「泉こなたを自殺させる方法」を考える33at ANICHARA2
「泉こなたを自殺させる方法」を考える33 - 暇つぶし2ch1:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/27 23:23:32 CG/ZAoRI
まだまだ行くよ、何処までも行くよ
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2:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/27 23:40:59 CZ3VFELR
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   !    二ソ彡゙' ∧ : : : :/: : : : /}::!k: :x : : : : : : :ハ ヘl!     / ...:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::\
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3:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/27 23:41:43 CZ3VFELR
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4:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/27 23:48:37 CZ3VFELR
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5:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/28 05:39:44 3POx1XLA
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6:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/28 14:05:19 +k0fLEpH

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7:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/28 15:00:39 Yy2CF3V0
>>1
スレ立て乙なり


8:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/29 00:50:55 naMPgV5g
さて

9:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/29 19:09:46 /GQjF+++
ところでコレについてどう思う?

458 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/10/26(月) 18:51:37 ID:ORmGUlJM
神奈川版「私のお父さん」読んでみたけど、ゆきの両親を自殺に追い込んだ
そうじろうへの復讐は別にいらないんじゃね?
ひであきの高級車買ったり、高級酒を飲むという贅沢ぶりや遺産相続でのそうじろうとの揉め事とか。
動機が小早川家の目的は遺産目当てだって言うことがはっきり分かっているし・・・
おまいらはどう思うよ?

10:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/30 14:10:52 G1yb3jH3
動機か

11:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/31 01:57:19 B9PcZG3M
駄文になりそうなのですが、書いてみても宜しいですか?

12:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/31 02:23:27 7h3vJVTE
>11 がんばれー

13:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/31 02:33:24 B9PcZG3M
>>12有難う御座いますm(_ _)m
では次から書きます

14:謎の異変1/3
09/10/31 02:37:54 B9PcZG3M
こなた「ふー、よく寝たよ。さて朝ご飯を食べよっと」
こなたはいつもの様に台所へ向かった
こなた「お父さん、ゆーちゃん、おはよ~」
そうじろう「どうしたんだ?(おう、おはよう)」
ゆたか「どうしたの?(お姉ちゃんおはよう)」
こなた「やだな~、二人ともからかわないでよ。何かのゲームの影響?」
そうじろう「どうしたんだ?(別にからかってなんかないぞ、なあゆーちゃん)」
ゆたか「はい」
こなた「まあ良いや、頂きまーす」
こなたは気にせず朝食を食べた
こなた「それじゃ、行って来ます」

15:謎の異変2/3
09/10/31 02:55:18 B9PcZG3M
そうじろう「どうしたんだ?(ああ、行ってらっしゃい)」
ゆたか「行って来ま~す」
学校へ行く途中、こなたはゆたかにさっきの事を質問した
こなた「ねえゆーちゃん」
ゆたか「どうしたの?(なあに?お姉ちゃん)」
こなた「今さっきの事だけど、ゆーちゃん達ふざけてた?」
ゆたか「どうしたの?(えっ?何の事?)」
こなた「ごめん、もういいよ」
こなたはそう言うと早歩きで歩いていった
ゆたか「お姉ちゃん…」
こなたは学校に着き、自分の教室へ向かった
つかさ「こなちゃん、おはよう」
こなた「つかさおはよ~」
みゆき「泉さん、おはようございます」
こなた「おはよう、みゆきさん」
つかさ「こなちゃん珍しいね。いつもより学校に来る時間が早いよ」
みゆき「確かに早いですね。」
こなたはそう言われると教室の時計を見た
つかさの言う通りだった
ゆたかを置いて先に行ってしまったからだろう
こなた「あ…あはは…まあ色々あってね」
こなた達が雑談をしていると、かがみがやって来た
かがみ「よっ」
つかさ「あっ、お姉ちゃん」
こなた「かがみおはよ~」
みゆき「かがみさんおはようございます」
かがみ「珍しいわね。こなた、アンタが学校に早く来るなんて」
こなた「私だってたまには早く来るよ」

16:謎の異変3/3
09/10/31 03:17:15 B9PcZG3M
こなたは不貞腐れた様な顔をしてそう言った
つかさ「でもこなちゃん早起き出来て羨ましいな、私は今日はお姉ちゃんに起こして貰ったんだ」
こなた「練習すればつかさも早起き出来るよ」
かがみ「つかさが「たまには早く学校に行ってみたいから起こして」って行って来てね。全く早起き出来ない所は誰に似たのやら…」
つかさ「お姉ちゃん酷いよ~」
かがみ「私は真実を言ったまでよ」
みゆき「なるほど、だから今日はつかささんも早いのですね」
こなた「つかさ、かがみんはどんな起こし方した?」
つかさ「どうしたの?(至って普通だよ~)」
こなた「え?だからかがみがどんな起こし方したかって…」

すみませんm(_ _)m
今日はここまでにします(^_^;
今日の夜にまた続きを投下します
因みにカッコ内は普通に喋っている時です

17:名無しさん@お腹いっぱい。
09/10/31 13:06:10 DbsC77Mx
瀬川泉と身体が入れ替わって
瀬川泉こなたになったら

18:>>11
09/11/01 01:17:39 ghaI0Eqg
皆様、こんばんわm(_ _)m
投下させて頂きます

19:謎の異変 続き
09/11/01 01:37:37 ghaI0Eqg
かがみ「こなた…アンタふざけてるのか?」
かがみが冷たい視線をこなたに向ける
こなた「だってつかさに「どうしたの?」って言われたんだよ?理由なんか分かるわけないじゃん!」
かがみ「はあ?つかさはちゃんとアンタに「至って普通」って言ったわよ?」
こなた「嘘言わないでよ!何なのさ!新手の苛め?」
みゆき「い…泉さん…皆さんが見てますよ?」
こなたが大声を上げたせいで、クラスメイトの注目がこなた達に集まっていた
こなた「あっ…ごめん。みゆきさん…」
みゆき「私に謝られても困ります。つかささんとかがみさんに謝られないと駄目だと思うのですが…」
こなた「そう…だよね」
やがて生徒の一人がこなたを指差してこう言った
男子生徒「おい見ろよ、泉が柊を苛めてるぜ」
女生徒「サイテーね!」
こなた「…」
こなたは生徒達の野次に何も言えずにただ黙っている事しか出来なかった
つかさ「お姉ちゃん、もういいよ。庇ってくれて有難う…」
つかさは今にも泣き出しそうな顔をしていた
かがみ「良くないわよ!一発ぶん殴ってやりたいくらいだわ!」
みゆき「かがみさん、暴力はいけませんよ?」
かがみ「分かってるわよ!でもつかさがこなたに馬鹿にされたのよ?姉として黙っておけないわ!」
つかさ「お姉ちゃん…本当にもういいから…グスッ…有難う…」
つかさは遂に泣き出してしまった
かがみ「つかさ…」
やがてHRの予鈴のチャイムが鳴った
かがみ「こなた…昼休み覚えておきなさいよ…」
かがみはそう言うとC組に戻った

20:謎の異変 続き 2/3
09/11/01 02:05:56 ghaI0Eqg
こなた「かがみの馬鹿…」
こなたは周りに聞こえない様にそう呟いた
黒井「よーしみんな席につけ~。ん?泉、柊、高良どないしたんや?顔色悪そうやけど何かあったんか?」
こなたつかさみゆき「な…何でも有りません…」
黒井「そうか~?まあ困った事があったらいつでも先生に言うて来てや~」
こなたつかさみゆき「あ…有難う御座います…」
そしてHRが終わった後、みゆきが声をかけて来た
みゆき「あの…泉さん…あまり落ち込まないで下さいね…」
こなた「うん、有難うみゆきさん」
こなたはそう言うと授業の準備を始めた
こなた(どうなってるんだろ…?お父さんやゆーちゃんもおかしかったし…)
こなたはそんな事を思っていた
その後の授業は退屈だった
時間がいつもよりもかなり早く進んでいる気がした
こなた(嫌な時に限って時間って早く進むよね…あーやだやだ…)
そして昼休み
因みにあれからずっとこなたはつかさとみゆきに声をかけなかった
勿論クラスメイト達や先生達にもだ
幸い今日はこなたにしては珍しくノートを写していたので先生達からは授業中に当てられる事は一度も無かった
かがみ「うーっす」
つかさ「お姉ちゃん」
みゆき「かがみさん」
こなた「…」
こなただけは無言だった
かがみ「さて、こなた。私はもうアンタとは口は一切聞かないから」
こなた「…勝手にしてよ…」
かがみ「どうしたのよ?(ええ、アンタみたいな奴はこっちから願い下げよ!)」
こなた「ッ…!かがみも…?」
こなたは思わず声に出してしまった
かがみ「どうしたのよ?(はあ?何がよ?って言うかもうみゆきとつかさにも話し掛けないで!みゆきとつかさもそれで良いわね?)」

21:謎の異変 3/4
09/11/01 02:37:15 ghaI0Eqg
みゆき「か…かがみさん…それはいくら何でも酷いかと…」
つかさ「そうだよお姉ちゃん!こなちゃんは今日はたまたま疲れてるだけなんだよ!」
こなた(理由は分からないけど…みゆきさんとつかさが私を擁護してくれてる…?)
かがみ「さあどうだか、どうせこいつの事だから何とも思ってないに違いないわ。つかさ、みゆき、アンタ達ももうすぐ進路を決めなきゃいけないんだから、こんな奴の相手をするのは止めな」
つかさ「でも…こなちゃんが可哀相だよ…。ってあれ?こなちゃんは?」
つかさがこなたの席を見るとこなたはもうすでに居なかった
みゆき「心配ですね…」
かがみ「捜さなくて良いわよ。どうせトイレかどっかでしょ?」
つかさ「お姉ちゃん酷いよ…。私はこなちゃんを捜すよ!」
みゆき「かがみさん…私も泉さんを捜して来ます!」
つかさとみゆきはかがみに哀れそうな表情をするとこなたを捜し始めた
かがみ「つかさとみゆきの馬鹿…アンタ達の事を思って言ってあげてるんじゃない…。グス…」
かがみはそう言って泣いていた
こなた「私の人生はお母さんに産んで貰った時から狂っていたんだね…。世界までもが突然狂っちゃったし…」
こなたは学校の屋上に居た
こなた「死ねば…楽になるよね…?」
こなたがそう言ってフェンスから飛び下りようとした時…

22:>>11
09/11/01 02:39:36 ghaI0Eqg
すみませんm(_ _)m
タイトルミスです
正しくは「謎の異変 3/3」です(^_^;

23:>>11
09/11/01 02:42:08 ghaI0Eqg
後もう少しで終わるので執筆を続けさせて頂きますm(_ _)m

24:謎の異変
09/11/01 03:18:06 ghaI0Eqg
つかさ「こなちゃんっ!」
みゆき「泉さんっ!」
こなた「つかさ…みゆきさん…」
つかさ「こなちゃん!自殺なんてやっちゃ駄目だよ!」
みゆき「つかささんのおっしゃる通りです。自殺なんて止めて下さい!」
つかさ「こなちゃん、ひょっとして朝の事怒ってるの?もしそうだったら許すからっ!だから止めて…うわーん」
つかさは泣き出した
こなた「ごめん…つかさ…みゆきさん…自殺を止めるのは無理だよ…」
みゆき「泉さん、貴女には失望致しました…。かがみさんに嫌われてしまっただけで自殺しようとするなんて…」
こなた「じゃあみゆきさんに質問するよ?今の私はもう生きる資格は無い…。どうすれば良いと思う?」
こなたはみゆきの言葉を信じようとした。自分の何倍も頭が良いみゆきの言葉を。しかしみゆきの口から出た言葉は…
みゆき「どうなさいましたか?(生きる資格が無いのなら新しく作れば良いのです。私は世界中の生物全てに生きる資格が有ると思っています)」
こなた「み…みゆきさんまで…もう嫌だよ!」
こなたはそう言うとフェンスから飛び降りた
つかさ「こなちゃんが…死んじゃったよぉ…ヒック…」
みゆき「泉さん…グスッ…相当追い詰められていたのですね…」
こなたの死は直ぐ様陵桜に伝わった

25:>>11
09/11/01 03:21:03 ghaI0Eqg
すみませんm(_ _)m
ここまでに致します(^_^;
今日の夜に投下する物で終了です

26:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 23:58:40 Lp5mihC+
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            \このスレ終了だゴルァ!!  /
 〝パチパチ〝パチパチ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄〝パチパチ〝
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27:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 12:06:55 8puJqvk3
過疎だな……

28:>>11
09/11/04 18:50:46 tlISQluJ
放置すみません。m(_ _)m
今日の夜に投下します。(^_^;

29:謎の異変 最終
09/11/04 23:36:45 tlISQluJ
かがみ「こなた…ゴメンね…。私あの時どうかしてたわ…。でも自殺するなんてあんまりじゃないのよ…。もういつもの様にアンタと話したり出来ないじゃない…。ヒック…」
みさお「柊…元気出せってヴァ…」
あやの「確かに泉ちゃんが自殺した事は悲しいけど、柊ちゃん元気出して…」
かがみ「うん…日下部、峰岸…有難う」
黒井「泉の馬鹿…何でウチに言うてくれんかったんや…。やっぱあの時に何かあったんやな…うう…」
ゆたか「お姉ちゃんっ…私に相談してくれてれば良かったのに…」
みなみ「ゆたか…元気出して…。ゆたかがそんなだと…泉先輩が浮かばれない…」
ゆたか「うん…みなみちゃん…有難う…」
ひより「ネタキターッ!じゃなくて!泉先輩がまさか自殺するなんて…悲しいっスよ…」
パティ「コナタ…ワタシハトテモカナシイデース…」
そして泉家…
そうじろう「うわあああ!こなた…すまん…。朝の時に理由をよく聞いておくべきだった…俺は父親失格だ…。ああ…かなた…すまない…こなたは俺がちゃんと責任を持って育てるって言う約束を破ってしまったよ…。うっ…ううう…」
こなたの死体は死亡解剖された
死因は脳に何らかの異常があったらしい…



30:>>11
09/11/04 23:39:21 tlISQluJ
グダグダになってしまいましたが、以上で終了です(^_^;
駄文+投下期限過ぎてすみませんm(_ _)m

31:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 23:52:39 HVXrqYPe


32:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 10:30:23 fyuNmhPg


33:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 12:06:55 k+fYoW2s
死因は飛び降りによる失血などでは?
異変の原因を知りたい

34:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 15:48:25 fyuNmhPg
神奈川版の竜崎が謎を解きあかしてくれるはず…

35:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 18:13:40 rXEII3zg
絵描きはいなくなったのか?

36:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 21:03:51 gPR8wpmd
みぃ~んないなくなっちまったよ・・・。 「 死人に口無し 」 ってな !!

37:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 22:11:27 Ir4CLXh1
沖縄氏の続きが見たいです

38:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 22:49:35 Ps+DW4Gl
>>26
その程度でキレるのならば、フロンティアにいらっしゃい。
URLリンク(www.freepe.com)

39:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 22:52:16 Ps+DW4Gl
>>4-6
君達に2chは合わないようだね。
フロンティアにいらっしゃい。
URLリンク(www.freepe.com)

40:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 05:50:44 bDYN5gWt
ちょい失礼します

うつ☆すたのテーマ曲をかってに作ったものなんですが
その曲と、ヤク中大分さんの漫画を素材に
なんといいますか、MAD的なものを作ったりしたんですが
これって上げてもいいですかね? 大分さんにご了承いただかないとまずいかな?

41:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 06:34:47 bDYN5gWt
URLリンク(www.nicovideo.jp)

ごめんぶっちゃけ聞いといて我慢できなかった
やばいなら後でまあ何とかするさ!!
つーわけでうつ☆すた愛をぶち込めるだけぶち込んだMADです

42:JEDI_tkms1984
09/11/06 21:18:47 +1RdE++d
 皆さん、こんばんは。
規制が解除されたのでこちらへ。
ちょうど四半世紀を生きた証に一作投じます。

43:噬い裂け肉叢1
09/11/06 21:20:30 +1RdE++d
 ある晴れた日のこと。
泉こなたは平素どおりのやる気のなさそうな顔で通学路を行く。
「おはよう」
「おはよう」
途中、柊姉妹と合流する。
これもいつもの光景だ。
「あんた、また徹夜か?」
呆れたようにかがみが問う。
もちろん答えはイエスなのだが、こなたは敢えて、
「いやぁ、たまには受験生らしく勉強しようと思ったら思ったより時間かかっちゃってさあ」
大仰に欠伸をしながら返してみた。
「えぇ~? こなちゃん、すご~い」
疑うことを知らないつかさは本当にこなたが勉強していたものと思っている。
「ウソつくなっての。あんたが勉強なんてありえないわ」
しかし冷静なかがみは一度は疑ってかかる。
「むっ! 失礼な。私だってやる時はやるよ」
「ふ~ん? じゃあ何の科目のどのへんをやったんだ?」
「う……ええ~っと…………」
鋭い切り返しを想定していなかったこなたは即答できない。
こうなったら笑うのはかがみだ。
(おのれ、かがみめぇ~~)
ほら見ろ、と言わんばかりの顔にこなたは口を尖らせて反論しようとした。
が、できない。
「え? 勉強したってウソだったの?」
数テンポ遅れてつかさが気付く。
「つかさ……遅すぎ……」
2人に同時に突っ込まれ、つかさは赤面した。
こういう流れもごく自然なものだ。
こなたのすぐバレるウソには全く悪意がなく、柊姉妹もそれぞれに軽く受け流す。
いつもどおりの朝だ。
「まあ、徹夜の話はウソだけどさ、かがみ様……とりあえず宿題……」
「自分でやれ」
「………………」
またしても一蹴される。
こなたはチッと舌打ちした。



 ゆるゆると過ぎていく日常。
この日ももちろん同じ。
何事もなく授業と休み時間が繰り返されて放課後。
さして集中していたわけでもないのに、こなたは最後のチャイムと同時に脱力した。
そして解放感。
ここからは直帰しようが寄り道しようが自由である。
「はぁ~疲れた~~。どっか遊びにでも行かないと堪んないよね」
だらしなく机に突っ伏し、その先にいるつかさとみゆきに声をかける。
「お疲れでしたら今日は早く帰ってお休みになったほうがいいのでは……」
やんわりと答えるみゆきに続き、
「っていうかこなちゃん、6時間目ほとんど寝てたでしょ?」
つかさがチクリと刺した。
そう指摘する彼女も教科書を立てて船を漕いでいたことを、みゆきは知っている。
「はは、バレてた?」
悪戯が見つかった子供のようにこなたは苦笑した。
「でもどうしても買いたい本があるんだよね。直帰ってのも勿体無い気がし…………あ、かがみ」
言い訳がましくそう述べたところで、かがみがやって来た。
「ちょうど良かったよ。ね、かがみも何か買うものあるでしょ? 一緒に行かない?」
「なによいきなり?」
「あのね、こなちゃんが…………」

44:噬い裂け肉叢2
09/11/06 21:21:28 +1RdE++d
いつものメンバーでしばし盛り上がる。
みゆきだけは何となく一歩退いた位置で成り行きを見守る。
結局はこのまま帰宅するのか寄り道するのか、という話でしかない。
その合間にドラマだの映画だのの話題が挟まれて、気がつくと20分近くが経過している。
「あ、もうこんな時間じゃん!?」
会話を横道に逸らせ続けた張本人が時計を見て声をあげた。
「ほんとだ。早いよね」
「呑気に言ってる場合じゃないよ、つかさ。ほら、早く行かないと売り切れちゃうかもしんないじゃん」
「えぇ~私もなの~~?」
「ほらほら、2人も!!」
困惑する3人を率いてこなたは足早に教室を出ようとする。
「あ、あの、すみません。今日はどうしてもはずせない用事がありまして……ご一緒したいのは山々なのですが……」
真っ先に断ったのはみゆきだ。
処世術に長けた彼女はこういう時の文句もスマートだ。
オタク趣味のこなたと違い、物腰優雅なお嬢様だからこそこの逃げ口上も通用する。
「私もなの。ごめんね、こなちゃん」
間髪を入れずにつかさもそれに続く。
さらに、
「悪いけど私もパスで」
かがみまでもが同行を拒んだ。
みゆきに関しては諦めもつくが、かがみまで断るとは思っていなかったこなたは途端に寂しそうな顔になる。
「え~いいじゃん? 別に予定なんかないんでしょ?」
年頃の娘なら”予定”といえばデートが相場だが、残念ながらこのメンバーにその色は感じられない。
「予定なくても今日はパス! また今度付いて行ってあげるからさ」
「えぇ~~」
と、再びこなた。
なおも縋りついてくる彼女に、”はいはい、しょうがないわね。じゃあ付き合ってあげるわよ”とはならない。
今日ばかりは3人とも、何があっても寄り道はしないという方針で固めているようである。
「むぅ、しょうがないや」
背中で不満を露にしつつ、こなたも一応は納得する。
さすがに無理強いはしない。
そもそも寄り道の目的が個人的な買い物であるから、執拗に誘うこともできない。
こなたも18歳。
乗り気でない友人を引っ張って趣味に付き合わせようとしないあたり、人付き合いにおける良識を弁えているようだ。
「ごめんね、こなちゃん」
3人はそれぞれに同行できないことを詫びた。
別に謝る必要などないのだが、それは最低限の礼儀。
”しょうがない”の一言で片づけ、4人は駅で別れる。
(……ま、いっか。たまには1人でブラブラするのも)
妙にポジティヴなこなたは足取り軽く電車に乗った。



「ただいま~」
本一冊買うつもりが、何やら両手に大きな袋を提げて帰宅するこなた。
「おかえり」
と、愛娘を迎え入れる父そうじろうだ。
「なんだ、また色々と買いこんだじゃないか?」
「うん、まあね。なんかキャンペーンとかやっててさ」
限定モノのおまけに弱いこなたは、特に欲しくもないキャンペーン対象商品を買い漁ったらしい。
結果、両手に持ちきれない荷物を抱えて帰ってきたという具合である。
「ああいうところは商売が巧いからなあ」
その手に何度も乗せられてきたそうじろうは微苦笑した。
(親娘だよなあ……)
泉こなたは両親の特徴をしっかり受け継いでしまっている。
「とりあえず着替えてきなさい。ご飯の用意はできてるからな」
というそうじろうの言葉に、こなたは重い荷物を抱えて自室に向かった。

45:噬い裂け肉叢3
09/11/06 21:22:39 +1RdE++d





食卓には豚肉の生姜焼きに味噌汁、サラダが並んでいる。
「私も手伝ったんだよ」
とは、頬を赤らめたゆたかの言だ。
食事の用意はこなたとそうじろうが交互にするが、世話になりっぱなしでは悪いと最近ではゆたかも手伝うようになった。
「うん、おいしいよ」
2人が同時に言う。
実際、味もそうだが大人数で食べることに美味しさの秘密がある。
ゆたかが来るまでは当然だが父娘、2人で食事をとっていた。
共通の趣味があるから話が尽きることはなかったが、それでもどこか寂しい感は否めない。
聞こえるのが互いの声とテレビから流れる音だけでは、賑やかとは言えない。
そこにゆたかが加わったことで泉家は一気に明るくなった。
新鮮な風が吹き込んだようなものだ。
しかも全くの他人ではない。
さほど気兼ねする相手でもなく、だからこなたもそうじろうも彼女との掛け合いを楽しめた。
「ふぅ、もうお腹いっぱいだよ」
「ごちそうさまでした」
そうじろうが背を反らして満腹感を示し、ゆたかは箸を置いて手を合わせた。
「おいしかったよ。ゆーちゃんも腕あげたね」
すっかりお姉さん気取りのこなたは掛け値なしにゆたかを誉めた。
「ありがとう」
それに対し、顔を赤くして喜ぶ少女はじつに可愛らしい。
微笑ましいやりとりを見ながら、そうじろうは自分が勝ち組であることを再認識していた。
その後は3人、テレビを観たり談笑したりと思い思いに過ごす。
くだらないバラエティー番組や堅苦しいニュース。
(この時間ってアニメやってないんだよな。ちょっと前はゴールデンっていったら……)
小説家らしく手元にメモ帳とペンだけは用意して、そうじろうは茫乎(ぼんやり)と画面を眺めている。
その途中でゆたかが席を立った。
どうにも体が気怠く、少し早いが部屋で寝るという。
「ちょっと疲れちゃったのかもね」
ゆたかを部屋まで送ったこなたが戻ってくる。
「そうか…………」
一応彼女を預かっている身であるそうじろうは、ゆたかの体調についてはかなり気を遣っている。
今も熱は出ていないだろうかとか、呼吸は落ち着いているだろうかとか、頭の隅では考えているのだ。
もちろん、ゆたかがいなくなればそんな心配をする必要もない。
ビクビクと腫れものに触れるように扱わなくて済むのである。
「あ、そうだ、こなた」
そうじろうが思い出したように顔をあげた。
「なに?」
「明日は寄り道しないで早く帰ってくるんだぞ」
「え? でもバイトあるし……」
「一日くらい休めるだろう。いいから明日はすぐに帰ってきなさい」
「…………うん?」
急にシフトを変更すればバイト先に迷惑がかかるのだが、そうじろうが思いの外真剣な口調で迫ってきたため、
こなたは曖昧に頷くしかなかった。
(あっ!)
不意に思い当たり、こなたはニヤついた。
明日が何の日か、漸く思い至ったのだ。
(そっかぁ~~。そういう事なら早く帰らないとね♪)
こなたはひとり悦に入った。
ちょうど背を向けているため、その表情はそうじろうからは見えない。
が、この時のこなたは久しぶりに子供っぽい顔をして満面の笑みを湛えていた。




46:噬い裂け肉叢4
09/11/06 21:23:43 +1RdE++d
 翌日。
あっという間に6時間の授業が終わり、こなたが鞄を手にしかけた時。
「はい、こなちゃん」
いつの間にか傍に寄って来ていたつかさが、小さな箱を差し出した。
「開けてみて」
「…………?」
言われるままに開けてみるとトップに赤い石の付いたネックレスが入っていた。
「お誕生日おめでとう」
つかさがニッコリ笑った。
まるで自分の事のように喜ぶ彼女に、
「つかさ、ありがとね!」
素直に礼を言ってネックレスを取り出す。
「あ、ここで付けないほうがいいかも……」
慌てて手で隠すつかさ。
その視線が示す先には書類を手にしたななこがいる。
幸い、向こうは気付いていないようである。
「あら、つかささんはもう渡されたのですか?」
少し遅れてみゆきがやって来た。
「うん。外で渡そうと思ったけど早い方がいいかなと思って」
「そうですか。では私も―泉さんに合うといいのですが」
鞄をゴソゴソやってみゆきが取り出したのは音楽CDだった。
「ヒーリングと言いまして聴くと心が落ち着く旋律なんです。泉さんも日頃、何かとお忙しいようですから、
このようなCDも良いかと思いまして」
謙虚な物言いながら、彼女が持っているのは5枚組の大ボリュームだ。
一瞬、高かったんじゃないの? とこなたは問いかけたが、
「ありがとう。自分じゃ絶対買わないジャンルだからちょうどいい機会だよ」
有り難く受け取ることにした。
確かにパッケージに野原や青空だけが描かれているCDをこなたが買うハズがない。
その意味では貴重なプレゼントだった。
「でも嬉しいな、こういうの。誕生日憶えててくれたんだね」
と言うこなたに、
「大きなイベントですから」
答えたのはみゆきだ。
彼女はなかなかにこなたの趣味というか特性を心得ているようだ。
わざわざ”イベント”という言葉をチョイスしたところに、みゆきの優しさが覗く。
「おっす。遅くなってごめん」
2人からのプレゼントを大事そうに鞄になおした頃、うまい具合にかがみがやって来た。
「ホームルームが長引いちゃってさ」
苦笑混じりに言い訳をするかがみ。
つかさとみゆきが、ちらっとその顔を見やる。
が、視線を向けられたかがみは何食わぬ顔で、
「あれ? 帰らないの?」
実に不思議そうに訊ねる。
「あ、うん、そうだね」
妙な間があり、こなたが沈黙を破る。
今日が誕生日であることをつかさが知っているのだから、かがみが知らないハズがない。
となると当然、何かしらプレゼントを用意していると思われるが、それをもらう側が催促するのはおかしいし、
そもそもこなたもそこまで厚かましくはない。
とはいえ期待していたこなたは憮然とした表情を一瞬浮かべてしまった。
もちろんかがみはそれに気付いているが、敢えて知らない振りをして教室を出る。
その後ろでつかさとみゆきが顔を見合わせて微笑んだ。
4人、他愛もない会話を交わしながら歩き慣れた道を行く。
プレゼントの進呈はすでに終わり、談話に花を咲かせているうちにいつしかこなたの中で誕生日が意識されなくなる。
そのタイミングを測ったように、何の前触れもなく小さな包みが目の前にぶら下げられた。
「んんっ?」
差し出したのはかがみである。
ベージュの小袋の口は丁寧に赤いリボンでくくられている。
「あんた、今日誕生日でしょ? だから、これ……」
若干、頬を赤らめて彼女は余所を向きながら包みを揺すった。
とてもプレゼントを渡すような仕草ではないが、つかさもみゆきもよく分かっている。

47:噬い裂け肉叢5
09/11/06 21:25:14 +1RdE++d
これは彼女が見せられる精一杯の態度だ。
一見すると冷たく見える所作も、彼女と接してきた者には想いやりの裏返しなどすぐに見破れるのだ。
「あ、ありがと……」
突然のことにこなたは調子を狂わされた。
身構えていればこのような答え方は絶対にしない。

”照れながら私にプレゼントしてくれるかがみ萌え~”

こなたが用意していた返しは概ねこのようなものだった。
「開けてもいい?」
「い、いいわよ。でも期待しないでよね」
模範的なツンデレを見せたかがみは僅かに歩みを速めた。
おっ、という声が後ろであがる。
包みの中には不揃いのクッキーが入っていた。
形も大きさもバラバラ。
おそらくココア味なのだろうが、焼きにムラがあるためにこげ茶色のものと白っぽいものが混じっている。
包みをごそごそやっている音を背中で聞きながら、かがみは振り返ろうとしない。
こなたはニンマリ笑みを浮かべてから、そのひとつを齧った。
「おいしい…………」
食べた瞬間の正直な感想を、彼女は誰にも聞こえないように言った。
「わ、悪かったわね。不恰好で! そういうの苦手なのよ!」
肩越しに振り返り、先ほどよりもさらに赤くなった顔で弁解する。
「苦手なのに作ってくれたの?」
したり顔で訊くこなたに、
「う、うっさい! さっさと食べちゃいなさいよっ!」
耳まで真っ赤にしてかがみが怒鳴った。
その仕草がおかしく、みゆきは口に手を当てて微笑んだ。
「お姉ちゃん、すごく頑張ってたもんね。昨日帰ってすぐに作り始めたんだよ」
「そうなのですか?」
「うん。材料も買いこんで……たぶん5回くらい焼いたんじゃないかな? 最初は―」
「つかさぁっ!!」
真っ赤な顔でかがみが制する。
努力しているところを知られたくない彼女にとっては、妹の暴露はまさしく爆弾だ。
慌ててつかさの口を塞いだかがみは、妙な視線に気付きハッとなって振り返る。
思ったとおり、こなたが (≡ω≡) こんな顔でニヘラニヘラと笑っていた。
こういう表情をする理由はひとつしかない。
そこに思い当たったかがみは羞恥でいっぱいになったのだが、そこに追い討ちをかけるように、
「市販にはない愛が感じられておいしいねぇ~」
こなたがこう言うものだから、愈々顔から火が噴き出しそうになる。
「愛とか言うなぁ~~っ!!」
「うふふ……」
それを楽しげに見つめるみゆき。
「でもほんとに嬉しいよ。ありがと、かがみ」
その場の雰囲気に乗じ、こなたはさらりと本意を述べた。
彼女にしては珍しく頬をうっすら朱に染めているのだが、かがみはそれには気付かない。
普段からツンデレだと揶揄している相手に、今の紅潮した顔を見せるわけにはいかないのだ。
「どうでしょう? お祝いということでお食事でも」
珍しくみゆきが誘う。
こういう話を切り出すのは大抵かがみかこなただ。
普段あまりない展開にこなたは少々惑った。
「うん……気持ちはありがたいんだけど、今日はお父さんに早く帰って来いって言われてんだよね」
申し出は嬉しいが、昨夜のそうじろうの言葉を思い出したこなたは遠慮がちに断った。
その時の、
「そうですか……それは仕方ありませんね」
と言ったみゆきの表情は心から残念がっているように見えた。
「おじさんの事だから、すごい御馳走でも用意して待ってるのかもね」
かがみが嬉々として言った。
仮にそうだとしても、その御馳走が出るのは夕食だ。
それまでにはまだまだ時間がある。
「―って言われたけど、ちょっとくらいなら大丈夫だと思うよ」

48:噬い裂け肉叢6
09/11/06 21:26:24 +1RdE++d
こなたはさらりと前言を翻した。
折角のお誘い―しかも今回はみゆきから―である。
そうじろうとの約束は多少先延ばしにしても問題ないだろう。
「え、よろしいのですか?」
「いいっていいって。盛大にお祝いしてくれるんでしょー?」
「あ、いえ……盛大というほどには…………」
「あんた厚かましいわよ……」
などとやりとりしながら、結局は近くのファミレスに入ることになる。
夕食を考慮して4人は比較的軽めのスイーツを注文する。
甘みたっぷりのデザートに、こなたがかがみを揶揄ったり、つかさがレシピの参考にとメモをとったり、
みゆきが蘊蓄を披露したり―。
たかだか生まれた日から起算してキリの良い日にあたっただけだというのに、3人はこうして祝ってくれる。
それがこなたには何より嬉しかった。
プレゼントの値段や中身よりも、自分の誕生日を憶えていてくれることが何よりの幸せだった。
(私もちゃんとお返ししないとね……)
見た目通り、子供っぽい笑顔を浮かべながらこなたは思った。




 結局、友人同士で開いたささやかなパーティーは2時間ちかくに及んだ。
「ただいま~」
空が薄暗くなった頃、泉家の娘が帰宅する。
「おかえり。かがみちゃんたちと食べにでも行ったか?」
開口一番、出迎えたそうじろうの言葉にこなたは、
「う、うん。お祝いにって言ってくれたから」
父が怒っているのではないかと歯切れ悪く答える。
が、彼は特に表情を険しくするわけでもなくいつもの調子で、
「そうか。良かったな」
娘の人気の高さを喜ぶようにそう返した。
その反応にこなたはひとまず安堵する。
そうじろうが怒ることは殆どない。
こなたが幼い頃は悪戯をして叱られたことが何度もあったが、それはあくまで親としての叱責で怒りではない。
片親ながらかなたの代わりも担ってきた彼の躾が良かったからなのか、こなたは多少ひねくれてはいるものの、
実生活において―勉強嫌いを除いて―特に問題のない性格に育ってくれている。
だからなのか父娘ケンカもなく、従ってそうじろうが憤慨するという局面は滅多になかった。
あるとすれば理不尽な実社会に対する小さな抵抗だ。
「いや、昨日はああ言ったけど実際これくらいでちょうど良かったかもな」
今度は逆にそうじろうのほうが時計を見て恥ずかしそうに言った。
「どしたの?」
「仕込みに時間がかかってな……」
「…………?」
「とりあえず着替えておいで。あ、あとちゃんと手洗いと嗽(うがい)もな」
「はーい」
子供扱いしないでよ、と言いかけたこなただったが容姿は元より、18歳になったばかりではまだ子供だと思いなおし、
取り敢えず言われたとおりにする。
(こりゃかがみの言うように御馳走だね)
”仕込み”という単語をちゃんと聞いていたこなたは軽やかな足取りで自室に向かう。
(何が出るかな……ってこれじゃかがみと一緒か…………)
と、この時は子供のように胸をときめかせていたこなたである。





「おお~~!!」
食卓についたこなたは大袈裟にではなく、無意識に歓声をあげていた。
ある程度は予想していたが、並べられた料理は想像以上に豪勢だった。
パプリカを多く使ったサラダは彩りよく、味だけでなく見た目も楽しめる。

49:噬い裂け肉叢7
09/11/06 21:27:46 +1RdE++d
その横に添えられたコーンスープは薄味のサラダと対照的に濃厚だ。
「お父さん、どうしたの、これ?」
「ああ、今日のために準備しておいたんだ。こなたももう18歳だもんな……」
そうじろうが遠い目をして呟く。
一方、こなたは目の前の料理に魅了されていた。
サラダもスープも所詮は引き立て役。
それ自体も空腹を満たしてはくれるが、今日ばかりは主役ではない。
メインは卓の中央に鎮座しているステーキだ。
「この肉は格別だぞ。他じゃまず手に入らない逸品だからな」
「そうなの?」
「よし、冷めないうちに食べるか」
既にナイフとフォークを用意していたそうじろうが低位置につく。
「あれ、でもゆーちゃんは?」
こなたもそれに倣うが、ゆたかが居ないことに気付き伸ばした手を引っ込めた。
そうじろうはちらっと時計を見やる。
「そういえば遅いな。連絡もないし…………」
口でこそそう言っているが、こなたにはあまり心配していないように見えた。
ゆたかが寄り道をする時はいつもメールを送るか自宅に電話するなどして連絡をいれていた。
「みなみちゃんに訊いてみようか?」
こなたが立ち上がりかけたが、
「待ちなさい」
何故かそうじろうが強い口調でそれを止めた。
(………………?)
その様子に怪訝そうな表情を浮かべたが、こなたは渋々と腰をおろす。
どうも父の様子がおかしい。
半分はバーチャルの世界に住む彼女も、このくらいは気付く。
妙にそわそわしているし、室温が高いわけでもないのに額や首周りにうっすら汗を浮かべている。
時おり何かを咀嚼するように口をもごもごと動かしたり、頻繁に時計を見たりもしている。
ただゆたかの安否を気にしているという訳ではなさそうだ。
その所作がどうにも気になったこなたは、
「ねえ、お父さ―」
声をかけたのだが、
「こなた、先に食べようか」
遮るようにそうじろうがとんでもない事を言い出した。
「ええっ? だってゆーちゃんが……?」
「そのうち帰ってくるだろう。遅いって言ってもまだ寄り道の範囲だしな」
言いながらそうじろうが時計を指さす。
時刻は19時を少し過ぎたところ。
確かに彼の言うようにさほど心配するような時間帯ではないかもしれない。
が、連絡なしで外にいるのはゆたかである。
病弱な彼女のことだから路で倒れている……という可能性も無くはない。
あれこれとこなたが思案している間にも、そうじろうはナイフを手に肉を切り分け始めた。
やはりどこかおかしい。
こなたはまだしもゆたかは預かっている身だ。
それを引き受けた以上は親以上に彼女を保護しなければならないハズなのだが、
今のそうじろうはゆたかの事よりも、目前の料理に意識を向けているようだ。
「ちょっとちょっと! ゆーちゃんは!?」
まるでゆたかの存在を忘れてしまったかのように肉にナイフを入れる父に、
こなたは言い知れない不安を覚えた。
「まあいいじゃないか。そのうち帰ってくるだろう」
彼は一向に取り合わない。
「それより冷めないうちに食べなくちゃな。特にこの肉は―」
そうじろうは喉を鳴らして断面から流れる肉汁に見入っていた。






50:JEDI_tkms1984
09/11/06 21:31:46 +1RdE++d
 今日はここまでです。
次回は明後日の投下となります。
ではまた。

51:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 23:40:58 KE2f5Aq/
丁度いいタイミングで解けたな。

52:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 23:55:36 tk5nVG7Z
乙!
いつもすばらしい小説をありがとうございます!
毎日のようにあなたの小説を読み返させていただいております。

この話は何だか展開が読めちゃう感じだけど、それも敢えてなのかな?
それともどんでん返しが来るのかな?
続きが気になるところです。

そして最後に、お誕生日おめでとうございます!

53:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 01:41:42 Ik+xoIY6
まだ11月も初旬だというのに、まだハロウィンが終わったばかりだというのに、
何故かイルミが飾られクリスマス一色な街の中、皆様はどうお過ごしでしょうか?

こなたさんは、もう11月だというのに未だ未だ5月気分です。
ええ、メイシックってやつです。
彼女には夏も秋も冬さえないんです。常に春爛漫。

願わくば 花の下にて 春死なん その如月の 望月の頃

学に疎いつかささんは仰いました。
「難しくて何言ってるか分からない」と。
学に劣るみさおさんは答えられませんでした。
「西行って事しか知らねー。意味まではわっかんねー」と。
代わりにかがみさんが答えました。
「春の満月の日に桜の下で死にたいってだけの退屈な歌」と。
国語が得意なあやのさんが指摘しました。
「でも如月って2月。春じゃないよね」と。
博識なみゆきさんが説明します。
「陰暦ですので、今で言えば3月下旬から4月上旬にあたります」と。
死に死に死に死んで死の終わりに暗いこなたさんは別の解釈を提出します。
「いつも春って意味だよ」と。
常に春爛漫、翻せば常にメイシック。
だから5人は言い放ちました。
「季節は大切にしたい。春を望まない。次に冬が来ても─
寄り添えば寒くないよ?」と。
「ああ、そういえば、世間では11月6日だったっけ。
次は12月だったけ。次は冬なんだっけ」
今気付いたようにこなたさんは言いました。
でもこなたさんは分かっていました。
「世間ではその次は1に還るのか。世間では次の次も冬なのか。
でもそれでも私は常春だよ。12の次は13だからさ」
5人は首を傾げます。
気付いていない彼女たちに、こなたさんは教えてあげました。
「ああごめんごめん、月の話じゃないよ。階段の話だよ」と。
その13段目に導く数多の執行人の一人に対して、
こなたさんは詠いました。

霜月に 落とされた知は 殺気削ぎ
 祝詞彩る 死と死と疼き

「これからも宜しくね。いつか13段目に登ってしまうその時まで」
彼女からの精一杯のプレゼントのようです。
受け取ってあげて下さいな。

皆様の次の次は、1ですか13ですか?
ちゃんと季節、循環させてますか?
「ハロウィンはトリックorトリートだったけど、
私に残された選択肢はスイサイドonlyだよ。
それが13段目だ。そこが常春、死にたくなる季節だよ」

54:>>11
09/11/07 02:26:14 aclAN18r
割り込み失礼致しますm(_ _)m
死因は>>33さんの言う通り、出血多量による死なのですが、>>33さんが異変の原因を知りたい様なので、後日談を投下致します

55:謎の異変 後日談
09/11/07 02:34:19 aclAN18r
後日、そうじろうは医師からこなたの死因について聞かされた
医師「こなたさんの遺体を調べましたが、死因は屋上から飛び降りたことによる大量出血死なのですが、他に脳に異常がみられました」
そうじろう「どんな異常なのですか?」
医師「それが…原因不明なのです…」
そうじろう「原因不明ですか…」
医師「ええ…こなたさんに生前、何かおかしい所は御座いませんでしたか?」
そうじろう「こなたが自殺する日の朝、いつもの様に挨拶をしたのですが、こなたに「やだな~、二人ともからかわないでよ。何かのゲームの影響?」と言われましたね…」
医師「そうでしたか…」
そうじろう「はい…」
医師「原因が不明なので、こなたさんが生まれつき持っていた病気だと私は推測します…」
そうじろう「こなたのその病気が自殺した日の朝に突然再発したと言うのですか?」
医師「はい…」
そうじろう「その原因不明の病に発病したのはこなたが世界で初めてなのですね?」
医師「ええ…非常に残念ですが…」

人に質問すると「どうした?」としか返事が返ってこない原因不明の謎の病…こなたの次の犠牲者は貴方達かも知れません…

56:>>11
09/11/07 02:40:58 aclAN18r
以上です(^_^;
異変の原因の答えになってない気がしますが…(汗)
言い忘れておりましたが>>1さん乙ですm(_ _)m
>>50さん
素晴らしい文章力ですね。私はまだまだですね…(苦笑)お誕生日おめでとう御座いますm(_ _)m

57:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 03:09:23 RRXUHH+4
皆さん投下乙です。最近活気あっていいなあ。
>>41も個人的にはかなりキタんだけど…最後のあたりは鳥肌たった

58:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 03:43:12 No6wS6kw
>50
お誕生日おめでとー!続き楽しみにしてます。

59:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 12:50:43 cPaf7MzN
まだだ、まだ終われない。君の勝負はいつもそこから。行き先は何処?

60:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 13:11:17 hAX1fDhs
test

61:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 19:38:42 YHR2/r8e
>>41のものです。
なんというかすみません。
事後承諾なうえ、承諾というより黙認のような形ですが
大分さんからの使用許可は頂きました。
なんというか実にすみません。

62:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/08 01:49:21 gaWnpobu
>>41
権利関係が微妙そうだったんで、自重してたけど、感想。

序盤はちょっと手抜きだなーとか思ってたけど。
一番ジンと来たのが最後のサビ前。
こなたが夢から覚めた?直後からのたたみかけ、横たわる二人、繋いだ手
最後に残されたつかさの表情。一瞬映る、窓の向こうのこなたの目。

これはいい!すごくいい!うつ☆すたがより好きになったし、>>41がうつ☆すたが好きなのがすごく伝わってきた。
ただ、個人的に、あの薬が画面いっぱいに広がるシーンは、どっかで長めにつかってほしかったかな。


63:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/08 12:55:12 Xjce0Lr4
神奈川版「私のお父さん」読んでみたけど、ゆきの両親を自殺に追い込んだ
そうじろうへの復讐は別にいらないんじゃね?
ひであきの高級車買ったり、高級酒を飲むという贅沢ぶりや遺産相続でのそうじろうとの揉め事とか。
動機が小早川家の目的は遺産目当てだって言うことがはっきり分かっている。
もう一つ、神奈川版「審判」の黒井先生が殺人犯すのも別にいらないように思えた。こなたに罪を
かぶせようとする展開なんだけど、すでにこなたは放火や強盗で捕まっているし。

64:JEDI_tkms1984
09/11/08 21:21:05 Ca3gHv4U
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下参ります。

65:噬い裂け肉叢8
09/11/08 21:22:16 Ca3gHv4U
「これでいいな」
肉の硬さもあったのか切り分けるのに5分ちかくかかった。
こういう宴に出てくるのはほとんど咀嚼する必要もないような軟らかい肉なのだが、卓に上っているのは
切るのに手間取っていたところを見ると筋の多い硬そうな肉である。
まずこなたの皿に、次いで自分の皿にそれを盛るそうじろう。
残り3分の1ほどはゆたかの分だ。
「ねえ、お父さん。やっぱりゆーちゃんが心配だよ……」
目の前から食欲をそそる香りが立ち昇ってくるが、こなたは僅かに顔をそむけた。
「大丈夫だって。そのうち―」
相変わらず平然とした様子でそうじろうが返した時、
「遅くなってごめんなさい」
というゆたかの声が玄関から聞こえた。
「ゆーちゃんッッ!?」
その声に弾かれるようにこなたが席を立った。
ドアの前には丁寧にラッピングされた箱を持っているゆたかがいた。
顔色も良いし、汗一つかいていない。
こなたは漸く安堵した。
彼女の心配は杞憂に終わったようだ。
「ゆーちゃん、どうしたんだ?」
遅れてやって来たそうじろうは、口調に気をつけながら問うた。
「あの、ごめんなさい。学校を出たくらいに”遅くなります”ってメールしたつもりだったんですけど……。
その……うまく送信できてなかったみたいで……さっき気が付いたんです…………」
ゆたかは言いながら、これが言い訳がましく聞こえないかと不安になった。
「………………」
そうじろうは目を閉じ、小さく唸る。
ゆたかは娘ではない。
こういう時の対応は娘に対して以上に慎重になるべきなのだ。
暫くして再び目を開いた時、ゆたかが持っている箱を認めたそうじろうは、
「そうか……それなら仕方ないな。でもあまり遅くなるようなら、これからはメールじゃなくて電話にしなさい。
そのほうが確実だからね」
微笑みながらそう諭しておいた。
ゆかたの帰りが遅くなった理由を考えれば、叱るわけにはいかない。
「はい、はい! ほんとにごめんなさい」
「いいからいいから。とにかく着替えておいで。ご飯の用意はできてるから。今日は御馳走だぞ?」
「はい!」
箱を大事そうに抱えてゆたかが足早に部屋へと向かう。
(お父さん、やるじゃん!)
言葉にこそしないものの、こなたはやはりそうじろうは立派な父親だと思った。





それから5分もしないうちにゆたかが着替えて戻ってきた。
「はい、これゆーちゃんの分」
先ほどの残りを皿に乗せてゆたかに渡す。
「よっし! じゃあ始めるか」
「はい」
2人はにっこり微笑みながらこなたを見つめた。
「こなた―」
「お姉ちゃん―」
互い、息を合わせるように、
「お誕生日おめでとう!!」
綺麗に言葉を重ねる。
クラッカー代わりの拍手は頭数の少ない質素なパーティーを大いに盛り上げた。
「ありがと~~」
いつものように口の端を丸めてこなたが破顔した。
ゆたかがプレゼントの箱を差し出す。
「開けてみて」
なぜか恥ずかしそうに顔を赤らめながらゆたかが言った。

66:噬い裂け肉叢9
09/11/08 21:23:47 Ca3gHv4U
その表情を訝しみながら、こなたは彼女の手前、丁寧に包装を解いていく。
「あっ…………!」
全容が露になる前に、パッケージの一部を見たこなたが思わず声をあげた。
1/8スケールのフィギュアだった。
白と青が基調の服を着た少女が、先進的なデザインの杖を構えている。
「ゆーちゃん、これ…………」
「ごめんね、そういうのよく分からなくて……」
俯いたゆたかの視界には、イタチのような小動物の附属品がある。
彼女にしてはかなり勇気の要る買い物だっただろう。
そもそもこういう物を売っている店に近付いたことすらないのだ。
「いや~嬉しいよ、ゆーちゃん。ありがとね」
こなたは有り難く受け取った。
自分の趣味に合っていたというのも勿論だが、ゆたかなりに色々と思案して選んでくれた気持ちが何より嬉しい。
その様子をにこやかに見つめていたそうじろうだったが、
(ゆいちゃんに怒られるだろうなあ……)
環境がどうのと詰問されるかもしれないと彼は厭な汗をかいた。
「俺からのプレゼントはこの料理だ。言っとくけどただの御馳走じゃないぞ。
今日のために大事にとっておいた材料を使ってるんだからな。18歳の誕生日にピッタリだ」
そうじろうが得意になって言う。
「さ、食べなさい」
自身もフォークとナイフを巧みに動かして、やや硬めの肉を口に運ぶ。
「いただきまーす」
小学生にも見紛う2人もそれに続いて肉を頬張った。
「おいしいっ!」
示し合わせたわけでもないのに、2人が殆ど同時に声をあげた。
筋が多く硬くはあるが、咀嚼するほどに肉本来の旨みが後から後から滲み出てくる。
味自体は少し苦い。
が、そうじろうが上手く味付けをしたために、高級肉にも劣らない深い味わいがある。
「だろ? コツはな、下拵えをしっかりしておくことなんだ。他の肉に比べて臭味があるからな。
それと焼く時間だな。なかなか火が通りにくいからじっくり焼き上げるんだ」
二口目を嚥下したそうじろうが自慢げに調理方法を説明し出した。
「ほんとに美味しいよ。高級ステーキみたい」
やや噛む力を必要とするのは難点だが、味に関しては文句のつけようがない。
食べるスピードの遅いゆたかは漸く一口目を呑み込んだ。
「これって牛肉なんですか?」
水を飲んで喉を潤してから訊ねる。
「う、うん? ああ、どうしてだい?」
その質問にそうじろうはなぜか歯切れの悪い返し方をする。
「いえ、食べた事のない味だったから……」
「……牛肉じゃないんだ。まぁ、世の中にはいろんな肉料理がある。ゆーちゃんは鹿や猪を食べたことはあるかい?」
「いえ、まだ……」
「じゃあいつか食べに連れて行ってあげよう。あっさりしていて美味しいんだ」
「あ、はい。是非お願いします」
「よしよし。その時はゆいちゃんも誘って行こう」
朗らかに笑いながら、彼は再び肉に齧りつく。
(………………?)
結局、彼はゆたかの問いには明答しなかった。
(美味しいけど、でも何の肉なんだろ? 豚じゃないし鶏もありえないし……)
食べたことのない味にこなたは舌鼓を打ちながら、ふと疑問に思う。
「ま、いっか」
しかしその疑念も間もなく口中に広がる深い味わいに霧散してしまうのである。
料理好きなつかさやあやのでも、この味は出せないだろう。
そもそも素材の肉が特別な物だ。
そうじろうは臭味が強いと言っていたが、何度も噛むうちに明らかに調味料のものではない独特の甘味が出てくる。
これがどう体に作用するのか、こなたもゆたかも添えられたサラダやスープには目もくれず、
ただ只管に盛られた肉を切っては食べ切っては食べを繰り返した。
「おいしいね、お姉ちゃん」
「だね~」
初めこそこうして素直な感想を述べ合っていた2人だったが、数分もすると会話する時間も勿体無いと言わんばかりに、
口いっぱいに肉を放り込むようになる。

67:噬い裂け肉叢10
09/11/08 21:25:14 Ca3gHv4U
「おいおい、そんなに頬張ったら喉に詰まるぞ」
そうじろうが苦笑する。
しかしそんな諌めもお構いなしに、2人は餓えた獣のように肉を咀嚼する。
「やれやれ…………」
既に皿を空にしていたそうじろうは、ずしりと重い腹をゆっくりとさすった。
彼の目の前ではゆたかが肉を切るのに悪戦苦闘している。
筋が多いせいで思うように切り分けられないらしい。
やがてもどかしくなったのかゆたかは切るのを諦め、フォークを乱暴に突き刺してそのまま口に放り込んだ。
その様をこなたが羨ましげに見つめる。
彼女も既に食べ終わっており心地よい満腹感に酔っていてもいいハズなのだが、すぐ隣で肉にかぶりつく音がすると
どうにも心が落ち着かない。
食べたい。
食べたい。
何故か飢餓感に突き動かされそうになるこなただったが、ゆたかの当たり分を横取りしてはいけないと懸命に堪えた。
食欲は旺盛なのに添え物のサラダやスープには全く口をつけていない。
引き立て役は最後まで食されなかったようだ。
「ゆ、ゆーちゃん、早く食べちゃってよ……」
言いながらこなたは自分の指先がカタカタと震えているのを感じた。
大好きなおやつを前に”待て”の指示を出された飼い犬の気持ちが少しだけ分かった気がした。
ゆたかはと言えばこなたの言葉を無視して、自分のペースで食を進めている。
もはやフォークもナイフも本来の用には供さず、彼女は手づかみで肉を口に運ぶ。
「ははは。2人ともよく食べるな」
副菜がそのまま残っていることなど気にも留めず、そうじろうは一気に水を飲み干して喉を潤した。
5分ほどかけてゆたかも完食する。
「どうだ、美味しかっただろう?」
「うん」
「はい、とても」
2人は揃って満足げな笑みを浮かべる。
が、その表情の奥にはまだ食べ足りないという欲求が見え隠れする。
「よしよし。じゃあパーティーはお開きだ。ああ、後片付けは俺がやっておくから」
テレビを観るなり好きに過ごしなさい、と言い置いてそうじろうが卓上を片付け始めた。
自分も手伝うとこなたたちは立ち上がったが、彼は強くそれを制した。
「それにしても美味しかったね~」
「だよね。あんなの初めて食べたよ」
くだらないバラエティ番組を観るとはなしに眺めながら、2人は食後の感想を述べ合った。
俎上にのぼるのは先ほどの肉。
副菜は一口も食べていないため話しようがない。
「なんかお腹いっぱいなのに、あれだったらいくらでも入りそう」
「私も~」
などと語り合うのはいかにも年頃の娘といった様子で微笑ましい。
背中に少女たちの欣喜の声を聞きながら、そうじろうは鼻歌まじりに皿を一枚一枚丁寧に洗う。
至るところにこびり付いた油は洗剤をたっぷり使ってもなかなか落ちない。
「旨いんだがこれだけがなぁ……」
口を尖らせ彼はスポンジを持つ手に力を入れた。
(ああ、しかしやっぱり旨いよな。駄目だ……思い出したら涎が……)
真っ白な皿を眺めて、そこにあるハズのない肉を想像し彼の表情は無意識に弛緩していた。



 夜。
日付が変わって数時間が経った頃、こなたは目を覚ました。
(ヘンな時間に冴えちゃったな。こういう時って次の朝がダルくなるんだよね)
仄かに読み取れる時計の針を見て、欠伸をひとつ。
「あれ……?」
その時、喉の辺りに違和感を覚えたこなたはそっと手で触れてみた。
(なんかヒリヒリする……?)
硬い布で何度も擦ったような痛さがじわりと広がってくる。
どうにも気になった彼女は部屋の電気を点け、机から鏡を取り出して見た。
―首が赤い。
何本もの筋が縦に重ねられ、全体に赤みがかっている。

68:噬い裂け肉叢11
09/11/08 21:26:12 Ca3gHv4U
自分の手を見る。
爪先が奇妙にささくれ立っていた。
歳に似合わずお洒落っ気のないこなたは髪や爪の手入れなどはしないが、そこはやはり思春期の少女である。
既に異性を引き付けるようなしなやかさがそこかしこにあるのだ。
だからこなたは爪先の異常にすぐに気付いた。
(寝てる間に掻き毟ったのかな……)
特に深く悩むような問題ではないが、喉元がスッキリしない。
異物感もある。
「なんか飲もう」
重い足を引きずるように部屋を出る。
そうじろうたちを起こさないように足を運ぶこなたは、その途中も喉元を擦る。
痛いのは痛いのだが、こうしないと落ち着かないようだ。
薄暗い廊下を記憶を頼りに手探りで歩く。
角を曲がれば台所、というところで妙な音が聞こえてきた。
ガサガサと何かを漁るような音だ。
(ウソ! 泥棒ッ!?)
半分寝ていたこなたの意識が完全に覚醒する。
この家に金目の物などないが、侵入した泥棒はお構いなしにあちこちを探っているのだろう。
警察を呼ぶべきかこなたは迷った。
万が一にも自分の勘違いだった場合、多大な迷惑をかける。
夜中に不審な音がしている時点で勘違いなどありえないのだが、こっそり音を立てないように近づき、
その正体を明らかにしてから通報するべきだ。
漸くハッキリしてきた頭でそう判断し、先ほどよりも慎重に台所に向かう。
仄かに明かりが漏れている。
やはり誰かが忍び込んでいるのは間違いない。
こなたは動悸を抑えながら、そっと中を覗き見た。
「…………ゆーちゃん?」
いたのはゆたかだった。
開け放した冷蔵庫の前にしゃがみこみ、何かを咀嚼している。
「ゆーちゃん?」
こなたの再度の呼びかけにも答えず、彼女は手と口だけを動かすばかりだった。
ひとまず泥棒ではなかったことに緊張を緩めたこなただったが、よく知る顔の異常な行動に、
「ねえって……」
掠れた声で言いながらその肩を掴む。
「………………ッッ!?」
振り向いたゆたかは口の周りを真っ赤に染めていた。
足元には乱暴に引き裂かれたビニール袋やプラスチックトレイが散乱している。
「あ、お姉ちゃん。ごめんね、起こしちゃったかな」
ようやくこなたに気付いたゆたかは恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「な、何やってんの…………?」
声が出ない。
訊くまでもなく、その状況を知ってしまったからだ。
散らばるゴミは主にスーパーのもの。
鶏肉や牛肉をパックしていたトレイだ。
「なんだかお腹空いちゃって……。何か食べようと思ったんだけど……」
と言ってゆたかがそれらを指さした。
「食べるって……ゆーちゃん、それ、生のままで―?」
よく見ると床もところどころ赤くなっている。
恐怖にひきつった様子のこなたの問いに、ゆたかはキョトンとしている。
何がおかしいのか、と言わんばかりの表情だ。
間があって、そうだよ、と答えたゆたかの肩をこなたは強く掴んだ。
「駄目だよ、こんな事しちゃ! ゆーちゃん、体弱いんだからお腹壊すよっ!」
ゆたかの行動はそれ以前の問題なのだが、錯乱しているこなたは気付かない。
異常な有様にまだ理解が追い付いていないらしい。
「え、うん……気をつけるね……」
ゆたかはまだよく分かっていない。
こなたの真剣な眼差しから目を逸らした彼女は、空になったトレイをちらちらと見やる。
「とりあえず口濯ごうよ。それと水。片付けは私がやるから!」
「うん…………」
不服そうな顔でゆたかは立ちあがり、言われたとおりに口元を洗った。

69:噬い裂け肉叢12
09/11/08 21:27:16 Ca3gHv4U
その間にこなたが汚れた床を拭く。
幸い付着してから時間が経っていないため、血はすぐに拭き取ることができた。
「お姉ちゃん、洗ったよ」
のんびりした口調で言うゆたかの喉には掻き毟った跡があった。
「じゃあ水飲んで、水! ゆーちゃん、お腹痛くなったりしてない!?」
「大丈夫だよ。何ともないもん」
素っ気なく答えるゆたかは強がりからではなく、本当に体調を崩していないようだ。
(生で食べたら消化不良起こすよ……)
そもそもゆたかが夜中に生肉を貪っていたという事態の奇異までは頭が回っていない。
この時のこなたはただ体調を気遣うばかりだった。
「こんな時間に何やって―何やってるんだ?」
音を聞きつけて目をこすりながらそうじろうが入ってきた。
すぐに様子のおかしいのに気付く。
「あ、お父さん。ゆーちゃんが……」
雑巾を絞りながらこなたが肩越しに振り向いた。
「ふむ…………」
しかし彼はさほど驚いた様子を見せることもなく、むしろこの状況が自然であるかのように頷いていた。
既に血を拭き取り、水を飲ませたゆたかは平素と変わりない顔をしている。
ゴミ箱には不自然な空容器が山積みにされており、そうじろうはそれに目を留めた。
「これ、ゆーちゃんがやったのか?」
そっとこなたに耳打ちする。
「えっ? うん。冷蔵庫の中、漁ってたみたい。生のままで食べたみたいだけど、吐かせた方がいいかな?」
「いや、大丈夫だろう。念のために水を飲ませておいたほうがいいかもしれんな」
「それならさっき飲ませたよ」
「そうか…………こなた、ここは俺が片付けるから悪いけど、ゆーちゃんを部屋に送ってやってくれないか」
「分かった」
後始末をそうじろうに任せ、こなたはゆたかを伴って台所を出る。
ゆたかの歩みは健常な少女のそれと変わらない。
物足りなさを顔いっぱいに表現しながら、こなたに引きずられるようにして部屋に運ばれる。
「なにかあったらすぐに呼んでね」
ゆたかを寝かしつけ、言葉少なに言い残して部屋を出る。
「ふう…………」
ドアに背を預けて、漸く一息つく。
ただ飲み物を取りに行っただけなのに、慌ただしく時間が過ぎてしまった。
ゆたかは大丈夫だろうか。
背後にかすかに寝息が聞こえる。
(あ…………!!)
自身の呼吸も落ち着きを取り戻し始めた頃、先ほどまで至らなかった部分に思考を働かせたこなたは息を呑んだ。
ゆたかの異常な行動だ。
「なんであんなこと…………?」
冷静になってみると恐ろしい。
ウイルスに感染した人間があのような行動に出る、というテレビゲームはあるが現実ではあり得ない。
演技にしては悪質すぎるし、こなたがあのタイミングで通りかかる保証もない。
そもそもゆたかにそうする理由がないのだ。
(じゃあ……なんで?)
何者かに憑依されたという可能性もなくはない。
が、それを立証するのは難しいし心当たりもない。
やはりどう考えてもあり得ないのだ。
「みゆきさん……でも分かんないよね、これは……」
こなたを喉を掻き毟りながら思案を巡らせたが、一向に答えは出てこなかった。
そのうちに考えるのにも疲れ、そういえば元々飲み物を探していたのだと思い出し再び台所へ向かう。
ちょうど片付けを終えたそうじろうが出てくるところだった。
「どうした?」
「喉が渇いちゃってさ。さっきも飲み物取りに来たんだけど、その時にゆーちゃんを見つけたんだ」
「そうか……」
冷蔵庫を開け、オレンジジュースを取り出すこなた。
その時、庫内の隅に血がついているのに気付く。
「ああ、ゆーちゃんのことだがな―」
そうじろうが腕を組んで言った。
「最初はあんな感じになるんだ。こなたは何も気にしなくていいからな」

70:噬い裂け肉叢13
09/11/08 21:28:49 Ca3gHv4U
「ん? 最初って?」
「まあ気にするなってことだ。でも念のため、明日は学校を休ませたほうがいいかもしれないな」
「…………?」
見通したようにそうじろうが頷く。
(お父さんは何とも思わないのかな……?)
自分も少し前まで意識していなかったが、ゆたかの行動は明らかに異常だ。
医者に診せたほうがいいのではないだろうか。
「ねえ、ゆーちゃん、病院に連れて行ったほうがいいんじゃない?」
ごく自然な提案である。
常識の埒外の出来事なのだから、その筋の専門に任せるのが妥当だろう。
にもかかわらずそうじろうは首を縦には振らなかった。
「なんで? どう考えたっておかしいよ。普通あんなこと―」
「だから最初はああなるって言ってるだろ? こなたは何も心配するな」
「最初って何? っていうかなんでそんなに落ち着いてるの? おかしいと思わないの?」
「…………分かった。明日、先生に診てもらうよ」
若干の間をおいて彼はそう言ったが、ゆたかの身を案じてというよりは、むしろ執拗なこなたの追及に
渋々折れたという印象がある。
その反応にこなたもスッキリはしなかったが、これ以上は自分にもどうにも出来ないと思い直す。
気を紛らそうとジュースを一気に飲み干した彼女は、喉の奥に鈍い痛みを感じた。
風邪をひいた時の痛みに似ている。
「どうした?」
思わず顔を顰めたこなたを気遣うようにそうじろうが寄ってきた。
「何でもないよ」
ゆたかの尋常でない行動に比べれば、この程度は問題ではない。
わざわざ口に出せば面倒にもなりかねない。
「こなたも調子が悪かったら明日は休んだほうがいいぞ」
彼は愛娘を案じてこう言うのだが、
「大丈夫だよ」
自分を案じてくれていると分かっている娘はこう返すのだ。



 翌日。
喉の内と外の痛みのせいで殆ど眠れなかったこなたは、何度も舟を漕ぎながら午前の授業を乗り切った。
ななこに何度も出席簿の角で殴られたが、それでも襲い来る睡魔をはね退けることができない。
「泉さん、顔色が優れませんが……保健室に行った方がよいのでは?」
「あはは、大丈夫だって。ちょっと寝不足気味でさ……」
「またあんた、ネトゲにでも没頭してたんでしょ?」
「ま、そんな感じ」
「ったく……その熱意をちょっとは勉強に向ければいいのに」
昼休みになってかがみが加わり、それぞれに弁当箱を広げる。
「ほうほう。今日はつかさが当番だったのかね?」
かがみの弁当を覗き見てこなたがニヤリと笑った。
「うっさい! 誰にだって得手不得手はあるのよ!」
顔を赤くして逐一反応する彼女は、生来の気真面目さを前面に押し出している。
「私がお姉ちゃんに勝てるのってお料理くらいだから」
照れ笑いを浮かべながらつかさがフォローする。
この日、柊姉妹の昼食はハンバーグ弁当だ。
おそらく前夜に下準備をしていた物を焼いたのだろう。
形も色も綺麗に整っている。
比較的カロリーの高いこの品書きに、いつものこなたなら、
”かがみんは勉強の成果もカロリーもしっかり吸収するからね”
とでも言うのだろうが、今日ばかりは寝不足もあって大人しい。
「こなちゃん、どうしたの? さっきからずっとハンバーグ見てるけど?」
みゆきと談笑していたつかさは、ふとこなたを見やった。
袋から出したチョココロネを一口齧っただけで、彼女はかがみのハンバーグを凝視している。
「なによ? あ、欲しくなったんでしょ? あんたいつもパン1個だけだから」
いつも揶揄われているかがみはここぞとばかりに突いた。
しかし彼女の意図に反し、こなたの反応は薄い。
今も眠いのか、光の宿っていない瞳にしたり顔のかがみが仄かに映っている。

71:噬い裂け肉叢14
09/11/08 21:31:09 Ca3gHv4U
「あの、泉さん……やはり具合が悪いのでは……?」
今朝から様子のおかしいこなたを見ていたみゆきは、さすがに心配になって声をかける。
「ん? いやいや、大丈夫だって」
三様に視線を投げかけられ、我に返ったこなたは大仰に手を振った。
が、その目は泳いでおり、ちらちらと視界に入るハンバーグを明らかに意識しているように見える。
「お腹空いてるんなら分けてあげるよ」
つかさがフォークの側面で半分に切って差し出す。
「あんた、育ち盛りだもんな。これ食べたらちょっとは背が伸びるかもよ?」
嘲弄しながらもやはり心配を隠せないかがみも、すぐにつかさに倣っておかずを分け与えた。
さらにみゆきからもポテトサラダとお茶が出てくる。
「……いいの?」
こうなると途端に遠慮がちになるのがこなただ。
3人がそれぞれに頷いたため、彼女はありがたく厚意を受け取ることにした。
「あ、ありがと…………」
俯きながらそれらを受け取る。
「ん~? 聞こえないわね~~?」
かがみが厭らしく笑う。
「だから……ありがと……」
今度は先ほどよりも声を大きく言う。
「あれ? よく聞こえなかったわね? もう一回言ってみてよ?」
日頃のお返しとばかりにかがみが身を乗り出す。
「うるさいな! 聞こえてるんでしょ?」
耳まで真っ赤にしてこなたが口を尖らせた。
その様に3人は微笑したが直後、その表情が凍りつく。
差し出されたおかずをまるで獣のように喰らうこなた。
競争相手などいないのに、まず一番に胃の中に収めようとしているようだ。
「そんなに慌てて食べたら喉に詰まる…………」
つかさが言い終わる前にこなたはそれらを平らげていた。
急いで咀嚼したためか唇を切っている。
「泉さん…………」
餓鬼のように貪っていたこなたを見てみゆきは戦慄した。
呼びかけに顔を上げたこの少女は、炯々とした眼光をみゆきに叩きつけている。
(………………ッッ!?)
瞬間、令嬢みゆきの記憶の中に眠っていた恐ろしい過去が蘇ってくる。





小学生の頃、春休みにサファリパークへ遊びに行った日のこと。
専用ジープに乗って敷地内を周遊していたみゆきは、ライオンの群れの近くに移動した。
野生の動物本来の姿を観察できるのがウリだが、それならジープを進入させるのは正しくない。
通常、それら動物の前に人工物など入ってこないからだ。
ジープを運転していたのはベテランの係員。
何千人もの客をこれに乗せて楽しませてきたという自信が驕りに変わったのか、
この係員はライオンの数メートル付近までジープを寄せたのだ。
直後、その様子をじっと見ていたライオンたちが一気に飛びかかってきた。
向こうにすれば縄張りを荒されたくないための行動である。
しかし客はそこまで気が回らない。
鬣(たてがみ)を振り乱してぶつかってくるライオンに、ジープが横転する。
それを期に遠巻きに見ていた別のライオンの群れが我先にと圧し掛かってきたのだ。
倒れたみゆきが見上げると、目の前に赤茶色の牙が見えた。
ジープ側面の鉄柱のおかげで中には入ってこなかったが、だからといって安心はできない。
後からやって来たライオンが腕を伸ばす。
鋭い爪がみゆきの袖を引き千切った。
か細い腕には3本の赤い線が描かれ、そこから鮮やかな血が流れ出てくる。
しかし痛みはなかった。

72:噬い裂け肉叢15
09/11/08 21:32:12 Ca3gHv4U
数十センチ先の猛獣の咆哮がみゆきに究極の恐怖を抱かせ、代わりに痛覚を奪っていたのだ。
程なくして別のジープが威嚇用の銃を撃ちながら走ってくる。
自然界には存在しない轟音に驚いたライオンたちは、未練がましくその場を離れていく。
助かった、と思ったとたん、みゆきは腕に激痛を覚えた。





今のこなたの眼は、あの時のライオンに似ていた。
自分は食べられてしまうのではないか、とみゆきは思った。
実際にはあるハズがないのに、記憶を呼び覚ましてしまった彼女は完全にこなたをライオンと同一視している。
「あ、わ、私……委員会の仕事を頼まれていました…………」
「え、ちょっと!?」
恐怖に顔を引きつらせて立ち上がったみゆきは、弁当箱もそのままに教室を飛び出してしまった。
何が起こったのか分からず3人は顔を見合わせる。
「ゆきちゃん、これどうするんだろ……」
「さあ……とりあえず片付けておこっか」
そう言って手際よく蓋を閉めて箱を包みこむこなたの顔には、もうどこにも異常はない。
いつものどこか無気力な感じのオタク少女である。
「………………」
先ほどまでのこなたの行動とみゆきの反応。
何かがおかしい、とかがみは思ったがそれが何かまでは到底想像がつかなかった。






73:JEDI_tkms1984
09/11/08 21:37:02 Ca3gHv4U
 今夜はここまでです。
沢山の寿ぎをありがとうございます。
生きている間は何もしなくても年に一度馬齢を重ねるという当たり前のことが、
なぜかこのスレでは新鮮に感じられます。
それではまた。


74:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/08 23:29:43 jD03YZ6l
乙です!
いつも素敵な小説をありがとうございます!
JEDIさんのすばらしい文章力や続きを待ち遠しくさせるストーリー展開、本当に憧れます。
いつか自分もこんな小説を書けるようになりたいです。
小説を書く時は何かの本を参考になさったりしているのでしょうか?

そしてこなたの誕生日に用意された肉はゆたかの肉ではないか…という自分の予想は見事にはずれましたw
確かにあの肉がゆたかの肉だったらありきたりすぎる展開ですよね。
この先ゆたかやこなたはどうなってしまうのか…続きを楽しみにしています!

75:11
09/11/08 23:45:03 PYihQoBX
投下お疲れ様です(^-^)

76:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/09 00:13:35 UWft5IDq
こなた「月曜日が自殺者多いのか・・・」

77:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/09 17:43:47 0Tv3zgo7
タイトルが読めない

78:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/09 22:29:18 39EjvZdV
まとめサイトにあるすまねく(変換出来なかった)煉獄って続くとか特に明記されてないけど
あれで(謝りに行ったところで)終わりなの、自殺してないけど?

79:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/09 22:30:46 39EjvZdV
訂正
すまねく→さしまねく


80:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/09 23:13:06 rlf18c78
こなた「つかさ…クスリ頂戴」
つかさ「えっ…そんな…」
こなた「はやくぅ」
つかさ「じゃ、例の…」
こなた「そんな脱法物じゃなくってさ…あるんでしょ?…アンフェタミン」
つかさ「駄目っ。あれだけは駄目っ。違法物キメたいんなら、マリファナがあるけど…」
こなた「そんなんじゃイケない。曖昧なドラッグじゃもう、足りないから」
つかさ「こなちゃん…」
つかさ(ごめんね、お姉ちゃん、ゆきちゃん、あやちゃん、日下部さん。
     友達一人、壊すね。だってそれは、こなちゃんが望んだ事だから…)
つかさ「くれぐれも乱用しないでね」
こなた「ありがとう…。これで…天国にイケる。イキたいっ、キマってたい、ニゲだしたい」
つかさ(さよなら、こなちゃん…)

81:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/09 23:17:19 mLxDpHzS
一人の地獄

82:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/10 10:55:41 tPpmz9Yn
麾く煉獄読んで思ったけど、結局、伸恵はいったい何がやりたかったんだ?
つかさとは愛し合っていると堂々と発言するし、信用金庫を襲うし、ヤクザを皆殺しに
したりするし。

83:JEDI_tkms1984
09/11/10 21:06:55 XflCxEk2
 皆さん、こんばんは。
本日分の投下参ります。

84:噬い裂け肉叢16
09/11/10 21:07:57 XflCxEk2
「ただいま……」
お決まりの挨拶がまるで覇気を伴っていないことに、発声したこなた自身も気付いていた。
やはり5時間目、6時間目と睡魔に襲われていた彼女は少なくとも半日を無為に過ごした。
体も思考もまるで働かない。
2日続けて徹夜した直後もここまでの疲労を感じた事のなかったこなたは、愈々体調がおかしいと気付く。
ただ眠いだけではない。
この形容しがたい疲労感、倦怠感。
歩くどころか呼吸をするだけで全ての体力を奪われていくような脱力感がある。
(なんかヘンだよ……これ……)
勉強に集中できなかったことを体調不良の所為にはしたくない。
こなたはそう思うのだが、今や思考することにすら疲れてしまっている。
(とりあえず何か飲みたい……)
帰ってくる途中、喉に痒みを覚えたこなたは執拗なくらいに掻き毟った。
そのせいで忘れかけていた痛みと違和感が戻り、同時に喉が渇いてしまった。
こういう時は冷たいジュースよりも温めの水のほうがいい。
そうじろうの”おかえり”がない事にも疑念を抱かず、導かれるようにして台所へ向かう。
思い出すのは昨夜のゆたかの奇行。
床は綺麗に拭いてあるので一滴の血も落ちていない。
戸棚からコップを取り出す。
そのままくるりと翻って蛇口をひねる。
こなたは人工のオアシスにコップを差し出して水を注いだ。
こくりこくり……と喉を上下させながら渇きを癒す。
だが足りない。
(駄目だ……余計に喉渇いちゃったよ…………)
2杯目、3杯目……。
出しっぱなしにした水にコップを差し出しては飲み干し、飲み干しては差し出し……を繰り返す。
しかし一向に渇きは癒えず、こなたは遂にコップを投げ捨てて蛇口に直接口を近づけた。
温い水が口内を潤しているのに、痛みと痒みが混じったような違和感は治まるどころかますます強くなる。
「こなた、帰ってたのか」
台所からの水音を聞きつけてそうじろうが入ってきた。
風体も気にせず水を飲み続ける娘を見ても、彼は特に何も思わない。
「あ、お父さん」
口の周りを濡らしたままこなたが顔を上げた。
「ゆーちゃんは大丈夫なの?」
「あ、ああ…………」
歯切れが悪い。
「ちゃんと病院行ったの?」
口篭もるそうじろうに何かを感じたこなたは身を乗り出した。
「いや、まあ……」
問われた彼はハッキリしない態度で曖昧に頷くだけだった。
「病院行くって言ったじゃん? だから私もお父さんに任せて学校行ったのに。
お父さんが行かないなら私が連れて出ればよかったよ」
水を出しっぱなしにしたままこなたは足早に台所を出た。
「あ、おい! どこ行くんだ!」
「今からでも遅くないよ。普通の外来じゃ時間かかるけど救急車呼べば―」
「待ちなさい! こなた!」
そうじろうの制止を振り切ってこなたは廊下を走った。
喉の違和感は未だにとれないが今はゆたかが心配だ。
「ゆーちゃんッッ!!」
ほんの僅かな距離を走っただけなのに激しい動悸が襲ってくる。
部屋の入口に凭れかかるようにしてこなたが呼びかける。
ベッドに横たわるゆたかからの反応はない。
「ゆーちゃん…………」
ふらつく足取りでベッドに近づく。
(………………ッッ!?)
こなたは見た。
仰向けに眠るゆたかの体がベッドごとロープで幾重にも巻かれている。
呼吸を奪うような巻き方ではないが、かなり強く締められていて身動きがとれないほどだ。
「なに、これ…………?」
背後に足音を聞いたこなたは振り返らずに訊いた。

85:噬い裂け肉叢17
09/11/10 21:08:49 XflCxEk2
「仕方ないんだよ。初めのうちはこうしておいた方がいいんだ」
答えになっていない。
「なんでこんな事するの!? ゆーちゃん、体弱いの知ってるでしょ!?」
段々とそうじろうの不自然さに怒りを感じてきたこなたは語気を荒らげた。
「お父さん、おかしいよ! 昨日もヘンなこと言ってたじゃん! なんで病院連れて行かないの!?」
興奮していることはこなた自身も分かっている。
発音するたびに喉に痛みを伴うことも分かっている。
しかしそれでも追及せずにはいられなかった。
「ゆーちゃんが暴れ出したら、俺でも止められないからな。2、3日もすればそういうのもなくなるから。
それよりこなた、お前は大丈夫なのか? 首のところが赤いが発作が―」
「私のことはどうだっていいよ!」
「………………」
「………………」
「………………」
「お父さん、おかしいよ……。妙に落ち着いてるしさ……ゆーちゃんはあんな事したし……」
先ほどとは打って変わり、こなたは今にも倒れそうな声で呟いた。
「何か知ってるんでしょ? ねえ、教えてよ……おかしいよ……」
「………………」
そうじろうは沈黙を返すばかりだった。
が、いつまでもこのままではいられないと悟った彼は、
「とりあえず出よう。ゆーちゃんを起こしてしまうかもしれない」
落魄した様子で部屋を出た。
うん、と頷いてこなたも後に続く。
ドアを閉めると、家中の空気が変わったような気がした。
「なんか隠してるんでしょ?」
壁越しにゆたかに声が届いてしまわないように、こなたは小さく問いかけた。
そうじろうは何も答えない。
「気になってたんだけど、昨日の料理……あれって何なの?」
「あれ、は…………」
「別に隠すようなことじゃないでしょ? それとも言えないような材料使ってるとか?」
こなたの口調は次第に強くなる。
険悪なムードになど滅多にならない泉親子の間に不穏な空気が流れた。
ずいぶん長いこと沈黙を保ち続けたそうじろうだが、やがて観念したように、
「知りたいか?」
問いに問いを返した。
「そんな大袈裟な話なの?」
「………………」
そうじろうは何も言わずにゆたかの部屋を離れた。
その背中に暗に”ついて来い”と語らせて自室へと向かう。
こなたは渋々といった様子で後に続く。





小説家そうじろうの部屋は、彼の趣味に似合わず簡素なものである。
作業用のパソコンの周りにはメモ用紙が散乱している。
書棚には画集や辞書、専門書など執筆のための参考書が綺麗に並べられていた。
さすがにテレビの周辺にはそれらしいDVDが散見されるが、こなたに比べれば控えめなものだ。
「私もなんかおかしいんだ。昨日からずっと喉が痛いし、体だってダルいし……」
部屋に入るなりこなたが訴える。
昨夜からのそうじろうの態度を見ていれば、その原因が料理にあるらしいと分かる。
愛娘の消え入りそうな声を無視して、彼はクローゼットをゆっくり開けた。
資料の類はここにも詰め込まれていた。
それらを丁寧に掻き分けて中から取り出しのは筒状の容器だ。
丈の長い炊飯ジャーのようなそれは、収納の奥にあったにもかかわらず埃ひとつ被っていない。
頻繁に手入れがされているか、つい最近取り出したかのどちらかのようだ。
(………………?)
容器の下からコードが伸びている。

86:噬い裂け肉叢18
09/11/10 21:10:00 XflCxEk2
こなたはそれまで気付かなかったが、辿ってみるとコードはクローゼットの外周を迂回するように伸びており、
その先に小型のバッテリーが差し込まれている。
バッテリーからもまた別のコードが出ており、こちらは通常のコンセントに差し込まれている。
「万一、停電にでもなったら困るからな」
こなたがコードを目で追っているのに気づいたそうじろうは、素っ気なく説明した。
「知りたいんだろう?」
娘の注意を容器に引きつけてから、彼は慎重な手つきで蓋を取り外した。
「なに……これ…………?」
中を覗き込んだこなたはすぐに自分の行動を後悔した。
白い煙とともに冷気が外に出てくる。
容器の中に透明な袋に包まれた肉塊がぎっしりと詰まっていた。
ハッキリとは見えないがそれが肉だとすぐに分かったのは、丸みを帯びたピンク色の肌が覗いたからだ。
「綺麗だろ? このままでも十分美しいんだが、生だと消化不良を起こしそうでな」
恍惚の瞳でそうじろうが肉を撫でた。
「ねえ、なんなの……これ…………?」
再び問うこなたは自分が涎を垂らしていることに気付かない。
「―かなただよ」
そうじろうは愛撫を続けた。
「……いま…………なんて……?」
「かなた。お前のお母さんだ」
瞬間、こなたは気を失いそうになった。
同時に強い吐き気を催す。
「お母さん? お母さんって…………」
「かなたは体が弱くてな。ゆーちゃんみたいにちょっとした風邪でも寝込むことが多かったんだ。
そういう調子でこなたを産んだわけだが……産後の肥立ちが良くなかったんだろうな。かなたは―」
「そんな事聞いてないよ! なんで、これがお母さんなの!? ヘンな冗談やめてよっ!」
叫んだのは言い知れない不安を吹き飛ばすためだ。
この肉塊が母親だというのは冗談にしても悪趣味すぎる。
彼女が苛立っている理由はそれだけではない。
容器の中を見た瞬間、強い空腹感が襲ってきたのだ。
それを紛らす意味でもここはそうじろうに噛みついておかなければならない。
「冗談じゃないさ。無理を言って遺体を引き取って俺が捌いたんだ」
そうじろうは舌なめずりをしながら答えた。
「普通の肉なら冷凍庫にでも入れるだろ? でもな、人間の肉ってのは腐敗が進むのがちょっと早いんだ。
だからこうやって特別な方法で保存するんだよ。これなら鮮度も品質もけっこう保てるからな」
これは母親の肉ではないとするこなたに対して、そうじろうの弁は説得力があった。
わざわざこんな容器に保存するところからして、これが特別なものであることを示している。
信じたくない、信じられない。
こなたは何度も頭を振ったが視界に飛びこむ肉塊に意識を奪われ、否定しきれない自分に気付く。
「なんでこんな事を、って思ってんだろ?」
抑揚のない声で話を進めようとする彼は、どうやら娘に隠し事をするのをやめたようだ。
「小説家って言ってもいろいろあってな。純文学の中でも歴史物でデビューした奴は地盤が堅いんだ。
反対に官能小説でデビューした奴はどうしてもそっち方面のレッテルを貼られるから、後になって
純文学に転向しようとしても中々うまくいかない。今はそうでもないんだが、俺が若い頃はそうだったんだ」
「………………」
「でな、俺も歴史物を書いてやろうと思ったんだよ。日本のやつは何人もが書いてるから新鮮味がない。
三国志でもと思ったが、あんな長編は俺には無理だ。そこで辿り着いたのが史記だったんだ」
「それと何の関係があるっていうの?」
「まあ聞いてくれ。いざ書こうとしても史記も範囲が広いから、どこかに絞ろうと俺は考えた。
そこそこ有名な楚漢戦争くらいなら俺でも書けるんじゃないかってな。劉邦や項羽が出てくるところだ。
こなたも漢文で習ったんじゃないか?」
「…………うん」
「あの辺りは俺も多少は知ってるからな。早速、資料を集めたよ。三国志と違ってマイナーなところだから、
役に立つ資料も限られてた。だがな、そこに興味深い話があったんだ」
語っているうちに昔を思い出したのか、そうじろうは遠い目をした。
「呂后って奴がいてな。劉邦の妻なんだが、これが残虐な性格だったらしいんだ。
項羽が死んだ後、こいつが彭越って男を処刑したんだよ。彭越というのは劉邦の味方でゲリラ戦が得意な武将だ。
その時のやり方っていうのが彭越の体を切り刻んで醢(しおから)にして諸侯に送るというものだったんだ」
なぜ味方を、という疑問は湧かない。

87:噬い裂け肉叢19
09/11/10 21:11:55 XflCxEk2
呂后が猜疑心を抱くようになり、功臣を粛清していったという歴史などこなたにはどうでもよかった。
しかし残忍な方法にはこなたは恐怖を感じた。
付け加えるなら、そのような惨い話を淡々とするそうじろうにも。
「その醢を彼らがどうしたかは知らない。でも俺はそれが妙に気になってな。できることなら食べてみたいって思ったんだよ」
「………………」
もうこなたには笑い飛ばすことも、冗談はやめてくれと一蹴することもできない。
おそらくこれは嘘ではないのだ。
この容器に入っている肉塊もかなたのもので間違いはないだろう。
「人間の肉なんてどんな味か想像もつかない。でも肉であることには違いないんだから、食べられないハズはないんだよな。
もしかしたら思った以上に美味かもしれない。そう考えるといてもたってもいられなくなったよ」
「それで……お母さんを…………?」
「ああ、焼かれて骨だけになるより食したほうがいいだろ?」
初めこそ後ろめたそうに語っていたそうじろうだったが、その口調は次第に自然なものへと変わっていった。
一方でこなたも極度のショックを受けたものの、今はまだ冷静に会話を続けられる程度に精神は保っている。
「気持ち悪いと思わないの? ……その……人間の肉なんて…………」
”人間の肉”という言葉がなかなか出てこない。
彼女は吐き気を堪えながらどうにか発声したが、
「人間も動物なんだ。牛や鳥を食べるのと同じだろ? それにな、牛肉なんかを食べるほうがよほど気持ち悪いんだぞ?」
この質問を予想していたのか、彼は鰾膠(にべ)もなく答えた。
「考えてみろよ。牛やら鳥やらはどこの農家が育ててるかも分からないし、何を食べてどこに住んでいるかもよく知らないんだ。
産地偽装問題なんてのがちょくちょくあるだろ? 俺たちが何気なく口にしてる肉が、食肉になるまでの過程なんてハッキリしてないんだ。
そういう得体の知れない物を食べるほうがよほど気持ち悪いと思わないか?」
「………………」
「その点、かなたの肉なら安心だ。少なくとも付き合いだしてからのあいつのことはよく知ってるからな。
見えないところで添加物を混ぜられることもないし、産地偽装も消費期限の改竄もない。そう考えりゃ安心だろ?
尤も、防腐剤も使ってないから保存はこうやって特別な容器を使わなくちゃならないけどな」
そうじろうの饒舌ぶりにこなたは眉を顰めた。
この男は狂っている。
少なくとも人肉を食べる習慣などこの国にはないし、彼の嗜好も明らかに異常なものだ。
(じゃあ……私もお母さんを食べたことになるんだ…………)
そこに思い至り、こなたは軽く嘔吐した。
自分もゆたかも、食欲に突き動かされて貪るように肉を食んだのだ。
「でも……お母さんなんだよ? 結婚して私を産んで……なんでそんなお母さんを食べたりできるのさ?
お父さんにとっても大事な人だったんでしょ……? 食べたいからって食べるものなの…………?」
詰りながら、こなたは嘔吐したことに複雑な想いを抱いた。
この行為はかなたに対して失礼なのではないだろうか?
吐きだすことは彼女の肉を拒絶することになるのではないだろうか、と。
「あのなあ、こなた―」
そうじろうは小さく息を吐いた。
先ほどまで肉塊を愛撫していた手をそっと離す。
「ハムやソーセージを食べる時にいちいち豚の死を噛みしめたりするか?」
感慨深げに語っていた彼は一転、冷やかな視線をこなたに送った。
「かなたは俺にとってもお前にとっても特別な人だ。今だってあいつに対する愛は変わってない。
でもな、今、あいつはこれなんだ。黙って美味しく食べればかなたも幸せだろう?
それにこなただって今まで食べてきた物に特別何も感じないだろ? それでいいんだよ」
独自の哲学に酔いしれるそうじろうは舌舐めずりした。
量産される食肉とかなたは違う。
こなたは泣き出しそうになったが、彼女の口から出たのは、
「よく……よくそんな事が言えるね。お母さんをこんなにしておいて―」
主に呪詛の念だった。
自分にとって母親はひとりだ。
それをハムやソーセージと一緒にされてたまるか。
「かなたを食べる事はある意味では供養にもなるんだぞ。ただの食材としてだけじゃない」
”食材”と言う前に”贖罪しろ”と、こなたは思った。

88:噬い裂け肉叢20
09/11/10 21:14:33 XflCxEk2
「ある寒い地方ではな、家族に死期が近づいている者がいると、若い連中がその人を家から見えるできるだけ遠い場所に運ぶんだ。
極寒の中をランプひとつだけ持たせてな。連れてきた者たちは家に戻って遥か遠くのランプの灯をずっと見ているわけだ。
やがて油がなくなって灯が消える。すると今まで火を怖がって近づけなかった熊やら狼やらがその人を襲うんだ。
灯が消えたのを合図に家族は猟銃を持って一斉に飛び出す。するとそこには口の周りを血だらけにした猛獣がいる。
そいつをな、撃ち殺すんだよ。殺して持って帰って食べるのさ。生で食べるのか焼いて食べるのは知らないけどな。
これがその地方の供養なんだよ。死人を食った獣を食うことで、家族の魂を自分たちの体に取り込むんだよ。
つまり先立った者の魂がそれを喰らった家族の中で永遠に生き続けるんだ。どうだ? 美しい話だろ?
まあ昨夜はそうやって獣を介さずに直接かなたを食べたわけだがな。間接的な直接的かの違いだけだ」
「そんな話、関係ないよ。こじつけでしょ……? お母さんを食べたのを供養だとか言って―」
そうじろうは小説家だ。
モノを書くことを生業にしている以上、彼の想像力や妄想力は他人よりも優れているハズだし、従って辻褄合わせも巧いに違いない。
全く関係ない地方の供養話を持ち出した時点で、こなたはこれがその場しのぎのウソだと思った。
「本当の話だ。別に信じてくれなくてもいい。でもな、かなたを食べる事は立派な供養になる。それだけは分かってくれ」
「分からないよ!!」
声を限りにこなたは叫んだ。
「………………」
一向に理解を示そうとしない娘を愛しく思いながら、彼は小さく息を吐く。
「こなたの気持ちは分からないでもないさ。でも、肉自体は旨かっただろ?」
かなたの死にさほど悲しみを感じていないらしいそうじろうは、すぐに人肉の味に話を戻そうとする。
この点だけはこなたも否定はできない。
あれが母親の肉だと分かっていたら箸をつけなっただろうが、知らなかったとはいえ彼女は貪るように食してしまったのだ。
旨かった、というのも偽らざる感想である。
「大腿筋や上腕二頭筋が特に美味なんだ。人間の肉ってのは赤身の部分に旨味成分が多くてな。これは牛や豚と同じだな」
「やめてよ……」
「こなたに是非食べさせてやりたいところがあるんだ。視神経……これは珍味中の珍味だぞ。量が少なくて貴重なんだ。
昨夜はゆーちゃんがいたから勿体なくて出せなかったが、今度一緒に食べよう。塩をまぶしてからだと―」
「やめてよッッ!!」
父親の異常な嗜好を娘は頑なに拒んだ。
侮蔑と憤りと悔恨の念を込めてこなたは叫ぶ。
自分が母親の一部分を食べてしまったことへの後悔もあった。
その原因はそうじろうにある。
彼がこのような狂った嗜好を持たなければ済んだ話である。
「そんなに否定するなよ。美味しかったなら素直に美味しかったと言えばいいんだ。それがかなたの為だろ?」
「お母さんの為、お母さんの為って……結局は自分の為なんでしょ!? お父さんだって人を食べるのは悪いことだって思ってるんでしょ!?
だからそうやって話をすり替えて誤魔化してるんだ!!」
「じゃあこなたはどうだったんだ? 昨日、あれを食べてどう思った? 旨かったか? 不味かったか?」
「それは…………」
「そういうもんなんだよ。牛や豚は良くてなんで人間は駄目なんだ。それは差別じゃないのか? 熊や鷲だって人間を食べるんだ。
人間が人間を食べたって不思議じゃないだろ」
「………………」
おかしい。気持ち悪い。狂っている。
こなたの感情はそうでも、理路整然とそうじろうが間違っていると諭す方法が見つからない。
ともすれば彼の方が正しい事を言っているようにも思えてしまう。
こなたは何も返せなかった。
再び沈黙が場を支配する。
が、やがて忘れていた喉の違和感を思い出し、こなたは無意識的にそこを掻き毟っていた。
「こなた……まだ症状が出てるのか……?」
それに気付いたそうじろうが怪訝そうな表情になる。
「大丈夫だと思ったんだがな―」
彼は意味深な言葉を続けた。
「なんかヘンなんだ。昨日からやたら水が欲しくなるし、痛いような痒いような感じがするんだ。
ゆーちゃんがあんな風になったのも…………あの料理の所為なんでしょ…………?」
喉に爪を食いこませながらこなたが問うた。
すぐに答えを返さないそうじろうだったが、ここまで喋っておいて今さら隠す必要はないと思いなおし、
「そうだ」
短く、ハッキリと言った。


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