09/07/09 18:58:57
>>233
…!!…
ああ……御守り袋か。随分年期が入ってるね。
もしかして小さい頃から大切にしていたりするのかい。
一年経ったら護摩の炎で清浄に焚くのが習わしだが
お前さんはその御守りに愛着を持っているんでしょ。
…………それならば持っていればいい。
偽薬効果って知ってるかな。自己暗示の法則なんだけど。
とてもよく効く薬です、と、なんでもない薬を渡す。
患者はそれを「よく効く薬」だと思って飲む。そうして、すっかり快癒する。
科學的にも証明されているんだ、こういう心の作用があるってこと。
別にお前さんの持つ御守りが「偽薬」…だとは思っていないよ。
ただ、薬の中身がわからなくても──人は幸福になれるんだ。
御守りってさ、中身を見ちゃあいけないとか言うじゃない。
見たら効力を失うって言うのは、人間の立ち入る場所ではないからなのかもね。
念を込めてある呪符でも、ただびとが見ればなんてことのない落書きに見える。
それが、御守りを絶対的に信じることを妨げてしまうからなのかもしれないな。
……おっと、話が逸れましたね。失礼。
まあ、飯田さんのような例もあるし、大切にとっておくのもいいでしょう。
時が来たと思ったら、志乃田の名も無き神社に奉納するって手もあるし─……。
お前さんが、まだ手元に置いておきたいと思うのなら、持っておく。それでいいと思いますよ。
その御守りだって、お前さんと離れがたく思っているのじゃないかな。…俺にはそう見えます。