09/12/12 03:03:09 gGo2a/5L
「京ちゃん待って!!」
「ああ、咲か…。どうかしたのか?」
「あのさ…どうして最近いつも帰るの早いのっ?」
「それは…用事とか色々とあって忙しいんだよ。前にも言ったろ?」
「………その用事ってなに?」
「ええ?ほら、家のこととか、親戚で集まったりとか……とにかく色々だよ」
私から目を逸らしてあたふたしながら答える京ちゃんの顔を見て、ますます怪しく感じる。
「ねえ、本当に家の用事なの…?そんなに毎日毎日忙しいものなのっ?」
「それは……」
はっきりしない態度に少し苛立つ。私に言えないようなことって一体なんなの?やっぱり…
「もしかして、私が知らない誰か他の人と会ったりしてるんじゃ…」
ついに言ってしまった。疑うのは良くないと思いつつも、聞かずにはいられなかった。
「なっ……!?そんなことする訳ないだろ!おまえ、俺のことを信じてないのかよ!?」
「ひゃっ…」
京ちゃんに怒鳴られてしまった。こんな顔を見るのは初めてだ。
びっくりしたのと同時に今まで募りに募り続けていたものが一気にあふれ出す。
「うぅっ…ひどいよ京ちゃん……うっ…信じてないわけないじゃん…でも何も教えてくれなかったら
私だって…私だって、不安にもなるよぉ……っ!!うっ……ひっく…ううっう…」
「ああ…悪い…。泣くなって……」
「きょうちゃんなんて…大っきらい!!」
頭を撫でようとした手をパシッと払いのけ、私は泣きながら走った。
ただひたすら走り続けた。その間も涙が溢れて止まらない。もうどうすれば良いのか分からないよ…。
以上