09/03/07 03:12:43 CRX98n0AO
>>432
何度か失敗を繰り返し、ついに筑前煮が完成した。
そらた~ん出来たよ。
「なになに~」
持っている皿をそらたんは精一杯踵を上げて覗き込む。
「わーい筑前煮だー」
そう、この笑顔が見たくて作ったのだ。
はいはい、座って食べようね~。
ちょこんと座ったそらたんは手を合わせて。
「いただきます」
いただきます。
「おいしい!」
よしよしと頭を撫でた。
嫌がられるかなと思ったけど筑前煮を
おいしそうに食べているだけだ。
昼ご飯を食べ終わった後、そらたんが腕を組んできた。
「だ~いすき」
むむっ胸が…当たってる…。まな板とはいえそらたんの胸だ。
しかも好きって…ふざけて言ったと分かっていても心臓が高鳴る。
「もしかして冗談で言ったと思ってる?わたしは本気だよ」
えっ…本気って…。
そんな簡単に本気とか言っちゃだめだよ。
「簡単じゃないよ。今までどんなにかっこいい人に迫られても、
心は揺れ動かなかった。でも、あなたを目の前にしたら
本気になれた。こんな気持ち、生まれて初めて」
……。
「わたしはあなたが好きです」
「…漏れも」
そらたんがすっと目を閉じる。
漏れは桃色の唇に吸い寄せられるように近づく…。