10/07/24 11:19:56 QFTrunZm
【批評家・宇野評】
★★★★★☆☆☆☆☆
ほほえましい独り相撲の記録
とにかく不用意な作品で、脚本も作画もぐだぐだ。いつもの陳腐なトラウマ
描写と、結局「男の子の生きがいのため、かわいそうな女の子が都合よく必
要です」的な弱めの肉食系ナルシシズム構築に回収しちゃう絶望的な底の浅
さは擁護しようがない(笑)。ウェルメイドな空気系の時代に、手持ちの古
い武器(セカイ系センス)で戦いたかったのだろうが、結果は独り相撲の挙
げ句惨敗、むしろ敵の強大さを証明した作品だが、その稚拙な突撃はある意
味ほほえましい。
【美術家・黒瀬評】
★★★★★★★☆☆☆
麻枝&Keyの「ガチ」、セカイ系の未来
あからさまに近年のヒットアニメを彷彿とさせる設定をふんだんに導入して
いるせいで、麻枝シナリオの要である家族愛やトラウマすら、ただのガジェッ
トのように見えてくる。が、それでも物語全体に漂う「ガチ」な空気は、さ
すがKey&麻枝准というべきか。さらに、Key原作だというだけで制作のP.A.
ワークスの演出が「京アニ化」している現象は非常に興味深い。真似られる
ものは真似る。かくして、アニメは進化してゆくのだ。
【ライター・中川評】
★★★★☆☆☆☆☆☆
美少女ゲーム的モチーフの空回り
説明台詞偏重のアンバランスな演出や超展開を、美少女ノベルゲーム的な文
脈へのリテラシーで深読みできるか否かで見方は変わるが、連続アニメとし
てはやはり破綻。それを割り引いても、終わりなき学園的日常への執着と生
の一回性との葛藤を描くゲーム発のコアなオタク文芸特有の主題に、何か新
しい展開を示せたとも言い難い(例えばゆりの抵抗にはもっと別の掘り下げ
ができそうだが......)。美少女ゲーム的想像力の枠組み自体が、もはや限
界か。
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