09/01/07 17:47:38 N1seoyoQ
大河が大人になった頃、
亜美はもうこの世にいませんでした。
亜美は自分の命の終わりがすぐ傍まで来ているのを知った時、こっそり大河の前から姿を消しました。
大河の前で弱って涙もろくなった自分を見せたくなかったのです。
亜美は大河の心の中ではずっと喧嘩相手として生き続けたかったのです。
亜美がいなくなったのに気づいたとき大河は悲しみはしませんでしたが、退屈になるなと思いました。
亜美との喧嘩は最高にスリルのあるゲームでしたから。
胸の奥が不思議にチクチクはするのですが、それが何なのか、大河にはよくはわかりませんでした。
亜美の願い通り、大河の心の中で亜美はいつまでも仲の悪い喧嘩相手でした。
そんなある日大河の前に一人の女が現れました。
亜美より背が小さいけど気が強そうで、でもどこか抜けていそうで、どことなく亜美に似ている女です。
喧嘩相手の亜美がいなくなって寂しかった大河は、今度はこの女を喧嘩相手にしようと考えました。
そこで大河は、北村君が仕掛けられたねずみ取りを利用して、その女に罠をかけることにしました。
いつも亜美にしていたように。(亜美のときには竜児を)
大河は物陰に隠れて、北村君を求めてその女がねずみ取りの近くに来るのを待っていました。
そして思惑通り女が罠に向かって近づいてきます。
大河はしめしめと思いました。
いつものように、自分がねずみ取りにひっかかるふりをして、逆に女をねずみ取りにかけてやるんだ。
うふふ。
手か尻を挟んだ女の飛び上がる姿が頭に浮かび愉快です。