09/07/29 16:18:51 niBGkqAF
規制されたし昔書いたのでも
ある晴れた日のこと。
「憂とお出かけするのも久しぶりだね~」
「そうだね、お姉ちゃん軽音楽部に入ってから全然私と時間合わせてくれないんだもん」
私は久しぶりにお姉ちゃんと二人っきりでお散歩。
「ご、ごめんよ憂ぃ。お姉ちゃんどうしても演奏するのが楽しくて……」
「くすっ、冗談だよ、お姉ちゃん。演奏してるときのお姉ちゃん、本当に楽しそうだもん。今日みたいな日を作ってくれただけで嬉しいよ」
「憂ぃ~、やっぱり優しいねぇ」
お姉ちゃんは本当によく表情を変える。笑ってる顔でも心の底からの笑顔を見せてくれるだけで私は十分だよ。
「あ、あそこのベンチが空いてるよ~」
「本当だ~。座ろっか、お姉ちゃん」
「うん!」
二人並んで腰を下ろす。ちょっと狭いけどお姉ちゃんの体温を感じれてちょっぴり幸せかも。
「お空がぽかぽかしてると何だか眠くなってくるねぇ~」
「そうだね~」
しばらくのんびりとした時間を過ごしていると、肩にぽすんと重みが加わった。ついでに鼻腔をくすぐる甘い香りも漂ってくる。
「お、お姉ちゃん?」
びっくりしてお姉ちゃんを見てみると、ぐっすりすやすやと寝ていた。
「お姉ちゃん……疲れてるんだね……」
それはそうだよね。毎日あんなに頑張ってるんだもん。
「それなのに、今日は私に合わせてくれたんだ……」
胸の奥がほんわかした気持ちになった。
「今日は……ゆっくり休んでね、お姉ちゃん……」
夕日に照らされる公園のベンチを、そっと覗いてみよう。
二人の少女が、お互いに身を寄せ合いながらすやすやと寝息を立てている。
Fin