10/06/11 23:33:06 eER2j+6Y0
私は泣きました。
しかし、私の涙は憂には届きませんでした。
幸せな日常が、崩れていきます。
あんなに優しくて、大事な妹だった憂が、今では・・・。
両手の自由を奪われた今、私は憂の成すがままでした。
・・・。
そしてふと気が付けば。
窓から、明るい陽の光が差していました。
もう、朝のようです。
「お姉ちゃん・・・私、幸せ・・・」
憂はとても幸せそうでした。
一方、私はもう涙も枯れ、ぼーっと天井を眺めていました。
「お姉ちゃん、これからもずっと私と一緒に暮らそうね」
「・・・。」
「あ、家から一歩も出なくていいよ。退学届けも私が出しておくから」
「・・・。」
「軽音部のことも大丈夫。私がお姉ちゃんの代わりに入部するから」
「・・・。」
「だから、何も心配しないで。お姉ちゃんは私のことだけ見てくれてればいいから・・・」
憂が、私の頬にキスをします。
憂は笑っていました。
一晩で、私から何もかも奪った憂。
鳥の鳴き声が、聞こえます。
「あ、お腹空いたよね。今朝ごはん作るよ」
憂は、私を一人残して1階へ降りていきます。
この日より、私は憂の恋人としての人生を歩むことになります。
おわり