09/03/04 05:59:14 nk3K0NW7O
「す、凄え!」
「これなら勝てるよ!」
「…全力できたほうが良いよォ…」
振り上げた拳を猿へ振り下ろす!
猿の体に拳がめり込む瞬間!
明らかな違和感を感じ取るウルージさん
(な?手応えが…無い?)
「おやァ?顔色が悪いねェ~」
すかさず再度殴りかかる!
が…またも手応えが無い
まるでそこに何も存在しないかのように…
「スゲエよ!さすがウルージさん!」
「一方的だぜ!強えー!」
ローやキッドは興奮気味
しかしホーキンスが口を開く
「待て…何か変だ!ウルージさんの様子がおかしい!」
何度殴りかかっても
手応えが返ってこない
ウルージさんの額に浮かぶ汗は疲労のモノではない
焦りから来るモノだった
「おっかしいねェ~」
(ゼェ…ゼェ
馬鹿な…こんな事が!?)
「気は済んだかァ~?
じゃあそろそろ反撃するとしようかねェ…」
また先ほどの閃光が辺りを眩ます
(これは…体中が光っている!?
それに攻撃が通用しない肉体
やはりこれは…自然系能力者か!)
「ぐわァっ!?」
幸い攻撃を視認する事は出来た
だが!反応が間に合わない!!
避ける事も防御する事も出来ない
猿は表情を崩さず
愉快そうな笑みと悪意を孕んだまま
攻撃の手を止めない
「そ…そんな」
「ウルージさんが!ウルージさんがッ!」
「嫌だ!ウルージさんッ!」
子供達の悲痛な声が響く
(子供達…!
済まぬ…私のせいで)
…どれほど時間が過ぎただろうか
今やウルージさんはボロボロで、立っているのも限界だった
「無様だねェ~、もう楽になるといいよォ~」
「ッ!!!」
その強烈な蹴りはウルージさんの意識を狩り取っていく