09/10/14 05:01:48 Lxqf0oee
>>446の上
彼女は姉の手が真っ赤なのを見た。
じいっとしばらく見つめていれば、姉は振り返り小首をかしげる。
「んう? うい、どしたの」
「手がすごくさむそう。手袋は?」
「片方だけなくしちゃってね」
「もう、お姉ちゃんらしい」
でも、それなら口実ができる、と憂は思う。
家でしか触れられない姉の手を、道でどうどうと握られる。
―そうして手袋で包み込むように、憂は姉の手を握った。
「うい?」
「こうしてるとね、あったかいでしょ」
「あ……」
何かを思いついたように、唯は目を見開き、やがて顔中に笑みが広がる。
そんな姉の笑顔を見たいがために、手袋を差し出してもいいと思った。それで彼女が喜べば。
だけどきっと喜ばないだろう。
だから手を握った。二人で暖かくなるのが、一番の望みだろうから。
「あったか、あったか」
「うい……えへへ、あったか、あったか」
朝の日の中、今日も幸せだと憂は青い空と、それから大好きな姉にほほ笑んだ。