09/01/11 00:33:09 6FYhoPEl0
バレタイン当日。リトの家の前
「あれ?古手川、どしたんだ?」
「う…!?ゆ、結城くん…」
顔を見るなり、急にもじもじしだす唯にリトは眉を寄せる
(何だ…?オレ、またなにか怒られるコトしたのか)
(何て言えば…、どうやって渡せばいいのよ!)
昨日、部屋のベッドでずっと考えていた
何て言って、どう渡すのか。だけど、結局何も決められず――
「…えーっと、あのさ古手川。その…とりあえずウチ入れよ。外、寒いだろ」
「う…うん。じゃ、じゃあ、おじゃまします…」
美柑とララは買い物中。つまり、今、家の中は二人っきり
ソファーに座りながら、ジッと考え込む唯は、リトから見ればまるで怒っている様に見えて
(う…!やっぱり、古手川、怒ってる…)
リトは小さく溜め息を吐いた。その時
「まう?まうー♪」
「お!」
「セリーヌちゃん!?」
リビングに入って来たセリーヌに唯は声を弾ませる
セリーヌは唯の膝の上に乗ると、その喜びをいっぱい表した
「つかホント、セリーヌって古手川のこと好きだよな」
「そ、そう?」
「まう~♪」
膝の上ではしゃぐセリーヌの足が、唯のカバンを倒し、中にあったチョコの箱が外に出てしまう
「コラ!セリーヌ!暴れちゃダメだろ」
「まう…」
「い、いいのよ!別に…」
慌ててチョコをカバンに戻そうとする唯の手が止まった。ジッとチョコを見つめること数秒
「こ、コレ!結城くんにッ!!////」
「え…?オレに?」
「ぎ、義理だけどね!義理!そ、その…いつも助けてもらってるからそのお礼よ!お礼!////」
「ありが…とう…」
「だ、だからって変な意味なんかないんだからね!勘違いしちゃダメだからね!わかった!?////」
「わ、わかってるって!はは…」
苦笑いを浮かべながらチョコを受け取るリト
「なあ、コレ、今から食わないか?古手川とセリーヌと3人で」
「3人で…?」
「まう?」
「いや、古手川がイヤならいいんだけど」
唯はリトとセリーヌの顔を見ると、小さく笑った
「うん」
「まう♪」
「よし。じゃあ三等分な」
それから3人は、仲良く一つのチョコを食べた
こんなほのぼのバレタインもいいかも?