09/09/22 09:38:02 ezw9suxJ
父「紬、今日は珍しく早起きだな。どうしたんだ?」
紬「今日は学園祭でライブがあるんです♪こういう経験は初めてだからそわそわしちゃって!」
父「そうか、父さん仕事で見に行けないけど、頑張りなさい」
紬「はい!行ってまいります。」
父「ああ、行ってらっしゃい」
――夢を見た。娘が初めてライブをした学園祭の朝のことだ。
もう何年も前のことなのに、高校の制服を身につけた娘が鮮明に浮かんでいた。
こんな夢を見るのは、年を取った証拠だろうか。
斎藤「お嬢様、早くお越しください。遅れてしまいます!」
紬「あら、急がなきゃ!…斎藤、ちょっとお父様のところへ行ってくるわ!」
玄関で娘と執事が騒いでいた。この二人のやりとりも今日が最後になるのだろう。
紬「お父様?」
父「おお、どうしたんだい?」
紬「あの…私、先に行きます。色々準備あるから」
父「そうか、父さんも後から母さんと一緒に行くよ」
紬「はい!行ってまいります。」
父「ああ、行ってらっしゃい」
――高校時代と変わらない挨拶。ただ一つ違うのは、娘はもう、この家には帰ってこない。