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「さてナツル。ここからが本番よ」
「あなたの胸の内を知りたかったのよ」
「ここならだれにも邪魔されないし、恥ずかしがることもないわ。秘密は守られるわよ」
「私は言い触らしたって構わないけど、ナツルは嫌でしょう」
「そうよ。校内のチェックはおまけみたいなもの」
「さあ訊くわね。そこは私の席だけど、感想は？」
「他には？」
「近堂さんや美嶋さんと比べても？」
「……それは、私たち三人が横一線って意味でいいかしら」
「でも美嶋さんのことは好みのタイプなのよね」
「近堂さんは幼なじみ」
「私はなんなのかしら」
「それは、あなたにとってどういう意味を持つの？」
「好みのタイプと幼なじみ。どっちもナツルにちゃんと関わっている。でも生徒会長という立場は？あなたにどれだけの影響があるの？」
「立場に意味はないわけね」
「私はね、ナツルの人気が欲しいの」
「嫌よ」
「あなたも好きになって」
「簡単なことじゃない」
「どうすれば私のことが好きになる？」
「美嶋さんや近堂さんとの差は、どこにあるの？」
「教えて」
「逃がさないわよ」
「どこに？」
「つけてないわよ。私を好きんなればいいだけ」
「字句どおりよ」
「ナツル、分からないふりはやめなさい」
「じゃあ理解するまで、何度でも言ってあげるわね」
「私の恋人になって」
「告白してるの。わかる？」
「付き合って。これから、ずっと」
「……何か別のことを考えてるのね」
「告白がそんなにショックだったの。……違うわね」
「当ててみましょうか」
「近堂さんね。あの娘に告白された。そうでしょう？美嶋さんではない。今の美嶋さん
ならそんなに焦る必要はないから」
「否定したって無駄よ」
「先を越されたのなら、私ももっと告白しないと。いいかしら、たくさん言ってあげる
わ。三郷雫は瀬能ナツルのことが好き。好き、好き、好き、好き、好き」
「好きなタイプがいて、それがナツルだったわけじゃないの」
「好きになった男が好みのタイプなの。それがあなた」
「……ねえナツル、私はね、あなたにバージンだろうとなんだろうと、あげるつもりで
いるの」
「私はみんなから美人でスタイルがいいって言われている。ええ、そうよ。自分でも美
しさは自覚してるし、身体だって凄いわよ。裸を見たことあるでしょう。そこらの女に
は絶対に負けない。これを自由にしたいと思わないの？それに私はバージンで、誰の手
もついていないわ。はじめての男になれるのよ」
「私は本気よ」