やがて食べ物の匂いを嗅ぎ、少し迷った末そちらの方へ歩き出す
【広場の食品市場】
・・・活気があるもんだな。
(混雑の中、すいすいとすり抜けるように人ごみを抜けつつ露店を見ていく
(やがてふと、カウンター周りに椅子を並べた簡単な出店に目を留める
・・・川魚・・・フラメロの蒸し煮か。・・・懐かしいな・・・
(しばらく眺めているが、椅子につこうと一歩踏み出した所ではっとして固まる
(慌てて腰の辺りを探るが、あえなく―
―財布・・・置いてきた・・・か・・・くそっ。この格好のまま出てきたから・・・畜生、抜けてるにも程がある・・・
【はぁー、と深いため息をつき、諦めて視線を移すと、隣で女達が野菜を選んでいる】
「リンゴは買った?」
「これから。最近虫食いが多いのよねぇ・・・色も悪いわ」
「おいおい奥さん、そりゃ聞き捨てならねぇな」
「はいはい。じゃあこれとこれと・・・」
おい、それは中が―あ。
【まだボーッとしていたせいか、無意識に思った事を口に出してしまう。咄嗟に言葉を切るが、時既に遅し】
「え?何お兄さん、中がどうしたって?」
・・・中が熟れ過ぎだ。少し色が落ちてるし、軸の匂いが強い。そっちの黄色いのが食べ頃だろう
【ずいっと寄ってくる女性に、諦めたように説明すると、周囲の客がどよどよと寄ってくる】
「凄いわね。ちょっとこっちのも見繕ってよ」
「この芋、小さい方がいいかしら?」
「ちょ、おいおい勘弁してくれよ、まるで俺が騙して物売ってるみたいじゃねぇか!」
「兄ちゃん、魚のことは分かるか?」
「へー、エルフって初めて見たわぁ。あたしにも教えてよ」
「待ちなさいよ、次は私よ」
【あれよあれよという間に買い物客に囲まれてちょっとした騒ぎに―】