09/09/12 01:39:52 8ivoFx0/O
「坂本!お主、来ておったのか!」
坂本は階段を登りきり、玄関前へと立った。
「まっこと久しぶりじゃのう、ヅラ。」
「ヅラではない、桂だ!」
間髪入れず桂がツッコむ。しかし坂本は詫びる事なく喋り続けた。
「金時に用があってな、」
「金時ではない、銀時だ!貴様、何時になれば友の名を正しく呼べるのだ。いや、もういい。お前に関しては諦めている。銀時なら留守だ。決してかくれんぼをしているわけではないぞ。」
「ほうかー。いやな、この男を医者に見せようと思うのじゃが、医者のおる場所がわからんき。」
桂は坂本が抱えている男を見た。
「その男!真撰組ではないか!」
「なんじゃ、この男の家を知っちょるのか?だったら案内してくれんかの。」
桂は眉間にシワを寄せ、胸の前で腕を組んだ。
「断る。敵方を助けるなど。」
「おんし、その横におるバケモノ、誰が贈ってやったのか忘れたわけではないぜよ。」
坂本のサングラスがキラリと光る。
「貴様!恩を着せる気か!」
「もう着ちょるき。」
アッハッハと坂本は笑った。恩を返す事は武士として絶対であると桂は常日頃考えていた。そして坂本もそれを知っていた。
「…しょうがない。不本意だが、俺が案内しよう。」
「さすがぜよ!ヅラは話がわかる男じゃ!」
「ヅラではない、桂だ!」
二人と一人と一匹(?)は階段を降り、真撰組を目指した。