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533 名前: 名無しさん@そうだ京都へ行こう 投稿日: 2008/12/24(水) 08:44:34
あれは去年の12月の下旬ごろ、クリスマス間近でしたねえ。
ある大型量販店に予約したエロゲを取りに行ったんですが、
帰りにトイレに寄ったときに商品と財布の入った紙袋を個室に忘れてしまったんです。
それに気付いたのは帰りの電車を待つ雪の降るホームでした、
私は涙目で走りながらトイレに戻ったんです。
彼女はそこに居なかった…。鼻水まで出てきました。
「くそっ、まだ近くに居てください神様ッ」そう呟きつつ私は拾得物カウンターに走った。
そこには魔物が居ました。
「お客様、それで失くされた商品名は?」言えるわけ無いでしょうこのお馬鹿さん!
私の握り締めた拳は苦悩の汗で湿り始めたその時でした…。
店内のジングルベル・ソングがひときわ大きくなり若い女性の声で放送が始まった。
「XX都XX区からお越しの本田様、二階カウンターで…」
私だぁッ!私は二階カウンターへ走った。もう言わないでくださいお願いしますっ!
「成年向けソフトウェア、『お兄ちゃんもう止めて(仮)』を預かっております。至急…。」
間に合わなかった。止まった。周りの家族の談笑、恋人たちの囁き、私の心臓。
「袋の中を、そうか、見たんですね…。ははっ…。」
私は迷子の女の子みたいにしゃがみ込んでしまった。
コレがさらに状況を悪くした。周囲の視線が私に集まりだしたのだ。そして皆が囁く。
「もういいや、何だって」私は世界のすべてを敵に回して彼女を迎えにいった。
カウンターの女性たちはロボットみたいな笑顔で私のレシートと氏名を確認した。
そして彼女の入った袋を投げてよこした。
私は幾百もの冷たい視線を浴びながら彼女を熱く抱きしめて帰りました。
「お兄ちゃん、貴女に会いたいからがんばりましたよ」
帰り道、都会の汚れた雪たちが私の火照った顔をやさしく濡らしました。
533 名前: 名無しさん@そうだパリへ行こう 投稿日: 2008/12/24(水) 09:34:30
>>お兄ちゃん、貴女に会いたいからがんばりましたよ
でもお兄ちゃんもう止めてって言われちゃうんだよな