10/05/18 02:44:08 +srz18AQO
私を見つめる唯ちゃんの表情に、私は釘付けになる。
たまに、こんな顔をするのよね。すごく大人っぽくて、それでいて子供のようにかわいい、不思議な魅力を漂わせる表情。
ライブの時に見せたり、お茶をしてるふとした瞬間に見せたり…不意にこんな雰囲気になるから、唯ちゃんは唯ちゃんなんだ。
こうなるとさっきとは一転、唯ちゃんが私をかわいがってくれる。そして私は…照れてしまう。
「ムギちゃんの唇って、すごく柔らかいね」
唯ちゃんは指先で私の唇を撫でながら、私と頬と頬を合わせた。
すると重なった部分が熱を帯びたかのように熱くなって、くすぐったくなる。
「そ…そう、かしら」
「うん、ぷにぷにしてるよ」
「…唯ちゃんのほっぺもぷにぷによ?」
「じゃあ…唇はどうかな」
唯ちゃんは私にキスをした。今度は唇と唇を重ねる、大人のキス。
お互い少しぎこちないけど、とても気持ちのいい、幸せな口づけだ。
「…やわらかかった?」
「うん…でも、もう一回して?」
「もう、ムギちゃんはよくばりさんだね。まぁしょうがないか」
「うん…しょうがないの」
「「好きなんだもん」」
おわり