10/06/28 23:38:12 LbahFytR0
「なら…」
ユーノは静かに言葉を発する。
「?」
ガシッ!
貫通してきた、槍の刃を両手でつかむ。
手に食い込み、血が流れるが知ったことではない。
伏せた顔から、闘志を込めた瞳で男を見やる。
「これなら、避けられませんよね?」
ゼストは目を見開く。
「お前!」
「デトネイション!!!!」
プロテクションが強烈に輝き、そして爆散する。
「ぐぅっ!」
ゼストは少し後退しつつも、思わぬダメージに苦悶の声を上げる。
だが、流石は歴戦の騎士か。即座に立て直し爆発した場所に目を向ける。
その爆心地に、少年は立っていた。
BJも破損し、体中から血を流しながら、顔に酷い火傷を負いながらも、
両目をしっかり開き、こちらを見据えて少年は立っていた。
まるで、倒れることの知らない狂戦士のように。
そして、ゼストは当初感じていた疑問の答えを見つけた。
(あぁ… なるほど。確かにこいつは歪んでなんていない…)
ゼストの目に陰が落ちる。
(こいつは… こいつは、まっすぐ過ぎるだけだ……)
ゼストは、無言で槍を下した。