09/11/17 23:07:55 cbvPx/Vc
気がつけば外の雨は上がり、嘘みたいな晴れ間が覗いていた。
先程までの陰鬱な空気は霧散して、なんだか普段よりも部屋が明るく感じられた。
開けたカーテンの隙間から差し込む陽光を全身に受けて、それでもお姉ちゃんはごろごろしている。
炬燵がなければ毛布にくるまればいいんだよ! というのがお姉ちゃんの持論らしかった。
憂「お姉ちゃん、私ね」
唯「うん?」
憂「……夢をね、見たんだ」
唯「へぇー、どんな?」
憂「お姉ちゃんと、キスする夢」
唯「……私と?」
憂「うん」
唯「そっか。それで現実でもちゅーしたくなっちゃったのかぁ」
憂「だ、だって、それは、お姉ちゃんがあんなに近くに来るから……」
唯「言ってくれればよかったのに」
憂「え?」
唯「言ってくれれば、いくらでもしてあげるのに」
憂「……」
唯「うい?」
憂「じゃあ、お姉ちゃん。今ここでしてくれる?」
唯「え、うん……。でもそんなにストレートに言われるとちょっと照れる……」
憂「自分に正直に生きることにしたの。そうすればもっと自分が好きになれる気がするから」
唯「……そっか」
夢を含めて三度目のキスは、優しくてあったかくて―、甘酸っぱいイチゴみたいな味がした。