【VS】ジョジョの奇妙な東方Project 8【クロス】 at CCHARA
【VS】ジョジョの奇妙な東方Project 8【クロス】 - 暇つぶし2ch61:東方拳闘士 第六話  代理
08/10/03 20:13:20 A84wJp9M0
紫の抵抗の無いまま、フリル付いた袖を捲りあげた。
「これはッ!」
「そんな…!」
「やっぱりね…」
紫の右腕は、『境界がぼやけていた』。
手首から先はハッキリと存在するが、前腕の途中からまるで水に滲んだ水彩画の様になっており、後ろの紫の身体が薄らと見える。
「そう…最初の被害者なの」
微笑んでいる紫。
だが、この微笑みは余裕の在る笑みではない。余裕の無い苦笑いだったのだ。
「今の私は本来の三分の一の『能力』しか無いのよ…」
冷や汗を掻きながら、残った左手で長いスカートをめくる。
スカートの下に、在るべき脚は見えなかった…。

[改行]

湖を時計回りに歩き始めて30分。ずっと岩場が続いていた。
…こういう事のために日ごろからスニーカーを履いておくべきかな…?と真剣に考え始めた大柳賢。歩けど歩けど遠くに見える館の島への橋や船着場が見当たらない。
空模様も怪しくなっている。このまま雨でも降りられたら、岩が滑りそうで危険だな。浜辺にでも出ないかな。と思った所でその人物に気がついた。
湖と森に挟まれ、丁度円形に開けた場所の中心にある切り株に、少女は座っていた。
フランドールに似ている…。と言うのが賢の最初の感想だった。髪型、服装、体形、どれもソックリだ。
違うところと言えば、髪の色が青いのと服の色が赤ではなくピンクを基調としている所。さらに背中に背負ってるのがクリスマスツリーの飾りではなく、コウモリ傘………いや、コウモリの羽だという所だ。
だが、同時に些細な違いではなく決定的な違いも感じていた。
フランの様な『手榴弾を玩んでいる子供』を見ているような、いつ自分が巻き込まれるか判らないという危うさは無く、その代わり気品や王気の様な物を感じる。
切り株に脚を組んで座っているだけなのに、まるでアンティークチェアーに座った貴族が見下している様な錯覚を覚える。
とはいえ、だからと言って臆する賢ではない。
「…あんた、誰です?ここで何をしてるんだ…?」
「……あなたこそ何者?何故ここにいるの?」
少女が口を開く。
少しムッとする賢。
「疑問文に疑問文で答えちゃあいけないだぞ。……ぼくはただの小学生さ。あの屋敷に行きたいんだよ」
そう言って湖の方を親指で指す。
「………」
少女から感じる圧迫感が上がった。賢の方を険しい表情で見つめる。


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