09/08/08 00:43:16 devKlC0p
<あらすじ>
ある夜、ふとしたことから喧嘩になってしまった律と聡。
床についてからも、聡は律のことを気にしていた。
物思いに耽りながらも、聡は本格的な眠りへと……。
その後、聡が目覚めるとそこは空き地だった。それも、自分のよく知る場所の。
彼は眼前に広がる光景を信じられずに、気を失ってしまう。
そんな彼を見つけて、自宅まで運んでいく一人の少女。
彼女が入っていった家の門に据え付けられている表札には―「田井中」と。
285:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 00:51:37 devKlC0p
―チュンチュン
「……うーん?」
ガバリ、と起き上がる。
まさか鳥の声で目覚めるとは。かつてないことだ。
「……顔、洗お」
ボーっとした動作で、ベッドから出ようとする……が。
「あれ、これって?」
床とベッドとの間にある段差が存在していないことに違和感を覚える。
「んな、馬鹿な。一体どういう……」
驚いて、つい後ろに手をやってしまう。
286:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 00:56:03 devKlC0p
……フニュ。
「んー?」
柔らかい感触。漏れ聞こえる幼い声。
「……はい?」
恐る恐る、振り返る。嫌な予感をひしひしと感じながら。
「ふあー、おはよ~」
幼い少女が、そこにいた。
287:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 00:58:07 wzASYxo/
支援
288:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:01:52 devKlC0p
「……うおおおおお!?」
俺はズザッと後ずさる。そこで、俺が横になっていた場所が布団だったということを
ようやく実感した。
「な、なんで逃げちゃうの~?」
オロオロとする少女。心なし、目には涙が浮かんでいるような……。
「お、俺はロリでもないしぺドでもない! 断じて、違う!!」
ブンブンと首を振りながら、弁解する。
というより、自分に言い聞かせる。
289:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:04:27 devKlC0p
「うう……」
そこで、ハッとする。少女は今にも泣き出しそうな気配を醸し出していた。
「やっ、ち、違う! 怒鳴ってるわけじゃない、怒ってるわけじゃないんだ!」
自分でももう何を言っているのか、分からなくなってくる。
ただ、目の前の子供に泣いてほしくなかった。
なぜだろう、強く強くそう思った。
290:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:10:27 devKlC0p
「ごめんな、不安にさせちゃったか?」
少女の方に近づきながら、俺は少女に声をかける。
(いきなり後ずさって声を張り上げたら、そりゃ怖がるよな)
自分の行動を省みて、悔いた。
「ううっ……!」
未だに怖がっているらしい少女の頭に手を載せて
「大丈夫だよ」
とにかく、優しく声をかけた。
「……もう、平気か?」
頭を撫でながら、俺は少女に問いかけた。
「んーん、だいじょーぶ!」
少女は笑顔になっていた。うん、安心だ。
291:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:14:25 devKlC0p
「良かった」
俺もたまらなく嬉しくなった。
「うん、よかった!」
少女もそう繰り返した。
俺たちは、あははと笑う。
「―律~、どこだい?」
そこで、誰かの声が聞こえた。
「あっ、おとーさんだ」
「……君の、かい?」
「うん、やさしくて……大好き!」
ぴょんぴょんとその場で飛び跳ねる少女を見ながら
「まてよ……この声って?」
俺は、思案していた。
292:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:17:27 devKlC0p
そこで、この声を最近どこかで聞いたことに慄く。
「まさか、そんな―」
そして、今呼ばれた少女のものと思しき名前。
……じゃあ、この子は、まさか!?
「ここか?」
ガチャリという音とともに開けられたドア。
現れた顔を見て、俺は―
「嘘だろ……?」
絶句、した。
293:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:22:56 devKlC0p
「おお、なんだ。随分と仲良くなったなあ」
「えへへー、すごいでしょっ!」
談笑にふけっている親子。
俺はそんな二人を、なんともいえない気持ちで見つめている。
「ははっ、すごいなー、律は。流石、お父さんの子だ!」
「へへー、さすがー」
よしよしと頭を撫でられながら、律は男性のセリフを反芻する。
「……すみません」
俺の発したか細い声は、彼らの耳に届いてくれたらしい。
「なんだい? ああ、泊めたこととかは気にしなくていいよ。
僕は別に、お礼とかは―」
「いえ、そのことではなく」
コホン、と一息ついて
「あなたたちの苗字は、田井中ですか?」
そう、問うた。
294:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:28:24 devKlC0p
男性は、驚きの表情を浮かべた。
「……もうこの家のことを知ったのかい?」
「すごーい、おにいちゃんってもしかして……」
少女はえーとうーんと、と考えながら
「えすぱー!?」
と続けた。
「いや、そういうんじゃないよ」
俺は苦笑して、彼女に伝える。
「ただ、なんとなく、ってところかな」
言い訳としては苦しいような気がしたが
「おお、そうだったのか」
男性はあっさりと納得してしまった。
そんな姿を見て、俺は確信した。
この人たちは、この二人は―
295:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:34:09 devKlC0p
(全く、変わってないな)
人を執拗に疑わない点とかが、特に。
「おにいちゃん、えすぱーじゃないんだ……でも、すごい!!」
……そうか。道理で、この子を悲しませたくないと強く思ったわけだ。
よく見たら、トレードマークが無いだけで、他の部位はそっくりだ。
「ああ、申し遅れたね。まあ、苗字は君に言われてしまったが―」
コホンと一息ついて
「僕の名前は、田井中想。この子の父親、さ」
「わたし、田井中律!」
告げられた名前は、俺の予想通りのものだった。
正直言って、信じられなかったが、事実らしい。
296:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:41:48 devKlC0p
「……ははは」
乾いた声を漏らしてしまう。開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだ。
『ありえない、なんてことはありえない』
どっかの漫画に描いてあった台詞が、頭の中でぐるぐると回る。
「……そういえば、君の名前はなんだい?」
そう問われて、俺は躊躇する。どう伝えればいいんだろう。
「えーと、その」
だめだ、やっぱりこんなの―!
「だいじょーぶだよ」
そんな声にはっとする。少女が俺をじっと見つめていた。
少女は笑顔で
「へいきだよ」
と続けた。
その時俺は―
(大丈夫だ、聡)
(心配すんな、私がついてっから!)
「ねえ、ちゃん……?」
あいつの姿を、そこに見た。
297:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 01:48:57 devKlC0p
「んん? どしたの?」
だが、そこにいるのはやはり年端もいかない一人の少女だ。
「いや、なんでもない……でも、ありがとう」
俺は視線を男性の方に向けた。そして、はっきりと告げる。
「俺、田井中聡っていいます」
フルネームで、だ。
「ほお……私たちと同じなのか。田井中という苗字とは、珍しいね」
「ええ、でもありえないというわけではないでしょう?」
きっぱりと言う。ありえないことは、ありえない―!
「ほう、じゃあこれも何かの縁だな」
またしても特に疑うことなく、男性は認めてしまった。
俺はそんな彼に苦笑する。このころから、なのか。
「しばらくの間、うちに泊まりなさい」
しかし。次に飛び出したセリフに度肝を抜かれる。
298:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 02:01:40 devKlC0p
「……はい?」
「君はどうも他人という気がしない」
にっこりと笑いながら、男性は続ける。
「あの、えーと」
そんな彼に対し、二の句を継げないでいる俺。
「どうやら……律も君になついているらしいし」
「えへへー」
少女がすり寄ってくるのを感じるが、俺は反応してあげることができない。
「君の事情はあえて訊かん! 家にしばらくの間、泊まっていきなさい」
男性は、そう言い放った。
「ええええ!?」
俺はそこで我慢できずに、声を上げてしまう。
「そ、そんなんでいいんですか!? け、警察とか、そういうところへは?」
「僕が、嫌だ」
俺のしごく真っ当と思われる意見に、満面の笑顔で返してきた。
「……」
本日、二度目の絶句。本当に、昔からこうだったのか……。
「―きょうからいっしょなの?」
気付いたら、少女が上目遣いでこちらを見上げている。
「……ああ、そうなる、ね」
「やったー!」
嬉しさのためか部屋中をバタバタと走りまわる少女。
そんな姿を見て苦笑しながら、俺は考える。
(警察、と俺は提案したけど……考えてみたら、ここにいるのが一番いいのか)
俺は、一人でうんうんと頷いた。
「それでは……これから、しばらくお世話になります」
「うん、気がねなくどうぞ」
「へへっ、よろしく~!」
三者三様の声を響かせて。
奇妙な生活が、始まった―
続く。
299:あとがき
09/08/08 02:05:18 devKlC0p
なんでこんなに長ったらしいものを書いているのだろう……。
父の名前を勝手に決めてしまってすみません。
これから、少しずつ物語が始まっていく予定です。
随分と続きが遅れてしまって、申し訳ありませんでした。
300:あとがき
09/08/08 02:08:57 devKlC0p
そうだ、ちょっとした補足を。
このときの年齢は
律→4歳
聡→13歳
くらいの設定です。あの番外編を見ると、どうしても中学生になりたてという感じがして。
さて、聡と律のこれからは……。
301:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 02:09:44 wzASYxo/
乙
カップリングじゃなくて完全に聡ストーリーなのか?w
302:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 02:31:02 QC6U1y+l
乙。
すげえ長編が来た。
これ携帯で書いてるの?
303:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 07:35:55 YTPYoXhg
チビ律きたあああああ
続き待ってるぜー
304:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 09:53:07 devKlC0p
カップリングものではないかもしれません。ただ、いろいろな人たち
が絡んでくる予定です。パソコンに書き溜めしてました。
305:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 10:03:14 devKlC0p
「……あの」
挨拶が終わって、部屋を出ようとする男性に俺は声をかけた。
「うん? なんだい?」
「ああ言ってもらえたのは嬉しいんですけど……本当に、いいんですか?」
実のところ自分なりに納得したとはいえ、やはり不安は付きまとっていた。
そんな俺をみかねてか、男性は優しい声で俺に語りかけてくる。
「……朝起きたら、律が僕のベッドからいなくなっていてね」
彼の声はどこか楽しそうだった。
「僕はちょっと焦った……けれど、なんとなく安心していた」
「そ、それはなんで?」
「君がいたからだ」
きっぱりと断言する。
「なんとなく確信していた。律はそこにいる、と」
306:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 10:11:31 devKlC0p
なんとなく、と連呼する割には、彼の口調ははっきりとしたものだった。
「僕の勘は見事に当たったわけだ……部屋に行ってみたら、律は君と
楽しそうに笑い合っているときた」
その時のことを思い出したのか、彼はふふっと微笑する。
「それを見て僕は嬉しくなった。君を連れてきたのは間違いではなかった、とね」
そう言って俺の顔をじっと見つめてきた。
「君がいなくなると、律も寂しがるだろう」
俺は楽しそうにゴロゴロと寝転がっている律を見た。
「いっしょ~」
部屋の壁と壁の間を、往復しているらしい。
307:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 11:24:25 devKlC0p
「……たしかに、とても楽しそうですね」
「ふふっ、かわいいだろ」
愛しそうな視線を娘に向ける男性を見ていると、複雑な気分だった。
(まあ、この人が俺を知っているわけないんだけどな―)
308:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 11:29:10 devKlC0p
「さて、そろそろ僕は行くよ」
彼は俺にそう言って、ドアを開けて出て行こうとする。
「律と仲良くしてやってくれ。君だったら安心だ」
バタリとドアが閉められた。
さて、こうして少女と俺は二人っきりになったわけだけど……。
「ねえねえ、なんかしてあそぼ?」
なついてくる少女に、俺はどう接していいのやら。
さっきまでは普通の女の子だと思っていたから、落ち着けたわけで―
(……姉ちゃん、なんだよな)
信じられないけれど。
309:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 11:36:26 devKlC0p
「ねーえ」
無邪気にすり寄ってくる少女に、俺は複雑な気持ちを抱かざるを得ない。
「あそぼー」
しまいには、俺に抱きついてきた。
「……よし!」
俺は覚悟を決める。この子と向き合う覚悟を、だ。
「じゃあ、君は何をしたい―」
「だめー!」
いやいやとかぶりを振られた。
「……えっ?」
出だしから失敗? い、いや、でも特におかしなことは言って……
「……んっ!」
自分を指さし、主張する少女。
俺はそれを見て、合点する。そういうことか。
「ああ、ごめん……じゃあ、どうする」
一息ついて
「―律ちゃん」
やべえ、恥ずかしい。
310:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 11:48:55 devKlC0p
「……うん! じゃあね、じゃあねー」
俺が恥ずかしさに震えそうになっているのもどこ吹く風、
彼女は一生懸命に考え出した。
「―そうだ! 外にいこ~!!」
そして、しばし考える素振りを見せた後、言った。
「……うーん」
俺は震えるのをやめ、しばし逡巡する。外へ行っていいのだろうか……おかしなことにはならないか。
でも―
「よし、行こうか」
興味は、あった。俺がまだいないこの時代に
どんなことがあったのか。
どんなものができたのか。
それを知りたいという欲求が首をもたげてきたのだ。
「やったー、しゅっぱーつ!」
少女はそう言って勢いよく部屋のドアを開けるやいなや、
おとーさんに言ってこよーっと! と、一目散に走り出していってしまった。
「……やれやれ」
俺は嘆息する。猪突猛進なあの気性は、昔からだったのか―
「もしかして、誰も変わってねえのかなあ……」
父もあんなだし、あの子もそうだ。
どこか、複雑だった。今日、幾度となくこんな気分になっているような気がする。
311:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 11:54:30 devKlC0p
(はあ……)
溜息をつきながら、俺は少女の後を追う。
……いや、もう「少女」はやめよう。「律」と呼ばないと、あの子は怒っちゃうだろうし。
(それはそうと……)
ここに俺が来てしまった、ということは、だ。
(現実の俺は?)
どうなっているのだろう……不安だったが、今は仕方無い、か。
312:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 11:58:46 devKlC0p
「姉ちゃんとは、結局喧嘩別れってわけか」
それだけは、本当に心残りだ。
「じゃあね、おとーさん! いってきまーす!」
「いってらっしゃい。お兄ちゃんの言うことをよく聞くんだよ?」
「はーい」
「じゃあ、おじさん。行ってきます」
ペコリと俺は、男性に頭を下げる。
「行ってらっしゃい。それはそうと―」
「はい?」
「いいよ、君も僕のことを『おとうさん』と呼んでくれ」
おもむろにとんでもないことを言い出した。
「……えっ?」
「さっきも言っただろ? 君は他人という気がしない」
「……はあ」
「君の事情は詮索しない。家に帰れない理由があるんだろう?」
(……というか、ここが家なんですけどね)
心の中で、ついおかしな突っ込みを入れてしまう。
313:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 12:08:15 devKlC0p
「だから、だ。しばらくはここを自分の家だと思うといい」
男性の目はどこまでも優しかった。
「……ほら?」
彼が期待していることは、明白だった。
(……まあ、いいか)
「じゃ、じゃあ、行ってきます」
恥ずかしさのため、言い淀んだ後に
「―おとうさん」
そう、言えた。どこか懐かしい響きのように、感じた。
「うん、行ってらっしゃい。律をよろしく頼むよ」
男性―いや、おとうさん―は満足そうに頷いて、俺を送り出してくれた。
「おそーい」
家を後にして道路に出ると、律が頬を膨らませていた。
「ごめんごめん。ちょっと、おとうさんと話をしていてね」
「むー……今回だけ、特別だよ」
律はそう言ってぷいっと横を向いてしまったが、どうやら許してくれたらしい。
「ふふっ、ありがとう」
俺はそんな彼女がとても微笑ましい。
そういえば、こんなことが前にもあったなあ―
314:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 12:25:22 devKlC0p
懐かしい気分に浸りながら、俺と律は歩き出す。
しかし歩き始めた当初、律の機嫌は悪かった。
「……ごめん」
「べつに、おこってないもん!」
明らかにプンスカ怒りながらそう言われても、まるで説得力がない。
「さっき、許してくれたじゃんか」
「だから、おこってないもん! しんぱいしただけだもん!」
彼女は足を速めて、先に進んでしまった。
(……しかたない)
俺は溜息をついて、ある決意をする。
これで機嫌を直してくれるかどうかはわからない。
でも―
「律ちゃん」
俺は、彼女を追いかけていた。
そして―
その、小さな、本当に小さな手に優しく触れた。
「……えっ?」
「ごめんな。俺のせいだ」
きっちりと謝る。
「だから、仲直り」
彼女の手を包みこむ。
「だからさ」
「……うん」
律はようやく落ち着いたらしい。どこか嬉しそうな表情で、手を見つめていた。
「……どっか行きたいところとか、ある?」
しばらく手を繋ぎながら一緒に歩いた後で、俺はそう尋ねた。
「えっとね~」
先ほどとは違い、律の声は明るい。良かった―
「よし、きまり!」
どうやら、思いついたらしい。
彼女は満面の笑顔で―
「こうえん!」
と答えた。
315:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 13:20:41 devKlC0p
「ぶらんこ、ぶらんこ♪」
どうやら律は、ブランコがお気に入りらしい。
近くの公園に辿り着くやいなや、鼻歌を歌いながらこぎだした。
「気をつけろよ~」
「おにいちゃんも、のろ~!」
水を得た魚のようにとても活発にこぎながら、律はこちらに手を振ってくる。
その満面の笑顔を見ていると―
「分かった、いいよー!」
どうしても期待に応えたくなってしまうのだった。
律は満足そうに頷いているし。
甘いな、俺も……。
けれど、俺が一緒にブランコに乗ってあげるのは―
「あいかわらず、だっせー女!」
少し、先の話になりそうだった。
316:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 13:40:38 devKlC0p
「か、返して……!」
「へっ、こんな本読んでるからだっせえんだよ!」
どうやら、一人の少女が少年たちに取り囲まれているらしい。
「そ、それはパパのくれた大事な―」
「んなことしらねー! なあ、こいつの髪もむかつかねえ?」
「そうだな。やたらと長えし……切っちゃうか」
少女を押し倒し、どこからか鋏を取り出す少年。
周りの取り巻きはそれをにやにやと見つめている。
「やだ……やめて」
少女はぶるぶると震えている。少し距離はあったが、その様子はよく分かった。
「ママがほめてくれたの……きれいなかみって」
「うっせえよ。もう、やっちまおーぜ!」
ひひひ、と笑う少年たち。子供の笑みとは思えない。
「……」
俺はベンチから立ち上がる。無言のまま、少年たちに近づいていく。
いくらなんでもひどすぎる。限界だ。
「おい、そこの―」
しかし、俺が言い終わる前に
「なにやってんだ、おまえらー!」
律のキックが炸裂した。
317:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 14:23:47 devKlC0p
「うわっ!?」
少年たちはいきなり現れた少女に、度肝を抜かされたようだ。
「な、なんだよお前。か、かんけいないだろ」
蹴られた少年が、背中をさすりながら律を非難する。
「かんけいあるよ!」
律は毅然と言い放った。
心なし、体が震えているようだ。
「おんなのこをいじめるなんて……ゆるせない!」
言って、律は少年たちにとびかかっていった。
318:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 14:25:04 ucjS1Mgl
かんけいあるからー♪かんけいあるからー♪
・・・・・・・・・ごめん
319:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 14:35:03 devKlC0p
「……さて」
律一人に対して、相手は同い年であろう少年四人。
そこで、俺の取るべき行動は―
「あ、あの?」
「危ないから、ちょっと向こうへ行ってようか」
「だ、大丈夫なんですか?」
少女はおどおどと俺に言った。
俺は、この子が何を心配しているのかすぐに分かった。
「平気だよ、あいつは」
後ろで熱戦を繰り広げている律の姿。見なくても分かる。
320:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 14:48:10 devKlC0p
数分後。
「おまたせ~!」
そこには、とことことこちらに歩いてくる、律の姿が。
「お疲れ。結果は……まあ、見なくてもわかるか」
後で応急手当だけでもしてやるか。
慈悲ってやつだ。
「しっかしまあ、強いな律は」
「えへへー、ほめてほめてー」
「よしよし。すごいぞ」
頭を撫でてやると、律は気持ち良さそうな顔になった。
「あっ、そ~だ!」
撫でられながら、律は俺が連れてきた少女の方を向いた。
「え……?」
「はい、これ!」
見ると、律の手には一冊の本が―
「あっ!」
「大事なものなんでしょ?」
「あ、ありがとう……!」
律から本を受け取り、感極まって泣き出す少女。
よしよしと、律はそんな少女の頭を撫でてやっていた。
321:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 14:53:22 devKlC0p
「髪、さらさらしてる~。長~い!」
撫でてやりながら、律はそんな感想を漏らしていた。
「さて……」
そろそろ俺には、確認しなければならないことがある。
「は、はい?」
「君の名前を教えてくれないか?」
俺は少女と視線を合わせ、問い質す。
「あの、えーと……」
少女はしばし迷う素振りを見せた。
そんな彼女を見ながら、俺はある予想をしていた。
長い黒髪、現在につながる整った目鼻立ち。
おそらく、この子は―
「秋山澪、です」
恥ずかしがりながら、少女は名前を教えてくれた。
つながった。
322:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 15:00:24 devKlC0p
「みおちゃん? かわいいなまえ~!」
律は未だに顔を赤らめている少女―秋山澪―に抱きついた。
「えっえっ?」
そんな澪は、いきなりの律のスキンシップに困惑の色を隠せない様子だ。
(なるほど……)
俺は、一人合点する。
(これが、きっかけだったのか)
現在につながる、二人の親友の。
「ほら、律。それくらいにしとけって」
俺は今も澪に抱きついている「姉」をそうたしなめる。
「えー、ケチ~!」
「ケチじゃない。ほら、澪ちゃんも恥ずかしそうだろ」
「うっ、うう~……」
見ると、澪は今にも泣き出しそうだ。
彼女は目に、大粒の涙を湛えている。
(……今はマシになったんだな)
これだけで泣いてしまいそうになるほどの泣き虫だったのか、「澪姉」は。
323:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 15:05:22 devKlC0p
「ほら、律。謝りな」
俺は、律を促す。
「むー、分かったよ!」
彼女は俺に対しては不満そうにそう言ったが―
「ごめんね、澪ちゃん」
澪にはとても優しそうに語りかけたのである。
「い、いや、もうへいき」
澪は恥ずかしそうに、そんな律に告げる。
「顔、赤~い! かわいい~!」
律はなぜかそんな澪を見て、喜んでいた。
(いや、しかし……)
澪の赤らんだ顔を見ながら、俺は動揺していた。
(この頃から、破壊力たけえ)
そして、幼い少女に赤面しそうになっている自分に気づき、愕然とするのだった。
324:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 15:13:18 devKlC0p
「と、ところでどんな本を読んでるんだ?」
俺は、澪に質問を振った。自分を落ち着かせるためでもある。
「こ、これ」
おずおずと差し出された本の題名。
『タイムマシン』と読めた。
その題名を見て、俺は寂しくなる。
(やっぱり、心配だな……)
特に、姉ちゃんだ。あんな風に喧嘩別れしてしまったまま
ここに飛ばされたのだから。考えると、溜息をついてしまいそうになる。
「ねえ、だいじょぶ?」
そんな声にはっとする。律が俺の顔を心配そうにのぞき込んでいた。
「あ、ああ。ごめんな」
また、重なった―「律」と「姉ちゃん」が、だ。
まあ、同一人物だから当たり前っちゃあ当たり前だけど……。
325:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 15:15:56 devKlC0p
「……ねえ、みおちゃん。いっしょにあそぼ?」
律が俺から視線を外し、澪に声をかけた。
「えっ、いいの……?」
おろおろと反応する澪。
「いいっていいって。人が多い方が楽し~し!」
きっぱりと言う律。
面白いくらいに正反対な二人だった。
(だからこそ、魅かれあったのかもな)
そんなことを、想像した。
俺の友人も元気かな、などとまたさみしいことを考えながら。
326:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 15:24:39 devKlC0p
それから、俺たちは大いに遊んだ。
先延ばしになってしまったブランコ遊び。
3人乗りは、流石に危なかった。
けど、楽しかった。
その後、律と澪は滑り台へ。
笑顔で滑り落ちてくる二人を俺は抱き上げる。
澪も満面の笑顔を浮かべてくれていて、俺は嬉しくなる。
その後、近所の駄菓子屋へ。
そこで買ったグミを三人で分け合って食べていく。
自然と笑顔になれる、そんな穏やかな時間だった。
そして、どんなことにも終わりはつきものであるように―
「それじゃあね。バイバーイ!」
「ば、ばいばい……」
『暗くなってきたから』という理由で、俺たちはそれぞれの帰路についた。
327:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 15:36:42 devKlC0p
「たのしかったあ!」
帰り道、律は満面の笑顔を浮かべている。
「そりゃ、よかったな」
俺もそんな彼女を見て、気分が高揚するのを感じた。
「みおちゃんとまたあそびたいなあ……」
うっとりとした目つきでそんなことを言う律。
どうやら、二人は相当に相性がよかったとみえる。
「ああ、そうだな」
俺も、この時代の「澪姉」にもう一度会ってみたくなった。
あっ、そうだ。言い忘れていたか。
あの悪ガキ共の応急手当はしておいてやった。
駄菓子屋のばあちゃんに、包帯をはじめとする様々な救急用具を借りてきたのだ。
全員、完璧に気絶していたので少し心配になったが、そこまで重傷を負っては
いなかったので安心する。傷口を消毒し、包帯を巻いていった。
「どうして、こんなやつらの……」などと文句を言いながら、律も手当てを
手伝ってくれた。澪もオロオロしながらも、サポートしてくれた。
やっぱり、このころから二人は変わっていない。
だから、俺は二人の「姉」を尊敬しているのだ。
(帰れんのかなあ……)
そんなことを考えて夕焼けを見ていると、とてつもない不安に襲われた。
「どしたの?」
でも、そんな不安も―
「ううん、何でもないよ」
律の顔を見ていると、吹っ飛んでしまうのだった。
そう言って、二人で穏やかに笑い合う。
このとき、俺は気づいていなかった。
「ふふ……順調らしい」
そんな穏やかな時間が、長く続くことなどありえないということに―。
続く。
328:あとがき
09/08/08 15:39:38 devKlC0p
さすがに、ここまでですね。
いくらなんでも、おかしい。
お目汚し、失礼しました。
でも、書いていて律と澪、そして聡に愛着が湧いてしまったのも事実です。
なるべくさっぱりとまとめたいと思います。
329:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 21:41:59 3+9y+rSU
前から思ってたけどやたらと文章うまいよな
330:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/08 22:23:14 52GEgwGe
>>328
大作乙です!
1投稿の行数が少なめだからそんなに長く感じずサラっと読めました。
大変引き込まれる文章だけに状況説明だけでテンポを崩してる部分が
若干気になりましたが続き楽しみにしてます!
331:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:12:28 LfxJpQJX
「いっただきまーす!」
「いただきます」
「……い、いただきます」
食卓に響く三者三様の声。
律は喜々としておかずに箸を伸ばし、父は魚の骨をのんびりと取り出している。
で、俺はといえば……。
「ほら、律。こぼしちゃってるよ」
「わっ、ホントだ!」
「少し、落ち着きな」
律のシャツを拭いてやりながら、俺は注意を促す。
「えへへ~、美味しいんだもん!」
世話を焼かれながらも、律は笑顔である。その奔放さが羨ましい。
「―本当に仲が良いな、君たちは」
父はそんな俺たちを優しく見つめている。
その瞳に、俺達の姿をとどめようとしているかのようにも見えた。
「ふふっ、だってお兄ちゃんってなんか―」
律はそう言った後
「ほんとにきょうだいみたいなんだもん!」
と、続けた。
332:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:27:01 LfxJpQJX
そう言われて、俺は感動していた。
(やっぱり、分かるものなのか)
絆ってやつは、あらゆる理屈を飛び越えて、人と人とを繋げてくれる。
そんな詩人めいたことを考えて、少し恥ずかしくもなった。
「今日ね~、公園で―」
「ほう……そんなことがあったのか」
「それでね、みおちゃんって子となかよくなったんだよ!」
「それは、よかったなあ……いつか一緒の所へ通えるといいね」
「うん!」
穏やかな父娘の語らい。二人の顔に浮かぶ笑顔。
見ていると、どこか寂しい反面、嬉しさもあった。
(でも、やっぱり……)
いつかは、終わってしまうのだろう。こんな日常も。
(俺がここにいること自体、おかしいんだしな)
「ごちそうさま~!」
「ごちそうさま」
「……ごちそうさま、でした」
食後の挨拶を終えて、俺たちは思い思いの行動を取る。
まず、俺は―
「……いいんですか? 俺、食費とか払わないと―」
父に、気になっていたことをぶつけていた。
「言っただろ? 今の君は、僕たちの家族だ」
「……」
いくらなんでも、甘すぎやしないか。この人にとって俺は、見ず知らずの他人なのに。
けれど―
「明日あたり、僕の手伝いをしてくれるかな? 君が作ったら、律も喜ぶだろうし」
父親らしい面を覗かせても、いた。
「ええ―喜んで」
幸い料理だったら、姉ちゃんと一緒に挑戦していた。
普段から二人して、料理の腕を競いあっていたものだ。懐かしい―
333:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:34:22 LfxJpQJX
「それはよかった。じゃあ、明日よろしく」
ニッコリ笑って、父はソファーの上で横になった。
「どうすっかな」
食卓から離れて、俺は色々と考える。
現実への帰還、この時代に飛ばされたわけ、姉ちゃんとの確執……
懸念事項は多い―
「おにいちゃ~ん!」
食後だというのに、律は変わらぬスピードで俺に飛びついてきた。
ここは俺に宛がわれた部屋だ。布団の上で、律はゴロゴロしていたらしい。
「なんかしよう!」
そんな律のはしゃいでいる様子を見ていると―
「……ま、いいか」
心配事なんて、吹き飛んでしまうのだった。
334:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:45:13 LfxJpQJX
「私ねー、もうすぐきょうだいが出来るんだ~!」
一緒にトランプ(ただし、7並べに限る)をしていると
律はおもむろにそう言った。
「……えっ?」
「おとうとかなー、いもうとかなー?」
楽しそうに笑っている律を見ながら、俺は動揺の色を隠せない。
「い、いつ!?」
俺は律に顔を寄せる。
「え、なになに?」
「そのきょうだいは、いつ頃生まれる予定なんだ!?」
たぶん、俺の顔は必死だったはずだ。
「う、うーんと……たしか」
俺の必死さをみかねてか、律は考えだしてくれた。
「あっ、そうだ!」
ポンと手を打ち
「あと、三日!」
嬉しそうに、告げた。
335:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:50:33 LfxJpQJX
それを聞いて、皮膚が粟立った。
(ま、待てよ……三日?)
となると―
(俺は、どうなる?)
この時代にいる、俺は?
「お、おにいちゃん……だいじょーぶ?」
はっと気付くと、律の心配そうな顔が眼前にあった。
「あ、ああ、ごめん。大丈夫」
にっこりと笑ったつもりだったが、ぎこちないものになってしまったのだろう。
律の顔から不安の色は引いていない。
「ほんとに?」
「う、うん。ほんとに!」
でも、こんなこと律に教えられるわけがない。
誰か―
(誰か、教えてくれ!!)
叫びたくなる衝動を必死に抑えた。
336:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:52:04 LfxJpQJX
「……おにいちゃん」
律は未だに苦悩している俺を見て、声をかけてきた。
「な、なに?」
動揺しながら返事をする俺に―
「おふろ!」
予想外の提案が打ち出されたのだった。
337:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:54:47 LfxJpQJX
―ザパン。
「きもちい~!」
浴室に律の楽しそうな声が響く。
「そ、そうだな」
俺も困惑気味に声を返す。まさか、こんなことになろうとは―
「いいよ、一緒に入ってきなさい」
あっさりと提案は受け入れられた。
「わーい!」
律の歓喜の声とは対照的に―
「ほ、ほんとうに!?」
困惑の色にまみれた俺の声。
「だって君たち、ほんとうにきょうだいみたいじゃないか」
そんな俺達に、父はあっさりと言い放った。
そして、この状況である。
338:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 14:57:19 LfxJpQJX
「いい湯だな~♪」
節をつけて、律が幼い声で歌い始めた。
「ははっ……」
俺は苦笑することしか出来ないでいた。まさか、再び姉と共に
風呂に入ることになるなんて―
(いや、今は兄妹? ってことになるのか)
余計、複雑だった。
339:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 15:07:43 LfxJpQJX
「おにいちゃん、頭洗って~!」
ザパンと浴槽から出て、律はシャワーの前へと移動する。
「……いいよー」
俺の声は、はたして明るく発せられていただろうか?
浴室にゴシゴシという音が生まれる。
「~♪」
律は気持ち良さそうに、俺の手に身を任せている。
「―気持ち、いいか?」
「うん! すごく!!」
満足そうに頷く律。そんな彼女に苦笑する俺。
(そういえば)
姉ちゃんも、髪の毛に関連するものが好きだったっけか。
ドライヤーとかには、ものすごく拘っていた。
それに―
「おにーちゃん?」
俺の思考は律の声に中断させられた。
「ああ、なに?」
そんな律に返事をする。
「あと三日で、わたしにはきょうだいがうまれるけど」
律の口から再び告げられる、厳然たる事実。
それを聞かされて、俺は溜息をつきたくなる。
(……でも、律にとっては嬉しいことなんだよな)
そう思うと、聞いてあげられる程度の余裕が生じた。
「でもね!」
クルッと後ろにいる俺に振り向く律。
「おにいちゃんは、おにいちゃんだよ!」
小さな口から、一生懸命な言葉が紡がれた。
「だから、だいじょうぶだよ!」
そう、律は言ってくれた。
340:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 15:19:06 LfxJpQJX
(……)
実を言うと、俺は感動に打ち震えていた。
拙い言葉だとは思う。いったい、何がどう「だいじょうぶ」なのか。
そういったことが全く以て、明確ではないから。
けれど、今の俺には―
「ありがとう」
何よりも素晴らしい激励の言葉だった。
「うん、良かった!」
律は満足そうに微笑んでいる。
「おふろにつれてきて!」
えへへっと笑い声を漏らす律。
「……もしかして」
俺を励ますために―?
「うん! おとーさんがいってた!
『おふろには人を変える魔法がある』って!」
満足そうにそう返してくれる律。そんな彼女を見て―
「律は、良い子だな」
愛しさが込み上げてきた。
「でしょー、へへっ!」
得意げな顔を見ていると、現実のあいつとまた重なる。
でも―
「ああ、ほんとうに」
不思議と寂しさは感じなかった。風呂の魔法、だろうか。
341:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 15:25:47 LfxJpQJX
「おやすみ~!」
「おやすみ、なさい」
「ああ、おやすみ。律はお兄ちゃんと一緒に寝るのかい?」
「うん! そ~するの!」
「そうか。仲良く、な」
「わかってるって!」
自信満々に、律は言葉を返す。
そして、早々と俺の部屋へと飛んで行った。
「……じゃあ、俺も」
「待ってくれ」
部屋を退出しようとする俺に、父が声をかけた。
「もしかして、あの子から聞いたのかい?」
何を、とは言われなかったが、それでも俺には分かった。
「―ええ」
「そうか……」
どこか複雑そうな表情を浮かべている。
「聡くん」
「は、はい」
「律と、目一杯仲良くしてあげてくれ。あの子はずっと寂しがっていた」
「……もちろんですよ」
俺ははっきりとそう告げる。今は、これでいい。
「それを聞いて、安心したよ……」
安堵の表情を浮かべる父に、「それでは」と言って部屋を出た。
続く―
342:あとがき
09/08/09 15:33:11 LfxJpQJX
すみません、長くなってしまいました。
聡の心が律によってほぐされる場面を描きたかったら、こんなことに。
だから今回、澪は登場しません。次に、たぶん……。
当初、聡は他の軽音部のメンバーにも絡んでくるものにする予定でしたが
そんなことをしていると、収拾がつかなくなりそうですね。
こんな長い話を読んで下さった方々、ありがとうございます。
感想は励みになります。
343:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 21:08:11 EZp3Lt/V
良かったよー
344:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/09 22:39:22 QCIVzTnJ
♪ちょいと一分のつんもりでのぞきっ、いつんのまんにやら聡スレ
URLリンク(www.youtube.com)
ん
なんか来てるな。
カリカリカリ(マウス)
まだか
カリカリカリ
なんじゃこりゃぁあ!
なげっ!
この調子でスレの長さで一気に和を超えてくれ。スイスイスイっとな。
俺も、タイムトリップネタを使いたいんでまねさせてもらう。(予定)
♪スイスイスーダラタッタスラスラスイスイスイ
345:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/10 17:34:07 96stjCF8
乙
346:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/10 23:46:58 ff9+EDj0
聡スレssまとめってどこにあるの?
347:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/10 23:49:37 qGQZ3VSJ
無いんじゃないかな
348:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/11 00:12:03 XpckMy63
そうか…
サンクス
349:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/11 00:14:08 yikyXPf5
いいSS多いからもったいないよね(´・ω・`)
350:古畑でした
09/08/11 04:38:45 08TdkAdp
古畑「え~今回の犯人は実に、意外な人物です~
皆さん覚えてますか~?特別編で姉と一緒に映画を見に行ったあの少年を」
351:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/11 06:14:40 iKwgcuzh
聡がんばれ
地震に驚いてる姉ちゃんを励ましてオトコをUPするチャンスだ
352:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/11 07:00:12 vuia+Z11
夏コミでスカポン堂がまさかの澪聡本を出すらしい
成年向けだけど
353:コロンボです
09/08/11 07:23:19 acmddZuz
コロンボ「あ~田井中さん!ごめんなさい、あとひとつだけ!
実は私の妻があなたのファンでしてね~!あ、聡さんって呼んでもいいですか?」
354:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/11 23:00:18 z2HJ6YSD
>>352
サイト行ってみたけど、めちゃくちゃ絵が好みだ。
しかしコミケには行けない……委託待ちかな。
355:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 10:29:57 DlbULbAI
タイムスリップ終わるまで待ってようと思ったけどなかなか続きないんで投下する
気持ちだけ一線越えた聡律(律のみ自覚。聡は天然か?)
鬱というかドシリアスなんで苦手な人はスルーしてくれマジで
※
本当の事なんて、一生言うつもりはないんだ。
望んでも手に入らないのは分かってる。
望むこと自体、間違ってるのも分かってる。
おかしいのは私なんだ。
だから、あの子を巻き込みたくない。
とても優しい子だから。
あの子はきっと、普通に恋をして、結婚して、普通の幸せを手に入れる。そういう子だ。
それが一番だと思う。
だからこれは、一生言わなくていい事だ。
356:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 10:30:53 DlbULbAI
※※
カタ。
小さな物音に聡の意識は浮上する。
瞼を上げると、見慣れた天井がそこにあった。
そのまま視線を横にやると、つい最近父が買ってくれたスチール製の本棚の前に、律の後ろ姿があった。
聡「……姉ちゃん?」
律「――あ。悪い、起こしちゃったか」
律はこちらを振り返ると苦笑した。
日はほとんど暮れていて、部屋の中は薄暗い。少し開け放った窓から入り込む風が、カーテンを静かに揺らしている。
聡はゆっくりと上体を起こした。
聡「どうしたの?電気も付けないで」
律「あー、いや。ちょっと辞書借りてこうと思って。聡寝てたし」
聡はベッドから降りると電気を点けようとして、…何故だろう、何となく――やめた。
聡「何の辞書?」
律「英和」
聡「ちょっとどいて。――えーと英和……あっ、あった。はい」
本棚から辞書を抜き取ると律の胸元に差し出す。
律「おッ、サンキュー。借りてくな」
聡「ちゃんと戻してよ」
律「ほーい」
律は背を向けると辞書を片手にドアの方へと歩いて行く。
ふと、その歩みが止まった。「そいや聡」と振り返る。
357:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 10:35:54 DlbULbAI
律「今日可愛~い女の子と二人で歩いてるの見ちゃったんだけど。あれってカノジョ?」
にやっと笑う。
聡「え?は…?」
何の事かすぐには分からず、寝起きの頭で思考を巡らせると思い当たる事があった。
聡「ち、違う違うッ!……あれはただのクラスメイトだし!つーかアイツは新庄狙い…とと」
律「…なんだぁ、違うのか」
聡「違います」
律「聡に彼女が出来た時は女心というものをしかとレクチャーしてやろうと思ってたのに」
聡「いらないし!…ていうか姉ちゃん絶対からかうから出来ても言わない」
律「なにさー。けち」
律はつまらなさそうに唇を尖らせると、ふいと顔を背けた。「でも、」と続ける。
「――そしたらもう、一緒に映画行けないなぁ」
その口調は先程までと変わらないものだったが、聡は何故かどきりとした。
律はそのまま背中を向けて部屋を出て行こうとする。
何となく、何か言わないといけない気がした。
でも何を?
分からない。
だって俺、全然ガキだもん。分かんないよ。
なぁ、姉ちゃん、どこかへ行っちゃうの?
律と居るとたまに、怖いような、寂しいような、もどかしいような――複雑な感覚に襲われる事があった。
358:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 10:36:45 DlbULbAI
それが何なのか、はっきりと分からないのは、聡がまだ中学生だからだろうか。
大人になれば、分かるのだろうか。
でも。
聡「――俺、ずっと姉ちゃんと映画行くよ」
律の肩がぴくりと震えた。聡は続けた。
聡「姉ちゃんが呼んだらどこでも行くし、姉ちゃんが悲しい時は一緒に居るし、困った時は助けるし、…えーと」
律「聡…?」
聡「と、とにかく、俺は変わらないから。ずっと!」
律は驚いたように聡を凝視している。
聡も目を逸らさなかった。
何故、こんな事を言っているのか、自分でもよく分からない。
部屋の中はもうすっかり日が落ちて真っ暗だ。
窓から流れ込んでくる湿った空気がやけに肌に纏わりつく。心なしか、息苦しい。
まるで海の中にいるようだと、聡は思った。
今、自分は暗いの海の中を手探りで進んでいる。――何が正解で、何が外れなんだろう。
ただ一つ言えるのは、律が悲しいのは嫌だという事。
律「――いいな、それ。」
先に視線を逸らしたのは律だ。
顔を伏せて自分の指の爪を見つめている。親指の爪を人差し指でカリッと掻く。
359:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 10:41:38 DlbULbAI
律「…このままずっと居られたら幸せなんだけどな」
聡「ずっと幸せだよ、姉ちゃんは」
間髪容れずに言うと、律はきょとんと顔を上げた。大きく見開かれた瞳が聡に向けられる。
ふとその口元が緩んだ。
律「なーんか太陽みたいだな、聡は。」
聡「え?」
律「あーあ、聡が何かすごく眩しいよー。くやしいのぅくやしいのぅ」
聡「は?何言ってんのさ、姉ちゃんだって―」
律「聡のバカバカ馬鹿やろうー」
聡「ちょっ…、姉ちゃん??」
真剣に話をしていたつもりなのに、律の様子に聡は混乱する。
もしかしたら、自分はからかわれているのだろうか。
何か文句でも言ってやろうと口を開いた時だった。
「――変わらないものなんてきっとないよ」
聡は言葉を呑み込んだ。
目の前の律はもう笑ってはいなかった。口元をぐっと引き結んで、痛々しいほど真っ直ぐで真剣な瞳をこちらに向けている。
聡にはその顔が、今にも泣き出しそうなものに見えた。
律「変わらないものなんて、ないと思う」
聡「…」
心臓が激しく脈打っている。
律「――あ、でも変わらない事もあるな」
細い指が伸びてきて、聡の髪を優しく撫でた。
身体が、小さく震える。いつの間にかズボンの横をぎゅっと握り締めていた。動けない。
律は聡の髪に絡めていた指を離すと、ゆっくりと視線を外した。
「私はずっと、聡の姉ちゃんだ。」
360:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 10:44:28 DlbULbAI
※※
律が部屋を出て行った後も、聡は暫く立ち尽くしていた。
心臓の音がやけにうるさい。頭が混乱していてうまく思考を整理できない。
「……」
おぼつかない足取りでベッドまで行くと、そのまま身体を投げ出した。ギシッとスプリングが軋む。
無性に泣きたかった。
自分と姉は今、一体何を話していたんだろう。
いや、考えるな。考えなくていい。
もう寝てしまえ。
次に顔を合わせた時にはいつもの自分達に戻ってる。明日からはまた、いつもと変わらない日々が待っているんだ。
(この扉は、まだ開けない方いい。
――そんな気がする)
窓の外の夜が、ベッドの下の闇が、じわじわと聡を浸蝕していく。
――呑み込まれる。
聡はぎゅっと瞼を閉じると、いつしか深い眠りへと墜ちていった。
夜が、深まっていく。
※※
ホラーになってたらすまん
闇夜の心理戦というか駆け引き
361:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 12:11:19 URzuIDcw
>>355-360
いいねいいねーGJ!
362:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 12:15:58 DlbULbAI
申し訳ないんで明るいのも書いた
※
聡(あー鬱だ…)
学校から帰宅して一直線に自室に行くと、聡はベッドに仰向けに身を投げ出した。
聡「いてっ…」
斜め掛けの学生鞄の金具が腰に当たる。
仕方なく起き上がると、聡は鞄を開けてある物を取り出した。
聡「あーいやだ。やりたくね―…。はぁ…」
重い腰を起こして鏡の前まで行く。
それを自分の前に当てがった。
聡「ないわー、これはないわ…」
ガチャ。
律「なあ、聡――」
聡「はへっ?!」
二人して固まる。
律「……聡…お前……何鏡の前でナース服かかげてんの…?」
聡「い、いや姉ちゃんこれは違…ッ」
律「いい、言い訳なんぞ聞きたくない!」
聡「誤解だって、これは…っ」
がしっ。
律「大丈夫これでも姉ちゃんスク水とかメイド服とか結構見慣れてるから。聡がどんな趣味でも姉ちゃんは聡が好きだぞ!」
聡「ちがーーーう!」
律「おっと目から鼻水が…。ゴミでも入ったかな?」
聡「ちょ、姉ちゃん違う、これは文化祭の―」
律「じゃ、私はこれで!」
バタンッ。
聡「…オカマバーだって…」
誤解が解けたのは三日後である。
363:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 12:24:26 1v4Ti14U
>>355-360
よかったよーGJ!
>>362
こっちもGJw
後日談も気になるw
364:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 13:54:57 AUI9VEMh
>>355-360
ストライクでした。やっぱこの姉弟は良いものだ。
>>362
聡……まあ、女顔と言えないこともないけれど。
タイムスリップの話の続きは行き詰っていて……もう少し出来たら投下します。
365:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 14:56:18 DlbULbAI
一応362の続き
ラスト。
※
教室の中は、集まった30人ほどのお客の声でざわざわとしている。
その黒板側の一角。カーテンで仕切られた縦横1.5mほどの空間の中で聡は頭を抱えていた。
聡「あー帰りたい…」
新庄「何言ってんだ聡…―いや、さと子!あんたには私たちを待ちわびるあの声が聞こえないの?!」
聡「…なんでお前そんなノリノリなんだよ」
股間にでっかいアヒルをつけたバレリーナ姿の新庄を見やる。
新庄「おおお俺だってテンション上げずにやってられるかッッ。…―とにかく、行くわよ聡子!」
聡「あーもう、どうにもなれだっ」
新庄に続いて聡はカーテンの向こうへ飛び出した。
…ああ、足がすーすーする。
新庄「はぁーい、この店ナンバー1アイドル・バレリーナの新子でぇす!」
聡「お注射しちゃうぞっ。新人ナース聡子でーす」
どっと沸く。
おお、意外に受けてるじゃん。
聡は台本通りの台詞をしゃべりながら教室の中を見渡した。好奇心で覗きに来た学校のやつらが大半で、あとは一般の人がちらほら―
聡「?!」
その中に、居るはずのない人を見つけた。
聡(なんで居んの??!)
その後の事はよく覚えていない。
※※
律「おー、お疲れっ」
聡「姉ちゃんっ!!」
校門前でひらひらと手を振る律に、聡は顔を真っ赤にしてずかずかと歩み寄っていく。
聡「なんで来てんだよっ!」
律「え、そりゃあ聡の勇姿を見に来たんじゃん。結構かわいかったぞ。カツラも似合ってたし。」
つんつんとおでこをつつかれる。
聡「わーー!もう忘れろーっ」
律「なんだよそんなに嫌なのか?」
聡「嫌に決まってるだろっ」
女装なんて格好悪い。聡は格好悪い姿を律に見られる事が嫌だった。(まあそんな姿もう何度も見られているのだが)
思わずぶすっとしてしまう。
律「そっか、じゃあもう言わない。な、聡。お腹空いてる?」
聡「え?あー…そいやお昼何も食ってないや」
律「じゃーん。聡と一緒に食べようと思って買っといたんだー。好きだろたこ焼き」
律は満面の笑みでたこ焼きが二箱入った袋を差し出した。
聡「あ、それ俺も…」
聡も同じく二箱のたこ焼きを鞄から取り出した。
聡「…姉ちゃんと食べようと思っ、て…」
律「…」
聡「…」
ぷっと二人吹き出す。
律「まいっか!どっか場所見つけてそこで食べようぜ」
聡「そだな」
暖かいたこ焼きを手に持って、二人並んで歩き出した。
366:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 15:05:54 1v4Ti14U
GJw
ほのぼの兄弟すなぁ(*´д`)
367:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 16:24:32 uKCmaGZO
gjとしか言いようが無い。
さとりつは正義。
368:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 19:41:40 WHQ0p6FC
>>355-360
本人は何か気にしてるみたいだけど
2828系よりこっちのほうが好きだな
ストライクどころかど真ん中ですわ。
それではまた。
369:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 20:35:06 pu6SZ+qV
途中からこのスレ読み始めたんだが鈴木と新庄って何?
野球のイチローと新庄っぽいんだがどうしてこの二人が出てくるの?
370:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 20:37:06 1v4Ti14U
途中から野球ヲタが乗っ取ったからw
最初はイケメン友達の声優が金田って人だから金田だったんだけどね
鈴木は鈴木純ちゃんの弟じゃね?ってことで鈴木になったんだけど
鈴木=イチローになってそれなら金田やめて新庄にってなった
371:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 20:42:02 7IGPFGor
>>355-360
まとめwikiの【鬱・あうあう】に分類されてるSS読んできたら、おまいの話がどれだけ明るい話かよくわかるぜw
GJ
372:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 20:57:26 WHQ0p6FC
【けいおん!】田井中聡は禁断の愛【友達3人目】
では>>1にイチロー、新庄、松坂の説明もいれないとな
373:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:08:32 1v4Ti14U
松坂って誰だよw
374:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:12:20 OPv4ln5H
聡「ねーちゃん宿題手伝ってよぉ!」
律「ふざけんな!あたしもおわってねーよ!」
聡「ねーちゃんここわかんない…」
律「ここ?これはmustを2単語で置き換えるんだよ」
聡「あっ!has toか!」
カリカリカリカリ
聡「ねーちゃんここわかんない!」
律「ここは2x+1を大きいXに一旦置き換えてからあとで代入するんだよ」
聡「なるほど…できた!」
カリカリカリカリ
聡「ねーちゃんここわかんないよー!」
律「ここはレ点って言ってな、こっちを先に読むんだよ」
聡「へぇ~なるほどなるほど」
カリカリカリカリ
聡「終わったー!宿題全部終わったよ!」
律「なにぃ!?あたしは全然進んでないのに…聡って実は天才か!?」
375:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:14:32 1v4Ti14U
>>374
www
376:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:14:42 pu6SZ+qV
新庄と鈴木の説明サンクス!
エネファームはこっちのスレでは話題外?
377:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:16:29 1v4Ti14U
それなんに?
378:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:17:56 c9Qb2TmY
唯「三が日はこんなでした」
律「憂ちゃんくれ!」
聡「…」
379:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:18:56 7Dq0fhPY
エネファーム懐かしいw別にいいんじゃないの?
ところでスレチかもしれんが>>371のけいおん!sswikiってどこに行けば見れるんだろ
380:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 21:56:18 AUI9VEMh
あれ、なんか今日いつもより賑やかだな。
聡好きとして、非常にうれしい。
>>379
まったりけいおん! SS書いていくスレ
というスレッドから行けるよ。
381:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 22:31:50 7Dq0fhPY
>>380
ありがとー早速みてみるよ
エネファームって唯が田井中家へ家出したss(憂が死ぬやつ?)で
唯の裸見ちゃって自家発電→エネファームって感じだったっけ?
382:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 22:33:39 1v4Ti14U
ああれかw
383:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 23:34:15 BXNQ5yu+
>>381 んでその後大作になるやつな あれはおもろかったわ
384:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 23:40:54 co1Z46yy
こんばんさとし!
うひょー!伸びてますね!後ほどかる~い珍作をw
>>342
すごくよかったです!才能に嫉妬!
律パパがかっこよすぎる!まだまだ続き楽しみにしてます。
>>360
乙です!
「私はずっと、聡の姉ちゃんだ。」かっけー!!
>>362
これは鼻水しかたないww
>>365
たこ焼きやねー!福本豊
>>370
申し訳ない(棒読みw)
>>374
あたまいい!
385:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 23:45:37 co1Z46yy
<さわちゃーん!
┌──┐
│多摩川│
├──┤
┴──┴───
____________
~~~~~~~~~~~~~
~⌒~⌒~⌒~/⌒\~⌒~
⌒~⌒~⌒~/ ´さわ)ミ⌒~⌒~
~⌒~⌒~⌒~ U彡~⌒~⌒~⌒
~⌒~⌒~⌒~⌒~⌒~⌒~⌒~⌒~
さ「オマエらが来るのを待っていたァ~。ウグァアアアアアアアアアアアアアア!」
YouTube - K-ON! Sawako Yamanaka/Death Devil [Hell The World]
URLリンク(www.youtube.com)
紬「さわ子先生、オリコンデイリー8位おめでとうございます」
律「よっしゃあ!!」
唯「すごいすごーい!」
澪「なかなかだな」
さ「うふふ。私もそんなに期待してなかったけどありがとう!」
梓「澪先輩、唯先輩、私、律先輩、憂、聡君、和先輩、さわ子先生…人気順通りですね!」
紬「……沢庵スラッガー!!」
梓「ひでぶっ!」
真紅「ジュン、私からもおめでとう」
さ「違うアニメからありがとう真紅!」
翠星石「ジュンのくせに生意気ですわー!あ、泥のついたピン札ゲットですわー!」
純「それだけはダメ…あ、バールのようなもの!ウオオオオオオオオオオ!」
翠「あべしっ!」
YouTube - 北の国から あれから15年 5/6
URLリンク(www.youtube.com)
堀江「アサ、おめでとう!」
聡「ほっちゃん!、ホアー!ホアー!」
さ「ほっちゃん、ありがとう。あれ?そういえば『かなめも』のOPは先週…」
堀「ふんっ!私が歌ってないからダメだったわね…あら?かなちゃん?」
唯「ぎくっ!はるかさ…人違いですぅ。3fyufyufyu~…」
堀「♪わたーしたちは」
唯「♪はたらく処女 はたらく処女…しまったー!」
YouTube - 「かなめも」 第04話:はじめての、プール 「3/3」
URLリンク(www.youtube.com)
堀「やっぱりかなちゃんじゃないー。グヘヘヘ!お乳モミモミー!」
唯「や、やめてくださーい!助けてー!おばあちゃん!」
1話の横断歩道にいた婆「キエエエエエエエエエー!!」
堀「たわばっ!」
ゲストのほっちゃんが不銀なので宣伝!w
かなめもED「YAHHO!」は8月26日(なんと律、紬、梓キャラソンと直接対決)発売!
YouTube - かなめも ED YAHHO!! ( かなめもVer /堀江由衣)
URLリンク(www.youtube.com)
386:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 23:47:45 co1Z46yy
>>385
ゲストのほっちゃんが不銀なので宣伝!w
こちらです
ゲストのほっちゃんが不憫なので宣伝!w
387:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/12 23:59:27 7IGPFGor
元々の、【曙「出家しちゃった…」】も悪くない出来だったが、その後降臨した神に全部持ってかれたよなwww
388:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 00:00:34 7IGPFGor
>>387
スマソ
唯「家出しちゃった…」だった
389:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 00:04:59 Xi5pXtz3
わざとだろw
そっか憂が死ぬやつじゃなかった
>>385聡1言のみかww
390:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 00:18:41 vbbqgHs4
>>387
新ジャンルどしどしご投稿ください!
>>389
ほんとうは…
聡「さわ子先生よりもスレ伸びてるから僕だったら7位以上確定ですね。フフン」
など数回登場予定でしたがAAと宣伝の都合上ボツにしました!
391:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 00:24:11 brifhZVY
>>385
真剣に読んだが意味がわからないwwwww
392:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 00:38:03 vbbqgHs4
>>391
ありがとう。でも真剣に読んだら人生損しますよw
北斗の拳のセリフを言わせたかっただけの意味不明作品であることは
大きな反省点です!てへぺろ。
393:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 12:13:19 j/z4PFod
>>391
半分以上意味がわかった俺は人生終了だから気にするなw
>>385
乙
394:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 19:57:57 zlwv2igh
聡君デートしよは落ちたのか・・・久しぶりの発電聡だったのに残念
395:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 19:59:29 FxKQpTTV
落ちたんじゃなくて無事に>>1000いっただけ
396:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 20:29:09 zlwv2igh
>>395
まじで帰ってきてなかったからてっきりorz
見逃しちまった・・・
397:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 21:02:13 qppmYLsn
>>396
のくす牧場ってところで、続きが見れます。
398:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 21:09:46 zlwv2igh
>>397
ありがとう!ちょっとイッてくる!ガシュガシュ
399:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 22:13:52 bIyybg8z
>>393
さすが!では、あと半分わかるように!?
せっかくなのでネタの解説勝手に進めます。
>>385
■2段落目
麻生首相の好きな「ローゼンメイデン」のジュン
(さわちゃんの中の人・真田アサミの「でじこ」に次ぐ代表作?)、
「北の国から」のジュン、ぼくらの隠れアイドル純ちゃんのトリプルがけという
無茶な仕様。
そして、ローゼンの人気ナンバー1らしい翠星石が純ちゃんに人気凶器「バールのようなもの」で
殴られるシーンは>>385「北の国から」動画リンクの前に実はさらに、いや、むしろこっちのほうが
重要すぎる背景がありまして。
これが連ドラ、スペシャルを通じて「北の国から」史上に残る名シーンとしていまだ人気があるわけですが…。
故・古尾谷雅人がトラックの運転手のチョイ役ながら斉藤執事なみの存在感を見せておりました。
せっかく送ってやってるのに純がウォークマン聴いてるのにイラッときてイヤホンを外し、純の父・五郎から
送り代としてもらった“泥のついたピン札2万円”を「おらあ受け取れん。おまえの宝にしろ。一生宝にしろ」と
返却してもらって泣くところで名作「北の国から87 初恋」終了です。
URLリンク(www.dailymotion.com)
■3~4段落目
ババ…ベテラン声優としていまだカリスマ的人気を誇る堀江由衣をフューチャー。
以前の珍作で名前だけは出しましたが「堀江モン」という誰も使ってないニックネームではなく
オーソドックスに「ほっちゃん」にしました。
そのほっちゃんが現在放送中の新聞屋アニメ「かなめも」でさわちゃんを3倍変態にしたような
キャラというか似てる主要キャラ・西田はるかを演じ、唯と同じ豊崎愛生演じる主人公・中町かなに
対し、常時セクハラしております。その頻度はさわちゃん→澪の比ではない!
そのセクハラから逃れるために唯(というか豊崎)が口笛を吹いて他人のフリをするという部分のみ
オリジナルです。
「助けてー、おばあちゃん」というのは中町かなが死んでしまったおばあちゃんをいまだ非常に
大切に思う気持ちかどうかはわかりませんが、よく言ってるような気がするセリフですね。
以上でわかりにくい作品のわかりにくい解説を終わります。ご協力ありがとうございました。
400:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 22:35:14 oaSQFmNb
ほんとに勝手だなwww
しかし最近は本文よりもリンク先の方が印象に残るのが流行だな
401:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/13 22:45:00 qppmYLsn
今日は俄かに活気づいているな……嬉しいことだ。
402:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/14 00:11:16 Wlja6NOH
【けいおん!】 鈴木 純 1 【お願い】
スレリンク(anichara2板)
キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!
403:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/14 21:16:37 IdxnWGfn
聡くん、筋肉質な男は好きかな?
404:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 00:15:41 Hnu9PWEG
こっそり変なフラグ立てるなよw
律スレの「いちおつ」作文の人がここの常連の人に見えるが気のせいだろうか
405:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 00:20:02 RReNi45r
本人ですが覗いてるだけですよ
406:404
09/08/15 00:24:58 Hnu9PWEG
了解
最終回、楽しみにしてます
407:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:12:50 JlaC2vu6
全然鬱じゃないという言葉に励まされてもう一本書いてみた
>>355-360の律視点
ぐだくだしてしまったのであくまでオマケ程度に読んでくれ
あ、あと律のイメージ違うかもしれんからすまん!
※
本当の事なんて、一生言うつもりはないんだ。
望んでも手に入らないのは分かってる。
望むこと自体、間違ってるのも分かってる。
おかしいのは私なんだ。
だから、あの子を巻き込みたくない。
とても優しい子だから。
あの子はきっと、普通に恋をして、結婚して、普通の幸せを手に入れる。そういう子だ。
それが一番だと思う。
だからこれは、一生言わなくていい事だ。
…――だけど。
408:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:13:32 JlaC2vu6
※※
「――しまった。学校に辞書忘れたぁ…」
珍しく問題集を机に広げていた律は、思わず溜め息をついた。
握っていたシャーペンを放り出して、椅子の背にもたれかかる。
椅子がギシッと悲鳴をあげた。
窓の外はもうほとんど日が落ちている。
見れば夕方と夜の色が空にグラデーションを描いていてとても綺麗だ。
反対に、律の気分は落ち込んでいた。
長い溜め息をついて、背中を曲げると机に額をくっつけた。
そのまま、ずずずと体重をかける。
「…………あ、聡に借りればいいのか……」
ぼそりと呟いて、律は椅子から立ち上がった。
409:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:16:38 JlaC2vu6
コン、コン。
聡の部屋を軽くノックする。
暫く待ったが、中からの反応はない。
確かもう帰って来ていたはずだが。
律は首を傾げると、ドアノブを握った。
少し開いたところで、電気が付いていない事に気が付いた。
律「聡…?」
律は中を覗きこむと、小さく名前を呼んだ。
部屋の中は薄暗い。
窓は開きっぱなしで、そこから流れ込む風が、カーテンを通して律の頬を掠めていく。
聡はベッドの上に居た。仰向けになって寝転んでいる。
制服は着たままで、鞄は無造作に横に放ってあった。
律「聡、寝てるのか…?」
律はその枕元まで歩いて行くと、静かに腰を下ろした。
そっと聡の顔を覗き込むと、薄く開いた唇からすーすーと寝息が漏れていた。
律「聡」
呼んでみるが、全く起きる気配はない。
410:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:21:13 JlaC2vu6
律は、まじまじとその寝顔を観察した。
意外に睫毛が長い。
ニキビひとつないその肌は、律よりもずっと日に焼けて黒かった。
まあ、普段からあれだけ外を走り回っているのだから、当然といえば当然だろう。
視線を移すと、頬の辺りに何かで引っ掻いたような傷があった。
近所の猫に引っ掻かれたのだとすぐに推測できた。
まめにちょっかいをかけては、傷をつくって帰ってくるのだ。
猫に威嚇される弟を想像して、口元を緩ませる。
律「………」
ふと、夕方の事を思い出した。
ずんと胸が重くなる。
…――今日、クラスメイトらしき女の子と2人で歩く聡を見掛けた。
学校帰り、ショッピングモールに立ち寄る途中の事だった。
背が低めの聡よりも更に低い。
並んで歩くその姿は、どこからどう見てもかわいらしい中学生カップルだった。
楽しそうに話をする聡は、道路を挟んだ向こう側の律に気付いた様子はなかった。
―ああ、その時が来てしまったのか。
律はそう思った。
覚悟はしていても、酷く胸は痛んだ。
411:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:21:55 JlaC2vu6
こちらの胸中を知ることなく、目の前の聡は穏やかな寝息を立てている。
そっと手を伸ばす。
その少し癖のある柔らかい髪を、指に絡めた。
聡からは外の匂いがする。
土と、草と、――太陽の匂い。
聡が太陽なら、私は月だ。
律は身を乗り出すと、その寝顔にそっと自分の顔を近付けた。
肘のところのスプリングが、小さく軋む。
聡「――うーん…」
律「!」
聡が身じろく。
心臓が跳ね上がった。
412:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:27:05 JlaC2vu6
律は慌てて聡から体を離すと、本棚のほうへ駆け寄った。
とっさに蹴飛ばしてしまった時計が、カタンと音を立てた。
心臓が激しく脈打っている。
――今、何を?
私は今、何をしようとした?
とうの昔に決めたはずだ。
決めたはずなのに、なんで――
「…ええーと、辞書辞書…」自分を誤魔化そうと小さく呟いた。
目が、並んだ本の上をただ意味もなく滑っていく。
棚に添えた指が、小さく震えてしまっている。
ほんと、何やってんだ。
泣きたい。
413:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:28:38 JlaC2vu6
「…――姉ちゃん?」
背後でごそりと動く気配がした。
律の心臓が跳ね上がる。
できるだけ、平静を装って振り返ると、横になったままこちらを見る聡と目が合った。
律「――あっ、悪い、起こしちゃったか」
無理やり笑顔を作ったが、多分引きつっているはずだ。
まだ震える指を、無理やり両の手を握り合わせて、ぎゅっと抑え込んだ。
背中を、嫌な汗が伝っていく。
聡は目元をこすりながら、ゆっくり身体を起こした。
聡「どうしたの?電気も付けないで」
眠たそうに目を瞬かせている。
いつもの聡だった。
途端、律の全身からどっと力が抜けた。
良かった、気付かれてない。
良かった。
律「……あー、いや。ちょっと辞書借りてこうと思って。聡寝てたし」
ははっと渇いた笑いを漏らす。
聡「何の辞書?」
聡はベッドから降りると、眠そうに頭を掻きながら歩いてくる。
律が英和だと答えると、「ちょっとどいて」と日に焼けた細い腕が、律のすぐ目の前をかすめて本棚へと伸びた。
律はどきりとして、慌てて一歩後退する。
初めは本棚を探す聡を見ていた律だが、後ろめたさから、すぐに視線は落ちた。
聡が電気をつけなくて助かった。
今、明るい場所で聡の目を見る自信がない。
聡「あっ、あった。はい」
聡は本棚から辞書を抜き取ると律に差し出した。
それを受け取る。
律「お、サンキュー。借りてくな」
聡「ちゃんと戻してよ」
律「ほーい」
律は聡に背を向けると、逃げるようにドアへと歩き出した。
だがすぐに、歩みを止める。
そんな余裕なんてないはずなのに、どうしても気になって、律は振り返った。
414:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:31:36 JlaC2vu6
律「そいや聡、今日可愛ーい女の子と二人で歩いてるの見ちゃったんだけど。あれってカノジョ?」
からかうような表情を作る。
聡は、きょとんとしている。
聡「え?は…?」
記憶を探るように視線をさまよわせて、すぐに思い当たったらしく、慌てて口を開いた。
聡「ち、違う違うッ!……あれはただのクラスメイトだし!つーかアイツは新庄狙い…とと」
顔を赤くしながら慌てて口をつぐむ。
律「…なんだぁ、違うのか」
「違います」と聡は何度も頷いて同意する。
思わずほっとしたが、すぐに自己嫌悪にかられた。
そんな自分を取り繕って、律は続けた。
律「聡に彼女が出来た時は、女心というものをしかとレクチャーしてやろうと思ってたのに」
聡「いらないし!…ていうか姉ちゃん絶対からかうから出来ても言わない」
聡は顔を真っ赤にして言う。
少し、傷ついた。
そりゃそうか。
聡だってもうお年頃だもんな。
彼女とかそのうち作るつもりだよな。
…そりゃそうだ。
「なにさー、けち。」つまらなそうに唇を尖らせたが、ふいにその視界が歪んだ。
律(やば…っ)
慌てて顔を背けた。
。
惨めさで自分が歪んでいくようだ。
何か、やだなぁ。こんな自分。
必死に込み上げる涙をこらえながら「でも、」と続ける。
律「――そしたらもう、一緒に映画行けないなぁ」
誰にも分からないように吐いた、弱音だった。
律は部屋を出て行こうとする。
本当に今日の自分は最低だった。
1度頭を冷やした方がいい。
415:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:34:32 JlaC2vu6
「――俺、ずっと姉ちゃんと映画行くよ」
背後からの予想外の返事に、ドアノブへと伸ばした律の手がぴたりと止まった。
聡「…姉ちゃんが呼んだらどこでも行くし、姉ちゃんが悲しい時は一緒に居るし、困った時は助けるし、…えーと…………………………と、とにかく、俺は変わらないから。ずっと!」
律は何も言えず、ただ聡の顔を見つめていた。
聡は手を握ったり開いたりと落ち着きなく動かしていたが、それでも慎重に言葉を選んでいるようだった。
その必死さが、向けられた眼差しから伝わってくる。
「…」
互いに視線を合わせたまま、長い沈黙が落ちた。
カチ、カチ、カチ、と目覚まし時計の針の音が聞こえる。
部屋は真っ暗に落ちている。
いつの間にか、すっかり夜になっている事に、律は今頃気が付いた。
聡の向こう、月明かりに照らし出された白いカーテンが、音もなく揺れている。
綺麗だな。
律はまるで場違いな感想を抱いた。
…まるで夢の中にいるみたいだ。
律は視線を手元へとうつした。
親指と人差し指の爪を、意味もなくこすり合わせる。
ほんの一瞬。
ずっとこのままいられるんじゃないかと。
希望を抱きそうになってしまった。
そんな事あるわけないのに。
律「――いいな、それ」自嘲気味に、諦めを吐く。
律「……このままずっと居られたら幸せなんだけどな」
416:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:37:40 JlaC2vu6
だけどそれは、すぐに聡によってすくい取られた。
聡「ずっと幸せだよ、姉ちゃんは」
はっきりとした声だった。
律は今度こそ驚いて聡を見つめた。
何も言葉が出てこない。
律は先程から、核心から遠くないとはいえ、あやふやな事しか話していない。
なのに、どうして聡からこんなにもしっかりとした反応が返ってくるのかが、不思議だった。
2人の会話は少し妙だ。
聡は気付いているのだろうか。
律は、目の前の弟を観察した。
くもりのない透き通った瞳を真っ直ぐ向けている聡。
――ちがう。
多分、聡は何も分かってはいないのだろう。
ただ本能で、必死に律の気持ちをすくい取ろうとしている。
必死に歩み寄ろうとしている。
自分を頼って欲しいと言っているのだ。
少し泣きそうになった。
聡の真っ直ぐさが、律は好きだと思う。
ついその優しさに、甘えたくなってしまう。全部吐きだしてしまいたくなる。
だけど。
417:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 14:59:59 +bIoLzvu
律「…――なーんか太陽みたいだな、聡は。」
聡「え?」
律「あーあ、聡が何かすごく眩しいよー。くやしいのぅくやしいのぅ」
律は聡に歩み寄ると、その頭をぽかぽかと軽く叩いた。
聡「は?何言ってんのさ、姉ちゃんだって―」
律「聡のバカバカ馬鹿やろうー」
聡「ちょっ…、姉ちゃん??」
聡は律の行動が理解できずに、動揺している。
ごめん、聡。
やっぱ言えないわ。言えるわけない。
自分の勝手に聡を巻き込めない。
なあ、聡。
「――変わらないものなんてきっとないよ」
律は静かに告げた。
「変わらないものなんて、ないと思う」
もう一度繰り返す。
それは一体誰に向けての言葉なのか。
聡が驚いたようにこちらを見ている。
今、自分はどんな顔をしているのだろう。
…――分からない。
「でも変わらない事もあるな」
癖のあるその髪を優しく撫でた。
聡はただ、無言で律の顔を見つめている。
(そんな顔しなくていいのに…)
律は聡の髪に絡めていた指を離すと、視線を外した。
…――忘れるな。
この子はあんたのなんだ?
あんたはこの子のなんだ?
…そうだよ。
「…―――私はずっと、聡の姉ちゃんだ。」
それは他の誰でもなく、自分自身への警告だった。
418:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 15:02:34 +bIoLzvu
終わり。
…色々すんません!
これでもさとりつ好きなんだよ
419:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 16:13:10 jLqfwhxQ
>>418
乙
420:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 17:43:21 jwn0nUfC
>>418
めちゃくちゃ好みでした。
二人はこれからも幸せでいてほしい。
俺もがんばんなきゃなあ、SS。
421:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 19:27:02 JlaC2vu6
>420
タイムスリップの人?
結構苦戦してるのかな
続き楽しみにしてます
てか今日て夏コミだっけ?
皆行ってんのかなー
聡律ほのぼの読みてぇ…
ないか。。
422:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 19:30:22 JlaC2vu6
>420
418だけどタイムスリップの人?
結構苦戦してるのかな
続き楽しみにしてます
てか今日て夏コミだっけ?
皆行ってんのかなー
聡律ほのぼの読みてぇ…
ないと思うけどさ。。
423:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 19:49:53 JlaC2vu6
わースマン;
424:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 19:53:56 6QKvcRTw
>>418乙~
大事なことだもんね♪
425:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 21:40:22 Df/ftZkd
しかしすごいな
2スレ目、500に達しようとしている
426:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/15 22:01:19 AKI0s0y1
>>418
乙です!
ちょっぴりエロ律が新しかったです
!心情が新庄!も一瞬出てきて明日も勝ーつ!
427:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/16 21:46:54 YNjZPc5K
おっといかん、24時間聡になるところだったぜ
428:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/16 22:29:09 vteuwvAn
__ ..-- 、.:一::フ___
\::::::::::::::ィ':::::::::::::::::::::::<
/:::/:::/::|:::::::_:::::ヽ::::::::::::\
/:::::/::::::/:::∧:::::::}`ヽ::::、:::::::::::::ゝ
`7::::::{:::::/ レ′ ヾ/ \:::::}:::::::ハ
'::::::::::::/ ___ jィノ::::::::、}
/::::::::::i` `ヾ =='" V:::}::::::ヽ
ーi::::::::| ,ィアマ 〃アミ:、 }::ハ}T´
ノァ:::::| 〈弋::;ノ 弋;::ノ 〉イ'::::/ソ
ハ::::ト ///// , ///// |:;.ヘ
{ ヾ / }
\._ハ __ /_ / ね、ね、姉ちゃんは、、、永遠に、、、「田井中聡の姉ちゃん」ですッ!
ソハ (._,) /≧/⌒丶、
{ 「 丶、 .': :/ \__) 絶対に彼氏なんか認めませんッ!!! (宣言しちまった・・・・////)
,.-< } : : : :` ーr: :´ : :, ′ /
/ , \ \: (゚ω゚): :||: : : :/ ∠
/ /: : : :\ \: : : : : !/⌒ヽ /- 、\
| |: : : : : : : :\ \ / `ヽ } /: : : : : :V !
| |: : : : ヽ : : : ヽ V 、`ヽ、 レ'ン : : : : : : : | |
429:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/16 23:54:05 g2rEDbf4
可愛いやつめ…
430:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/17 00:24:08 HY9Lk8Wb
>>428 律「なぁ聡ぃ~、姉ちゃんと“結婚”しようか? 何なら今ココで“誓いのキス”してもイイぞぉ~」
..-─── < ⌒ヽ >::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
イ⌒´ ..-───- 、 \ < _:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::
/ / r'´__ ...-- ┬┬ -、 ヽ \ ア::::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::
/ .′ ィ'´ \ | i! / \! |\ 7::/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::
/ / / ト __,.>─- ミト レ'^ー一く ヽ, | | レ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ′ { _> '.. | /::::::::::::::::i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.′ 「 ! | .':::::::::/::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | ー---一 ー─ ´ | | /イ::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | | | | | |::/::::r'⌒i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ' | | ニヽ ィz三ゝ || | |イ::::i |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ' | ! | / ニミ イ ,- 、ヾヽ| | ! ィ'`!ヽ:! ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| / | | |〃 /j::: ハ rノ:::::::! レ |ノ | r/' /´j ノ .'.:.:|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ::| ! トゝ {ト::::::リ 弋つ:ノ ! i | / / / /´|.′/ .:.ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
′ ::/| ! ! ゝ少 : : : (::::::::).′/i | / / / / ノ ヽ′ ⌒ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ イf´| ', | (:::::::::::) ' ! /::i | ! ′ | /:::::::::::::::::::::::::::::::::
/ イ| | ゝ| ヽ | !/::ノ ノゝ ! | 'イ::::::::::::::r - ──
 ̄ 八 | ::::ヽ \ ノ 厂⌒ヽ. ! | 勹_::::イ 三三三三三
r′ ヽ|::::::::/\ 丶 「Ⅴ / / /⌒ヽ r ‐! |ヽ イ | 三三三三三
r'⌒ |:::::/ ヽ '.⌒ヽ ∠-一´ / | /:..:f:i ノ `二<____j! ノ 三三三三三
__ f⌒ '´  ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ ト、 \ / ノ イ: : : |j 'イ /三三  ̄ ヽ 三三三三三
> ヽ| ::::| / : : : : : : : : : : : : : :V \ \ ̄::丁 / ノY: : :.|: : : :| / / . 三三三三三\ 三三三
'" ̄ | ::レ′: : : : : : : : : : : :: : : : : ヽ. ヽ __ /: : :|: : : |: : : :| .′ / 三 三三三三三ヾ 三三三
聡「ば、ば、馬鹿なコト言うなよッ! 姉弟で“結婚”できる訳ねーだろッ!!!・・・・////」
431:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 09:04:38 IRcNVEGu
さて、近日中に燃料(BD2巻)も入ることだし頑張るぜ
しかし聡がソフトのほうに登場するのは来年か・・・
その時のスタッフとキャストのコメンタリーが楽しみ
432:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 10:49:58 IRcNVEGu
連投すまん。しかし!
Wikiで「 聡 」の読み方が「 さ と し 」に!?
ソースはここだってさ
URLリンク(www.tbs.co.jp)
これの下から4番目 title.弟
さ ・ と ・ し ! さ ・ と ・ し !
433:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 11:03:43 1rS6L0bb
律スレの100の書き込みよりも聡スレの1の書き込みの方が見るのが楽しみな今日このごろ
おお、ついに正式決定か、報告乙
Q「冬の日!」にりっちゃんの弟が出てきましたよね!名前なんと読むんですか??さとし君?さとる君?
エンディングロール見てからずーーっと気になっていたので
Aさとしくんです~!一部スタッフで人気だったりします…(笑
(8/10TBSふじま)
一部スタッフで人気だったりしますって、だれかこのスレ見てるんじゃね?
434:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 12:11:04 RSLlydSM
むしろSS職人にスタッフ紛れ込んでるとかだと最高
435:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 12:38:41 sywDI57M
>>432
ソースきたか!!
やっぱさとしだよなー
436:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 13:19:47 YWrSu0nx
よっしゃあ、さとしだ。
437:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 14:36:17 iVCylTPS
俺がさとしだ
438:VIPPERはゴミクズ ◆VIPPER/Bco
09/08/18 17:26:43 24arBBwj
<お知らせ>
rー----、
rー--、 l゙ .,、 ヽ"''''''ー,、
l" `'、-,,-‐'''"l゙ l゙""'''i i "ー、
''゙゙''゙゙゙`l゙ r--、 ヽ l゙ / / ノ .,,}}
l .| ゙l | l゙ ''゙゙'''" ノ ,,,.}}
゙ ,l゙ |゙ ,! l゙ / /''゙""i "i ,,;"
.| ! ノ ,l゙´ / / ノ |. ,,,.,,r''″
/ ./ / / ,,/ /,,,,,,,,ノ /""
/ ー''" ,/'''"/___,,,,,ノ
"""ー―--ー"
[公正]
2008年3月より、TDNスレには上記のDBマークをテンプレに張ることが義務付けられています。
DBマークの無いスレを立てた場合、DB巨大AAで警告となります。
439:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/18 21:20:49 7Cid/XZQ
てか今更さとるでも困るけどなwwさとしで良かったなさとし
440:当て字です
09/08/19 00:48:21 WM8pvS2d
恥公(はじすけ)
441:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/19 07:25:53 ajfGMssY
憂「聡くん!名前の読み方決定おめでとう!」
聡「ありがとう憂さん!胸のつかえがとれたよ~」
憂「えへへw さとしくん!」
聡「なに?」
憂「ひらがなで呼んでみただけ///」
聡「え///え~と・・・と、とりあえず公式掲示板で質問してくれた真広(・@・)ノさん、」
憂「それに答えてくれたTBSふじまさん、ありがとうございました~~」
聡「あともちろんこのスレのみんなにも感謝!」
憂「それでお二人にはなんと!聡くんからプレゼントが!」
聡「ええっ!?きいてないよ!」
憂「プレゼントの発送は、発表をもってかえさせていただきま~す」
聡「??」
憂「ところで聡くん、実は私・・・告白することが・・・///」
聡「う、憂さん・・・だ、だめだよ・・・こんなとこで・・・///」
憂「実は・・・聡くんのこと・・・」
聡「・・・ゴクリ///」
憂「ちょっと前に『さとしくん』って呼んじゃってたの!」
聡「・・・は?」
憂「前スレの最後を埋めようと、ライターが暴走しちゃったこれなんだけど・・・リプレイ!」
さとうい@並列処理 (URLリンク(www1.axfc.net))
憂「・・・サトシクント、デート・・・サトシクント、デート・・・///」
聡「なんてこった・・・」
憂「せっかくここまで漢字であいまいにしてたのに、カタカナなんか使うから・・・」
聡「あとで、しまったあああああって身悶えてるライターの姿が目に浮かぶね。でも、結果オーライ?」
憂「・・・ところでこのデートってどうなったの?」
聡「イェス!ウィー、キャン!」
憂「・・・・・・」
聡「あの、これはオバマ大統領の演説と、ウィー・・・憂ーって・・・ハハッ」
憂「・・・【審議中】・・・」
聡「・・・すみませんでした・・・」
442:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/19 10:29:52 ajfGMssY
憂「うう~ごめんなさい・・・鍋パーティーでも私、やっちゃってた・・・」
聡「俺が雑貨店でプレゼント選んでるとき、後ろから憂さんが・・・リプレイ!」
さとうい@鍋パーティー (URLリンク(www1.axfc.net))
憂「さっとっしっ、くん!」ポン
憂「・・・・・・」
聡「け、結果オーライだよ憂さん!ノープロブレム!」
しかし想像以上にダメダメだったな・・・反省
443:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/19 20:15:58 UiRG4csF
純ちゃんスレにやや変態投稿しあとそのまま参上!
>>441-442
ネタバレしまくり乙でした!w
ミスチルのリプレイとかいう隠れ名曲を思い出す爽やかさ!
どこかで見た同人(唯が死んで澪がネクラであずにゃんがアキバ系で
律が宅配ドライバー)の話が完成度高くてよかったですな。
444:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/19 20:49:17 OU+6TzhX
>>443
蛸壺屋……あそこの同人誌すげえや。
とりあえず、聡が出てくる同人誌はどこで買えるんだか。
445:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/19 22:52:17 UiRG4csF
>>444
蛸壺屋というんですね。本スレでも話題になってました。
さとじゅんプリーズw
446:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/20 02:08:17 mzpyqB07
さとしとみのるの同人キボンヌ
447:♥を使いたかっただけ
09/08/20 03:02:18 JmBkT2EV
聡(う、う~んどんなのがいいんだ?)///テレテレ
梓「あれ?あなたは確か律先輩の…」
聡「あ!こんにちは。えっ…と中野さん?でしたっけ?」
梓「いいえ、梓です!ところでこんなファンシーショップでどうしたんですか?」
聡(あ、梓さん?)「いやーもうじき姉の誕生日なんですよ。それでぬいぐるみでも買おうかなと思って…」
梓「そうなんだ~、じゃあ選ぶの手伝いますよ♪」
聡「えぇ!?イヤイヤイヤ大丈夫ですよ1人で選べますよ?」
梓「でも女の子100%のお店で男の子1人だと浮いちゃいますよ?私がいたらカップルっぽく見えるし」
聡(カップル///)「ソ、ソウデスネソレジャアオネガイシマスぅ~~~///」
・
・
・
梓「ふふっ、いいのが見つかってよかったね~♪」
聡「はい!ありがとうございました」
梓「なんのなんの~」
聡「梓…さん、今日のお礼ってわけじゃないんですが、いやお礼なんですが。これ!よかったらどうぞ!!」
梓「ネコの…ぬいぐるみ?うん、ありがとう♥聡君♥」
梓キャラ崩壊!!これは梓に似たなにか
448:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/20 03:35:07 u+9gKGaK
いやちょっとお姉さんなあずにゃんかわいかったぞ
GJ!
449:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/20 23:18:59 MqhM4WMv
>>443
前のエロ部分はともかく、最後のその話はVIPのけいおんSSに近いものを感じた
でも、やっぱり五人には幸せになって欲しいと俺は思う
450:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 00:04:32 4Hm6xuHw
おっと、言っておかなきゃな。
聡、お姉ちゃんの誕生日おめでとう。
これからも仲良くしろよ。
451:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 01:48:58 gOo35eA5
聡、お姉ちゃんのことちゃんと祝ってやれよ?
おめでとな!
452:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 18:03:29 2CQfSowh
さとあずが読みたい
453:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 18:35:01 K/LN8CIT
さとあずのリクエストは定期的に出てくるな
454:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 20:29:01 0Wb+dU1O
律「なぁ聡ぃ~。 誕生日プレゼント代わりに“聡のファーストキス”、姉ちゃんにくれよぉ~」
..-─── < ⌒ヽ >::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
イ⌒´ ..-───- 、 \ < _:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::
/ / r'´__ ...-- ┬┬ -、 ヽ \ ア::::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::
/ .′ ィ'´ \ | i! / \! |\ 7::/ ::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::
/ / / ト __,.>─- ミト レ'^ー一く ヽ, | | レ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ′ { _> '.. | /::::::::::::::::i!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
.′ 「 ! | .':::::::::/::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | ー---一 ー─ ´ | | /イ::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| | | | | | |::/::::r'⌒i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ' | | ニヽ ィz三ゝ || | |イ::::i |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| ' | ! | / ニミ イ ,- 、ヾヽ| | ! ィ'`!ヽ:! ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
| / | | |〃 /j::: ハ rノ:::::::! レ |ノ | r/' /´j ノ .'.:.:|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ ::| ! トゝ {ト::::::リ 弋つ:ノ ! i | / / / /´|.′/ .:.ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
′ ::/| ! ! ゝ少 : : : (::::::::).′/i | / / / / ノ ヽ′ ⌒ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ イf´| ', | (:::::::::::) ' ! /::i | ! ′ | /:::::::::::::::::::::::::::::::::
/ イ| | ゝ| ヽ | !/::ノ ノゝ ! | 'イ::::::::::::::r - ──
 ̄ 八 | ::::ヽ \ ノ 厂⌒ヽ. ! | 勹_::::イ 三三三三三
r′ ヽ|::::::::/\ 丶 「Ⅴ / / /⌒ヽ r ‐! |ヽ イ | 三三三三三
r'⌒ |:::::/ ヽ '.⌒ヽ ∠-一´ / | /:..:f:i ノ `二<____j! ノ 三三三三三
__ f⌒ '´  ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ ト、 \ / ノ イ: : : |j 'イ /三三  ̄ ヽ 三三三三三
> ヽ| ::::| / : : : : : : : : : : : : : :V \ \ ̄::丁 / ノY: : :.|: : : :| / / . 三三三三三\ 三三三
'" ̄ | ::レ′: : : : : : : : : : : :: : : : : ヽ. ヽ __ /: : :|: : : |: : : :| .′ / 三 三三三三三ヾ 三三三
聡「ば、ば、馬鹿なコト言うなよッ! 姉弟で“キス”できる訳ねーだろッ!!!・・・・////」
455:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 20:35:13 K/LN8CIT
この人も定期的に出てくるなw
456:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 21:09:41 lplitJfW
聡は将来DQNになるかも
457:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 23:01:49 HxhrKbyh
聡「姉ちゃん誕生日おめでとう!もう18だから結婚できるね!」
律「え?それはおと…」
聡「俺が16になるまであと1年だから!そしたら結婚しようね!」
律「聡…逆だ逆」
458:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/21 23:17:34 9OEXOoU0
>>456
律みたいに見た目それっぽいけど中身は凄く良い奴とかになりそう
459:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 00:07:14 krKAU5TG
で、聡の誕生日はいつなのさ?
460:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 00:23:29 usb49J18
3月14日にきまってんだろ
461:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 00:30:31 M5XlWLoy
>>458
URLリンク(f42.aaa.livedoor.jp)
こんな感じか?
まあこれは単なるりっちゃんの性転換だけど
462:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 00:34:44 4OE2EdM/
>>461
これは・・・何かに目覚めてしまいそうだ・・・
463:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 01:49:28 I4wK62Ts
>>461
チャラそうなようでそことなくかわいいなw
464:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 02:17:38 Ao1wjYIB
>>461
テライケメンwwww
ワロタwwww
465:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 08:57:50 SAw21tHy
>>452
こんなシーンが見たい!とか、ちょっと書いてくれるとありがたいッス
ささいな1シーンのイメージから話がひろがるものなので・・・
466:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 12:35:23 4uQiDY5M
テスト失礼
467:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 12:36:07 4uQiDY5M
梓「みんなー!今日はあずにゃんのために集まってありがとにゃー!」
ヲタ「あずにゃーん!おっ、パンツ見えてる!グヘヘヘ」
梓「♪つるつるタイム つるつるタイム(なんでこんなことやってるんだろ…)」
さ「お兄さーん!ちょっと寄ってかない?いい絵があるわよー」
聡「さわ子先生!何やってんすか」
さ「ゴッホ!あら、聡君。バイトよバイト。聡君こそアキバなんかに何の用事?」
聡「僕はクラナ…いえ人生の勉強にたまには来てみようかと」
さ「なかなかやるわね。てっきりエッチなゲームでも探しにきたのかと」
聡「ギクリ!あれ?あそこにいる着エロ系アイドルは?」
さ「…梓ちゃんよ。事務所の命令で無理やりああいうのやらされてるみたい」
聡「ええっ!梓さんのデビュー曲『モーニング・ボッキー』はあんなに売れたのに」
さ「アイドルの世界は飽きられやすいのよ。変なファンも多いからここで見張ってるの」
聡「彼氏も作らずかつての教え子を守るなんて…さわ子先生、かっこいい!」
さ「うるさい!でもあの貧乳ではそろそろ厳しいわね。物珍しさはあったんだけど」
聡「いかにも作り笑いって感じが痛々しいですね」
さ「聡君、ちょっと励ましにいってくれない?」
聡「オッケー牧場!」
梓「ふう。今日も疲れたな。作り笑いしすぎてシワも増えてきちゃった」
聡「弥生さーん!じゃなくて梓さーん!おつかれさまー!」
梓「新右衛門さーん!じゃなくて聡君!なんでこんなところに?」
聡「とんちんかんちん気にしない。はい、たい焼きアイス」
梓「気になるけどありがとにゃー!はっ、つい営業の癖が」
聡「あわてないあわてない。僕の前では無理しなくていいですよ」
梓「ありがとう。チュッ!聡君、コスプレショップ付き合ってくれない?」
聡「いいですよ。チュッ!梓さん、そういう趣味あったんですね」
梓「ブログで制服姿アップするの。ラジオ局のディレクターに頼まれてるから」
聡「職権濫用ですね。絶対その写真オカズにされますよ」
梓「それくらいなら別にいいわよ。それだけで済むならね…」
聡「そんなわけで梓さん、試着できましたかー?制服姿見せてくださーい!」
梓「特別、ですよ」
シャー!
聡「あずにゃーん!かわいいー!」
梓「かわいいだなんて。テヘッ…あれ?うっ!胸が苦しい!」
聡「お、おっぱいスカウターがCカップ、Dカップ、まだ上昇していく!ばかな!Eカップ…ボン!!」
梓「きゃああああああああああああああ!」
特別、ですよ。|竹達彩奈オフィシャルブログ「Strawberry Candy」
URLリンク(ameblo.jp)
聡「あやにゃーん!めちゃかわいいー!!萌え萌えキューン!!」
聡「梓さん!梓さん!」
梓「うう…聡君…」
聡「気づいたようですね。胸もしぼんでる」
梓「そうみたい。ちょっと残念だけど」
聡「そして僕も気づきました」
梓「何に?」
聡「おっぱいは正義!二次元もいいけど三次元のほうがリアルでかわいい!」
梓「え?じゃあ私の存在は…」
聡「梓さん、ありがとう。やっぱり僕にはアキバは似合わないや」
聡「あやにゃんみたいな制服の似合う、おっぱいの大きな、可愛い彼女探します。じゃあ!」
梓「…フラれた!チクショー!おっぱいかー!結局男はおっぱいかー!」
さ「計画通り♪」
468:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 14:13:50 I4wK62Ts
なんだこれwwww
ともかくも乙
469:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 14:40:25 dGXgaIzJ
さとりつ分が足りない!
りつさとでもいいからくれ!
470:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 16:11:54 t/HMP6jN
/: / : : : !: : : : : : : : : : \
/: : :/: : : : : !:ヽ: : : : : : : : : : \
/: :./=/ |: : i: : :ト、 :\: : : : : : : : : : ヽ
. / : /=/ i: :.|ヽ: :! \:.ィ: : ヽ : : : : : : : ',
/: : :i: :ト 、 ト、:.! ヽ!/ \ : : !: : : : : : : : !
,': : : ハ: | `T ヾ ィf心ヽ: | : : : : : : : :|
|: !: :!: :N. /fてi トじ} 〉リ:: : : : :!: : : ! >>467
!: !: :!: :ハ ヽVxリ ゞ'' | : : : : :|: : : :! 今日はまともじゃん
| |: : !: : ハ ,,,,¨ ' "" ハ : : : :.i: : : :!
| |: : |: : : ! , ,' : :/: : :,': : : :|
!: :ハ: : 人 ` ´ ,:.!: / : : / : : : :i
|: ! ',: : : :.>.、 ,. イ/:|/: : ::/: : /: :リ
ヾ! Vi : :.八: `T ´ __,/: : :.! :./仏イレイ
从: : |>イ^! / 从ハ|/ / ⌒>‐‐、
ゝ:|://只/ /::::::/ 厶イ::::::::::::::
__/::::://! ! |ヽ/::/:::/ /::::::::::::::::::::::
/::::::::::く/ / |. ! ):く::::::/ /:::::::::::::::::::::::::
|:::::::::::::::::し' 八__/:::::::〉/ /::::::::::::::::::::::::::::
471:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 16:27:18 hFe6ysIt
ねこま屋の新刊に聡の登場を確認
472:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 17:46:07 yml8UFEr
エネフォームいらねんだよ女の花園の中に出てきやがって
473:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 18:14:26 sIqsijI2
いいかげんうざいな
474:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/22 18:37:09 9dn11ftl
>>468
ありがとう。蛸壷屋をリスペクト(したつもりが途中で断念)です!
>>470
ありがとう。竹達効果!?可愛すぎるw
475:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/23 17:53:25 GoJnocK5
>>461
なんか不良仲間からパシられてそうなキャラだなwww
476:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/24 02:48:19 fSIv5ICC
聡死ね
477:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/24 09:51:28 I4HDgFLN
聡しりとりか・・・ね、ね・・・
ねんどろいど!
478:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/24 12:21:29 kuQIUDwf
ドーナツ
聡「ねーちゃん、俺のドーナツ食うなよ。」
479:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/24 16:28:33 AuxzVnqE
ツナマヨネーズおにぎり
律「おにぎりといえば、鮭が最高だよな!」
聡「いや、ツナマヨだろ」
律「はあ? ありえねーし!」
聡「なるほど、カロリーが高いから……」
律「何か言ったか?」
聡「いや、別に」
480:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/24 20:30:13 Qdnm9DEn
田井中家リビング。
聡は律の隣でぼーっとテレビを観ている。
聡(あ、来るぞ)
『きゃああああ!』
テレビから耳をつんざくような悲鳴が上がる。
同時に
律「ギャーーーー!!」
聡「わっ、いでででで!姉ちゃん肉つかんでる肉!!」
律「えッ??おわっ、ゴメン聡」
聡「…いっつー…。もー、姉ちゃんがホラー観ようって誘ったんだろ。怖がりすぎ」
律「あははー。いやぁ、まあ、こりゃ思った以上にレベル高いな…。…聡は平気そうだな」
聡「だって姉ちゃんが隣でぎゃあぎゃあ言うんだもん。
そもそも、俺これ観るの2回目だし」
律「え、そうなのか?」
聡「っていうかそんなに怖いんだったら観るのやめる?俺宿題あるし…」
律「ええッやだ!最後気になるじゃん。観る!」
そんなにがっちり二の腕掴まれると痛いんですけど…。
…いいんだけどさ。
聡「じゃあさ、これ見終わったら俺の宿題みてくれる?」
律「もちろん、任せなさいっ」
聡と律はニコッと笑顔を交わすと、またテレビへと視線を戻した。