08/08/22 06:04:17 0
《 びんちょうタンがかまどに入ると、アッと言う間に二升のお湯が沸きました。 》
一息ついて釜をのぞき込むと、びんちょうタンは塩つぼから塩を一掴みして
釜に入れ、香りが良くなるからと教えてもらったお茶の葉も一つまみ入れました。
そして五合枡一杯の枝豆を入れると、ゆっくりと竹の棒で釜をかき混ぜました。
びんちょうタンはもう一度かまどに入って、指を折りつつ数を数え始めました。
豆は200数えると、丁度良い加減に茹で上がるんだよと聞いたからです。
しばらくして数を数え終わったびんちょうタンは、また釜をのぞき込むと、
鮮やかな緑色をした豆がお湯の中で踊っていました。そしてちくタンと一緒に
竹ザルで、ほんのりとお茶の香りをただよわす枝豆をすくい上げました。
それから次は、ザルの上でほかほかと湯気をあげる豆に、団扇で風をあてて
冷ましました。流水で冷やすと、せっかくの旨味が抜けてしまうからです。
湯気が消えた所で最後に塩をふって、やっと枝豆が出来上がりました。
先ずはみんなで少しだけ味見です。ぷちっと弾けて口に飛び込む豆は良い香りが
して、噛むとホクホクする美味しいものでした。これならきっと沢山売れて、
《 おばあさんをいっぱい喜ばす事が出来るなぁ…と思ったびんちょうタンでした。 》