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「瀬能ナツル。私と付き合いなさい。付き合って、愛しなさい。私ならどんなことをし
てもあなたを満足させるし、連れて歩くだけで自慢できるようになる。最高の彼女にな
るわ。絶対に後悔させない」
「そうよ」
「全部ナツルのため。私はこんなに、一人の人間のために自分を捧げようなんて、考え
たこともなかった。ずっとないと思ってた。でも今は違うの。あなたのものになりたい
し、あなたを私のものにしたい」
「アニメショップで、あなたや美嶋さんと会ったあと、私がどんな気分だったかわかる?」
「悔しかったのよ」
「悔しくて、眠れなかった。こんなこと生れてはじめてよ。なんで私が美嶋さんに負け
るんだろうねってね。小さい頃からみんなが私を天才少女だってはやし立て、高校に入
ってもおだてる。自覚もするわ。でもその天才少女とやらが、眼鏡の図書委員にあっさ
りと負けたのよ。なんで?私のどこが美嶋さんに劣っているの?」
「どこが違うのよ」
「じゃあ、これは?」
「どうだった?」
「美嶋さんとも近堂さんともキスしてるわよね。どこが違う?私のほうが下手?」
「不満?」
「どういうのがいいの。キスだけじゃ嫌?ここでセックスしたい?」
「構わないわよ。屋上の続きといきましょうか」
「床に私の血が残るかもしれないけど、愛嬌ね」
「なんで止めたの。私の身体に興味がないの」
「じゃあ遠慮なく見なさい」
「学校じゃなかったら、あなたは見てくれるの?」
「ナツル、私は本気なの。本気であなたのことが好き。あなたのためならどんなことだ
ってする。何をされたって構わない。わかる?あなたは私を、三郷雫をこんな気持ちに
させたのよ」
「……また楓のことを考えていた?」
「あんなことがあっても、あなたの中ではまだ楓が一番なの?」
「じゃあ私は何番目になるのかしら」
「もしかしたら最下位?」
「……紅音とはあんな仲良くなって」
「水琴には告白されて、でも私とは何も進展なし……ね」
「私は告白したわ」
「でも返事はない」
「どうして?」
「なに?」
「あら」
「すればいいじゃない」
「引き延ばすのね」
「……分かったわ」
「ねえナツル、こういうときの女って、何を考えると思う?」
「大抵は諦めてしまうの。イエスだったらすぐに返事してくれるはずだってね。でも私
は違う」
「あなたが私を愛さなくても私はあなたを愛するし、ずっと続けるわ。ナツルはいずれ
私のものになるのよ」
「そうに決まっているの」
「楓のことが終わったら、嫌でも私のものになってもらうわよ」
「もちろん」