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207 名前: フライパンだよ!全員集合! 投稿日: 2008/12/24(金) 11:15:06.08 ID:hngrydeath
私が他国へ居候をしていたとき、洗濯、掃除、会話のテンポが少し遅い弱小国家の子がいた。
でも、絵がとても上手な子だった。
支配国のオーストリアさんは、よく掃除や洗濯や水汲みなど
小さな身体にはオーバーワークと思われる、無理なことをさせていた。
汗だくになりながら、腕を震わせて、「よいしょ、よいしょ」と仕事をする姿を他の居候達は笑う。
オーストリアさんは仕事が完璧な状態になるまで、しつこく何度もやらせた。
私はオーストリアさんが好きだったけど、イタちゃんに辛く当たる姿は見ていたくなかった。
時が経ち、他の居候たちが出て行くことになり、オーストリアさんは一人ぼっちになってしまった。
このままじゃいけないと思い、一緒に暮らしているイタちゃんとお茶会を開くことにした。
どうせなら何かイベントをと思い、オーストリアさんへのお手紙を書こうということになった。
普段恐がってるイタちゃんでも、手紙ならオーストリアさんと向き合えると思ったからだ。
私は、イタちゃんの言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の国と同じように働かさせてくれて、ありがとうございました」
イタちゃんの感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。
掃除や洗濯の仕方を教えてくれたこと。
夜にはつきっきりで音楽を勉強させてくれたこと。
離れて暮らしてる兄と頻繁に会わせてくれたこと。
神聖ローマにお別れの挨拶をいえたこと。
その間誰も口を開きませんでした。
オーストリアさんが震えをこらえて、人前で涙を流すまいとしている姿が、ただそこにあるだけでした。