【けいおん!】唯×梓スレ 2at ANICHARA2
【けいおん!】唯×梓スレ 2 - 暇つぶし2ch730:ゆいあずで初恋話とか
09/09/06 17:56:52 /A5PukQT
「ねぇねぇ」
「はい?」
 いつもどおり唯先輩が私の部屋に遊びに来て、二人でごろごろしていると、不意に唯先輩が何かを思いついたように話しかけてきた。
 どうせまたどうでもいいことを思いついたんだろうなぁ……。相手にするなとは思うんだけど、なぜか反応してしまう。どうしてだろ?
 それだけ、この人のことが気になってるってことか。認めたくはないけど。
 そんなことを考えながら、唯先輩の言葉に耳を傾ける。何だかんだいっても、やっぱり気になるものは気になる。
「あずにゃんの初恋ってどんなのだった~?」
「…………へ?」
 一瞬、何を言われたのか理解できなくて、間の抜けた声を出してしまう。この人は、突然何を……。
「だから、初恋だよ~」
「初恋、ですか……」
 初恋話。今時の女の子なら誰もが嬉々として食いついてくる話だ。唯先輩もやっぱりこういう話が好きなのだろう。瞳の耀き具合でそれが解ってしまう。
 だけど、私は……。
 初恋話をしている人に、みんな共通していることがある。初恋が成就したか、もしくは振られたけど吹っ切れたか。
 そういう人は、自分が辛くならないから、喜んで参加してくる。思い出に昇華できたらそれは立派な話の種だ。
 私は違う。
 そもそも成就なんかしてないし、もちろん告白する勇気も無いから吹っ切れることもできない。きっと、この初恋はずっと胸の中に残ってるんだろうな……。
「うん。あずにゃんの初恋ってどんなのだったの?」
 そして過去形。
 唯先輩は、私の初恋がすでに終わってると思い込んでるんだろうな……。元凶にそう言われるのは、やっぱりちょっと辛い。
「私の初恋は、まだ終わってませんよ?」
「あ、そうなの?」
 思い切ってそう告げると、唯先輩は意外そうな顔。やっぱり、この年で初恋が終わってないのは珍しいのかな……。でも、それはしょうがない。
 小さい頃から音楽に打ち込んできて、恋愛に感けてる暇が無かったから。高校生になって、ようやく恋がどういうものなのかを理解できた。
 ―その相手が、これだ。
 目の前には、肩透かしを食らわされたよ~、と悲しそうに泣いている唯先輩。
 こんなので泣かないでくださいよとは思うけど、これもまたこの人の魅力、か。
「そうだ!」
「きゃっ」
 突然、大きな声を上げて立ち上がる唯先輩。その際、ガタンという音がしたから、びっくりして不覚にも悲鳴を上げてしまった。物が落ちてきたぐらいで、恥ずかしい……。
「どうしたんですか急に」
 さっきの悲鳴を取り繕うようにしてそう尋ねる。これでまたくだらないことを言われたら、さすがに怒りますよ?
 そんな私の視線に気付かずに、唯先輩はこれまた笑顔で、床に座り込みながら私に話しかけてくる。相変わらず立ち直りが早いんだから……。というか、どうして立ち上がったりしたんですか。
「それじゃ、あずにゃんの初恋を教えてよっ」
「だから、まだ終わってないと」
「違うの! その終わってない初恋を教えてってことっ!」
「はぁ!?」
 この人は何を考えてるんだ……。終わってない初恋を人に話すなんて普通はしないでしょ……。あなたには常識が無いんですか?
 唯先輩の発言にびっくりして―というか呆れて、ついつい失礼な言葉をたくさん言ってしまった。
 だけど、唯先輩はずっと笑顔で私を見つめている。こういうところでの精神力の強さはある意味尊敬できるけど、少しは堪えてほしかったな……。
「ね、ね、いいでしょ?」
「いやですよっ」
「どうして?」
「どうしてもですっ!」
 私の言葉に、唯先輩はほっぺたをぷくぅと膨らませる。その膨れ具合がまたかわいい……って、何考えてるんだろ、私。
 恥ずかしい気がして、思わず赤面してしまった。気を紛らわせるために、まだ膨れている唯先輩を宥めてみる。
「まぁまぁ。他のことならいくらでも話してあげますから」
「やだっ」
「やだって……」
 そして断念。
 今の唯先輩は駄々っ子と変わらない、というか駄々っ子より質が悪いかもしれない。
 駄々っ子なら餌をあげると機嫌を直してくれるけど、この人は餌、つまりは他の話をあげても機嫌がよくならない。
 ややこしい、面倒臭い。


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