09/03/02 06:54:13 ybaKUeOlO
あるお城にそれはそれは絶世の美女と名高い女帝が住んでいました
「鏡よ鏡
世界で一番美しいのは誰じゃ?」
『それは貴方様でございます…蛇姫様』
(フフン
まあ当然じゃな)
蛇姫様の姿は
見る人見る人心を奪われる程の美しさ
時に魔法の鏡ですら見とれてしまうほどでした
それでも
返ってくる答えは判っていても
蛇姫様は日に一度は必ず鏡へ問い掛けていました
そんなある日
「鏡よ鏡
世界で一番美しいのは誰じゃ?」
(もちろんわらわに決まっておるがな)
『蛇姫様、貴方様よりもソウジョウの森に住む
ウルージさんのほうが美しい』
(な、…な、何?
今…不可解な名を耳にしたような
いや!
わらわの聞き間違いに決まっておる!)
『流石の蛇姫様もウルージさんの美しさには
足元にも及びません』
(き、聞き間違いでは無い!)
ショックのあまり
蛇姫は膝をついてしまいました
「ど、どやつじゃ!
わらわにも見せい!」
すると鏡は光り出しました
しばらくすると何かが映りました
そこに映し出されたのは羽を生やした大男です
(やけにモコモコしている上に美しくなどない!)
「これは!…お、男ではないか!?
女ならまだしも男に!?わらわがこやつよりも劣っていると申すか!!」
憤り肩を震わせる蛇姫
鏡は少しの間をおき
『…残念ながら』
と一言
(馬鹿な……
世界にわらわよりも美しい者が居るなぞ…
お、おのれ…
この男…生かしておく訳にはいかぬ!)