10/03/24 23:52:42 x/fow+y20
>>629,632
こうですか。わかりません。
夢。
周りの背景は、よく感じ取れない。わかるのは自分の少しの感覚だけ。
そう、ここは夢の中。上条は夢を見ていた。
(…ん?)
意識は、はっきりとしない。ただ何故か違和感を感じた。
時間がゆっくりと経つ。意識は以前とはっきりしなかったが、その違和感はどんどんと形となっていった。
そして、上条は気づく。気づいて、疑問に思う。
(なんでだろう。なんでこうなっているんだろう)
今のこの状況を。
「……当麻ぁ」
この美琴を抱きしめている状況を。
(……なんで、御坂がここにいる?)
上条は良くは分からなかった。しかし今上条が美琴を抱いていた。
頭が追いつかないが、自然と言葉が出てくる。
「……なんだ、…美琴」
「…あのね、…」
腕の中にいる美琴の声はすごく甘い。
「……当麻」
「………」
「好き」
ガバァ!!と、上条は勢い良く跳ね起きた。
そしてバスタブの壁に、これまた勢い良くぶつかった。
上条はズキズキ痛む頭を抱える。
「……いてぇ。ふ、不幸だ」
上条が閉じていた瞼を開けると、今日拾ってきた枕がそこにはあった。
上条は知らない。その枕が色んな奇跡を経て、上条の下へ来たのを。