【けいおん!】唯×梓スレ 3at ANICHARA2
【けいおん!】唯×梓スレ 3 - 暇つぶし2ch902:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/01 11:19:11 ZTgiS640
>>901
GJ
えっちぃな!

903:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/01 14:06:29 VR8PbKYH
GJ

904:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/01 21:26:35 NmtnZsMO
エロす

905:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 00:18:53 WTJlYfxj
>>901
これはGJ


これちょっと真面目な話なんだが、唯って梓が生理中でも体求めそうだよな。
最近妄想しながら思った

906:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 00:25:41 Z10UgKfm
いや、構わないけども、お前は唯をなんだと思ってんだw

907:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 03:27:06 IAURUxDY
唯「ねぇねぇあずにゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

放課後、二人きりの部室でギターの手入れをしていると、唯先輩がなにやら話しかけてきた。
一体なんだろう。珍しく演奏の質問だろうか。

梓「なんですか?なにかわからないとこでも…」
唯「あずにゃんはきのこの山とたけのこの里、どっちが好き?」
梓「…なにを聞くかと思えば…」
唯「いやいや、結構重要な問題だと思わない?意外にきのこたけのこ議論は深いんだよ!」

確かに言われてみれば、この二つのお菓子の好みは結構別れるのかもしれないけど…

唯「で、どっちが好き?」
梓「まぁ…私はきのこの方が好きですね」
唯「えー?私はたけのこの方が好きだけどなぁ」
梓「たけのこって、チョコが多すぎてしつこいじゃないですか。
 きのこはあのサクッとした部分がよりチョコのおいしさを引き出してると思うんですよ」
唯「ちっちっ、あずにゃんはわかってないなー。確かにたけのこはチョコのイメージはあるけど、
 噛んだときのあのサクッとした感じはきのこには絶対ないと思うよ!?」
梓「わかってないのは唯先輩です!だいたい食べる前のことを考えてもきのこの方が良いんです!」

908:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 03:30:04 IAURUxDY
唯「…どういうこと?」
梓「きのこのスナックの部分はすべすべしてて、粉がつくことはあまりありません。これはわかりますね?」
唯「まぁ…」
梓「でもたけのこはスナックの部分がざらざらしてて粉がつきやすいし、持つ時もチョコの部分を持たなきゃ取りにくいんです。
 当然指にチョコの油がついてぬるぬるするし、粉もついていいとこないんですよ」
唯「う…」
梓「こういうことを踏まえて、私はきのこの方がたけのこよりも上回っていると思うんです」

唯先輩は何か言い返そうとしているようだったけど、私の熱弁の前にお手上げのようだった。
…しかし我ながら、無駄に熱くなってしまった。今さらだけど、少し恥ずかしい…

唯「ね、ねぇあずにゃん、やっぱりこういうことは、食べて検証した方がいいと思わない?」
梓「先輩が言い出したんじゃないですか!」
唯「というわけで、じゃーん!きのこの山にたけのこの里だよー♪」
梓「…なんで持ってるんですか」
唯「いやぁ、学校の途中で買ってさ、皆で食べようかと思ったんだけど…」
梓「いつの間にか私と論争になってかなわないからいっそ食べさせて分からせよう…ですか」
唯「えへへー♪わかるー?」

909:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 03:32:53 IAURUxDY
唯「さ、あずにゃん食べて食べて?たけのこの里ー♪」
梓「じ、自分で食べられま…!…パク」

唯先輩に無理矢理口に運ばれたたけのこの里は、確かにサクッとした噛みごたえが心地よかった。
久しぶりに食べたからか、特別に甘く、おいしく感じた。

唯「どうー?おいしいでしょー?」
梓「まぁ、そこそこ…ていうか、私は別に嫌いだとは言ってないです」
唯「あずにゃん、今の負け惜しみ?」
梓「ち、ちがいます!そういう唯先輩も食べてみてくださいよ」

私はきのこの山を一つ取って差し出した。唯先輩はそれをパクンと頬張ると、とろけるような表情を見せた。
確かこれはムギ先輩のケーキを食べる時の表情…きのこの山って、そこまでおいしいかな?

唯「んん~♪やっぱりおいしいね~きのこもたけのこも、両方大好き!」
梓「…結局そうなるんですね。まぁ私もそう思いますが」

結局、両方食べてしまえばどちらが好きかなんていう問題はあまり意味がなかったのだ。
どっちもおいしいんだから、それでいいよね。それが唯先輩との議論の末に導き出された結論だ。

910:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 03:36:39 IAURUxDY
唯「じゃああずにゃん、皆が来る前に全部食べちゃおう?内緒内緒♪」
梓「多いですね…ムギ先輩のお菓子、残さないようにしてくださいよ」
唯「はーい♪」

二人でお菓子をつついていると、私は一体何をやってるんだと思う。
けれど、以前の私なら受け入れることのできなかったこのひとときも、今はかけがえのない時間に感じられた。
その変化のはっきりした要因はわからない。
だけど確かなのは、今目の前にいる唯先輩もまた、私にとってかけがえのない存在である、ということだ。

梓「ほら唯先輩、急いで食べてください!皆さん来ちゃいます!」
唯「う、うん…ねぇあずにゃん」
梓「はい?」
唯「なんだか、楽しいねっ♪」
梓「…そうですね。楽しいですね、唯先輩」


おしまい



キスも抱きしめもないですが、たまにはこういうのもいいかと思って書いてみました

911:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 05:00:58 G7gZ1Zgj
GJ!
こういう日常いいですよね。
心が洗われます!
自分もこういうの書きたいと思いつつ
何故か書いてるうちに際限なくイチャイチャし始めてしまうのは何故か…

912:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 09:39:37 nRQZSf1h
GJ!
おかしの事で唯はともかく梓まで熱くなってるのが可愛いな
読んでる途中に梓がたけのこの里の手にした後に指先のかすかについたチョコとか粉を唯が舐めるんじゃないかと思ってた自分は邪かも…

913:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/02 18:37:44 Y0x8i1Wa
>>910
GJ!
仲良い先輩後輩のやりとりって感じでいいね


けいおんのプロッププラスプチ買ったら唯出たけど梓は出なかった
早くあずにゃんを連れてきて2人を並べたいぜ

914:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 02:02:24 vkV0TgDv
ライブ唯は二人も出たのに、制服唯は出なかった…
並べてもなんかしっくりこないです…

今日すごく寒かったおかげで、さむいー!と言いつつ
ずっと梓にぴとっとくっついて離れない唯がずっと脳裏にこびりついてました。
梓もいい加減離れてくださいと言いつつ、満更でもないと。
そこで律が、ムギの方が暖かいんじゃないかとか言って
そっか!とムギのほうに唯が行ってしまい、密かに寂しがる梓とか。
そんな梓の様子を見て、寒がってると勘違いして戻ってくる唯とか。
別に寒がってなんて、と強がりながら今度は素直にそのぬくもりに浸る梓とか。

色々末期か…

915:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 02:12:37 RdPZ9NlY
>>914
いい、すごくいい妄想

916:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 03:47:53 nLIgd4yY
ここは凄く癒されるスレですね。
今日みたいな寒い夜に読むと暖かい。

917:私たちの帰り道1
09/11/03 07:37:42 AW5TkijA
今日は本当に寒いね。はい、凍えちゃいます―そんなことを話しながら手を繋いで帰る。

今はふたりきりになったけど、唯先輩は皆さんの前でも構わずくっついてくるから困る。
いや、本当はとっても嬉しいんだけど。
だけどもやっぱり恥ずかしくて。全身が熱くなってしまう。

律先輩にもからかわれたけど、自分の顔がリンゴみたいになってたことは、
誰より私本人が一番わかってたんだ。

(でも律先輩だって十分恥ずかしい人でしたよ)

私と唯先輩がくっついてると律先輩は決まって冷やかすけど、あの人、自覚はないんだろうか。
24時間澪先輩に付きっきりで、隙あらば「りつー」「みおー」「キマシタワー」してるのに。
律先輩と澪先輩のほうがよっぽど恥ずかしい人だ(それにムギ先輩も人間としてかなり恥ずかしいです)。

それに比べたら私たちは可愛いものだと思う。
手を繋いで帰る―ただそれだけで心が満たされて、ほんのり温くなれる。
唯先輩が側にいてくれると感じられて、世界で一番幸せになれるんだ。

918:私たちの帰り道2
09/11/03 07:39:24 AW5TkijA
―うん、私は世界一幸せな娘かもしれない。

今夜は家族がみんな外出していて家に一人だって話したら、

「じゃあ、私ん家に泊まりなよ~♪」

…間髪入れずにそう言ってくれた。
お邪魔しますって答えた瞬間に見せてくれた、極上の笑顔。
全身で喜びを表現するかのようにハグまでして貰った。

私は本当に大事にされてるんだな―しみじみ噛み締めるように唯先輩の体温を、
もっと言えば愛情の深さを感じたら、冬の日の寒さなんてどこかに飛んでいっちゃった。

ほんの少し冷たさが残って赤くなってた鼻先も、寒いの寒いの飛んでけって唯先輩に撫でられたら、それだけで温くなる。
代わりに別の意味で赤くなっちゃったんだけどね。

「あっ、お姉ちゃん、梓ちゃん」

ふたりで歩く帰り道―その途中で憂と落ち合った。
こう言う場合、ムギ先輩だったらまた「(三角関係)キマシタワー」してワクワクするんだろうけど、
現実は妄想のようには行かないものですよ。

私たちが手を繋いでいたって、……お付き合いをしていたって憂は憂だ。
唯先輩と私の幸せを心から喜んでくれて、とろけるような笑顔を見せてくれる。

919:私たちの帰り道3
09/11/03 07:41:17 AW5TkijA
そんな憂の優しさが本当に嬉しくて―私はほらってもう片方の手を憂に差し出した。

「え、私もいいの?」
「悪い理由なんかどこにもないよ。ね、唯先輩」
「もちろんっ。憂も一緒にあったかあったかしよ~」
「えへへ…じゃあ、お言葉に甘えて」

嬉しそうにはにかみながら憂は私の手を握り返してくれた。
右手に恋人の温もりを、左手に親友の温もりを同時に感じられて―私は宇宙一幸せな娘なのかもしれない。

ううん、私は間違いなく宇宙一の幸せ者だよ。

…だから、「あずにゃん、捕まった宇宙人みたいだね」ってのはいらなかったです、唯先輩…。

「あ、そ~だ。ねぇ、憂。今晩なんだけど、あずにゃんのこと―」
「うん。梓ちゃん、今夜一人なんだよね。だから泊まってって誘いたかったんだ」

一歩遅かったみたいだねって唯先輩と笑い合う憂の手には、ちょっと大きめの買い物袋。
中には色々な食材が詰め込まれてるみたいで、唯先輩と憂ふたりで食べるには明らかに量が多かった。
それは三人目を―私の分を計算に入れた買い物なんだって考えるのは自惚れ過ぎ?

ほら、平沢家のご両親ってばいつも家にいないしさ。

「今日は冷えるし、お鍋にしようね。梓ちゃんもいっぱい食べてね?」
「…うん、ありがと、憂」

きっと自惚れだって決め付けてた予想は、憂のその一言で幸せ色に塗り替えられた。

ふたりきりの帰り道から、三人の帰り道へ。
大好きな人たちとの帰り道は、こんなに幸せでいいのだろうかって驚くくらい。

温もりに包まれた今夜は、きっと最高に素敵な夢が見られるはずだ。

920:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 08:36:46 g9nkN2nh
唯「あずにゃ~ん!今夜は寝かさないよ!」

921:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 09:37:35 FI2bh1OE
3Pですね

922:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 11:22:17 vkV0TgDv
>>920-921
ほんわかが台無しだw
だがそれが(ry

>>919
GJ!
妄想を形にしてくれてありがとう!
唯梓憂三姉妹は、やはり頬が緩みますね

923:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 11:29:27 3vsADTyi
唯と梓をくっつけられるフィギュアっていつ発売だっけ?
早くこの二人を飾りたい

924:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 17:29:18 a66ZotTX
>>923
09’12月下 SR けいおん!2時間目
URLリンク(img04.shop-pro.jp)

先に出る夏制服のSummer Specialじゃなくて12月に出る水着の2時間目のほう。

925:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 17:44:07 /qPfEfm0
合体させられるなんて気がきくフィギュアだ
これもいいけどぬいぐるみの唯梓セットにも期待している

926:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 18:29:01 3vsADTyi
>>924
thx
12月か・・・楽しみだ。

927:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/03 21:21:19 soV95WLj
まさに

梓「ゆいぃ……電気消して」

だな

928:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 02:08:00 g9SgOKqO
唯「だめだよ、あずにゃんのかわいいとこが見えなくなるから」
とナチュラルに続いた自分は駄目だと思った

あまりに寒すぎて、学校帰りにラーメンを食べに行く二人が浮かんだり。

梓「女二人でラーメン食べに来るなんて、色気ない話ですよね」
唯「ん、そかなあ…あつっ、でも美味しいね~」
梓「まあ、先輩は美味しいラーメンがあれば幸せそうですけど」
唯「それだけじゃないよ~。あずにゃんと一緒だから、ってことだよ」
梓「…それはまあ、私もそうですけど…でも、ラーメン屋ですし」
唯「そうだねー…例えばさ」
梓「なんです…んむっ!」
唯「ん~~…」
梓「~~っ…ぷはっ…い、いきなり何するんですか!」
唯「えへへ、あずにゃんはネギ味噌味だね」
梓「そういう唯先輩は塩バターコーン味…じゃなくて!」
唯「ほら、こうしてラーメン味のキスができるの、ここだけだよ!」
梓「いやそういう問題じゃ…ああもう、なんかもうどこから突っ込んだらいいかわからなくなりました…」
唯「明日は牛丼味のキスをしにいこー!」
梓「また色気のないところに…まあ、付き合いますけど」
唯「えへへ、あずにゃん、大好きだよ」
梓「もう…私もです、唯先輩」

寒いせいか脳がおかしい

929:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 02:14:17 wVnwfX19
>>928
もっとこう人目とか気にしろよ
ラーメン屋だったら一本の麺を両端からちゅるちゅるだろ

930:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 02:22:47 OVReLYJh
>>928
はぁはぁ・・寝れなくなりました

931:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 03:00:04 ZJSl3uGr
>>930
ムギちゃん早く寝ようよ

932:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 03:59:45 Z8QZK6UF
休日、唯の家にて

梓「唯先輩、それじゃ私そろそろ帰りますね。最近帰りが遅くて親がうるさいんですよ」

唯「まだ帰る時間には早いんじゃない?…あずにゃん♪」

梓「きゃ…」

唯先輩は私をベッドの上に押し倒した。
私はあわてて立ち上がろうとするも、先輩は私を押さえつけて離そうとしない。

梓「ちょ、ちょっと唯…」

唯「あずにゃん…今日はまだ、してないよ?」

梓「あ…」

唯先輩は私にキスをした。いつもより優しく、そしていつもよりちょっとだけ激しく。
ずるいよ唯先輩、そんなことされたら抵抗する気力なんて失せちゃうじゃない…

梓「ゆっ…唯…憂がきちゃうよ…」

唯「別に大丈夫だよ。私たち恋人なんだもん」

梓「理由になってないよ…?」

唯「じゃあ、あずにゃんは気持ちよくないの…?」

梓「それは…気持ち…よかったけど…」

唯「じゃあいいじゃん♪もっと二人で色々しよう?あずにゃん」

梓「い、色々ってなん…んっ…んんー…」

こうして私の帰りは今日も遅くなるのだった…

終わり


お、俺は悪くない!>>928が悪いんだ!

933:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 09:05:47 EyaR85vx
梓のセリフは丁寧語にしてください(><


934:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 10:47:06 sXxGLCnf
唯「恋人同士なんだから唯先輩じゃなくて唯って呼んで?」

定番かつお約束

935:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 11:36:52 g9SgOKqO
>>932
人のせいにw
だがGJ!

冬は人肌が恋しい季節ですね。

マフラーコート手袋と重装備してきて
今日は寒くないよ~と、昨日みたいにくっついてこない唯に
寂しさを覚える梓と、それをいち早く察して
マフラーを外して、コートの前を開いてその中に梓を抱え込んで
その上からマフラーをくるりと巻いて
これなら二人ともあったかいよね、という唯と
恥ずかしいですよこんなの、と言いつつも満足そうな笑みを浮かべる梓。

とか浮かびましたけど、自分のせいじゃなくて冬が悪いんだ!
とかw

936:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/04 19:07:59 Dr0NmPua
>>935 はやく!

937:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 02:29:47 4W+q4Klf
唯の部屋で2人っきり…。

唯「あずにゃん、つぎココ…お願い」

梓「そこ…ですか。ふふっ、今日の唯先輩積極的ですね。それじゃ…いきますよ?」





唯「いたっ」

梓「ああっ大丈夫ですか!?」

唯「う、うん。皮、剥けちゃった…」

梓「ご、ごめんなさい。速かったですよね…」

唯「ううん、大丈夫だよ。でも…最初はもうちょっとゆっくりがいいな、あずにゃん」

梓「はい。ゆっくり…じっくりやりましょう。時間はたっぷりありますし…」

唯「えへへ…ありがと、あずにゃん」



>>928>>932が悪いんであって、これはただのギターの練習ですよ!
これでいいでしょうか、お嬢様


938:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 04:05:05 xETI3J6K
と思わせておいて、実は……なんですね
わかります
屋根裏ではムギと憂が鼻血を吹いているに違いないw

そして以下、何か寒いのにアイスネタ…寒々しいことこの上ないですが…
きっと眠くて寒いせいw

939:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 04:06:17 xETI3J6K
「あずにゃん、アイス食べたくない?」
「は?」
今まで何度かその機会はあったけど、この瞬間ほど唯先輩の正気を疑ったことは無い。
外気温は約10度程度。吹き抜けていく風は、真冬のそれほどではないとは言え、寒風というに相応しい様相で容赦なく体温を奪い去っていく。
さっきまで焼け石に水程度の暖を与えてくれていたお日様も、今はもう地平線の下にもぐりこんでしまい、僅かなオレンジを空に残すのみ。
そんな中、この人は一体何を言い出すのか。
「先輩に自殺願望があるなんて知りませんでした」
「もー、そんなのないよ!ただ、アイス食べたいなーって思っただけだもん」
この寒空の下でそんなことを言い出す辺り、そうとしか思えないんですけど。
それともなんですか、実はマゾっ気があるとか言い出すつもりなんですか。先輩がその気なら、少し頑張ってもいいですよ。
なんて言ってみても、所詮私は猫なんですけど。ええ、あずにゃんですから。でもいつか下克上して見せます。
と、思いっきり話が逸れた。それもあらぬ方向に。
とりあえず、アイスは却下です。間違いなく風邪を引きますから。そうなると苦労するのは憂と私なんですよ。
だからやめてくだ―ってもういない!?
「あずにゃーん!」
遠くから聞こえてくる声。つい一瞬前まで私の前であいすーあいすーと言ってた唯先輩は、いつの間にかはるか先、両手にアイスを持ってこちらに駆け寄ってきていた。
これは、唯先輩の行動力と素早さに驚愕するべきなのか、考えに没頭するあまりその行動を看過してしまった自分の迂闊さを呪うべきなのか。
ああ、もう。どっちだっていい。どっちにしたって、目の前の現実は変わらないから。
「はい、あずにゃんの分」
そう言いながら、満面の笑みで左手のアイスを私に差し出してくる唯先輩が私の目の前にいるということは。
「…ありがとうございます」
こう差し出されてしまっては、受け取るしかない。受け取ったからには、食べるしかない。
ナイスタイミングで吹き抜けていく風。寒い。掛け値なしに寒い。そしてそれよりも確実に冷たいであろう白い塊が、今は私の手元に握らされている。
なんて拷問ですか、これは。
そんな私の心情なんて露も知らないって笑顔で、先輩ははむっとアイスにかじりついてる。
「おいしいよーあずにゃん!」
ええ、見ればわかりますよ。そんな幸せそうな笑みを浮かべてるんですから。
はあ、と溜息一つ。食べればいいんでしょう、食べれば。何でこんな寒い中アイスなんて食べなきゃいけないんだか、全然わかりませんけど。
親の仇のようにそれを睨みつけ、その冷たさに最大限の覚悟を固めつつ、私はぺろりとその表面に舌を這わせた。

940:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 04:07:14 xETI3J6K
「…おいしい」
「でしょ~」
うかつにもそう口にしてしまった私に、唯先輩はにこっと笑ってみせる。
本当にうかつ。だけど、仕方がない。だってそれは、自分でも驚くほどに美味しかったのだから。
「寒い中で食べるアイスって、かくべつだよね!」
「……そうですね」
はむっともう一口、今度は大きくかじりながら、そう答える。実際、認めるしかない。自分でそう口にしたことだし、それに本当にこれは美味しいから。
確かに、冬に食べるアイスは美味しいって聞く。私も、コタツで食べるアイスは別格だと思っていたし。
でも、なんかそれだけじゃない。それだけじゃ、自分はここまで思えない。
「えへへ~」
じゃあどうしてかなって思ったとき、隣で幸せそうに笑う唯先輩が目に入った。
私にこの美味しさを伝えられたってことが嬉しいんだろう。ちらちらとこちらを見てきて、目が合うとにこっと笑って、またアイスをかじってる。
そして、私はその理由がわかった気がした。
「なんかしあわせ~」
そう言って、くすくす笑う唯先輩。
きっとそれは、アイスが美味しいからだけじゃない。確かに、このアイスはとても美味しいと思うけど。
だけど、これがこんなに美味しいのは、寒さのスパイスってだけじゃなくて、きっと唯先輩と一緒だから。
美味しいって思うことを私に分けてくれて。唯先輩はそれを、私に分けることができて。
そして、今それを分け合って、一緒に味わってるってことがそうなんだ、ってことだと思う。
だって、今の私がまさにそんな気持ちだから。
「私もですよ、先輩」
空いている手で、きゅっとその肘にしがみつく。すると唯先輩は、慣れた仕草でするりと腕を絡めてきた。
さっきよりも近いその距離で、少しだけ見つめあって、くすりと笑い合う。
そしてまた、はむっと二人並んでアイスを口にする。本当に、本当に美味しくて、そして幸せ。
冷たくて凍えそうだけど。実際私の唇は冷え切ってしまっていて、きっと青みがかってしまっているのだろうけど。
だけど、そんなのたいした問題じゃない。だって。
もう少ししたら、先輩が優しく暖めてくれるだろうから。今口にしたアイスより、もっと、ずうっと甘い方法で。
そうですよね、唯先輩?

(終わり)

941:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 09:03:32 5ilP5G2J
>>938
外は寒々、中はお熱いとはこれは如何にや?
GJの他には無かろう

>所詮私は猫なんですけど。ええ、あずにゃんですから。
ワロタ

942:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/05 11:12:22 Mvl5oT62
>>940

容量479KBか
次スレはまだ早いかな?

943:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 01:47:35 SdsvpoBd
もう次スレの季節か
とうとう次でこのスレも4つ目
このままじわじわ盛り上がって行くといいね


944:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 03:34:42 f4qu0mGe
唯「ふんふふーん…うぁっ!?」

放課後、部室に向かうべく廊下を歩いていると、突然なにかが背中にぶつかった。
私はバランスを崩してよろめいてしまう。

唯「おっとっと…な、なに…?」
梓「唯先輩、こんにちは!」
唯「なんだあずにゃんか…どしたの?いきなりぶつかってくるなんて」
梓「なんだとはなんですか!あとぶつかったんじゃなくて抱きついたんです!それくらいわかってください!」
唯「えー…」

あずにゃんは抱きついたつもりでも、不意にされた私からすればぶつかられたとしか言い様がないんだけど…
と言いたいところだったけど、そんな不満もあずにゃんの笑顔を見ていると吹き飛んでしまった。
まぁいいか、あずにゃんかわいいから。

唯「ところで、どうして私のとこに来てくれたの?」
梓「先輩が遅いので迎えに来たんです。なんてったって私は唯先輩の恋人なんですから!
 さ、早く部室に行きますよ!」
唯「わ、ま、待ってよあずにゃん!なんでそんな急ぐの!?」

あずにゃんは問答無用といった様子で私の手を引いて廊下を走り出した。
ちっちゃな体で一生懸命に走るあずにゃんは、なんだか妙に嬉しそうだった。

945:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 03:37:23 f4qu0mGe
ガチャ、バターン!

梓「唯先輩を連れてきました!」

あずにゃんが勢いよく部室の扉を開くと、皆ぽかーんと私たちを見つめた。
この反応からすると、別に急ぐ必要はなかったんじゃ…?

律「唯に梓?なにをそんなに急いでんだ?」
唯「はぁ、ひぃ、へぇ…な、なにがなんやら…」
梓「さぁ唯先輩座ってください、お茶にしましょう!ムギ先輩、お茶お願いします!」
紬「は、はいっ!?」

なんかさっきからあずにゃんのテンションがおかしい。一体どうしたんだろう…?
皆も私と同じ疑問を抱いているのか、不思議そうにあずにゃんを見ていた。
当のあずにゃんはというと、ムギちゃんから受け取ったティーカップを持って、なにやらもじもじと私を見つめている。

唯「あずにゃん?それ、私のだよね?」
梓「あ、あの…唯先輩、これ…」
唯「なに?」
梓「の、のの…飲ませて、あげます」
唯「え?あずにゃんが?いやいいよ、さすがに自分で…」
梓「ふー、ふー…はい、唯先輩。口開けてください」
唯「う…」

あずにゃんは半ば無理矢理に私に紅茶を飲ませた。

あずにゃんがこんなことをしてくれるのは、正直とても嬉しい。でも、それ以上に…熱かった。

946:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 03:41:36 f4qu0mGe
唯「んんー!あつーい!」
梓「きゃぁっ!?」ガチャ-ン!
律「わー!梓が紅茶こぼした!」
澪「ゆ、唯!制服がびしょびしょだぞ!」
紬「唯ちゃんたいへん、早く脱がなきゃ!とにかく脱がせなきゃ!」

ワーワ-…



梓「…ごめんなさい」

部活が終わって二人きりになった部室で、あずにゃんはしょんぼりと私に謝った。
ちなみに、私は上下ジャージだった。

唯「いいんだよ、あずにゃんは私のためにやってくれたんだから」
梓「でも、先輩の制服をあんな風にしちゃって…本当にごめんなさい!クリーニング代はちゃんと払います!」
唯「ホントにいいんだって、私が吹き出しちゃったのも悪いんだし」
梓「でも…」

あずにゃんは目に涙を浮かべながら私を見つめていた。
そんな顔を見ていると、なんだか私まで胸が締め付けられるようだった。

梓「私、最低です…こんなんじゃ、唯先輩の恋人失格です…」
唯「…そんなこと、ないよ」

私はうつむくあずにゃんをぞっと抱きしめた。
あずにゃんはしばらく私の腕の中で小さく泣いてから、ぽつりぽつりと語り出した。

947:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 03:44:52 f4qu0mGe
梓「私…いつも唯先輩がするみたいに、スキンシップしようと思ったんです」
唯「スキンシップ?」
梓「私はいつも受け身になるばかりで、唯先輩に何もしてないし…恋人同士って、もっと仲良くするものだと思ったから…」
唯「…なんだ、そんなことだったんだー」
梓「そんなことって…」

唯「もちろんスキンシップしてくれるのは嬉しいよ?けど、私は普段のあずにゃんが一番好きなんだよ。
 私が抱きついたりすると照れるような、そういうあずにゃんが好きなの」
梓「唯先輩…」
唯「だから無理しないでいいんだよ、あずにゃん」

私が力を込めて抱きしめると、あずにゃんはくすぐったそうな顔をした。
それは、すっかりいつものあずにゃんだった。

梓「は…離してください、苦しいですよ」
唯「やだー♪さっきスキンシップしたいって言ったでしょー?」
梓「たった今無理しないでいいって言ったじゃないですか!」
唯「それはあずにゃんからって意味で、私は別にいつも通りだもん」
梓「ず、ずるいです…」

948:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 03:50:23 f4qu0mGe
そう言いながらも、あずにゃんはそれ以上抵抗することはなかった。
それどころか私の背中に手を回したので、抱き合うかたちになる。

唯「あずにゃん…」
梓「まぁ…む、無理はしてないですから」
唯「そのわりには顔が赤いよ?」
梓「く、くっついて体温が上がっただけです!」
唯「わかったわかった♪ホントにあずにゃんはかわいいなー」
梓「も…もう!」


―ねぇあずにゃん、どちらかが一方的に抱きついたりするのもいいけど…
こうやって抱き合うのも、恋人らしくていいよね。


終わり


たまには唯目線からもいいかな…と思いつつ投下してみました

949:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 10:12:23 4NVFm8I+
唯受け唯目線は貴重

950:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 10:48:00 pReeBHmH
あと16KBしか書けない、もうスレ立てないとやべえな。俺立てらんねえけどw

951:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 11:48:30 SdsvpoBd
立てられなかった…誰かお願い

952:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 11:50:55 SdsvpoBd
>>948
GJ!
受け唯視点は確かに貴重

953:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 12:13:32 /Uvnirx6
>>948
いい…いいよ!あずにゃん!!かわいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!

954:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 12:34:12 sG5oGQ4c
よし
立ててこよう

955:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 12:36:48 3dAMd6ds
>>954
よろしく頼む

956:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 12:43:55 sG5oGQ4c
唯「あずにゃ~ん♪私たちの新しい愛の巣だよ!」

梓「あ・・・愛・・・!?先輩どこでそんな言葉覚えたんですか!!」

唯「略してあいす!」

次スレ
【けいおん!】唯×梓スレ 4
スレリンク(anichara2板)


957:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 14:26:46 SdsvpoBd
最近はラブソングを聴くと、そのシチュを唯梓に当てはめてしまう傾向が
あまあまなのはニヤニヤするけど、悲恋失恋系は胸が痛くなるというか
ぼんやり街頭音楽と書きいてるだけで一喜一憂してる自分とか
末期だなあとw

958:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 15:25:59 sG5oGQ4c
大丈夫!すぐ慣れるよ!

959:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 17:43:51 jOoG1DGs
さあ埋めるか

960:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 17:45:49 uuQN1HVO
梅ついでに
URLリンク(www.dotup.org)

961:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 19:54:58 dGyKvtHB
>>956

962:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/06 22:06:39 r7IvC7zD
>紬「唯ちゃんたいへん、早く脱がなきゃ!とにかく脱がせなきゃ!」

沢庵自重

963:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 11:34:59 L2TbuM7o
早く埋めちまおうぜ

964:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 16:33:03 JWvWM6Fi
唯「私、なにやらハスキー声になっちゃったよあずにゃん!」

梓「わっホントですね!なんかすごくかわ…」

唯「かわ?な~に~?」

梓「か、かわ…変わらないですね普段と!」

唯「んもぅ、意地悪しないで言ってよー?」

梓「だ、抱きつかないでください!」

唯「さっきの続き言ってくれなきゃ離さないよ!」

梓「わ、わかりましたよ!唯先輩の声…すごくかわいいです」

唯「えへへ、ありがとうー♪でも、かわいいのは声だけー?」

梓「なにを言わせようとしてるんですか!?」

唯「ふふふー♪もうわかってるでしょ?」

梓「も…もう!唯先輩は全部かわいいですよ!それで私は…唯先輩の全部が大好きです!」

唯「ありがとー♪じゃあお礼のちゅー♪」

梓「ちょ、唯せんぱ…もう…」

チュッ…




埋めついでに…あぁ、ハスキー唯CDほしいなぁ

965:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/07 21:43:54 8EMAgg71
冬の寒さが私を攻め立てる

966:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/08 00:40:34 SHpUvc4C
ウメネタを。
でも多分埋まらないと思うので、あとは誰かお願いします。

967:ウメネタ2
09/11/08 00:41:29 SHpUvc4C
気付かなければ良かったのかな。
ううん、それを言うならきっと―出会わなければ良かった、のかな。
もしそうだったとしたら、私は―

あの人と初めて顔を合わせたとき思ったことは、ほんわりした人だな、とかそんな印象だった。
そして、なんていい加減な人なんだろう、とかそんな思い。
練習よりティータイム、そんな姿勢は当時の私にとってとても許容できないものだったし。
変なあだ名はつけてくるし、行動は何かおかしいし、ぼんやりしていて全然先輩っぽくないし。
そんな感じだったから、好印象、とはとても程遠かった。
だけど、不思議と嫌いにもなれなかった。
ほんわりしたその雰囲気は、傍にいると何故か優しい気持ちにさせられたし。
ぎゅっと抱きしめられると、とても柔らかくて暖かくて、気持ちよかったのも確かだったから。

それに最初に気がついたのは、いつだったのか。
今ではもう思い出せない。いつの間にかそれはこの中にあって、気がつけば私の胸を焦がしていた。
毎日毎日、私をぎゅっと暖めるぬくもりに慣らされている内に、気がつけばもう後戻りできないところまで踏み込んでしまっていた。
部活に行けばあずにゃーんなんて気の抜けた声で駆け寄ってきて。
これが日課と言わんばかりに、あずにゃん分補給なんていいながらぎゅーっと抱きついてきて。
長いティータイムに不満げな顔を見せると、懐柔しようとほいっとケーキつきフォークなんて差し出してきて。
そんなことじゃ誤魔化されません、と思いつつもそれはとても甘くて私をあっさり溶かしてくれて。
それでも、いざそのときになれば真剣な顔を見せてくれたりして。
難しいなーと悩んでるところにアドバイスをしてあげたら、嘘みたいに素敵な笑顔でありがとう、なんて言ってくれて。
私の大好きな、その音を奏でてくれたりして。
それはみんな私の日常。そう、そんなふうに私の中にいろんな唯先輩を積み上げていくことが、今の私の日常になっていた。
そして積み上げられたそれは、すぐに想いと呼べるものに変換されていく。
日に日に高まるそれは、私のちっちゃな胸に詰め込まれて、外に出してよってどんどんと内側から叩いてくる。
その笑顔を向けられるたびに、その胸にぎゅっと抱きしめられるたびに、あずにゃんって優しく呼びかけられるたびに。
だから胸はどくんと高鳴って、私にそれを思い知らせてくれる。
中野梓は、平沢唯のことが大好き―なんて。
そんな言葉を抵抗なく浮べられてしまう自分を。

傍にいられればいい、なんて最初は思っていた。
そう望むまでもなく、先輩はいつも私の傍によってきて、私に笑顔とぬくもりを与えてくれた。
私は―口にしたりはしなかったけど―それをとても幸せだって思ってた。
そんな幸せの中で、こっそりと表に出さないように、私はただひたすらにこの人を慕っていた。
それだけでよかったはずなのに。
だけど、私はいつの間にか思ってしまっていた。
私からだけじゃなくて、先輩にも私のことを大好きでいて欲しい、特別な存在だと思って欲しいって。

それが叶わないことは、私が一番良く知っていたはずだったのに。


968:ウメネタ2
09/11/08 00:42:49 SHpUvc4C
あずにゃん、って先輩は私を呼ぶ。先輩が着けた私のあだ名。
私をその名で呼ぶ人は唯先輩だけ。私にとって特別になったその呼び名。
そう呼ばれて、かわいいよぅなんていわれながらぎゅーっとされて。そうされる私はきっと、先輩に好かれてるんだろうなとは思えるけど。
だけど、ただそれだけのこと。それ以上の意味はそこにはない。
だって、先輩が私に向ける笑顔は、あっさりと私じゃないほかの誰かにも向けられてしまうから。
先輩は誰にでも、大好きって気持ちを振りまいてくれる。その最高の笑顔で、皆に幸せを振りまこうとするように。
そして実際に、周りのみんなを幸せにしてくれる。
それはおそらく、特に意識していることではなくて、そういう風に先輩はできているんだと思う。
おそらく尋ねてみれば、自分に触れる全てのものが大好き、なんってあっさり言ってのけるに違いない。
ふんわりと全てを受け入れてしまって、そして優しく包み込んでしまう。
それが、私の大好きな唯先輩。
だから、わかってた。
私は先輩の特別にはなれないってことは。
私は大好きなみんなの中の一人ってだけ。
ひょっとしたら、いつか。その存在を持って唯先輩に、特別だと思わせる人が現れるかもしれないけど。
それは私じゃない。
そんなの、とっくにわかってたことなのに。

唯先輩はいつも私に笑いかけてくれる。
触れ合えるほど近くで、時にはぴたっとほっぺを合わせて、嬉しそうに。
いつもそんなに近くにいるのに。私は思ってしまう。何でこんなに遠いんだろうって。
後輩としての私なら、あっさりと先輩に触れられるのに、その胸に抱きしめてもらえるのに。
それ以上を求める私の手は、先輩に届くことはない。
先輩の手が、その私に触れることはない。
可愛いよとか大好きだよとは言ってくれるのに、特別だとは決して言ってくれない。
ぎゅうっと抱きしめて可愛がってはくれるのに、そこに特別な何かをこめてはくれない。
優しく笑いかけて私の名前を呼んでくれるのに、その響きは私が望むものじゃなくて。
その甘い声で、その優しいぬくもりで、ふわりとした笑顔で、私にくれた沢山のもので、私をその気にさせてしまったくせに。
先輩は絶対に、そのラインを超えてはくれない。
私のことは可愛い後輩、それだけだよ、なんて言うかのように。そのラインの向こう側で相変わらずのその笑顔を浮かべている。
私なんかじゃ、ここまでこれないよって、私に思い知らせるかのように。

わかってたのに。
何で望んでしまったんだろう。
何でそう望むまでに、好きになってしまったんだろう。
望まなければ良かったのかもしれない。
好きにならなければ、良かったのかもしれない。
私は先輩のかわいい後輩のままで、唯先輩は私の―ただの先輩のままで。
そうすればきっと、こんな思いを抱くことは無かった。
こんな苦しい思いをしなくてもすんだ。
そう、例えば唯先輩じゃなければ、誰か違う人に思いを預けられていたらよかったのかもしれない。

例えば―あの人とか。

梓、と優しく私を呼ぶその人。
澪先輩、と私が呼ぶ人。
振り返った私の目に映るのは、長くて綺麗な黒髪と、嘘みたいに整った顔立ち。
そして、思わず自分を卑下してしまいそうになるくらいの完璧なプロポーション。
ベースを弾かせれば、なんでこんな人がこんなところにいるんだろうと疑問を浮べるほどの音を聞かせてくれて。
怖がりで恥ずかしがりやなところは玉に瑕だけど、それを差し引いても十分にかっこいいと呼べる人。
いい先輩、なんて言葉はこの人のために在るんじゃないかと思える。実際に、澪先輩はあっさりと私の尊敬を得てしまっていたから。
そう、ファンクラブの会員証を自慢げに見せびらかして、うっとりとしていた私のクラスメイトのように、この人を慕ってしまえばよかったのかもしれない。
だけど澪先輩はしっかりしてるから、きっと上手に応えてくれて、私はきっと幸せでいられたのだろうと思う。
こんな苦しい思いをすることも、無かったんだと思う。


969:ウメネタ2
09/11/08 00:43:48 SHpUvc4C
だけど、無理だってことは分かってた。
だって、私は出会ってしまったから。
その最初の瞬間に、既に私は気付いていたんだと思う。
それはきっと、まだ顔を合わせる前、その音をはじめて耳にしたとき。
今思い返せば、そこには確かな予感があった。むしろ、予言と言ってもいいかもしれない。
私が、その人のことを、唯先輩のことを大好きになってしまうことは。

あずにゃん、ってあの人が私を呼ぶ。
自分が傍にいないことが寂しいよ、なんて顔で私を呼んでいる。
それだけで、もう私の中はあの人でいっぱい。
甘くてとろけるような声と、ふんわりとした笑顔に全て奪われてしまう。
ふらふらと、ごはんだよって声に呼ばれる飼い猫のように、その傍らへと歩み寄ってしまう。

ずるいですよ、こんなの。

私を捕まえてはくれないくせに、私をぐぐっと引き寄せて離れることを許してはくれない。
私はくるくると、まるで重力に囚われた衛星みたいにこの人の周りを回り続けるだけ。
届かない距離にどんなに私が恋焦がれているか、そんなの何も知らないよって笑うこの人の周りを。

もしもですよ、唯先輩。
ぎゅうっと先輩を抱きしめて、捕まえて逃げられないようにしてしまって、耳元で先輩のことが大好きです、なんて言ったらどうしますか?
私は世界で一番先輩のことが大好きです。先輩も、私のことを世界で一番大好きでいて欲しいです。
そんな風に続けたら、先輩はどんな顔を見せてくれますか?

そうできたら、どんなにいいのかと思うけど。

私は後輩。先輩のかわいい後輩。先輩の思う沢山の可愛いものの、そのうちの一つ。
少し口うるさくて、怒りっぽいけど、ぎゅうっとされるだけで大人しくなってしまう、そんな後輩。
どこまで言っても、私はそのまま。どんなにこの想いを募らせたって、その分だけ胸の痛みが増していくだけ。
私の胸を締め付けて、ばらばらにしてしまいそうな苦しさだけ、強くなっていくだけ。
だけど、止めることはできない。止められるはずがない。
だって、私は先輩に出会ってしまったのだから。
ううん、きっと。何度やり直してもきっと私は先輩に出会い、そして好きになる。
私は必ず、その私を選ぶ。だって何処まで行っても、何処にいても、私は先輩を大好きな私だから。

とん、と先輩の音が鼓膜を叩く。
視界には、ギターを爪弾きながら私に微笑みかける先輩がいる。
私は微笑み返して、背中にまわしていたギターをグルっと戻し、先輩の音に合わせてピックを振り下ろす。
私の大好きな時間。
私の先輩の関係も、距離も、何も変わらないままだけど。私たちの音だけは、この瞬間一つになってくれる。
一つになって、響いていく。それは、私にとって幸せと呼べる瞬間。
こんなにもあっさりと、私たちは一つになれるのに。
この音のように、私の想いも一つになってしまえばいいのに。
そんな奇跡が、起きてくれればいいのに。

なんて、無理ですよね、唯先輩。

970:名無しさん@お腹いっぱい。
09/11/08 01:52:08 6VdoLJXa
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       ,':.:.i.:.:|.:.:.:.::|.:.:.:|   V:.|.:.:.:.:::|  /,.≦,'Vミ|::〉ハ:/ :| :んヾ.      V.:i、   ',:::j : : : :.:::::i.: : : : :i:::: : : ::i: : :l
        i.:.:.:i.:.:i.:.:.:.:::!.:.:.|   V ヘ:.::::|   .ん.゜::ヽ y}:/: | : ;|  V::::l'     .,V.、丶 V: : : : :::::::i.: ; : :.,'::::. :i :::| : i:.l   じゃあ行こっか、
        |:.:.:.:i.:.:',:.:.:.:::l.:.:| ,...,,_ヽ  V:|    :V::::oソ/ j:| : : /:j   `-'      `とミ;、 ハ: : : ::::::::|: ハ: /::::::: :.l::::|: :.|:ハ   私達の新しい
        |:.:.::::i.:.:.l'.,:.:.:::l.:| イiて.::.:ハ V      ̄   l: |: :/: / ''' ,      :{::.゜.:ハヾ/: : : :.:::::::::|/:::レ::::::::::i: :|::i : :.i: :ゝ、 愛巣に。
        j:.::::::|',:.:|:.:ヽ;.::'.{`ヽヽ:::,ソ      '''''  |:.:.l/.::::l             `v_rノ〃: : : : :::::::::|-.、:::i::::::::|: :|/.: : :|`‐-`-
      ,':.::::::i. Vi.:.:.:::ヽ. ヘ  ,,,,   '       |:i:.:|: :::::ヘ       '''    〃x-‐―-...、ソ.::::|::::::::|: :| : : : |
      ,'.:.:::::::|  |.:.:.:::::::::ヽ.ヘ               |l|.:.| : :::::.ヘ   ` -   ,.x '".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.` 、:l::::::::l : |: : : ,'
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     ,'.::::::::::::|.  |.:.:.i::::::::::::|:|. ゝ., _    ,_,.x-='`<r‐' '"".:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:.‐.-:.:.::::;::_:::::::::.:.:.:.:.:.:.:.',:::::ノ:/ |:./
     ,'.:.:.::::::!::|  |:.:.:i::::::::::::::}_,x-='`z,Zr¨      `,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::|/|/ .レ
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