09/10/12 02:28:33 0
「銀様ぁ…お腹が空きました…食べ物を、ください」
裸で四つん這い。首には犬の首輪。
鎖の端が部屋の隅っこに繋がれている。
薄暗い部屋の中で銀様の赤い目が見下している。
「お腹が空いた。ですって?イヌは人の言葉は喋らないわよ」
銀様が冷たく言い放つ。
「でも、本当にお」
続く言葉は爪先で顔面をえぐられ潰される。
銀様は小さくて、とっても軽い筈なのに、突き上げるような蹴りは俺を後ろへ跳ね飛ばすのに十分な威力だった。
「もう。本当におばかさんね。イヌなんだから、『ワン』でしょ?ほら、言って御覧なさい」
銀様はとっても楽しそう。
鼻血が字の如く流れるように、ボタボタと床に落ちる。
普通なら手で鼻を押さえるとかするだろう。けれど、俺はしない。
犬だから。
「わん!わんっ…!」
口に血錆の味が広がる。
気にせず「わん!わんわん!」と吠える。
「あら、どうしたのぉ?」
ようやく銀様が応えてくれた。