「泉こなたを自殺させる方法」を考える33at ANICHARA2
「泉こなたを自殺させる方法」を考える33 - 暇つぶし2ch238:グレゴリー5
09/12/21 21:38:16 I/GboDCh
「こなた...おねえちゃん。あれ?こなたおねえちゃん...なんで」
ゆうちゃんの言葉に私は涙を流した。とめどなく流れて頬を伝う。
「ごめんね、ゆうちゃん。私があんなことをしなければ、私が世界を変える気にならなければ」
「こなたおねえちゃん、どうしてここに?」
ゆうちゃんの質問にどう答えたらいいのだろう?私自身、分からない。
「私にも分からないんだ。私は5年前からダッチワイフだった。でも、ついさっき、思い出したんだよ。
 私の名前は泉こなた。ゆうちゃんの従姉妹だよ」
私はゆうちゃんの身体を離した。その顔は不思議そうに私を見ていた。
そして、彼女の顔に刻まれた恐怖と疲労と絶望....なんていたたまれない!
私はゆうちゃんをしっかりと見つめて決意する。
「ゆうちゃん。あなただけは私が守る。絶対に!だから私についてきて」
まずはここを脱出して助けを求めに行こう。私はダッチワイフの記憶をたどっていく。数日前の軍事ニュースを思い出し
私は行く先を決めた。洗った囚人服を急速乾燥機で乾かすと、ゆうちゃんに服を着るようにうながす。
私は小屋を出て関門ゲートのほうに向かう。ゲートの警備兵たちは私達の姿に気がついた。
彼等はビシッと姿勢を正すと、指揮官である軍曹が前に進みでてくる。私はちらりと周りを見渡した。
開いたゲートの下を、灰色の囚人たちが延々と列を成している。ゲートの脇は土嚢が積み上げられた機関銃陣地と
高い物見やぐらがある。別に見慣れた風景だ。警備兵たちも顔なじみだし。
軍曹は私の前に進み出てくると、大業なしぐさで敬礼を決めた。
「ご苦労であります、大尉どの!後ろの囚人は一体?」
私の後ろのゆうちゃんは顔をうつむかせ、その身体は小さく震えていた。
私は手を後ろに組み慄然と軍曹に命令を下した。
「軍曹、車を一台用意しなさい。私は今から、この囚人を連れて行く。グレゴリー中佐の命令で、
この囚人は特別人体実験のドナーとして、研究所本部に連行されることになった」
軍曹は答えた。
「了解しました!運転手と護衛兵つきのジープをすぐに用意させます」
「いや、運転手と護衛兵はいらない。私が自らこの囚人を連れて行く」
「しかし、こなた大尉!囚人の護送は護衛兵と合わせて最低2人で行う規則です...」
とまどう軍曹に私はあくまで冷静に返した。人類統治機構軍大尉らしく、冷たい機械的な目で
彼を見つめ、淡々と話すことを心がける。
「その規則は私のような特別任務に就任しているダッチワイフには適応されない。
 心配しなくとも、この囚人は脱走する危険はないのだ。
 グレゴリー中佐がそうさせた。運転手と護衛兵なしのジープを一台手配したまえ」
私の説明に軍曹は従った。彼等にとって私とグレゴリーは特別なのだ。「グレゴリーの小屋」は
この施設の司令官の権限すら及ばない、独立した部署なのである。
私達が何を行っていようと、彼等は追求するつもりはないのだろう。
車が来る間、私は目の前の警備兵達を見つめた。ふと、彼等の1人と目が合った。彼はにやりと愛想笑いを浮かべた。
彼らの被っている鉄兜は、頭頂に男性のペニスをかたどった飾りが突き出ている。
一台のジープがやってきた。運転手は降り、私はゆうちゃんを後ろに座らせ、運転席に乗る。
去り際に、軍曹に言っておく。
「グレゴリー中佐は、これからしばらくお取り込みになる。数週間ほど建物に篭りっきりになるかもしれない。
 邪魔はしてくれないように。私も、研究所に用があるのでしばらくは帰ってこないだろう。
 それでは、しっかりとな」
「了解しました、大尉どの!」
軍曹は大声で答えると、その他大勢の警備兵とともに、カチリと軍靴を合わせ敬礼した。

239:グレゴリー6
09/12/21 21:42:22 I/GboDCh
グレゴリーが小屋の中に篭るのは珍しいことではない。剥いだ皮をなめしてチョッキを作ったり、頭骨を細工して
グラスを作ったりと、凝ることはいくらでもあるのだ。
だが、今回の小屋篭りは長くなるだろう。いつまで隠せるか?私に与えられた時間はどのくらいあるのだろうか。
私は少なくとも一週間でこなすつもりだった。
関門ゲートを出て私はジープを走らせた。
広大なトラック発着場を横目に見つつ、そこのトラックに寿司詰めにされた囚人が降ろされ、行進の列に加えられるために
追い立てられる横を通り過ぎ、私はこの巨大な施設の出入りゲートに到着した。
頻繁な出入りがあるトラック用ゲートではなく、施設職員用の一般ゲートに入る。
そこの警備兵と、先ほどの関門ゲートと同じようなやり取りをした後、私は身分証を提示し、書類にサインした。
....そして私とゆうちゃんはこの呪われた港からの脱出を果たしたのだ.........
ひっきりなしにトラックが列を成している国道をしばらく走り、交差点でわき道に入った。
そのまま無言で20分ほど走ると、周りの風景はすっかりのどかな田舎に変わっていった。
ジープを道脇に止めると、後ろの席のゆうちゃんを隣に座らせた。
私は、人類統治機構軍大尉、ダッチワイフこなたの仮面を脱ぎ去り、泉こなたとなった。
隣に座ったゆうちゃんは未だ、緊張で身体をこわばらせている。
「ねえ、5年前に私が爆発事故で死んだ後、私のお父さんはどうなったの?」
ゆうちゃんの緊張をほぐすために私は身内の話題をする。それに一番知りたいことでもあったからだ。
ゆうちゃんはまるで堰が切れたかのようにしゃべりだした。
「こなたお姉ちゃんたちがダッチワイフ工場で爆死したっていうニュース、最初の頃は詳細が隠されていたの。
 でも、世界はすぐにあの工場が作ったダッチワイフに席巻されて...
そして、今の議長、つまり、ダッチワイフ会社の社長が世界にすべてを明かしてから世の中はおかしくなった。
 こなたお姉ちゃんのお父さん、そうじろうおじさんはね、こなたお姉ちゃんが亡くなった後、すっかりふさぎこむように
 なったんだ。でも、私が高校1年になって稜桜学園に通うことになって、私はこなたお姉ちゃんとそうじろうおじさんの家に
 居候させてもらうことになったの。私はなんとかおじさんを励まそうと思ったんだけど。
 人類統治機構が設立されて、私たちの生活は常に闇に脅かされてた。
私が高校3年生になったとき...女性をすべて隔離するという法律が世界で施行された日、家に帰ったらそうじろうおじさんは
 書斎で首を吊ってた。
 そのすぐ後に、機構軍が家に乗り込んできて、私はゲットーに入ったんだ」
私は静かにうなずいた。お父さんは自殺した。私はその頃、グレゴリーとともに残虐行為にふけっていた。
「ゆうちゃん。私は絶対にあなたを守るからね。なんで私に泉こなたとしての記憶がよみがえったのか
 まだ分からないけど、とにかくゆうちゃんだけは安全なところに連れて行く。
 そして、私に出来る限りのことはさせてもらう」
私はゆうちゃんをしっかり見つめた。どんよりと絶望に沈んでいた目にだんだんと輝きが戻ってくるのが分かった。
私の目の前で、ゆうちゃんは20歳前後のまばゆいばかりの若い生命力に満ち溢れた女性へと変わっていった。
その後、私はジープを走らせながら、私が泉こなただった頃の話を、時々家に押しかけるゆい姉さんや
世話焼きだったかがみ、おっとりしたつかさ、優等生だったみゆきさん、メイド喫茶でバイトしたり
コミケに行ったりしたあの正常な日々のことを、まるで独り言のようにしゃべっていた。
ゆうちゃんの話では、ゆい姉さんは秘密結社”女性”の主要構成員であることを疑われ、真っ先に逮捕の
危険性があったのだが、身の危険を感じてどこかへ逃亡、今は行方不明らしい。
「これが夢だったらいいのに...」
ふと、ゆうちゃんが漏らした。
「これが全部夢で、目が覚めたらベッドにいて、正常な世界に戻っていたらいいのに」

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私達は田舎を抜け、数時間後、にぎやかな街を通っていた。脱出してきた地獄のような港の風景と違い、そこはきらびやかな光に満ち溢れていた。
クリスマスに備えて、街の街路樹にはイルミネーションが準備されている。そして、街中を歩く
カップルたち。その数は異様だった。
ふと私は気がついた。さきほど、正常な世界に戻れたらいいと私達は言っていた。
だが男たちにとって、まさに今、この世界こそが正常なのではないか?

240:グレゴリー7
09/12/21 21:44:04 I/GboDCh
私は歩道のカップルたちを見回した。秘密結社”女性”が支配していた頃は
絶対に存在しなかったであろう、オタクやナード、ブサメンの負け組み男たちが
その隣に女神のように美しいダッチワイフを連れて寄り添うように歩くカップルの大群。
彼等にとって、それは永遠に実現しない夢のはずだった。
だが、人類統治機構は、男たちを”女性”から解放し、ただひたすら自分を愛するダッチワイフを与えた。
負け組み男にとって、グレゴリーにとって、今のこの世界こそが 正常な世界 であるのだ。
考え事をしている私に隣のゆうちゃんが話しかけてきた。
「ねえ、こなたお姉ちゃん。もうすぐ、糟日部町じゃない?」
まっすぐな国道を通っていた私の目の前に、糟日部町を示す標識が現れる。
ここは私達が暮らした場所の近く。もうすぐ私が住んでいた家だ。
「ゆうちゃん、一目だけ見ておきたいんだ。昔の私の家をね」
私の言葉にゆうちゃんはこくりとうなずいた。見覚えのある路地に入っていく。高校時代は毎日駅まで通学してた道だ。
家の近くでジープを止めて私とゆうちゃんは徒歩で歩いていった。
道をすれ違う男たちは、人類統治機構軍の大尉の制服を着た私を見ると、目を伏せてそそくさと急ぎ足になっていく。
後ろをとことことついていく、囚人服を着たゆうちゃんの姿をチラチラと見る者もいた。
私のひと睨みでそういう者は逃げるように去っていったけどね。泣く子も黙る人類統治機構軍!
対照的に、ダッチワイフ達は私の姿を見ると、礼儀正しく一礼してくれた。
ついに目の前に私が過ごした家が見えてきた。私は目を細めて想い出に浸る。
だが、家の前のゴミ捨て場に捨ててあったものを見て私は息を呑んだ。
ゴミ捨て場には全身を刃物で切り刻まれたたものと、全身を焼かれて黒こげになったものの
2体の女性が捨てられていた。.....肉便器.....
そう、未だにダッチワイフを手に入れていない男達に与えられる囚人たち、つまり肉便器たちの成れの果てだった。
黒こげになった肉便器はすでに息絶えているようだが、全身を切り刻まれた肉便器はまだ息があるようだった。
乳房を切り取られ、全身をナイフで切り刻まれたその肉便器の秘部には酒瓶が突っ込んであった。
全世界がダッチワイフ生産にすべてを注いでいる現在、ダッチワイフは基本的に無料で供与される。
一体を供与された男がもう一体を所望する場合、乗用車の新車一台分程度の金額でもう一体を買うことができる。
だが、やはりすべての男性にダッチワイフが行き渡るにはまだまだ生産が追いつかず、どうしてもダッチワイフを
未だに持てない男が出てくる。
そういう者のために、一時的な対処として囚人が肉便器として与えられるのだが、周りのダッチワイフと比べてあまりにも
劣る生身の人間に屈折した憎悪をぶつけるのが通常だった。
肉便器の寿命はせいぜい数日と言われている。
ゆうちゃんは自分がこうなっていたかもしれないという事実を改めて突きつけられ、ショックのあまり私にしがみついてきた。
私はゆうちゃんの身体を抱き寄せすぐにその場を立ち去ろうとした。家の玄関の表札も他人の名前だったし、もう、この場所から
離れたほうがいいだろう。
と、丁度、ゴミ収集車がやってきた。
巨大な金属製のスクリューが回るその収集車は、ゴミ捨て場の前に止まった。
無表情な作業員が捨ててあった肉便器をもちあげ、スクリューの中に放り込む。
黒こげになった肉便器は無言でスクリューに飲み込まれ、粉砕されバキバキという音をたて、その細切れになった肉片は
スクリューにこびりついたものをのぞいてすべて、奥のタンクに吸い込まれていった。

241:グレゴリー8
09/12/21 21:46:26 I/GboDCh
続いて作業員は、まだ息がある切り刻まれた肉便器を持ち上げる。ゼイゼイと苦しげに乳房を切り取られた胸を上下させるその肉便器は
もはや意思表示さえ出来ずに、手足をばたつかせるといった抵抗さえ出来ずにスクリューに飲み込まれていった。
無慈悲な金属の刃は無力な人体を押しつぶし引き裂いていく。
真っ先に頭部が潰され即死したことは幸運だっただろう。
血で濡れた頭髪とピンク色の脳と白い石灰質のような骨が赤い液体と混ざり細分化されていく。
やがて、スクリューの動きとともに、同じく細分化された胴体の赤肉とゼラチン状の皮下脂肪、色とりどりの臓器
と一緒に上に持ち上げられ、一部はスクリューに引っかかりそのまま周り続けたものの、大部分は重力に逆らえずに
ボトボトと落ちていった。切り離された手足は割りと原型を保ったまま、スクリューが回るタンクの淵に追い込まれて
そのうち、一本の腕がごみ収集車の端っこのふちから突き出てそのままになってしまった。
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私はゆうちゃんの手をひっぱると足早に車まで戻り、アクセルを思い切り踏み込むと、道路に砂煙を立ち上げたジープは
高鳴るエンジン音とともに私の昔の家を後にした。
前の車をパッシングし、道を譲らせ、必要以上にアクセルを踏み込み、私は乱暴な運転を続けた。
しばらくたって落ち着いた私は、ゆうちゃんにダッシュボードの物入れを開けるように促す。
小物入れの中には警備兵が用意した缶コーヒーと携帯食が入っていた。
それらをゆうちゃんに譲り、私はハンドルを握る手を鷲宮神社のほうに向かわせた。
まっすぐな通りに古い商店街があり、その突き当たりに見覚えのある鳥居があった。
神社の脇に雑木林があり、道路に面している場所が空き地になっていたので私はそこに車を止めた。
ゆうちゃんに車で待っているように言うと、私は1人で歩き始めた。
昔の思い出が蘇ってくる。鷲宮町にあるこの神社はかがみとつかさの家だった。
あの時、ダッチワイフ工場で私はかがみとつかさ、母親のみきを巻き添えにして自爆した。
秘密結社”女性”の支部長という主要人物であったみきと違って、かがみとつかさは
まだ結社の存在を知ったばかりだった....
....もしも私があの頃に、秘密結社”女性”の存在を受け入れていたら?
黒井先生が言った言葉が思い出せる。
「なんで結社の一員ではいかんのや?これほど楽な人生はないで」
もしも私が皆とダッチワイフ工場の爆破を成功させていれば、かがみとつかさとみゆきさんは
死なずに済み、世界は何一つ変わることなく続いていただろう、男達を犠牲にし続けながら。
........
「おやおや、人類統治機構軍の大尉さんじゃないか。もしかして泣いているのかな?」
ふと聞こえてきたやわらかな低い声に私は顔を上げた。
目の前に居たのは、宮司服を着たおじさんだった。
そのおじさんはふと見た私の顔に驚きの表情を浮かべた。
「あ、あれ、君はもしかして,,泉さんのこなたちゃんでは?」
わたしはいつの間にか目に浮かんでいた涙をふいて、こくりとうなずいた。
「そ、そうか。こなたちゃんのお父さんはお亡くなりになったはずだから、泉さんのご親族のどなたかが
 あなたをオーダーメイドしたんだね。そのお方は人類統治機構の高官なのかい?君も大尉みたいだし」

242:グレゴリー9
09/12/21 21:49:25 I/GboDCh
「まあ、そんなところです宮司殿。ここへはとある任務に向かう途中で息抜きに立ち寄りました」
私は彼に合わせて適当に答えた。
突然、彼の後ろから透き通った声が聞こえてきた。
「おとうさーん、お掃除終わりました。アレ?お客様ですか」
巫女服を着た二人のダッチワイフが走りよってきた。私はその二人を見てショックを受けた。
かがみとつかさだった。
見慣れた水色の柔らかな髪の巫女服の二人。ツインテールのかがみとカチャーシャのつかさ。
ダッチワイフである彼女たちの美しさに私は見とれていた。
人間らしい造形の欠点をすべて洗い流した人工的な美がそこにあった。
「あら、人類統治機構軍の大尉さんじゃありませんか。いつも私達の平和を守ってくださって感謝いたしますわ」
慈愛の目で私を見つめながらお礼を言ってくるかがみは、もはや昔の面影はない。
「かがみお姉さん、私達はお邪魔だと思うわ。大尉さんはおとうさんとお話していらっしゃったわけだし。
 いきましょう」
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つかさは私ににこりと微笑むと、かがみを連れてそそくさと行ってしまった。
ただおは照れたように笑った。
「私のダッチワイフ達だよ。4体そろえるのにいくらかかったかなあ~、でも私はおかげで毎日が天国みたいだ。
 そうだ、大尉殿!もしもよろしければ、私達とお茶でも飲みませんか?」
ただおの誘いを受け入れた私は、神社内の客間に通された。
どしりと座ったただおの周りを、4体のダッチワイフが寄り添うように取り囲んでいる。
かがみ、つかさ、いのり、まつり。私はこの4人を知っている。ただおの娘たちだ。
お茶とお茶菓子を出された私は、黙ってただおの話を聞いていた。
「いやあ、本当にすばらしい世の中になったもんですよ。神様が私達の願いをかなえてくれたみたいだ。
 今ではこの通り、愛するダッチワイフ達に囲まれて暮らしてますわい 
 夜に4人の相手をするのは少々しんどいですがのぉ~がはははは!!!
 でも、何一つ不満も言わない。人類統治機構が悪魔を連れ去り、おかげで本来の姿である娘たちを
 私は手に入れました!人類統治機構の方々には感謝の言葉もありませんわい」
饒舌になったただおは私に向かってふかぶかと頭を下げる。
私は黙って立ち上がった。
「そういえば、お渡ししたいものがあるので取ってきます。お口に合うかどうかはわかりませんが
ちょっとした珍味ですよ」
私は作り笑いを浮かべた。
「おお、恐縮ですな。お気遣い感謝しますわい」
大喜びするただおに笑顔を向けたまま、私は部屋を後にした。
車のところまで戻った私は、後部座席にあるトランクケースを開けると、中から一丁のサブマシンガンを取り出した。
サブマシンガンのチャンバーに弾丸を装填し、予備弾倉を2つベルトに挟む。
ゆうちゃんが恐怖のまなざしで見ているのもかまわず、両手でサブマシンガンを構えながら私は神社に戻っていった。
客室のふすまを開けると、上機嫌のただおに4体のダッチワイフ達が寄りかかるようにくっついていた。
ダッチワイフ達はうっとりとしたような妖艶な表情でただおの周りを囲っている。
私がよく知っているかがみとつかさの面影は全く無い、見たこともない表情だ。
サブマシンガンを両手でしっかり構え、寄り添う5体に照準を定める。
ただおが私のほうに目を向けたそのとき、私はサブマシンガンをぶっ放した。
ズダダダダダダダダ!!!!
9ミリルガー弾が毎分1200発という高速で発射される。
5体の標的からはまるで赤い花のような血しぶきが空を舞う。

243:グレゴリー10
09/12/21 22:01:12 I/GboDCh
25発入りの弾倉はすぐに空になった。私はすかさず、ベルトに挟んだ予備弾倉をセットして
再びフルオートで弾丸を浴びせた。
それも撃ちつくすと、5体の肉体は流れ出す血の海に漬かり、ピクピクと痙攣していた。
全部で50発撃ちつくしても、1人あたり10発、全部が命中するわけではないので
1人だとせいぜい数発程度しか食らっていないだろう。
ダッチワイフの耐久力からしてこの程度では絶命するまい。私はもう一本の予備弾倉をセットし、レバーを
セミオートに合わせた。
血塗られた畳を這うようにしてこの場を逃れようとしているつかさの頭に2発ぶち込む。
片目に被弾して震える手で目を押さえようとしていたかがみの頭にまた2発ぶち込んだ。
いのりとまつりの頭にも同じように2発づつ。最後に、すでに絶命しているであろうただおのほうに向かう。
レバーを再びフルオートにセットすると、残弾をすべて浴びせてやった。
ただおの頭部はめちゃくちゃに吹き飛んでしまった。
「こなたおねえちゃん!なんで、なんでこんなことを..」
振り向くと、ゆうちゃんが立っていた。
「なんで、こんなことを...」
私を映すゆうちゃんの目に恐怖が宿っていた。
ゆうちゃんは2,3歩後ずさると、私に背を向けて駆け出した。
客室から出た私は、ヨロヨロとゆうちゃんを追いかける。
片手にサブマシンガンをぶらさげ、私は緩慢な動作で歩き出した。
ゆうちゃんはみるみる遠ざかっていった。
フラフラと車まで戻った私は手に持ったサブマシンガンを後部座席に放り込んだ。
ゆうちゃんはどこに行ったんだろう。奥の雑木林に匂いが続いている。私はゆうちゃんを追った。
しばらく雑木林の中を行くと、1人の男がゆうちゃんを追い詰めていた。
キモオタメガネの小太りの男だった。
私はそっと男の背後に回りこんだ。
「へへへ、こんなところで肉便器が何をしてるんだい?なんか逃げてきてたみたいだけど
 脱走でもしようと思ったのかい?」
男はじわじわとゆうちゃんに迫っていった。
震える小鹿のようなゆうちゃんに男は興奮気味にまくしたてる。
「ひひひ、怖いかい?これからお前を犯してからはらわたを引きずり出して、ゴミ捨て場に捨ててやろうか?」
私はキモオタメガネ男の首を後ろからつかむと、力いっぱい、地面に叩き伏せた。
「な、なんだああ!!!なにを」
無様に地面にひれ伏した男の叫びは、私の蹴りの一撃で霧散した。
私は男の頭をブーツで踏みつけた。
男は顔を血まみれにしながらも、目で私を見上げ、その制服に畏怖した。
私は男の顔を踏みつけながら周りを見渡した。周りは生い茂った雑木林だ。誰も見てない。
「あ。あのう...人類統治機構軍の方....許してください...」
私は男の言葉を無視し、身体を屈めると、ブーツの中に仕込んでいたナイフを取り出した。
目の端に、へたへたと座り込んでいるゆうちゃんを捉えながら、私はナイフを男の首に当てた。
「ひゃっひゃあ」
首筋に当てられた刃物にビクリと男が反応する。私は男の頭を踏みつけながらおもむろに
首にナイフを突き刺した。
「ごぶぉ、ごぶぉ...」
ナイフの刃をノコギリのように上下させながら男の首を切り裂いていくと、男の気管は空気と血の
入れ混じったような不気味な悲鳴をあげた。
鮮血が勢いよく吹きだし地面を濡らす。
いけない...知らないうちに口からはよだれが垂れてきそうだった。
ナイフは順調に首を切り裂いていき、そのうち骨にあたった。私は早まる動悸を感じながら
じれったい思いで、ナイフの上下を早くする。
やった!男の首は完全に胴体から離れた。私は立ち上がると、ホルスターから9ミリ拳銃を抜き出した。
へたりこんでいるゆうちゃんを一瞥してにらみつけると、拳銃を頭部に向けて一発撃った。
男の側頭部に9ミリの小さな穴が空いた。今度は、その穴からすこしずらしてもう一発撃った。
9ミリの二つの穴は、うまい具合いにつながって、丁度いい飲み口が出来た。


244:グレゴリー11
09/12/21 22:10:43 I/GboDCh
私は無我夢中だった。手に持つナイフと拳銃を放り投げると、地面にはいつくばり
男の頭部を拾って、弾跡から中の脳を飲み干す。
銃弾によって中をかき回された頭部の穴からはドロリとした脳と血と髄液のミックスが
私の喉を潤す。
もう何も考えられなかった。私は本能の赴くまま、腹を満たした。
おそらく今の私の姿は人外魔境だろう。構うものか!私は食べ終えた男の頭部をボトリと
地面に落とすと、身体中に力をみなぎらせ、まるで獣のような咆哮を発した。

「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

天空を揺るがすような地面を震わせるような咆哮だった。
自分の肉体からこれほどのものがみなぎるのは信じられない。
ゆうちゃんが私に拳銃を向けていた。
私が投げ捨てた拳銃だ。いつの間にか拾ってたんだ。
私は肩を落としてゼイゼイと荒い息を吐きながらゆうちゃんのほうに向き直った。
震える手で頼りなげに私に向けられた銃口をにらむ。
「ゆうちゃん、銃を降ろしなさい。私を殺したらあなたも終わりよ」
私は冷静に告げる。だが、ゆうちゃんは私に銃を向けたまま動かなかった。
「こなたおねえちゃん。こんな世界に生きてて未来と希望があるの?なんの喜びがあって
 生き続けなければいけないの?.....もうたくさんだよ。
 おねえちゃんは私の知らない人になってしまった。なんてひどいことを...なんで殺すの?」
....この世界には価値がない.....
私が秘密結社”女性”の存在を知らされ、そして男性を犠牲にして生きることを強要されたとき
私はそう感じた。
でも、私はそれに抗った。
「ゆうちゃん。私はかつてゆうちゃんと同じことを感じた。この世界に生きる価値はないってね。
 私はダッチワイフ工場爆破計画を阻止するために、友達を巻き込んで自爆したんだよ。
 せめて世界に可能性を残してから死のうってね。
 そしたら実際に世界は変わってた。
 私はやり遂げたんだよ。だから、今回もできる...もう一回、私は世界を変える」
しかし、ゆうちゃんはブンブンと頭を振った。
「私はこなたおねえちゃんとは違うよ。おねえちゃんみたいに強くはないんだ。
 ごめんね。私はいつも誰かに助けられてた。病弱だった昔は家族に、学校ではみなみちゃんに
 会って、最期の瞬間まで守ってもらえた。
 今もおねえちゃんが私を助けてくれてる。でも、もう嫌なんだ。もうたくさんなんだ!」
ゆうちゃんは私に向けた銃口を自分の胸元に向け始めた。自分の胸にピタリと銃口を当てて...
私にかすかに微笑みかける。
「さようなら、こなたおねえちゃん」
私は地面を蹴ってすさまじい勢いでゆうちゃんに向かった。目にも止まらぬ速さだろう。
ズバン!!!
銃声が響くのと、私がゆうちゃんの手から拳銃を蹴り上げたのは同時だった。
そのまま勢いとともにゆうちゃんを押し倒す。
私はゆうちゃんの体をまさぐって銃傷がないか確認する。どうやら怪我はないみたいだ。
私は立ち上がると、ゆうちゃんの頬を思いっきり叩いた。ゆうちゃんは悲鳴とともに後ろざまに倒れた。
そして、私はへなへなと地面に座り込んでしまった。そして、まるで子供のように泣きじゃくった。
大粒の涙と鼻水が顔をベタベタに濡らす。構うものか。
長い間、私は泣きじゃくった。そしてやっと言葉を発することができた。


245:グレゴリー12
09/12/21 22:13:42 I/GboDCh
「ゆうちゃんは私の妹じゃん。姉が妹を守るのは当たり前だよ。
...この世界は作り物じゃない。全部、本物なんだよ。ゆうちゃんも私も本物なんだ。
どんなにひどい世界だろうと、それが本物なら向かいあわなきゃ...
そして、それを変える努力をしなきゃだめだよ...
だから死なないでよ...うわああん」
地面に手をついて頭をうなだれながら泣いていると、ふと、温かい体温を感じた。
ゆうちゃんが私を抱きしめていたのだ。
「ごめんね、こなたおねえちゃん。私を助けてくれたのに..私はもう、あきらめないよ。
 だから泣かないで..こんなにひどい世界でも、おねえちゃんが居てくれれば、もう、大丈夫だから」
私達はしっかりと抱き合った。こうして私達は本当に和解した。
頭の中にあのメッセージが浮かんでくる。
「何かを手に入れるものがいたら、必ず何かを失うものがいる」
何かを失うものは私だけでいい...ゆうちゃんだけは...絶対に。

私達のジープは高速道路に乗って北上していった。
首都圏を離れた奥地に向かっていく。隣に座るゆうちゃんは、人類統治機構軍の軍服を着ている。
私が持ってきた予備の制服だ。ズボンではなくタイトスカートのほうのやつだ。
これを着たゆうちゃんはまるで優秀な事務員のように見える。
私達は堂々とインターの店で買い物をしたりした。女二人とはいえ軍人二人だ。
他の客達は皆、私達を避けるようにそそくさと去っていった。
買ってきた新聞を見ると、抵抗運動をしている地下組織が活発に活動している地域はもうすぐだった。
その地域はまだ完全に人類統治機構軍の支配下にはなく、いわゆる最前線だ。
高速道路上の電光掲示板に警告の文字が出ていた。
...これより先、軍関係者以外の立ち入りを禁ず....
やがて、検問が見えてきた。もはや高速を走る車は、私達のジープをはじめとした軍用車両だけだ。
私が提示した身分証で検問はすんなりと通ることができた。
これから先の高速道路は破壊されていて通行不能だったので、私は下道に降りた。
高速から降り立った街はどんよりと死んだように陰気な場所だった。
道を通る車は軍用車ばかりで、所々に人類統治機構軍の兵士たちが見える。
時間は早朝のはずなのだが空は灰色だ。しばらくジープを走らせていると、破壊された建物が目立つようになった。
遠くに見えるビルからは煙が立ち上っていた。道路の散乱物がそろそろひどくなってきた頃、
目の前に人類統治機構軍の小隊が現れた。
兵士の1人が道路の真ん中に立ちふさがり、私はジープを止めた。
周囲をすばやく観察する。装甲兵員輸送車一台、25ミリ機関砲を搭載している。その隣には後部座席にブローニングM2重機関銃
が据え置かれたジープが止まっている。
車両の周囲に兵士たちが固まっている。背の高い少尉が1人、おそらく小隊指揮官だろう。
少尉が私達のほうにやってきた。ジープの前に立ち止まると、敬礼した。
私は返礼をする。チラリと横目でゆうちゃんを見ると、私の行動をなんとか真似ていた。
「大尉どの。ここから先は危険です。敵の残存兵力がまだ完全に鎮圧されていませんので!
 おっと、保安部の方でしたか。もしかして、捕虜を引き取りにこられたのですか?」
私達の制服はネクタイを締めた内務系のものだ。
実際には人類統治機構軍=統合保安部治安局=極東第12課という長ったらしい部署の所属である。
捕虜や囚人の尋問は我々、統合保安部の仕事ということになっている。
私がレジスタンスの捕虜に接触するのになんら不思議はないということだ。
少尉もそう思ったんだろう。自分から捕虜のことに触れてきた。

246:グレゴリー13
09/12/21 22:17:16 I/GboDCh
URLリンク(iup.2ch-library.com)
「すぐに捕虜をここに連れてほしい」
私がそう言うと、少尉はすぐに捕虜たちを連れてきてくれた。
少尉が率いる小隊が確保した捕虜は2名だった。1人の中年男とまだ若い女性。
そう、人間の女性だ。
うなだれて顔をあげようとしない捕虜を私とゆうちゃんと少尉は並んでみていた。
ふと、少尉がそわそわと私に目を向けているのを感じた。
「なにか用かね?少尉」
わたしは冷静を装って少尉に聞いてみた。
背が高く、精悍な顔つきの若い少尉は、私の言葉にピクリと反応して、おずおずと話しかけてきた。
「あ、あの...失礼ですが大尉どの。あなたは泉氏のご近親でございますか?」
少尉から出た以外な言葉に私はしばしとまどったが、「ああ、そうだ」と答えておいた。
少尉の顔に唐突に笑顔が浮かんだ。
「私の名は、白石みのると申します。学生時代に泉こなたさんという方と同級生でして...
どこかでお見かけしたことがあると思っておりました」
私はびっくりして、少尉を見上げた。彼は白石みのるだった。
驚きを表情に表してはいけない。ダッチワイフである私と彼とは初対面のはずだから。
「いやあ、泉こなたさんといえば結社から議長と博士を救いだした英雄ですよ!
 泉氏のご近親として面影を有していらっしゃるあなたとお会いできて光栄です」
白石みのるは私の顔をまじまじと見つめながらうれしそうにしゃべっている。
私自身、意外な知り合いと再会できて話を聞きたくなった。
「白石少尉、楽にしろ。少し話を聞かせてもらおうじゃないか」
「は、ありがとうございます!大尉」
白石と私はしばらくの間、立ち話をすることになった。
私達3人は、部下たちが用意してくれた即席の椅子に座り、同じく部下たちが炒れてくれた
「とっておきのブレンド」と言っていた金属製のカップに入ったコーヒーを手に
白石みのるの話を聞いていた。
しゃべり方は昔と変わっていないものの、外見は驚くほどに良くなっていた。
どうやら、高校を卒業して、スクールカーストの最下層から解放された
白石は、羽化したかのように生き生きと精進したらしい。
「いやあ、ジョックスやクイーンビー、取り巻きのサイドキックス、さらにその取り巻きのワナビーども
 は私の高校生活を暗黒時代にしてくれましたよ。
 私はスクールカーストから解放されることだけを夢見て、卒業の日だけを楽しみに学生生活を送ってました。
 でも、あきらかに私と同じナードの一員であったはずの泉こなたさんは違いました。
アニメやゲームをこよなく愛する帰宅部というナードのど真ん中、スポーツ部のジョックスやチアリーダーの
 クイーンビー、その家来どもから確実に狙い撃ちにされるような典型的なナードでありながらも
 泉こなたさんは驚くべき人だったのです。
一日中、寝転がってネトゲをしていてなんの鍛錬もしていなかったくせに、
 スポーツ万能でジョックスの付け入る隙がなかった。
さらに、本来はクイーンビーの器だと私が思っていた高良みゆきや、優等生、つまりプレップス、つまり、
 スクールカーストでは中の上くらいの階級の柊かがみや、ナードよりは階級が上のスラッカー、ええっと
 つまり、抜け作、馬鹿であった柊つかさを仲間に取り入れていた。
これは驚くべきことなんですよ?スクールカースト最下位のナードが、自分よりも上位カーストの友人を
 得るというのはありえないことなんですから!
 私は泉こなたさんのことを心で「武装オタク」と呼んでいました。
 今までにないタイプの完全武装をしたナードってことです。
泉こなたさんの武装ぶりは、修学旅行時に証明されましたね。修学旅行のバスの座席がなんと、上位カースト専用席といわれる
 一番後ろの座席だったんですからね!
 泉こなたさんがクラスを牛耳った瞬間でしたよアレは。ほんとうに」

247:グレゴリー14
09/12/21 22:22:53 I/GboDCh
「セバ...」
「え?大尉どの」
私はつい出かかった言葉をあわてて飲み込んだ。
「いや、なんでもない。続けたまえ」
白石みのるは在りし日の私のことを延々と話す。自分が他人からこう思われていたなんて..
なんだか気持ちがそわそわしてくる。
私は隣の若くてハンサムな少尉をしげしげと見つめた。
今の彼の姿を見ると、顔がほころびそうになる。今のこの世界は彼のために存在するといってもいい。
女性たちから虐げられていたかつての記憶が、彼をせきたて、人類統治機構軍の一員として
今は復讐を果たしている。
彼を心から祝福したい思いで胸が一杯になってきた。
ふと、積み上げられた武器が目に入った。
「少尉、あの武器はゲリラどもから押収したものかね?」
私が指差す方向に、白石は顔を向けた。
「ええ、そうですよ。カール.グスタフ対戦車ロケットにベルギー製5.56ミリ軽機関銃。
 おそらく旧自衛隊の倉庫から手に入れたものでしょう」
私はそれらの武器をこちらに持ってくるように命じた。
私達3人の斜め後ろには、縛られた捕虜二人と、それを見張る兵士が1人。
前には装甲兵員輸送車とブローニング機関銃のジープ、その周辺にのこりの兵士たちがいる。
やれるかもしれない。ここで最前線を突破するのが一番いい選択だろう。
カール.グスタフ2本とミニミ機関銃を目の前に置き、私はそれを調べるふりをした。
何気に、安全装置を外し、ミニミに200発弾倉をセットして弾薬ベルトを薬室にセットし遊底を引いた。
白石は私の行動を不思議そうに見ている。
私は横のゆうちゃんに目配せをした。
ゆうちゃんに向かってウインクをする。ゆうちゃんは何かを感じ取ったみたいだ。あわてたように何度も私に小さく
うなずいてきた。
私はカール.グスタフをいきなり取り上げると、肩に構えて目の前の装甲兵員輸送車に発射した。
ロケットが兵員輸送車に命中するよりも早く、私は空のカール.グスタフを投げ捨て、
次のカール.グスタフをジープに向けて撃った。
立て続けに爆発音が起きるのと、私がミニミを取り、腰だめに構えるのは同時だった。
カール.グスタフ発射時の無反動砲特有の白煙が私の後ろから漂ってくる。
私は最初に斜め後ろの、捕虜2人を見張る兵士をなぎ倒した。
そして目の前の白石にミニミ軽機関銃を向けた。5.56ミリの斉射をまともに浴びた白石みのるは
血の煙を全身から吐き出し後ろに吹き飛ぶ。私は横に体を一回転させて転がると
、そのまま、のこりの兵士達に向けてミニミを撃ちまくった。
タタタタタタタタタタタタッ と軽快な音と軽い振動を全身に感じながら私はひたすら撃ちまくった。
全員を殺した。私はミニミの引き金からようやく指を離した。
私の隣では、ゆうちゃんが恐ろしいことを行っていた。
ゆうちゃんは倒れている白石の体にまたがり、大きな石ころを両手にもって白石の頭を殴打していたのだ。
まるで野獣のようだと私は思った。
すでに銃撃で絶命している白石の頭をひたすら殴り続けるゆうちゃん。
白石みのるの頭はすでに砕け散って、脳と目玉が地面に広がっていた。
私はミニミを持ったまま固まっていた。ゆうちゃんから目が離せない。
やがてゆうちゃんはようやく殴打をやめると、飛び散る白石のドロリとした脳組織の残骸を手でつかんだ。
そして、それをむさぼるように食いはじめたのだった。
まるで飢えた獣のように、白石の脳をかき集め、手でつかみ、口に持っていく。
私が知っていたか弱いゆうちゃんの姿はそこにはなかった。
私は顔を背けると、捕虜のほうに向かい、縄を解いてやる。彼等を自分のジープの後部座席に乗せた。
後ろを振り向いたとき、目の前にゆうちゃんがいた。
私は飛び上がるほどの恐怖を覚えた。ゴクリと唾を飲み込んでゆうちゃんと向かい合う。
口の周りを血で真っ赤に染めたゆうちゃんの目はまるで燃えるように輝いていた。
「おねえちゃん、やったよ!私は憎い敵に仕返してあげちゃった!自分がこれほど人類統治機構の男たちを
 憎んでいたなんてね、驚いちゃった。ふふふ...」
ゆうちゃんはにっこりと笑った。まるで屈託のない子供のように純粋で晴れやかな笑顔だった。
私はゆうちゃんを助手席に乗せると、ジープを最前線に向けて走らせた。

248:グレゴリー15
09/12/21 22:25:31 I/GboDCh
レジスタンスの捕虜を手に入れるという目的が果たせた。
人類統治機構軍統合保安部のこなた大尉が捕虜を連れ去ったという
ことを知っている人間は皆殺しにした。
とりあえず、私の計画は順調に進みはじめたみたいだ。
私達はジープを捨て、捕虜たちの案内によって秘密の地下トンネルを歩いていた。
私とゆうちゃんは丸腰で、いまや捕虜たちが銃を持っている。
立場を入れ替えたのだ。
やがて、レジスタンスの部隊が私達を出迎えた。私とゆうちゃんは両手を高くあげ
降伏の意を示す。レジスタンスの1人が私の後ろに回りこみ、そして首筋に電撃のようなショックを感じた。
私の目の前は真っ暗になった。
こうして、私はレジスタンスにとらわれた人類統治機構軍の捕虜として彼等の手に渡ったのだった。
.......
私は夢を見た。
夢の中で私は横たわっていた。おぼろげな視界の中に白衣を着た男のシルエットが映し出される。
白衣の男は誰かと話しをしているみたいだ。
やがて、あのメッセージを男が発した。
「何かを得るものがいるなら、必ず何かを失うものがいる」
.....
目を覚ますと、私は縛られて椅子に座らされていた。
目の前にレジスタンスのメンバーが数人、椅子に座って私と対座している。
小さな部屋みたいだ。入り口付近の壁際に、1人の女性が腕をくんでもたれかかっていた。
予想していた通りだ。その女性に見覚えがあった。
ゆうちゃんと同じくらいに外見はほとんど変化していない。
小早川ゆい。
ゆうちゃんの姉で私の年上の従姉妹。
私は重たい頭を上げてあいさつをした。
「やあ、ゆいねえさん。5年ぶり」
レジスタンスのメンバーがいっせいにゆいねえさんのほうを向く。
ゆいねえさんは片手を小さく振った。
「久しぶりね。こなたちゃん。ずいぶん変わってしまったわね、あなたも」
反対向きの椅子に座り、背もたれに腕を組んで足を広げて
座っているジョックス風イケメンの男が私をにらみつけている。
いかにもスポーツをしている風な引き締まった肉体と、日に焼けた肌、髪は
長髪を後ろで結んでいる。
学生時代はサッカー部、今はウィンドサーフィンといったところか?
そのジョックス風イケメンの隣に、いかにもな身なりをしたホスト風イケメンが
ポーズを決めるかのように足を組んで手をアゴの下にあてて私を見つめていた。
イタリア製らしき、大きくはだけたカジュアルジャケットのしたに、襟がツンツンした
色彩の入れ混じった派手なシャツが見える。
ホスト風の男の中には時々、どう見てもお前は金太郎にしか見えんだろ!という勘違いイケメンが
いるものだが、私の目の前のホスト風イケメンは掛け値なしの美形だった。
奥のほうには目立たないものの、メガネを掛けた知的なまなざしを私に向ける、インテリ風イケメン。
そして、中年のきつそうな女性が1人。
ゆい姉さんを含めて、この5人が私の尋問にあたるみたいだ。
これら、レジスタンスに加わっている男性は、秘密結社”女性”が支配していた頃であっても
彼女たちから優遇を受けていた者達だ。
男性の全人口の数パーセント程度の数であっても、全世界で見ると膨大な人数に及ぶ。
さらに、世界人口の半分を占めている女性たちの残党と手を組んだ、彼等レジスタンスは
かなり強大な抵抗勢力だった。

249:グレゴリー16
09/12/21 22:27:24 I/GboDCh
最初に口を開いたのはジョックス風イケメンだった。
ぶっきらぼうな威圧的な口調で私に問いただす。
「あんたのことは、ユイの妹やあんたが救い出したメンバーたちから聞いている。
 なぜ、自分の属する人類統治機構軍に牙をむいてまで俺達レジスタンスのところに
 投降してきたのか理由を話してもらうぞ」
私は洗いざらいしゃべった。
かつて普通の女子高生だったこと。秘密結社”女性”の存在を高校の授業で初めて知ったこと。
人類の歴史を変えるであろうダッチワイフ工場を守るために自爆したこと。
ダッチワイフとして再生され、グレゴリーとともに残虐行為にふけっていたこと。
ゆうちゃんに出会って記憶を取り戻したこと...
グレゴリーの存在はレジスタンスのメンバーたちにとっても驚きだったらしい。
ジョックス風イケメンは怒りに拳を握り締めていた。
「なんて屑野朗だそいつは!もしも奴が高校時代に同じ学校にいたら
 俺は奴を毎日、足蹴りにして唾を吐きかけてやったものを!」
ジョックス風イケメンは部活とデートに忙しく、ナードたちを迫害していた
昔の栄光の時代をよく回想したがる。
インテリ風イケメンがメガネをきらりと輝かせ、グレゴリーを分析しだす。
「おそらくグレゴリーは、幼少時は明るくおもしろい子供として、女の子たちとも
 普通に話をしていたんじゃないかな?でも、成長していくに従って
 女の子たちは暗くても寡黙でも、イケメンでスポーツ万能な男をチヤホヤするようになった。
 さらに、グレゴリーの元々、片鱗をあらわしていたその醜い風貌は、その醜悪さを
 際立たせるようになってきた。
 彼は現実から目を背けるがごとく、アニメやゲームなどの2次元の世界にはまりこんでいった。
 スクールカーストが先鋭化する高校時代には彼はもはや最下層のナードとして
 積極的に迫害される存在となったと思うよ。
 やがて、彼の中に、女性にたいする憎悪が蓄積されていったんだね。
 グレゴリーは常々、こう思っていたと思うよ。「俺も、ジョックスのように
 女性にチヤホヤされて熱い視線を浴びたり、ちょっとした会話から恋に発展したり、
 気の強いツンデレタイプや、おとなしい無口タイプ、幼馴染タイプ、妹系、カワイイ系
 などの女性達の間で気持ちが揺れ動くような青春時代を送れるべきだ」とね。
学校卒業とともに、スクールカーストからの解放を味わったナードは、往々にして
 新しい自分を演出しようとする。いわゆる卒業デビューというやつだ。
 例えば、ちょっと俺は悪でっせ!みたいな雰囲気をかもし出したり、もしくは
 クールで無口な近寄りがたいオーラを漂わせた孤高の男になりたがったり。
 だが、それはあくまで、かつてナードとして迫害されていた暗黒の高校時代を
 他人から触れられたくはないがゆえに、あえてそういう話題を振られるのを避ける
 ための行動としか僕は思えない。
 だが、スクールカーストから解放されたはずの彼等のようなかつてのナードは
 社会や大学でも相変らずのさばっているジョックスに愕然とする。
 いかに、かつてのナードがジョックス風に振舞ったとしても、本物のジョックスとは
 蓄積された経験も自信も違う。
 つまり、彼等の卒業デビューはすぐに挫折することがほとんどだ。
学生時代は迫害され、卒業デビューも失敗したグレゴリーの中に溜め込まれた鬱憤は
 今や丁度いい条件で爆発する機会を得たのさ。
 人類統治機構の中にはグレゴリーが大勢いることだろう。
だからこそ僕たちは戦わなければいけない!今、行われていることは人類の歴史で最大の
 恥だよ」
...あんたたちイケメンにとってはそうだろうよ...と私は思った。
不思議なことに、グレゴリーをけなされたことに対して私は憤りを感じていた。
なんでだろう?自分でもよくわからない。
私のまなざしを受けたジョックス風イケメンは、睨み返してきた。
「さてと、まだあんたの目的を聞いてないぜ。一体、なんの目的があってここに来た?」
取引開始だ。
「私は小早川ゆたかの保護と、私に対する協力を得るためにここに来た」
レジスタンスの視線が一斉に私に注がれる。

250:グレゴリー17
09/12/21 22:30:24 I/GboDCh
「私とあなたたちレジスタンスにとってお互いに利する目的だろう。私の目的は、ダッチワイフ生産総合本部
 の破壊。知ってのとおり、あそこの警備は人類統治機構軍が最大限の力を注いだ鉄壁の防備だ。
 レジスタンスでは手も足も出ないだろう。だが、私なら出入りできる筈」
私の言葉に、部屋の中は静まり返った。
ホスト風イケメンが「フュー」と感嘆の息を漏らしたが、誰も反応しなかった。
しばらくの沈黙の後、ようやくインテリ風イケメンが語りだす。
「ダッチワイフ生産総合本部....一つの都市ほどの規模を持つ、ダッチワイフの研究開発と生産設備の総本山、
 まさに、人類統治機構の心臓部か。そこに進入するのは我々レジスタンスの多数の犠牲をもってしても
 不可能だった。さらに中枢部に入ることができるのは、人類統治機構の中でも限られた人間だけだ。 
 君にそれが出来ると言うのかい?」
わたしはうなずいた。
 「私とグレゴリー、そして人類統治機構のトップの2人の関係はさきほど話したとおり。
 個人的なつながりから私は彼等に接触できる。それに、おそらく、私は特別なダッチワイフだ。 
 泉こなたとしての記憶を有しているのだから...だから、博士は私に会ってくれるだろう」
さっきから壁際で腕を組んでじっと話を聞いていたゆいねえさんが前に出てきた。
 「こなたちゃん、あなたが気絶している間、私達は医務室であなたの体を調べ上げたわ。
  勝手にそんなことしてごめんなさいね。でも、もしもあなたの体にGPS追跡装置や盗聴装置やらが
  仕掛けられていたら私達の身も危なくなるの。
  結果、そういう類のものはなかったけれども、あなたの身体について驚くべきことが分かったの。
  あなたは世界中のどのモデルのダッチワイフとも、そして人間の女性とも違ってた。
  つまり、あなたは世界でたった一つの存在。
結論から言えば、あなたは非常に人間に近い部分から作られてる。
  私達の予想では、あなたは人間の発展型のようなものだと思うわ。
  ダッチワイフ達が人造人間であるなら、あなたは改造人間のようなものだと
  医者が言っていた。おそらく、あなたは博士が作った、結う一の試作品の完成型なのでは
  ないかとね」
私はうなずいた。なんとなく予想はしていたからだ。 
 「こなたちゃん、あなたがダッチワイフ生産総合本部に侵入できるってのは私も信じるわ。
  でも、そこを破壊するなんて強行、あなたは無事に帰ってくるつもりはないとしか
  思えない。そうなの?」
レジスタンス一同の視線が再び、私に集まる。私は答えた。
「私には時間がない。グレゴリー殺害や白石小隊を全滅させたこと、その他の殺害行為がいつ発覚して
 私が指名手配されるようになるのか..だから、あなた達レジスタンスも早く決断してほしい。
 レジスタンスに加わってあなたがたと戦いを共にするという選択よりも、今の私に出来る最大のこと
 なのだから」

251:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/21 22:45:36 0/IfQlST
解除支援

252:グレゴリー18
09/12/21 22:55:11 8Zn5x8Ds
ジョックス風イケメンが私に神妙な視線を浴びせながら問うてきた。
「なあ、あんたは女子高生だったときに、”女性”から男性を解放したくて自爆したんだろ?
 おかげで世界はあんたが望んだ風になったはずだ。
 でも、なぜ、また世界を変えようとするんだ?
 あんたが救いたいと思った男性の大部分はあんたの願いどおり救われたはず。
 かつてのあんたが命を投げ出してまで守った、ダッチワイフ生産の心臓部を
 あんたが破壊するというその理由はなんなんだ?」
 私は答えた。
「私が望んだのは、男性の解放というのは間違いはない。男性が搾取され続ける存在から
 歴史上初めて逃れたとき、世界は一つになり、人類はそのパワーを飛躍的なまでに発展的に
 使えることは、人類統治機構が証明した。
 だが、その発展はあまりにもスピードが速すぎた。
 そのスピードのせいで、失うもののの犠牲があまりにも大きすぎる。
 
 歴史の流れは変えることはできない。秘密結社”女性”の存在はなかったことにはできないし、
 人類統治機構で示した、世界人類の一致団結は、このまま進んでいくのは止められないんだ。

 おそらく、ダッチワイフ生産総合本部では、ダッチワイフの妊娠技術が完成を見る頃だろう。
 もしも、ダッチワイフ達が妊娠機能を獲得したらどうなる?
 女性は完全に消滅するしかなくなる。
 だから、今、それを止めないと。
 人類統治機構に大打撃を与え、あなたたちレジスタンスの勢いを拡大させるチャンスは今しかないだろう。
私は善良な女性達にチャンスを残したい。
ゆうちゃんやゆいねえさん、私が自爆で巻き込んだ友人達の分も、そして私が知っている数多くの善良な女性達に
 チャンスを」
「わかった。とりあえず、今から上層部で話し合いをもつことにしよう。あんたは限られた場所内ではあるが
 比較的自由に過ごせるようにしよう。今からしばし休養を取って、身内と再会を喜びあうといい」
ジョックス風イケメンはそういうと、インテリ風イケメンとホスト風イケメンと中年女性を伴って
部屋を出て行った。
去り際に中年女性が私を、能面のような面でキッとにらみつけていった。
おそらく秘密結社”女性”の主要構成員の生き残りであろう、その中年女性の、私に向ける憎悪は
想像はできる。
ゆいねえさんだけが残った。そして、レジスタンスのメンバーたちと入れ替わりに
ゆうちゃんが部屋に入ってきて、私のところに急いで駆けて行った。
手に着替えと軽食を持っている。ゆうちゃんはそれらを一旦、空いてる椅子の上に置くと、
私に抱きついてきた。
「こなたおねえちゃん!」
私はゆうちゃんの抱擁を受け止めた。抱き合う私達二人を、さらにゆい姉さんの抱擁が包む。
こうして私達は5年ぶりの再会を、お互いがこの5年間の地獄の底からの奇跡の再会を
噛み締めた。


253:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/21 22:56:49 fRFj0N5j
おおうえぇ~ !!!

くそっ・・・ ! 折角の クリスマスケーキ がゲロまみれだ !!

やい、 グレゴリー ! 御主があまりにも グロテスク な物書くから
吐いてしまったではないか !! ドイツ連邦陸軍 か ドイツ第9国境警備隊 ( GSG9 )
の制式採用銃火器を登場させてくれがな。


面白かったが、 自分を殺してどうする ! 読者の側からすればなかなか笑えるが・・・。

254:グレゴリー
09/12/21 22:57:36 8Zn5x8Ds
とりあえず、ここまで。
肝心なことを言い忘れていたが、この作品は、まとめサイトにある

「女たちの陰謀」

の続編です。では、またお楽しみに

255:グレゴリー
09/12/22 18:15:27 7zCe1ZuK
ども、グロ絵に挑戦してみたのですが、やっぱり皮下脂肪という概念を手に入れた
私の絵は進歩していると自分でも思う。
ちょっと昔、間違って自分の身体の一部を切り裂いてしまったことがあったんですが
そのときに私は自分の内部を見て発見したのです。皮下脂肪というすばらしき
エッセンスを!クリスマスケーキよりもローストチキンよりも
食欲をそそるね♪

256:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/22 21:58:55 25+0/k66
ぐえええぇぇ゛~ !!!

くそっ !! この カニバリズム狂 め !!

257:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/22 23:34:07 7UuGtimK
新ジャンル:皮下脂肪

258:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/23 01:28:17 2Ro6p96q
明日クリスマスイブなわけだが、グレゴリーが投下を早めたのは、
急遽イブとクリスマスに予定でも入ったからか?

259:グレゴリー
09/12/24 16:24:38 fZmwd8P+
>>258
知らなかったのかい?今年のクリスマスは中止だってよ。


260:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/26 21:15:58 ybBkY5z3
保守

261:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/26 21:43:26 DnTuMB9p
グレゴリズム、堪能させて頂きました。
此処の書き手の中では一等狂ってて、そして隠すところ無くその狂気を剥き出す姿が逆に清々しい。

262:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/27 18:59:15 84ueqZDU
URLリンク(www.youtube.com)

263:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/27 23:48:33 k3NMn2R+
       彡川三三三ミ
       川川 ::::::⌒ ⌒ヽ  
      川川::::::::ー◎-◎-)
      川(6|::::::::  ( 。。))   
    ._川川;;;::∴ ノ  3  ノ  
  /;;;:::::::::::::::\_;;;;;;;;;;;;;;;;ノ    
 /::::  /::::::::::::    |::::|
(:::::::: (ξ::  ・ ノ::・/:::|
 \::::: \:::::::   (::: |
 /:::\::::: \:::    ヽ|
/::::   \::::: \::: ヽ )
|:::      \::   ̄ ̄⊇)__  ~
|:::::::      \;;;;;;;;;;;(__(;;;・)  ~ 
\::::::::::   ξ(;;; );; )      ~
  \::::::::::::    ) )
    ):::::   //
   /::::::::: //
 /:::::  (_(_
(;;;;;;;;;;;__っ)))つ

264:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/28 00:51:05 cfOZwmli
こなた「自殺するのが嫌だから、秘術を習得したよ。
     残機九十九、STGのチートを応用したのさ。
     99回死んでも、復活できる」
つかさ「ああ、つまり。100回自殺に追い込めば殺せるんだね」
みゆき「お手の物です」
かがみ「百回も自殺に追い込めるなんて」
こなた「……」

265:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/29 21:54:24 H8LSNYa0
つかさビッチ漫画更新しました

「木冬つかさがびっちになったけど俺ミラじゃねえからいいや」スケッチ

URLリンク(www10.atwiki.jp)

相変わらず話が破綻してますが、雰囲気を読んで下さい

266:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/30 01:56:07 /YwlAPn8
久しぶりすぎて吃驚w

267:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/30 11:16:48 dFaNkjL/
コミケでこなた自殺ネタ扱ったサークルでないかな

268:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/30 16:27:46 chNL9bQM
今さらな質問なんですけど
ここってやっぱり自殺オンリー?
他殺or事故死はダメ?

269:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/30 20:47:27 w/BeiTAF
過去の見れば分かると思うけど、こなたさえ自殺すればいい(未遂は色々揉めた)。
てか普通に殺されたり事故死したりじゃ、スレタイに反するでしょ。

「自分から殺されにいった」とか「殺されると分かっててみゆきの所に赴いた」とかだったら、判断に迷うけど。

270:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/30 21:07:14 chNL9bQM
>>269
返答どうもです
う~ん、やっぱり自殺オチじゃなきゃダメか~
他を当たることにするノシ

271:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/30 23:36:01 2PZrn/DE
>>269
>>270は荒らしかここの古参
自殺未遂、和解、死んでいないなど保管庫にはいくらでもある
自分が気に入らない話を排除しようとしているんだろうな

272:270
09/12/31 01:58:47 61fku5v0
うわっ!?荒らし扱いになってる汗
そういうつもりじゃ…

こなたの自殺以外の鬱系SSを執筆してみようかと思ったんだけど
他に鬱系歓迎の投稿場がないので聞いてみたんですが…

なんかすいません…

273:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/31 03:09:19 9rBuBP36
>>272
文面から>>271>>269>>270を逆に間違えじゃね

それと欝系SSでエロじゃないならvipのらき☆すたSSスレだったここなら良いと思うぜ
らき☆すたSSスレ ~新天地アニメキャラ板~
スレリンク(anichara板)

エロパロは今は荒れていて叩かれるだけだからやめとけ

274:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/31 03:54:03 61fku5v0
>>273
わざわざ紹介ありがとうございます

らき☆すたSSスレ、エロパロSSスレ、自殺スレを普段から愛読させてもらっていて
3スレの中で鬱・グロモノが住人の肌に一番合ってるのがここだと思って先の質問に至りました…

エログロ有りで自殺以外の鬱SSの行き場が無くて…

275:名無しさん@お腹いっぱい。
09/12/31 15:52:52 apV3GJrt
 今年もこちらのスレ並びに住人の皆様方には大変お世話になりました。
投下されるSS等には心動かされるものが数多あり刺激されること頻りでした。
また同時に書く側でもある僕に英明な諸氏から毀誉褒貶を戴けたことは允に望外の沙汰であります。
2010年が皆様にとり飛躍の年となりますことを切に冀いつつご挨拶に代えさせて戴きます。

276:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/01 03:29:48 aKl9zNHA
>>275
飛躍して死ね

277:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/01 14:28:28 1Chm+qcC
ぶみゅ、去年は春頃投下してから、他スレ行ったりしちゃったからなぁ。
構想はあるので、今年は積極的にこなたを自殺させていきたいところ。よろしくね。

278:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/04 03:53:33 GiYY9/Pk
つかさビッチまだあったのか・・・

279:神奈川版「麾く煉獄」追加シーン
10/01/07 09:43:09 LtS/mxEW
大石「やれやれ・・・こっちも堪忍袋の緒が切れましたよ。熊ちゃん、テープを持ってきてください」
そうじろう「テープだと?」
大石「あなた、あの後、ゆいさんが自白剤とLSD入りのお茶を飲ませたんですよ
   泉そうじろうさん、いやファン・マニュエル・ゴメスさん」
そうじろう「違う!俺は泉そうじろうなんだ。日本人だ!」

そうじろう『デヘヘヘヘ、俺が泉そうじろうという五等民族なわけないじゃん(笑)
      俺はファン・マニュエル・ゴメス。ブラジルで9千万件の強姦事件を
      起こしたプロだぜ。ブラジルじゃあヤバくなったんで、日本に逃げたってわけよ』
そうじろう「嘘だ!俺はブラジルなんて行ったことないぞ!」
そうじろう『日本に潜伏するにゃ、日本人になりきるしかない、そこで当時小学5年生だった
      泉そうじろうをナイフで掻っ切って、ガソリンで焼いた後、そうじろうに
      なり済ましたわけよ(笑)』
そうじろう「出鱈目だ!」
そうじろう『俺が通っていた小中高大の女子をレイプした後、シャブ漬けにして、風俗店に
      売り飛ばしたな(笑)お母さんが学校の女子生徒が4分の3が行方不明なのは
      おじさんの仕業なのかだって?ご名答!そ、全部おれがやったのさ!キラッ☆』
そうじろう「ゆきは嘘ついているんだ!あの糞ババァは昔から嘘つきなんだ!」
そうじろう『かなたは良かったな、風俗店に売り飛ばすのは勿体ないから、売春をさせたり、
      アダルトビデオに出演させたりして金儲けの道具として仕えたな(笑)』
大石「んっふっふ、あなたは人間として最低なことをしていたんですね~」
そうじろう『かなたを利用して、○沢小の校長を取り入って、公然と○沢小の生徒達に手を
      出し始めまくったな。ほぼ全校生徒、ジャブ漬けの上に風俗店行きになったけど(笑)
      そういや、伊藤伸恵とかいうガキがいたな。あいつムカつくから、ガンガン犯しまくったぜ(笑)
      たしかあいつ、妹がいたっけな、そいつもガンガン犯して、姉妹丼にしてやったがな。
      その後、校長が腹上死して、全財産、手に入れたけどな。この家も元々、校長の家なのよ』
大石「ところであなたはつかささんとはセフレだと言ってましたが、事実は違ってますよ」
そうじろう『つかさちゃんはガンガンやりまくった後、シャブ漬けにして風俗店に売る予定だじょ~
      ゆたか?あいつは結構高値が付いているんで、明日頃、犯してジャブ漬けにして風俗店に
      売り飛ばす寸法だがな(笑)』
大石「それにあなた人を殺しているようですね」
そうじろう『何年か前、伊藤高文とかいうキモオタくんと麻雀したんだが、当然、こっちはイカサマよ。
      あのキモオタくんは負け金、一千万円を支払わねーから、頭にきて、中華包丁で切り殺して
      やったな(笑)まぁ後で自殺したように見せかけたんだがな。あとはヤクザを使って、キモオタくんの
      家まで負け分を取り立てに行ったわけよ(笑)』
大石「いや~ここまで来ると非道ですな」
そうじろう『近々、俺は台湾に高跳びする予定よ、この前、競馬でかなりの借金してな。闇金まで手を出したよ(笑)
      俺はこなたを風俗店に売り飛ばして、てめぇ(ゆい)に借金押し付ける計画だぜ。借金はいくらかって?
      軽く一億はあるな。まぁ頑張って借金を払いたまえ(笑)、あとこなたは俺のガキじゃねーし
      校長との子供だし』
大石「ゴメスさん聞いていますか?あれ?」
そうじろうは自殺していた。口にオートマグを咥えて自殺したようだった。

おしまい

280:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/08 09:21:56 IvBP5tzq
>>279
強姦罪数万件、殺人罪6件、児童買春法違反、私文書偽造、覚せい剤取締法違反
横領罪、道交法違反でそうじろうはどの刑罰を受けるのか?

①無期懲役
②懲役30年、執行猶予5年
③死刑

俺は②だと思う。

281:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/08 19:54:34 3Yme47yV
>>278
「つかさのアルバイト」のつかさはビッチとは思えない……
むしろなんかプライド高そう。
ただかがみが「ビッチ」って言ってるだけにしか思えない。

282:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/09 23:58:09 W8vjdlZu
つまらん

283:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/10 22:45:34 UqRrkG2I
でもねって

284:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/11 00:35:07 kFX4K6mj
最近のSS作品は下らないのが多い
やっぱ長く続くのも問題あるな

285:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/11 01:44:23 WnKvQ8DT
別に二次創作なんだから作者のオナニーで全然構わないと思う
その詰まらない文句だけの書き込みは保守のつもり?

286:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/11 01:55:54 hm5lp6EQ
かがみ「最近自殺してないんじゃない?」
こなた「いい事だよ」
つかさ「良くないよ……。こなちゃんのイメージは自殺なんだから、もっと自覚持ってよー」
こなた「いや、私一人に自殺の懈怠の責を求められても……。
     自殺させる側が怠けてるせいだよ」
かがみ「言われてみればそれもそうね。私たちがもっと積極的にこなたを追い込むべきね」
つかさ「さんせー」
こなた(でもこの二人怖いしな。比較的ぬるそうな背景コンビに任せようっと。
     ……背景コンビニぷぷぷ。便利な二人にはぴったりの称号だよ)
こなた「いや、背景コンビにも活躍の機会を与えてあげようよ。
    というわけで、任せたよ」
あやの「うん。頑張って泉ちゃん自殺させるね。出番ありがとう」
みゆき「頑張って下さいね」
こなた「……。いや、何他人事みたいに振舞ってるのさ」
みゆき「と、申しますと?」
こなた「背景コンビ、って言ったじゃん」
みゆき「!?」
こなた「峰岸さんと一緒に、頑張ってね」
みゆき「あ……いや。く、日下部さんは……」
こなた「メイン4の方じゃん」
みゆき「!?」
みさお「ちびっ子ぉ……ありがとよぉ;;」

みゆき「……。これは徹底的に追い詰める必要がありますね」

287:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/11 10:47:20 s0rMewbp
キャラの台詞でつまんねえこと言わす寸劇が一番つまんね

288:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/11 11:26:39 lWVyTF59
なにこのキモいスレ
完全に歪んでるよオマエラ

289:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/13 08:56:02 DRL3LvgG
これ着て、海辺の旅館で、首を吊る。
URLリンク(page5.auctions.yahoo.co.jp)

290:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/13 22:42:59 gc1YdTQ5
年初一発目は誰がくるかな

291:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/14 01:01:53 gLCWsdEd
中尉………

292:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/15 00:26:52 Jtj3ObvU
>>289
あんま高値ついてないね

293:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/16 01:32:46 8VxYreTe
保守

294:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/16 21:56:18 mI9ujlKe
 

295:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/17 01:28:06 cW22Hqr+
ガンガン…

296:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/17 13:44:13 8WAs2agH
自殺

297:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/17 19:19:47 3mXQ5388
>>220
多分、上京したんじゃないかな

298:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/17 21:38:03 3mXQ5388
 

299:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/18 01:00:16 c9HSx7tD
ああ、支援したい
けどできることがない
音楽なんかもう需要ないだろうし

300:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/18 10:55:34 P6OyXrid
ここはアンチスレなの?

301:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/18 12:11:29 ZNMxm0Xa
いや?それだけじゃ説明しきれない

302:グレゴリー
10/01/18 20:16:38 HSWH4YTk
ども、ようやく年末年始の慌しさが終わり、賢者タイムが戻ってきましたわい。
クリスマスに正月休みとたくさんの主人公になりたい男女たちを目撃し
げんなりしておりますわい。主人公たちにとって、自分の人生は特別で、当然
ながら特別なことをやらないといけないのだろうが、私は糞だと思うのであります。
テメエらが主人公のつもりなら、どうしてお前らが行く先々の特別な場所で
同じような主人公たちが群れているんだと!主人公というのは1人でっせ?
とにかく新年おめでとうございます。続編もちゃんと投稿するので見捨てないでw

303:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/19 00:07:01 pK+WMFWr
おめぇはもう黙ってろよ

304:グレゴリー
10/01/19 18:06:41 GehYPUYW0
>>303
気持ちは分かる。私はいわゆる告発者だからな。
皆が目を背けたがるものを私は取り出して示し続けるだろう。
特にらき☆すたは告発されるべきアニメだと言っても過言ではない!


305:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/19 19:21:06 LA4r3PN40
お前は文才ねぇんだよ

306:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/23 22:11:11 mXa3KMfn0
あげ


307:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/24 20:09:01 yoX5748p0
YOUTUBE POOPがひどい・・
URLリンク(www.youtube.com)

308:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/25 08:19:59 TCIfCBYA0
まとめいくつか消えてるけどなんで?

309:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/26 11:47:21 5w597la00
嵐?

310:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/26 19:01:24 xcIp4JyE0
多分

311:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/26 23:58:45 ToGlYVRa0
グレゴリー ←こいつじゃねぇの?

312:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/27 03:02:18 ZI0pGQJx0
立てました

自殺するなら無差別に誰かを巻き込んで死ぬべきか
スレリンク(mental板)

16 :斎藤智成 ◆LIuJMgzRRY :2010/01/27(水) 02:55:13 ID:BElqTDcF
例えばロリコンで童貞な奴は
女子小中学生誘拐してレイプして
それから死ぬってものありじゃん

でも良心的な俺としては
この場合は殺しちゃいけないと思う
気持ち良い思いさせてもらった感謝の意も込めて
それにロリのお腹に宿った自分の子孫の命のためにもね^v^

313:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/28 14:07:07 glKR0alJ0
みんなアク禁?

314:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/29 02:38:32 qAkTAWGF0
そもそもこのスレは何で立った?
こなたを虐めて楽しいとか頭が可笑しいとしか思えないが。

315:名無しさん@お腹いっぱい。
10/01/29 08:25:33 FQscIebu0
そこで「ここよりもっとひどいスレはいくらでもある」
なんて返したらただの詭弁。
ここの住人はそんなバカじゃない

316:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/03 12:02:03 S2KGSmiy0
なんでこんな過疎ってんの?

317:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/03 14:57:39 1bmHGHqm0
アク禁じゃね?多すぎる

318:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/05 22:10:01 HjHoEywk0
自殺

319:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/06 02:15:55 mIP72spj0
するしかないかも

320:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/09 14:58:47 j7nfL/Hz0
保守するんだぜ

321: ◆f61DDuJdcQ
10/02/14 22:24:06 3HmQ9U7g0
ほしゅー

322:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/15 20:15:13 jIOp1ngQ0
さぁ~ほしゅするざますよ。
ほしゅでがんす。
ふんがー!
まじめに保守しなさいよ!

323:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/15 23:06:13 jIOp1ngQ0
死ぬのがわかっている事故を自ら選ぶのは自殺に分類される?
誰かが悪役になって追い込むパターンはちょっと、と思って作ってみたんだが。

324:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/15 23:43:57 Nn0Ehdcu0
分類されるんじゃね?
自ら選んでるんだろ?

325:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 08:29:04 tQ80bikz0
ぜひ投下を!

326:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 20:59:53 /dQMWWLx0
>>325
くっだらないオチをつけたけど、リクエストに応えるよ

327:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 21:01:36 /dQMWWLx0
キュイイイイイイ!
パシューーン!
今夜も静寂の山に二つの騒音が駆け抜ける。
ガフッ!ガフッ!
キュロロロロロ!
こなた「おー、さっすがかがみん。鋭いツッコミだぁ」
つかさ「お姉ちゃん!つぎは砂が多いよ!イン側を十センチ残して!」
かがみん「おっけー!つかさ!」
こなたは先行するかがみんの後追いでコーナーを攻める。
そもそもの始まりはちょっとしたきっかけだった。

---

かがみん「じゃーん!」」
こなた「お~、ついに車買ったんだねぇ。しかもFDかー。渋いじゃん」
かがみん「そぉ~?この曲線美が何とも言えないわよねぇ」
つかさ「えへへ、お姉ちゃんのテンションに乗って、あたしもお金出しちゃった」
あたしとかがみとつかさは学校を卒業し、就職前に免許を取った。
社会人になると収入も学生時代とは違ってくる。
あれこれ欲しくなるもので、かがみんはこうして車を買ったのだ。
しかもつかさが今回の車購入に賛同して共同出資していた。
こなた「しかも黄色。まるで頭●字Dの…じゃぁあたしはパンダハチロクにしちゃおうかな?」
かがみん「あんたねぇ」
いつものジト目で睨むかがみん。

---

数日後。
こなた「じゃーん」
かがみん「げっ!マジで買いやがったよ。パンダハチロク」
こなた「車がドライバーを育てる。ハチロクとはそういう車なのさ」
かがみん「なに早速ネタやってるのよ」
いつもの調子でツッコミを入れるかがみん。
みWiki「あらあら。お二人とも本当に車を買われたのですね」
こなた「みWikiさんは白のFCがピッタリ!」
こなたはグッと親指を立てて続ける。
かがみん「やめんか」

---

328:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 21:04:01 /dQMWWLx0
数日後。
みWiki「お二人とも、ついつい買ってしまいましたわ」
いつもの「どうしましょう」ポーズで可愛らしく、しれっと言う。
かが+こな「マジでFC…しかも白」
こなた「ねぇねぇ!どうせだから峠行こう!峠!」
かがみん「あんたねぇ、あたしたちに頭●字Dやらせるつもり!?」

---

コアアアアアアアッ!
キュキュキュキュロキュロキュロ!!
こなたのハチロクが疾風のごときスピードでコーナーの向こうに消える。
かがみん「速い!ゲーセンのレースゲームばかりやっていたのはダテじゃないわね」
つかさ「お姉ちゃん!怖いよ~!」
縋るように助手席で喚くつかさ。
かがみん「ちょっと我慢してなさい!あたしだってぇ!えいっ!」
ABS(*)任せのハードブレーキング。大胆にハンドルを切って横向きにスライドする。」(*ABS・アンチロック ブレーキ システム:ブレーキ中にタイヤが回転を止めると止まるまでに必要な距離が長くなるため、それを防ぐための制動補助装置。ちなみにハチロクはABSが無い)
アクセル全開でかがみんのFDが横向きにコーナーを抜ける。
ラインに甘さは残るものの、四輪ドリフトはなかなかサマになっている。
実はかがみ、免許を取るまでの間に教習所へ通うだけでは物足りなくなってサーキットのデモカーを借りて走っていたのだ。
それほどサーキット走行を回数こなしているわけではないが、どれだけのスピードでどれだけのハンドリングをすれば車が横に滑り出すかは体で覚えていた。
フルノーマルに近い状態であることも手伝って、いまいちぎこちなさは残るもののドリフトはかなりの腕になっている。

フュオオオオオンッ!パシュ!
後ろから白のFCが追いかけてくる。
みWikiの車だ。
キュロロロロロ!
みWikiもドリフトができる。
教習所に通っていた頃に、ラリーカーのトライアル走行で滑らせる感覚は身につけていた。
おまけに理詰めでスピードを計算できる頭の回転も手伝って、コーナーを抜ける度にコーナーの脱出速度は増していた。
みWikiに大外から被せられてあっさり抜かれるかがみんのFD。
ここでかがみんの頭にスイッチが入った。
かがみん「絶対抜いてやる!」
つかさ「お姉ちゃん!ツッコミ過ぎ!」
かがみん「誰がツッコミお杉よ!?」
つかさ「違うってばぁ!」
三台はこうして峠を登ったり下ったりしていた。

かがみん「最初はこなたになんて言ってやろうかと思ったけど、車で峠を走るのって結構楽しいわね」
みWiki「そうですわね」
つかさ「けど(タイヤの焦げる臭いが)臭いねぇ」
みWiki「ついラリーをかじった頃の血が騒いでしまいましたわ」
こなた「そだ。みんなでチーム作ろうよ。それで交流戦とか、ほかの峠に出かけるんだよ」
みWiki「いいですわね。チーム名は…ラッキー☆スターズなんていかがでしょう?」
かがみん「いいわね。それ」
こなた「さっすがみWikiさん。ツボを抑えてるね」
みWiki「それではステッカーを作っておきますわね。来週にはできあがると思います」
こな+かが+つか「よろしくぅ」

---

そしてシーズンを一回りする頃、みんなはめまぐるしい進歩を遂げていた。
「幸手の流星」と呼ばれ、近辺では有名になっていた。

329:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 21:06:42 /dQMWWLx0
みんなもともとセンスは良かった。ただそれに気づいていなかっただけだ。
軽量コンパクトだがパワー不足なこなたのハチロクは下り専門。
軽量ハイパワー、かがみんのFDは上り専門。つかさは助手席でかがみんのナビだ。
みWikiはその頭脳を活かして、勝つための作戦を立てる参謀。
交流戦において、県内は全戦全勝。もう制覇済みだ。
みWikiは群馬に目を向けた。
次の交流戦に向けての仕込みは万全。
二週間前から平日の夜にコースを走り込む。走り込みを開始する頃、みWikiは次のターゲットの品定めをする。
交流戦の近い峠で走り込みを終えると、次のターゲットを見据えて、帰りがてら攻めるまでは走らなくとも、スケジュールにあわせてコースを覚えるためドライブ程度の走行をワンセットだけする。

つかさ「お姉ちゃん、ちょっとこの車…感じが違うよ」
かがみん「わかる?ちょっと足回りをいじったんだ」
つかさ「どんな風に?」
かがみん「アクセルオンで、どアンダー。ドリフト中に踏める足になってるの」
違う…何かが違う。
つかさはかがみから返ってきた返事と一致しない、一抹の不安を抱えていた。
コーナー入り口で何か、変にフラつく。
足回りいじったから調子が狂ったのかな?
つかさ「ここ!インの壁に擦りつける勢いで!」
かがみん「うん!」

---

こなた「いよいよ来週だね」
かがみん「そうね。ばっちり走り込んだし、これなら楽勝よ」
こなた「それはど~かな~」
企むような微笑みをかがみに向ける。
かがみん「なによ?」
こなた「今日の仕上げがてら、下りながらバトルしようっか」
かがみん「おもしろそうね。いいわよ。受けて立つわ」
こなた「かがみんが先行でいいよ~」
かがみん「ふふん、あっさりちぎってあげるわよ」
こなた「このツンデレめ~」


そして現在に至る。
つかさ「この先は緩いS字よ!次の逆コーナーに向けて姿勢作りを!」
かがみん「わかった!」
キュキョキョキョキョ!
こなた「やるなぁかがみん」
ハチロクをホイールロック寸前で踏力を抜き、ハンドルを少し切ってドリフト状態に入る。
連続逆ドリフト。
二人は車を自由にコントロールできるレベルに達している。
つかさ「次は左ヘアピン!その前に長いストレート!ブレーキコントロールをしっかりと!」
かがみん「おっけー!」
コアアアアアアアッ!パシューン!
FDのロータリーエンジンが唸りを上げる。
つかさ「お姉ちゃん!対向車!擦れ違うのは三つ先。ここは気にせず全開!」
かがみん「わかった!」
つかさは言いつつ、ハザード半押しで三回、連続して点滅させる。
こなたに対する対向車予告だ。
こなた「三つ先か」
つかさは対向車の読みを外さない。
助手席でコースの特性を見抜きつつ、遙か先から漏れる対向車のヘッドライトを見逃さずキャッチ。すれ違うコーナーの数も客観的に分析できるのだ。
慌て癖が相変わらずなつかさは自分で運転していたら、こうはいかない。
つかさ「コーナー入り口で対向車来るよ!アウトを空けて!」

330:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 21:09:32 /dQMWWLx0
再びハザードを一回だけ点滅させる。
かがみん「つかさ、ジャスト!」
左コーナーでアウト側を空けて対向車をかわす。
こなた「ちょっとからかってやるかぁ」
ヘアピン直前でハードなブレーキング競争が開始された。
FDがドリフト状態に入った。そのとき…
トン。
かが+つか「なっ!?」
ブレーキングでハチロクがFDに追いつき、バンパーを軽くつついた。
リアが予定より大きくスライドし、姿勢を崩すFD。
とっさにカウンターを当ててオーバーステアを修正する。
大きくラインを外しつつもコーナーを立ち上がって元のラインに戻る。
かがみん「あっぶないわねぇ!」
こなた「こんなのレースじゃ日常茶飯事だぁよ」
互いに聞こえないながらも会話として成立しているあたり、息が合っていると言うべきか。
つかさ「お姉ちゃん!こなちゃんをちぎるよ!」
かがみん「言われるまでもないわよ!」
つかさ「全開!」
FDのパワー任せなストレートの伸びはハチロクを大きく引き離す。
しかしブレーキング競争ではこなたのほうが一枚上手だった。
中速コーナーの入り口でまたもやハチロクがFDのバンパーをつつく。
かがみん「くっ!こんな中速コーナーでそれをやるわけ!?」
ゼロカウンタードリフトをマスターしているかがみんにこれは屈辱だった。
ハンドルを持ち替えて逆ハンドル。カウンターを当てなければコースアウトしてしまう。
かがみん「そこまでやるならこっちにも考えがあるわよ!」
つかさ「まさか、お姉ちゃん!あれをやるの?」
かがみん「もちろんよ。みWikiに教わったあれ!今度のバトルでキーになるテクよ!」
再び左コーナーにさしかかり、FDは大きくイン側に寄った。
ダンッ!
ほぼノンブレーキでコーナーに入る。端から見れば明らかなブレーキングミス。しかしFDは慣性を無視して、なめらかにイン側の縁石ぎりぎりを撫でる。
ガリッ!
ミゾ落とし。ガリッというのはミゾから脱出した音だ。
斜めに切り込んだ排水溝に、イン側のタイヤを引っかけて慣性に逆らうハイテクニック。
こなた「おー、やるなぁかがみん。ミゾ落としまでマスターしたか」
かがみはこなたを恐れるかのごとく、右コーナーにつっこむ。
こなた「さっすがかがみん。コーナーのツッコミも半端じゃない」
ハチロクもミゾ落としをしてコーナリングフォースを稼ぐ。

331:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/16 21:12:26 /dQMWWLx0
カキンッ。
かが+つか「っ!?」
FDの右フロントから異様な音が響いた。
右高速コーナーでのミゾ落とし。その瞬間響いた金属音は二人を青ざめさせた。
イヤな予感がしてブレーキを踏むかがみ。
キュロロッ。
次の連続する左コーナーに備えて左に向くべきところが、意志に逆らいミゾを離れてFDは右向きに姿勢を崩す。
ハンドルを左に切っても姿勢が戻らない。
かがみん「あたしはどうなってもいい!でもつかさだけはっ!」
つかさ「お姉ちゃん!あたしのことは構わないで!」
かがみんは必死にカウンターを当てつつブレーキングに入る。
しかしこれだけスピードが乗っている以上、そう易々とは止まらない。
このままならガードレールを突き破ってコースアウトは火を見るよりも明らかだ。
すぐ後ろを走っていたこなたは悟った。
FDの足回りがやられた。
こなたの目に映ったのはその先にある二重のガードレール。
二重なのは「落ちたら死ぬ」という意味である。つまりその先は崖。
一瞬の迷い。このままブレーキをかけるか、かがみたちを助けるか。
こなたはミゾ落としのままFDの前に回り込むようにアクセルを踏む。
ミゾから離れて姿勢を崩しているFD。横向きのブレーキでは次のコーナーまでの制動はとても間に合わない。このままでは真っ逆さまだ。
こなた「かがみとつかさは、あたしが助ける!助けられるのはあたしだけなんだ!」
FDと並んだところでミゾから離れ、次のコーナーとは逆を向いているFDの右フロントを思いっきりクラッシュさせた。
こなた「かがみ!アクセル全開で逃げてぇ!」
弾かれて左を向くFD。ちょうど連続逆ドリフト体勢になった。
ハチロクは全開のまま直進してFDの横を通り過ぎる。
もしここでブレーキングに入っていたら、せっかくFDが左を向いたのに、FDはハチロクのリアに接触して、二台仲良く崖へ真っ逆さまだ。
こなたの叫びが通じたのか、かがみんはとっさに逆ハンドルを切ってアクセルを全開にする。
ギュロギョギョギョギョギョッ!
大きくラインを外しつつもガードレールぎりぎりを撫でるようにして曲がるFD。
立ち上がりにサイドブレーキを引き、半スピンして何とか止まる。
ハチロクは…。
ギャギャギャギャッガゴンッ!
FDの安全確保に充分な距離まで離れた瞬間に始めた必死のフルブレーキングも虚しく、ガードレールを突き破って漆黒の夜闇へ吸い込まれていった。
ガチャッ、バンッ!
かがみん「こなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
つかさ「こなちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!
車を降りて、突き破られたガードレールのそばで叫ぶ。
しかしそこにあったのは、生々しい事故の余韻と夜の静寂だけであった。

---

三人は花束を投げる。
こなたの消えた崖の上から。
花束は遙か崖下へ舞い降りていく。
みWiki「あれから、もう一ヶ月も経つのですね」
つかさ「あたしが、帰りがけのバトルを止めていれば…車の異常には気づいていたのに、止めなかったから…」
かがみ「つかさのせいじゃない。あたしの整備ミスよ。足回りは確かにおかしかった。はじめは慣れていないからと思ったけど…まさかあんなことになるなんて」
チーム「ラッキー☆スターズ」はあの事故の日をもって解散した。
あの事故後、すぐに救助隊を呼び、事故から一時間ほどで救助を終えたが、結果は無言の再会だった。
当のこなたは、即死だったらしい。
ハチロクは見る影もないほどに破損し、その衝撃がいかほどのものだったかを物語っていた。

三人はこのコーナーをこう名付けた。

「C(死)のコーナーた」と

332:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/17 21:43:41 fIF7CS2w0
く、くっだらない……。
でもちゃんと自殺してるからオッケーオッケー。
車のこととか全然分からんけど。


333:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/18 00:11:53 Oq43Mh2s0
Cwwwwwwwwwwwwwwww

334:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/18 06:43:41 SAoc99TC0
>>332
スマン
車はわからないか。
今回 頭●字Dネタやったから、もっと軽い自殺事故ネタでも考えるよ。
次は事故要素組み込むかもわからんが。

335:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/18 12:17:10 SS8VasBu0
「Cのコーナーた」もいいけど、
「こなたは峠を越えられなかった」ってオチもありかも。


336:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/18 15:14:05 2y27kvgE0
こなた、伝説たれ

337:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/19 10:37:58 0hxcZjRZ0
スレ大虐殺でも生き残ってるねこのスレ

338:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/21 19:53:14 C3BF87Nh0
事故発生で我が身を呈するよりも、いじめられて自殺の方が需要あるのかな?

339:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/23 20:24:33 YbT9ZPCO0
駄文だけど投下していい?

340:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/23 20:33:55 F6/D8VJzO
こなたって麻原の真似が出来そうだよな
「修行するぞ!修行するぞ!」とか

341:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/25 01:51:54 DfJjaVRj0
投稿してみよう

342:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/25 06:53:03 NakKt4e40
投稿って、みWikiに?

343:名無しさん@お腹いっぱい。
10/02/27 01:17:42 6n70UUKK0
>>339
大歓迎

344:339
10/02/27 18:26:20 OAY4jEyQ0
こなた「つっ…」
大怪我ではないが、動くにはちょっときつい肩を押さえて立ち上がる。
片手にはハンドガン。腰にはサバイバルナイフ。
ちなみにこのハンドガン、実弾が込められている。
サバイバルナイフも本物だ。
充分に殺傷能力を有している。
しかしこなたはあたりの気配に怯えて歩を進める。
こなた「なんでこんなことに…」

数日前。
きーんこーんかーんこーん。
終業のチャイムが鳴り、みんな帰り支度をする。
みWiki「こなたさん、今度みんなで一緒にキャンプに行きませんか?」
こなた「いいねぇ。みんなってことはかがみんやつかさ、パティたちも一緒?」
みWiki「もちろんです。大勢の方が楽しいですからね」
こうしてみんなとキャンプ。春の大型連休を使ってめいっぱい楽しもうと、心躍る気分だった。

当日。
つかさ「でもって臭くってさぁ~」
こなた「臭いよね~」
みWiki「あの臭みがなんとも言えませんよね」
現地へ移動する特急車内、会話で盛り上がる一方
かがみ「やった~!あっがり~!」
ヴァ「くっそー、やられたってヴァ!」
パティ「さっすがかがみ!いちぬけでスねぇ!
トランプゲームに興じるなど、思い思いに楽しんでいる。

現地。
みWiki「こちらです」
こなた「駅から数分とは洒落てるね」
みWikiが案内したロッジ(?)は、一日に2、3本だけ走る鄙びた駅から数分のところにある広場にあった。
みWikiさんらしく用意は万全。
ここで過ごすのに充分な水と食料はすでに運び込み済み。ベッドはあるし、みんなで遊び倒すにはもってこいの場所だった。
昼はバーベキュー。
夜はテーブルを囲んで楽しく会話しながら時間は過ぎていった。
しかしこれが楽しい最後のひとときだとは、かけらほども思わなかった。

345:339
10/02/27 18:36:02 OAY4jEyQ0
訂正:みWiki「こなたさん」>みWiki「泉さん」
今朝。
こなた「うぅぅぅぅん!よっく寝たぁ!」
寝ぼけまなこで辺りを見る。
こなた「あれ?あたしこんなところで寝てたっけ?」
やけに狭っくるしく、見覚えのないところだった。
次に気がついたのは腕時計だった。
やたらゴツいG●ョック風の時計だ。
何が起きたのか理解できず、まずは外に出た。
こなた「……………」
思わず言葉を失った。
目の前に広がっていたのは文字通りのジャングル。
昨日降りた鄙びた駅もなければ、広場もない。
外に出たとたん見えるのは向こう側が見えないほどの木々。
何が起きたのか理解することもできず、ただただ呆然と立ち竦んだ。
木の幹に紙らしきものがあった。
正確にはナイフで刺されていた。
ナイフを引き抜き、紙を手に取る。
その紙にはこう書かれていた。
「泉さん、おはようございます。
おそらくとても混乱しておられるでしょう。
これはすべて仕組まれていたことです。
今回のキャンプはあなたをここに連れてくるための口実です。
さあ、戦争の始まりです。
追伸:後ろの小屋はまもなく爆発します。
早く離れた方が身のためですよ。みゆき」

こなた「………なにこれ?」
ここでハッとなり、小屋を背に駆け出す。
ドングアァァァァァァァン!
小屋は紙の予告通り爆発した。
破片が肩に当たり、激痛が走る。
血こそ出ていないものの、中度の打撲だ。
後ろを振り返ると、小屋はもはや床以外は破片だけになっていた。
こなた「なにこれ?」
足下にあったものに気がつく。
ドラ●エで出てきそうな宝箱みたいなものがあった。
こなた「怪しい…」
そう思いつつも好奇心には勝てず、箱を恐る恐る開けてみる。
こなた「銃?モデルガンかな?」
箱の中の銃に触れたとたん、すさまじい違和感を感じた。
そしてそれが確信とともに全身の毛が逆立った。
こなた「本物…」
自分の感じたことが嘘であることを信じたくて、マガジンを抜いて弾を取り出す。
しかし自分の期待を裏切るかのように、弾は重く冷たい光を放っていた。
こなた「何で…?」

346:339
10/02/27 18:39:55 OAY4jEyQ0
みWiki「それがわたしからの宣戦布告です」
こなた「っ!?」
弾かれるように振り返ると、そこにはみゆきが立っていた。
しかしそのみゆきはこなたの知っているみゆきとは違っていた。
いつも穏やかで優しい暖かさを持つ、癒しすら感じる眼ではなく、背筋が凍り付くほどの冷たい眼光。
穏やかな陽気にも関わらず背筋が凍ってしまう。
こなた「なんで?なんでこんなことをするの!?いったいどうなってるの?」
チャキッ。
みゆきは片手で銃を構え、まっすぐこなたを狙う。
みWiki「あなたがいままでしてきたこと、忘れたとは言わせないわ」
こなた「あたしが…?」
みWiki「あなたに与えられた選択肢は三つ。好きな方を選びなさい。一つ、逃げる。一つ、あたしをその銃で撃つ。一つ、ここであたしに殺される」
こなた「………あはは…何言ってるの?みゆきさん?なんであたしたちがそんなことしなくちゃいけないの?」
みWiki「最後の選択肢を選ぶ?あなたにはこの選択肢以外あり得ないのよ」
目が据わっている。今までこんな怖いみゆきさんは見たことがない。
それだけに怖い。銃を構えているみゆきさんは本気だ。
みWiki「一つだけ教えておくわ。このキャンプに参加した人はみんなあなたを狩るハンターとしてあなたと接する。あたしのようにね」
こなた「みゆきさん!ここはいったいどこなの!?なんでこんなことを!?」
みWiki「そうそう。言い忘れていたわね。キャンプ場であなたが寝た後、あなたに睡眠ガスをかがせてここまで運んできたのよ。
よく眠れたでしょ?自分がここまで運ばれてきたことに全く気づかないほど」
顔は笑っているが、眼が冷たい。
こなた「みゆきさん!ごめん!あたし、みんなの気持ちも考えずに迷惑ばかりかけて…」パウンッ!ビシッ!
みゆきさんが放った銃。その弾丸が土下座しかけたあたしの足下をかすめる。
みWiki「もう済んだことです。今更そんなことはどうでもいいのですよ。
この償いはしっかりしていただきます。せいぜいあたしたちを楽しませてね。泉さん?」
あたしはみゆきさんの顔を見るのが怖かった。その声に潜む感情が顔に浮かんでいるのがわかったから。
恐る恐る目線を上に移動させる。
こなた「ひっ!!」
目に飛び込んできたのは予想を遙かに上回る感情が浮かんだ顔だった。

狂気。

人がそう呼ぶ感情。
みWiki「ルールを説明しましょう。一言で言えばアルティメットルール。殺るか殺やられるか。その腕時計は爆弾になっているわよ。
無理に外そうとすればドカン!その腕時計を外す方法は一つ。あたしたちが持っているパスワードを手に入れること。
そのパスワード通りに金庫の要領でリューズを回すと安全に外せます。
泉さんにも生き残る選択肢を与えるため、各所にこの宝箱をおいてあるわ。
武器・弾薬、水や食料があります。もちろん中にはトラップもあります。
泉さんの好きなゲームみたいでわくわくするでしょう?トラップと言っても、食べたら死ぬなんていう毒を使ったものはありません。
各所にみんなが散らばっているわ。あなたとわたしたち、どちらが生き残るか。選ぶのは泉さん、あなたなのですよ。
行動時間は朝の8時から夜の11時まで。寝込みを襲っても面白くありませんから、その間は防衛攻撃以外致しません」
にっこりと笑うみゆきさん。
しかしその冷たい瞳が突き刺さった体に、おぞましいほどの戦慄が駆け回った。
こなた「あ…あ…う…そ…………うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
実弾の込められた銃とサバイバルナイフを手にみゆきさんから逃げ出した。

347:339
10/02/27 18:43:32 OAY4jEyQ0
どれくらい走っただろうか。足下が悪い中、必死に駆けた。
走り疲れてへたり込むこなた。
こなた「なんで、こんなことに…」
確かに友達の迷惑も顧みずに公然の場でオタ話やエロゲーの話をしたり、みゆきさんがドジする度にみゆきさん萌え~なんて悪ふざけもした。
しかしここまで恨まれる心当たりもない。
?「こなた発見!」
タタタタタタッ!
足下を掠める銃撃。
相手の得物はサブマシンガンだ!
みさお「あんたに恨みは無いけど、マジで死んで欲しいんだってヴァ!」
こなた「やめて!話せば絶対わかるって!」
岩陰に身を潜めて叫ぶこなた。
みさお「そんなの知らないんだってヴァ!」
タタタタタタッ!
みさおの銃撃は止まない。戦うしかない!
けどあんなに仲良く話した友達を殺すなんてできっこない。
こなた「戦いの基本は…相手を倒すことじゃない。相手を無力化すること!」
何かのゲームで出てきたフレーズを口にして自らを奮い立たせる。
パンッ!
ガンシューティングで培ったカンだけを頼りに岩陰からみさおの銃に発砲する。
トリガーを引いた瞬間、予想以上の反動が腕を襲う。
紛れもなく実弾の入った実銃であることを知った。
カキンッ!ガシャッ!
みさお「落としちゃったんだってヴァ!」
こなた「動かないで!」
岩陰から出て、弾き飛ばしたサブマシンガンを取りに行こうとするみさおを制するこなた。
みさお「はっ、撃てるのか?撃てるものなら撃ってみろってヴァ!」
やれやれ、という仕草をしてサブマシンガンを拾おうとするみさおに
パウンッ!
みさお「いってぇ!痛いってヴァ!撃ったな!マジで撃ったな!おまえはヒドいやつだってヴァよ!」
こなた「あ…………」
撃たれた腕を押さえるみさおの姿に、こなたは自分自身に恐怖して逃げ出した。
?「あらあら。たかだか怪我をさせたくらいでそんなに怯えてどうするんですか?」
声の主は銃を構えたみゆきさんだった。
みWiki「これは殺し合いですよ?あなたが殺やらないなら、あなたが殺やられる立場になることくらいわかっているでしょう?」
こなた「みゆきさん!こんなの絶対間違ってる!なんで友達同士で殺し合わなきゃならないの!?」
みWiki「あなたに意見する権利はありません。最初に与えた三つの選択肢から選んでください」
こなた「みゆきさん!」
みWiki「あなたが選ばないなら、わたしが選びますよ」
トヒュッ!
サイレンサーをつけたみゆきさんの銃が火を噴いた。
こなたの青い髪を散らして弾丸が通り過ぎる。

348:339
10/02/27 18:51:22 OAY4jEyQ0
こなた「………みゆきさんに殺されるなら、それもいいか…」
みWiki「本気で言ってます?それ」
こなた「………みゆきさんが望むことなんでしょ?何を言ってもムダなら…」
はふぅ。
みWiki「あなたには絶望しました。もっと泣いて、喚いて、命乞いでもするかと思ったのですが…。それなら望み通り…」
みWiki「けどラクには死ねませんよ。まずは足、次に腕、あなたの四肢を奪って、じわじわと、じわじわとこの鉛弾を一つ一つ丁寧に撃ち込んであげます。あなたはどんな声で泣いてくれるんでしょうねぇ?」
ゾクゾクッ!
こなた「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
みゆきさんの歪んだ殺意に、こなたは半ば腰を抜かしつつ背を向けて逃げ出した。
みWiki「そう。それでいいのです。無様な姿を晒してせいぜいわたしを楽しませてくださいね」
?「オォウ!こなーたハッケンなのです!」
やけに陽気な訛り混じりの声は、確認するまでもなくパティだ。
パティ「覚悟してくゥださーイ!」
ドフン!ボグアァァァァァァン!!
ロケットランチャー!?
こなたは間一髪のところでよける。
こなた「やめようよ!パティ!こんなの絶対おかしいよ!何があったの!?教えて!」
パティ「あなたに知る権利はあァりませーン!」
ドフン!ボグアァァァァァァン!!
ダメだ!説得がまったく通用しない。
こなた「一緒にバイトしたり、アキバで買い物したり、学校でも楽しく話したし、今回のキャンプだってあんなに仲良くしてくれたじゃないか!」
パティ「モンドームヨー!」
ドフン!ボグアァァァァァァン!!
撃てない!とても撃てない!
みさおの場合は我が身を守るためについ撃ってしまったが、あんな思いはもうしたくない!
人を傷つけるのはイヤだ!
唯一の長所である身軽さを頼りにジャングルの中を駆ける。
重量級のランチャーを持つパティを引き離すのはそれほど苦労しなかった。
こなた「はあっ、はあっ、はあっ!」
みWiki「いかがですか?泉さん」
こなた「み…ゆき…さん」
ふと振り返り、そこに立っていたのは銃を構えたみゆきさんだった。
いつもは穏やかで優しいみゆきさん。けど今はもはや恐怖の象徴でしかなかった。
謝罪も説得もダメ。けど撃つなんてもっとできない!
こなた「教えて!何でこんなこ…」
チュイーン!
耳元を掠める銃弾。
みWiki「まだご自分の立場がわかっていないようですね。あなたには三つの選択肢だけなのですよ?殺す、殺される、逃げるのどれか。選ばないならわたしが選びます。ただし、ラクに死ねるとは思わないでくださいね。じわじわと、苦しみ藻掻く姿を…」
こなたは最後まで聞かず、振り返らずに走り出した。
こなた「逃げなきゃ…ここから逃げなきゃ…」
しかしここがどこかもわからない。場所も方角もわからない。

349:339
10/02/27 18:54:27 OAY4jEyQ0
途中でみゆきさんが言った宝箱をいくつか見つけたが、そんな余裕が残されているはずもなかった。
ふと、ここで気がついた。
みゆきさんはいつも先回りしてあたしの目の前に現れる。
こなた「っ!?」
まさか、この腕時計…あたしの居場所を示す装置!?
けど無理に外せば…いつものみゆきさんだったら冗談と思えるが、今のみゆきさんを見ると嘘などとも思えない。
となると、ここから脱出する直前に先回りされる!
もし、どこかの人里に近づいたら殺される…?
自分の置かれた状況が次第に飲み込めるとともに絶望が襲う。
あたしの味方は…いない。みんなあたしの敵…。
?「こなちゃん!」
震えた声。確認するまでもない。つかさだ。
つかさ「お願い!死んで!」
パウンッ!
弾丸はあさってのほうへ飛んでいった。
トリガーを引くときに目をつむり、顔を背けているからだ。
銃を持つ手が震えている。
こなた「つかさ…」
つかさに近づくこなた。
迷いがあるから震える。ならばまだ説得の余地はある。
つかさ「こないで!こないで!!」
カタカタと全身が震えているのは隠せない。
銃を持つ手を掴み、つかさをじっと見つめる。
恐怖に打ち震えるつかさの顔を見ていると、なんだか悲しくなってきた。
つかさの持つ銃を持つ手を、自分の胸に当てる。
こなた「さ、撃って。これなら狙いを外さないよ」
確信があった。
つかさには撃てないと。
震えが大きくなる。
腕を持つ手が疲れるほど。
ボトッ。
つかさ「撃てない…あたしには撃てないよぉ…」
銃を落とし、膝をついて泣き崩れる。
こなた「何があったの?」
つかさ「………ごめん。言えない…」
こなた「言ってくれなきゃ分からないよ」
つかさ「…こなちゃん!ほんとにごめん!言えない!」
みwiki「あらあら、つかささん。泉さんに寝返っちゃったのですか?」
つかさ「ゆきちゃん!?違うの!これは油断させるための…!」
みwiki「もういいです。あなたには用がありません。どこへでも行きなさい」
つかさ「…あの件は…?」
みwiki「あなたにはもう関係のないことです。目障りだから消えなさい」
つかさ「ゆきちゃ…」
みwiki「泉さんと一緒にここで消えますか?」
みゆきさんがつかさに銃を向ける。
つかさ「………」
悲しさを込め、怯えた表情で背を向けるつかさ。
つかさ「ごめんね…こなちゃん…」
こなた「つかさ…」
とぼとぼとした足取りで森の奥へ歩いていく。

350:339
10/02/27 19:01:42 OAY4jEyQ0
みwiki「まったくだらしないわね」
何を言っても無駄。反論すら許されない。
こなた「あたしの知ってるみゆきさんはもういない…」
意を決して銃を構える。
こなた「これ以上好き勝手はさせない!」
みwiki「ふふふ…撃てるものなら撃ってみなさい」
そういい、あたしがつかさにやったように自分の胸に銃を押し当てる。
みwiki「どうしたの?後は引き金を引くだけ。わたしに好き勝手させたくないんでしょ?」
口元に勝ちを確信したような笑みがこぼれた。
みwiki「なら代わりにわたしがあなたを撃つわ」
ごりっ!
あたしの額にみゆきさんの銃が押し当てられる。
みwiki「さようなら。泉さん」
腕が震える。
つかさの気持ちがよく分かった。
自分の表情が、恐怖に打ち振るえているのをはっきりと自覚する。
全身が震え、冷や汗が流れ出す。
こなた「う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
みゆきさんの手を払いのけ、恥も外聞もなく、プライドもかなぐり捨てて逃げ出す。
みwiki「そう、それでいいのです。もっと追いつめて差し上げます」
どれくらい走っただろうか。
こなた「ぜえっ、ぜえっ、ぜえっ…」
もはや走る気力すら残っていないこなたの前に、一人の影が立ちはだかる。
?「こなた?」
こなた「か、かがみん?」
普段なら助け船と思うところだが、状況が状況だ。
真っ先に敵と認識した。
かがみ「…なんで…なんであんたがいるのよ!?」
こなた「まっ、待って!これは」
かがみ「あんたがいるから!あんたがいるからあたしたちは…!」
悲しみと憎しみを含んだ表情。目に涙を浮かべて近づいてくる。
いっそのこと怒りと憎しみだけで来てくれた方がマシだ。
なんで悲しそうな顔をしているのか…たぶんみゆきさんが何かを仕込んでいるからだろう。
ボグッ!
かがみの拳があたしの顔をとらえる。
かがみ「なんで!なんであんたのせいであたしがこんな思いをしなくちゃいけないのよ!?」
バキッ!ドガッ!
かがみ「みんな!みんなあんたのせいよ!あんたのせいであたしたちは!」
あたしはかがみのされるがままに殴られる。
かがみ「なんとか言いなさいよ!」
ボゴッ!
かがみ「あんた、自分の身が危険に晒されているのになんで平気な顔で殴られ続けられるわけ!?あたしを馬鹿にしてるの!?」
こなた「かがみ…」
かがみ「何よ!?」

351:339
10/02/27 19:03:15 OAY4jEyQ0
こなた「あたし、みんなの迷惑も顧みないダメな人だったよ…こんなになるまでみんなを追いつめてしまうなんて…」
かがみ「今更反省してももう遅いのよ!」
こなた「取り返しのつかないことをしてしまって…」
かがみ「あれ!何かわかる!?」
指さす方を見ると、草に紛れて黄色の大きなリボンが見えた。
ざあっ!
一気に血の気が引いた。
こなた「まさか…」
かがみ「あんな大きなリボンを頭に付けてる人の心当たりは一人だけよね!?もうかえってこないのよ!つかさは!」
さっきのやりとりでつかさは無関係になったと思っていた。
けど、排除されてしまったんだ…。
あたしがあんなことをしなければ、おとなしく殺されていれば…つかさは無事だったのかもしれない。
片手に持っている銃をゆっくりと差し出す。
こなた「…かがみに殺されるなら、本望だよ。それで償えるとは思ってないけど、少しでもかがみの気が晴れれば…」
驚きの表情をみせるかがみに銃を持たせる。
つかさにやったときと同じようにかがみの銃を持つ手を、自分の胸に当てる。
こなた「撃って。かがみ」
かがみ「………最初は、お姉ちゃんたちを助けるためだった…。あんたの命と引き替えに…けど…つかさを失って…」
こなた「まさか…いのりやまつりを…人質に取られて!?」
トヒュッ!
かがみ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
絶叫をあげるかがみ。
こなた「かがみ!?かがみ!?」
みWiki「あらあら。困りますわ。ネタをばらしちゃ」
肩から血を流すかがみを、みゆきさんからかばう。
こなた「もうやめてよ!なんでみんなを巻き込むの!?あたしに用があるならあたしだけに…」
トヒュッ!
かがみ「ぐっ!」
今度は足だ。

352:339
10/02/27 19:04:55 OAY4jEyQ0
みWiki「それではつまらないからです。泉さん、あなたひとりだけを呼び出して追いつめても、失うのは自分一人だけ。
けどこうしてみなさんを集めてみなさんも一緒に追いつめることであなたに対する心理的ストレスは何倍にもなります」
狂ってる…みゆきさんは完全に狂ってる…!
それほどまでにあたしがみゆきさんを追いつめてしまったんだ。
かがみ「こなたどいて!」
こなた「どかない!かがみはあたしの敵じゃない!」
みWiki「かがみさん。あなたも邪魔なのです。いつもいつも泉さんを大切に思うその存在が」
トヒュッ!
かがみ「いたっ!」
みWiki「せめてもの情けです。かがみさんはひと思いに殺して差し上げます」
トヒュッ!
どさっ。
断末魔すらあげずに倒れるかがみ。
こなた「かがみ!かがみ!かがみぃぃぃぃ!」
抱き起こして揺するが、全く反応がない。
……………うそ…。
みWiki「あなたの選択肢は三つですよ」
冷たく言い放つみゆきさん。
かがみの持っていた銃を掴み、自分の頭に当てる。
トヒュッ!カキンッ!
自分の頭に当てた銃は弾き飛ばされ、草の中に消えた。
みWiki「それがあなたの答えですか。でも言ったはずです。ラクには死ねない、と」
もう、前には戻れない。
楽しかったあの日々には。
死ぬ覚悟はできた。
けどせめて二人の仇は討つ。
あたしはサバイバルナイフを抜き、自分の腕時計に突き立てる!
みWiki「しまった!」
時計盤に深々と突き刺さったナイフ。切っ先は自分の腕にまで達したが、その痛みを感じる暇は無かった。
グバゴォォォォォォン!!!
狂気に満ちたみゆきさんを巻き添えにしてこなたは散った。

Fin


353:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/01 00:39:49 6ysSUwVr0
乙ー!

354:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/06 02:21:15 gDEqA4RG0
ハードボイルドかっこいい!

355:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 16:21:01 M6wtDHY70
なんかすごいね、ここ。絵とかはないの?

356:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/07 19:00:57 7BrecGdA0
>>355
URLリンク(www34.atwiki.jp)

357:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/12 12:00:30 lfYQ78nD0
またwiki荒らしが出たのか

358:名無しさん@お腹いっぱい。
10/03/13 18:37:01 mmraD+vT0
ところで私のお父さんと審判読んだんだけど、別にこのシーンはいらんだろ
っていう展開が多かった。例を挙げると

私のお父さん
・竜崎と大石の存在意義(あんまり活躍していないから別にいらんだろと思った)
・小早川家の目的はそうじろうへの復讐(最初から金目当てだということが分かっているからいらないと思った)
・こなたが麻薬でラリラリの展開とりゅうじというキャラ。
・かがみがこなたに向かって鉈を振り回すところ。

審判
・あやのによるこなたに暴行(あやのってそんなことするキャラだっけ?)
・黒井先生が人を殺した件(しかもこなたに殺人を擦り付けているし、そもそも警察に捕まっている)
・兄沢先導のこなたをリンチ。
・つかさが覚せい剤をやっていること(つかさと覚せい剤は何の関係があるんだ)
・伸恵の設定(学校が違うのにつかさと親友になっている等、別にかがみに金で雇われてやってるでいいと思う)
・ゆいとゆたかによるそうじろう殺害及び死体遺棄(自殺に見せかけて殺したで済むだけなんだが)

みんなはどう思うよ。

359:お漏らし中尉
10/03/14 02:44:35 t5BRf2kG0
【ラストカット】

「みゆきさん、こんな所に呼び出して・・・・どうしたの?」
「ええ、実はお話がありまして」

どんよりとした雲を傘にして屋上で対面する二人
時間は放課後・・・一般の生徒は帰路につき、残るは部活の生徒のみ
したがって屋上に登ってくるものはほぼ皆無といって良いだろう
空を見上げたままでみゆきは風に靡く髪を手で押さえた

「高校に入学して数ヶ月、桜の季節が懐かしいですね・・・」
「・・そうだね」

陵桜学園高校の一年にして、学校いちの才女である高良みゆきはただ、淡々と言葉を吐き出した
その表情には微笑みを浮かべ、曇りの空をただ見上げている
泉こなたは口を結んだまま、左手に出来た痣をそっと摩った

「ねえ・・・みゆきさん」
「どうしました?」

「話って何?」
「ああ、そうでしたね・・・・」

みゆきは少し目を細めるとポケットから一枚の紙を取り出した
そこに書かれているのはこなたに対する誹謗中傷に加え猥雑な文章の数々だった

「これがトイレに貼ってありまして・・・どういう事なのかと」
「・・・・・ああ、それか・・・」

こなたは諦めた様にため息を付くと、その紙から目を背けて苦々しく笑う
小さな体は肩を小刻みに震わせて必死に感情の波に逆らっていた
コンクリートを濡らした雫は決して雨などではない

「そうですか、既にご覧になっていたんですね」
「・・・・うん・・」

「これは『イジメ』ですね?」
「・・・うん・・そうかもね・・」

「他にどんな事をされたのですか?よろしければ・・・・・」
「・・・・・・」

こなたは一度に溢れ出しそうな涙を両手ですくって、何とか言葉を繋ごうと必死だ
みゆきはそっとハンケチを友人に差し出すと優しく肩を摩り、お互いに段差に腰を下ろす

「話せば楽になる事もありますし、問題は後でユックリ解決しましょう・・」
「・・・・」

「その為にも二人でユックリお話しましょう、かがみさんとつかささんには先に帰ってもらいましたから・・ね?」
「・・・うん・・・ありがと・・」

夏を少し過ぎた程よい季節、丁度良い温度が彼女達の夏服に心地よい
鏡はその人間の心を映すものだが、季節に反した曇り空は差し詰めこなたの心境そのものだろうか

こなたは重い口をユックリと開いた、零れ出るのは涙と嗚咽
はじめは些細な事だった

入学して一ヶ月、クラスにもそこそこに打ち解けて、少し恥ずかしい気持ちが残る春の空気の中で
「おはよう」といつもの様に教室に入り自分の机に向かう


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