08/08/30 01:03:46 0
【月夜の梟亭・部屋の中】
【女性用に用意された部屋の中。小さな蝋燭に灯りを点し、テラスに向かう。
窓を開けると夜風がふわりとカーテンを揺らして、外に人影を写す】
>>192-193
ヴラウド…
【部屋の中に入ってこないのを確認して、ホッと胸をなでおろす】
ちゃんと約束を守ってくれてありがとう…
ここから先には…私、出ませんから…。
懐かしい音…昔、お父様お抱えの楽士がリュートを持っていて弾き語りをしてくれていました…
【心を鎮めて、ヴラウドの奏でる物語に聞き入る。まるで夢の中の物語。
他人事のように聞いていたが、自分の「父親」の名前が聞こえて、それれが夢ではない、事実を証明した…
リュートの弦が弾け、ヴラウドが動いたのをカーテン越しに感じる】
…私…「お父様」の…子では…ないの…そう…
…ね、ヴラウド…
私にそんなに畏まらないで…だって…私…今の私は…ただの…冒険者の一人だもの…
貴方と私は…仲間だわ…
仲間は…協力しあい、お互いを守り…守られる存在でしょ?
だから…これからも…一緒に仲間として、生きていきましょう…ね?
…私が…今回の依頼の…取り引きの一つだったことはわかりました。
私に…会いたいという人がいる、ということなのね?
【少し考えたあと、慎重に答える】
…会う…だけなら…
その方にお会いしましょう…でも…
もう…私…出奔したの…貴族でも…姫でもないわ…
もう…利用される道具では…いたくないの…
ギルドの皆さんと…こうやって冒険していて…初めて…心から笑うことを知りました…
悲しみで…泣くことも…知りました…たくさんの感情をもらいました…
この喜びを知って…昔の自分に戻りたいとは思いません
でも、ギルドの皆さんを巻き込むことはしたくないの…
会うことは…会います…でも…
その前に…
フィル…フィルに会いたい…私…フィルに…ひどいことをしました…
フィルは…どこ…?