08/10/13 17:15:04 0
820 名前:素敵なご家族[sage] 投稿日:17**/02/18 23:12:35
戦争して植民地ができて、手づくりの食卓に笑顔で並んでたりして、
ときどき泣きそうなくらいの幸せを噛み締める。
「笑顔で迎えてくれる」とか、「来ただけで嬉しいと言ってくれる」とか、
あいつには、今まで自分が満たされなかったものを埋めてもらってる。
「帰ろうとすると泣きながら引き止められる」「会えないと寂しがる」
「自分が行くのを待っていてくれる」
みんな夢見るだけで一回も与えられなかったものだ。
争いや疑い憎しみのない穏やかな時間も。
なんか、ン百年過ぎた今になってようやく、切ない気分にならずにすむようになった。
最初の頃なんか会いに行くたび「なんで俺こんなことしてんだろ」とか思ったけど。
自分みたいな一人きりの惨めな暮らしとか、兄弟と仲悪くて金も食いもんもなくてひもじい思いとか
ぜったいさせたくない。俺んちな、端的に言うと兄が超DQNだった。
当時の俺んちの有様見たらおまえら戦争か災害と思うぞ、きっと。
幸か不幸か独立して生きてこれた。隣りの野郎をボコれるようになった。新大陸に植民地もできた。
だから、俺はきっと幸福の妖精っていると思う。
支配直後は出したもの黙って食べてた。しばらくして(ちょっと背が伸びた頃か)
「なあ、好きなものなんでも作るぞ、それうまいか?」って聞いたら、
あいつ「すごくおいしいよ」って答えた。
我ながらそれはないだろって思ったけど、あいつはニコッと笑って、
世界で一番のご馳走みたいに褒めてくれた。
それから俺の視線を感じるようになったのかな。大急ぎでもりもり食って、
食べ残しを口元につけたまま「また作ってね」と言うようになった。
俺って植民地だけではなく、初めて家族と弟を手に入れたんじゃないんだろうか