10/02/02 11:45:04 NZIbTIUG0
もはや咲は自分を必要としていない、京太郎はそう考えると少し悲しくなった。
でも、いいさ…あいつが幸せならそれで良いんだ。今の俺には…咲の頑張っている姿を見届けるしか出来ないんだから。京太郎は深くため息をつきながらゆっくり写真を撫でた。
ズキンッ…
「か、はぁ!」
写真が京太郎の手から落ちる。京太郎は胸をおさえながらその場でうずくまった。
「また……かよ!くそっ……」
心臓が裂けるほどの強い激痛が胸を襲う、それに対し京太郎はギリリッと歯を食いしばりながら懸命に耐えている。
(一体…どうなってんだよ…この痛みは…!)
実は京太郎を襲う胸の激痛は一度や二度の事ではない。
初めて京太郎が胸の痛みに襲われたのは咲が麻雀部に入部する事を決意した時だった。
京太郎が家に帰る途中、急に胸のちょっとした痛みが走った。京太郎は不審に思ったが、まぁ…少し疲れているんだろうなと考えただけで特に気にはしなかった。
そんな彼の軽い性格が後々に自分を苦しめる事になろうとは―。
その日を境に胸の痛みが京太郎を襲う様になった。