【らき☆すた】木冬かがみが大学でぼっちになっているようです 26at CCHARA【らき☆すた】木冬かがみが大学でぼっちになっているようです 26 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト350:空谷の跫音22 09/10/17 21:19:06 V3E+LmdC0 悶々としたまま一日が過ぎ、二日が過ぎた。 学生の本分は学ぶことにあると言い聞かせながらどうにか講義こそ受けるものの、 ざわめく心は本来優秀な少女から容易く集中力を奪い、自己嫌悪の種を蒔く。 コンビニで買ったパンと牛乳で空腹を満たし、午後からまた勉強。 かがみは食堂が嫌いだった。 あそこはいつも人が群れている。 大小無数のグループが我が物顔で蔓延っているのだ。 (ふん、集まらなきゃ何もできないなんて弱い人間よ) 心中でそう吐き捨て、人気のない木陰で昼食をとる。 みさおとの電話以来、彼女は日本語を発していない。 (寂しくなんかないわよ) そう思いながら、彼女はチョココロネを乱暴に齧った。 (寂しくなんか……) 手は震えていた。 風に乗ってどこかから人の話し声が聞こえる。 鳥の囀りと車の行き交う音がそれに混じる。 「駄目だ…………」 わざわざ人の姿のない場所を選んだことが裏目に出た。 牛乳を一気に飲み干してゴミ箱に叩きつけると、かがみは校舎に背を向けて歩き出した。 平常心を掻き乱された今では受講するだけ無駄だ。 明日からまた頑張ればいい。 彼女は自分にそう言い聞かせてアパートに戻った。 自分が強くありたいと思えたのは、傍につかさがいたからだった。 守りたい妹。 それが近くにいるだけで姉は強くなれた。 強くなろうとすることができた。 その反動が彼女を脆弱にさせた。 姉の庇護を受けてきた可愛い妹は、実家から料理の専門学校に通っている。 勉強嫌いの彼女にしては順調なようで、料理の腕を日々上達させているらしい。 その成長の過程は本人からのメールの他、家族からの報告で知ることができた。 「ただいま……」 誰もいない部屋に向かっての呟きほど虚しいものはない。 鞄を投げ出したかがみは洗面台で顔を洗う。 (ひどい顔……) 鏡に映る自分は一気に歳をとってしまったようだ。 大学生活で得られたものは遅鈍ながら増えていく法曹の知識だけで、 その代償として実に多くを失ってしまったのではないか。 かがみは思った。 無理をせず実家から通える大学を選んでいれば、少なくとも家にいる間は家族に囲まれて過ごせる。 四六時中、中にいても外にいても孤独感に苛まれる憂き目には遭わずに済んだハズだ。 「………………」 もはやため息すら出てこない。 少なくとも3年はこの生活が続くのだ。 まだ半分も来ていない今から挫折してどうする。 かがみはそう思うのだが、思うだけで行動には移せない。 勉強しなければ学費を出してくれた親に申し訳ない。 自分のしている事は明らかに間違っていると分かっているのだが、 逆境を撥ね退けるだけの気力は湧いてこない。 力の泉はとっくに空になっている。 インターフォンが鳴った。 安いクイズ番組で正解時に鳴らすような甲高い効果音。 低賃料のアパートはその値段に相応の入り口を提供してくれている。 どうせ何かの勧誘だろうと踏んだ彼女は聞こえないふりをした。 最近多いのだ。 毎日の健康のために牛乳をと迫る営業に、どこよりも世界情勢を縷述していると謳う新聞の勧誘。 何の宗教か、3分だけ祈らせてくれといきなり合掌する者もいる。 孤独に免疫のできていないかがみだが、こういう人間関係は望まない。 「しつこいわね」 インターフォンは鳴り止まない。 一度目と二度目の間は数秒あったが、それ以降は間隔に緩急をつけて断続的に鳴らされている。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch