10/06/29 20:10:53 I0rhs+h00
そんな……そんなに投下ラッシュあると。自分もバトルシーン書きたくなるよ!
「屑が……たった一人で、僕と星光に勝つ? 若いね、若すぎる」
「オリジナル……あなたは、強い。しかし、戦略眼が……視野が、致命的に狭すぎる」
「……ッ!」
新型マテリアル発見の報を聞き、いち早く現場に急行したなのは。
そこにいたのは、星光の殲滅者と新型……ユーノにそっくりの、マテリアル。
そして、二人によって撃破された巡回中だったと思しき武装局員。
彼らの肉体は、ほぼ全員、それと知らなければ分からないほどに原型を留めていなかった。
「ああ……また、新しいガラクタが来たね。もっとも、今回のは……少し手直しすれば、使えそうなものだけど」
ユーノのマテリアル、翠壁の守護者の言葉は、彼の姿がユーノに似ているからこそなのはの神経を逆なでした。
端的に言えば、彼女は、汚されたように感じたのだ。
ユーノ・スクライアという少年が、目の前の存在によって。
「その姿で……」
「?」
「その姿で、その声で、その瞳で……!」
ゆえに。
高町なのはは、二人のコンビネーションで完膚無きまでに叩きのめされた今となっても、戦闘を続行する。
「私の前に……、私の耳に……、私のことを……、立つな! 汚すな! 見るなぁああああああああああああああ!」
「……フン、星光?」
「心得ました」
渾身の力を込めた、突撃。通常戦力ならば塵も残さず消し飛ばし、今現在相対する敵ですら弾き飛ばすことが可能な“ハズ”のチャージ。
だが、それは、目前の敵に至極あっさりと受け止められる。
同格二人を相手に劣勢を強いられたなのはは、今、疲弊しきっていた。
対してマテリアルの二人は、守護者の的確な指示および補助魔法で疲労を最小限に抑えているため、さほど消耗していない。
「ッ、私は! 私は、あなたとは理解しあえると!」
「それは、貴方の幻想です。所詮我々は敵同士……意思の疎通は、あり得ません」
「分かりあえなくても! あなたが、こんなこと……!」
「しないとでも? ……そうですね、確かに、こういうのは私の趣味ではない」
「じゃあ!」
なぜ、と、なのはは問う。
その疑問の答えを半ば理解しながら、しかし、大声で。
その返答は、別の方向から聞こえてきた。
「ああ、これは僕の発案だよ。君たちの歩哨を、わざわざ生かしておく理由なんて皆無だからね。殺した方が、あとくされが無い」
「あ─あなたは、あなたはぁあああああああああああああああ!」
「……やれやれ、本当に……愚かだね、君は」
我武者羅になって振り上げたデバイスは、しかし、星光によって難無く受け止められ。
その隙に、守護者が作り出したバインドによって、なのはの体は縫いとめられる。
「し、しま……!」
「油断大敵、ですよ?」
「─へ? っあ……」
気づけば、目前には星光のデバイスと、その先端に収束する魔力光。
回避、防御、カウンター……全ての選択肢をふさがれたなのはには、もはや、甘んじてその砲撃を受ける他になすすべはなかった。