08/12/31 15:19:24 sKXJFgRc
(そうか、私たち負けたんだ…)
まるでゴミ屑のように身体が吹き飛ぶのを感じながら、
のぞみはようやく冷静さを取り戻しつつあった。
ホシイナーの攻撃でりんの身体が真っ二つに裂けたのを見たあとの事は、よく覚えていない。
多分がむしゃらに突っ込んでいったのだろう。かれんさんやうららの悲鳴を聞いたような気もする。
(あれは断末魔だったのかな…)
地面に叩きつけられた自分のすぐ横に何かが倒れているのが気配でわかる。
『誰か』ではなく『何か』だ。
(どうしてこんな事になっちゃったんだろう)
思えば、私たちはミルキィローズに頼りすぎていたのかも知れない。
戦闘でも、視聴率でも、玩具の売り上げでも。
そして今も、一足先に中枢部へと向かった彼女に、全ての命運を託そうとしている。
「ここで終わるわけには、いかないかな…」
声はかすれて、ほとんどが言葉にならなかった。肋骨が肺に刺さり、空気が漏れているのだ。
それでものぞみは立つ。
もしここで私が倒れたら、この場のホシイナー達は一斉にミルキィローズの後を追うだろう。
そうすれば、彼女は前後からの挟撃を受けることになる。それだけは絶対に阻止しなければ。
(次世代のフレッシュな希望のためにも…!)
ピンク色の光が、のぞみを中心に円を描くように集まる。そして…
「プリキュア・ファイナル・ダイナマイト!!!!!」
…光が弾けた。ドリームの、全ての力が解放されたのだ。全てが消し飛ぶほどの力が。
爆煙の向こうに、誰かの右手が舞っている。…ああ、あれはこまちさんだ。
(みんなの身体、バラバラにしちゃったね…でも、私たちの心はいつまでも一緒だから…!)
のぞみの意識は、そこで、途切れた。