【けいおん!】唯×梓スレ 2at ANICHARA2
【けいおん!】唯×梓スレ 2 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/19 16:46:34 /D+qhPzq
      /l .// __   _
     _, -´;;`´;;--''''--'''´-'';(___  ____
 _,, - '´;;;;;;;;;;;;;;;;;;__;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ̄;/
-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;<'''   `'''''-- ,,,;;;;;;;;;;;/
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/-ヽヽ、;;;;/   ....... ...- ,,_ \ .\
/ /< ヽ"        :::: `'ヽ `  ゝ
 ヽ/   .ll          ::ヽ  `'''- ,__
.ヽ、    lll            ヽ -''' /
:::::ヽ-'''''´ lll             丶==_-,,,_
:::::::::/   l __             ヽ'' - _'
::::/  l  ::::::::`''-,,,,__          l \ )
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    l ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''-,,,_    / :::::::l
    l :::::::::::::::::__∧:::::::::::::::::`''-,,_   :::::l
    l :::::::::::/     \::::::::::::::::::: `''-__  l
.    l    l  と 一   l::::::::::::::     `--l
     l   .l        l    :::::::::::_,,, - ''´
     l   .l  ら 本  .l     _,-''´
     l   .l        l ::::://´
      l  .l  れ    l ::::l l
 \      l        l ::::lヽ、
   \_    .l  た    l ::::l  `''-,,,,,_
     l   .l        l::::::l_,,--"´  l-,,_
--__  l   .l  ね    l:://      `''-_
  `--ヽ   .\____//           `ヽ
     ヽ-                       ヽ

3:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/19 16:48:49 7A19ADS+
やれやれだぜ

4:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/19 17:20:59 9sJLYEFz
けいおん!別荘地
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
に避難所たてさせていただきました

【けいおん!】唯×梓スレ【避難所】
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

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5:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/19 17:39:56 xmUn7InM
          _ ,.. . .,, _
       ,. ィ":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.` ー 、
.     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.\ 木ノ下りんごが>>5ゲットだゾ
    /:./:./:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.ト、:.:.:.:.:.:.:.',
.   /:./:/:./:./:.i:.:.:.:i:.:.:.|:.:,::i "' 、:.:.〈_i',
   i:./:.i:.:.i:.:i:.:イ:.:.:.:i:.:.:.:!:.|i:|   'くハ〉
   |:i_,イ:.:!:.:i:.i |:.:.:.:i:.:.:/:.| i|    V/|:i
   |:.:./`T''二_ー-i__/i_|i リ  _ レ::|:|        ル>1ズ _ い、いきなりキスするなんて恥ずかしい!
   |:.:.|´ミ  ,ィtテミ-   _,ィテチ、 !ヽ|:.!      赤>2きん _ いつもお気楽でいいわよね
   |:.:.| 、'( ` 辷ソ`    .辷ソ` /ノノ|:|        >3ルモでポン _ 松竹とかいうナヨナヨ男がむかつくんだゾ!
   |:.:.|ゝ、_,      ,     ,'ノ:::|:|     >4ャナ _ メロンパンばかり食べてると太っちゃうゾ
   |:.i:|:,.-‐,ゝ、    _    .∠::::::::|:.!   グレーテ>6 _ 裏最萌の雪辱はいつか果たすゾ!
   ';i:.|  i  ', 、. __ ,.  ´, ヽー;|:.|    リリカル>7のは _ あの白い悪魔、やばすぎだゾ!
   /`'!.  |  ヽ   /  }  i i  ', !;|      >8ガレン _ アルとかいうジャンクは消毒だゾ!
  ノ    .|   \_  ,ノ   | i.  i        >9ぎ宮理恵 _ お仕事がんばってね、応援してるゾ
 く´    .|   ,ィ´'∨´`ゝ  レ'  .ト 、      ぴた>10 _ 赤ずきんと声優かぶりすぎ!
.  }     /`- ´く`ー-‐ヘ,シ'`ー!    }
 .〈`ヽ,,._ノ    ` '' ゛   .i    /
.  /`ー--/           ./ー-‐.´ノ
  i    i|           .ハ`ー ´',   

          11-1000には、私の手作り肉じゃがをご馳走するゾ!

6:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/19 21:49:03 ZnRMayDG
>>1
乙。
別荘に軽音部メンバーが増えてきたなぁ。

7:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 00:31:08 jut8n8/3
ここにまで荒らしきてたんだ

8:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 02:12:27 Q/IWsxZ0
避難所と分散している分圧縮に注意して落とさないようにな

9:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 02:19:44 kwAL0TTP
誘い受け唯×ヘタレ攻め梓

10:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 02:53:13 BO6ZEPKf
>>9なら
梓×唯じゃまいか

11:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 04:29:07 dq6e3W6j
URLリンク(www.pestcontrolrx.com)

12:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 04:46:47 nkApnsKx
>>10

1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2009/07/19(日) 16:33:02 ID:ZEZeoBVn
けいおん!の唯と梓のはわほわカップルを全力支援するスレです
梓×唯も可

落ちてたので立てました

13:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 04:58:47 BO6ZEPKf
>>11
グロ。

14:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 12:56:53 wKsPGi9n
恥ずかしがるあずにゃんを唯が攻めまくるイメージーがあるけど
受攻交代するする時は>>9のような感じになりそうに思えるなぁ。

15:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 13:06:22 isLCWIp3
あずにゃんホイホイ

16:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 13:53:30 g80ulKgr
>>1乙です。

SS書きましたんで置いてきます。
『呼び方』
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

17:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 15:26:43 ZarqK4Tj
毎度おつです
脳汁が噴き出た

18:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 17:36:01 UJjCPVbo
>>16
素晴らしい!
危うくムギの二の舞になるところでした

19:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 22:26:19 4W5WYkXe
>>16
GJ
これからも楽しみにさせて貰いますよ。

20:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/20 22:28:07 w6kcU8lr
おまいらオヌヌメのSSあるかな?
百合でもレズでも性描写有でもふたなりでも何でもいい

21:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 00:05:43 vPcuX71Y
>>16
今回もやばい萌えました。GJ!

22:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 00:08:14 QHddoIIU
>>20
某所の投稿掲示板にあった短編連作が好きだなー
唯梓がデフォ設定みたいでストライク

23:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 00:14:42 2ekHkrRq
鍵のかかった部屋で唯が普通に寝てたあれをアニメで見たい

24:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 00:19:52 QHddoIIU
2巻のカバー下かw

25:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 01:40:43 JkoNs+q7
アニメだとみんなで雑魚寝になってるんだよね…
おかげで一個SSのネタが駆逐されたという

二期に期待

26:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 13:12:47 PbGWsLZd
ほしゅがてらに添い寝?ゆいあずその2の続き

「はい、ここまでです…」
「え~、まだ足りないよぉ…」
「時間ですから、仕方ないです」
ストップウォッチの表示を見せながら、私は出来るだけぴしゃりと断ち切れるように、少し厳しく行為を打ち切る。
唯先輩は不満そうな表情で、恨めしげにこちらを眺めてきたけど、仕方がない。
それに足りないのは私も一緒。本当ならもっともっとくっついていたい。だけど、仕方がないよ。
「この仕打ち、理不尽です!私、平沢唯は断固抗議します!」
「まったく理にかなってるじゃないですか。それに、先輩方に心配をかけたのは確かなんですし」
それは、先日の話。あの猛暑の中クーラーもつけずに抱き合って眠っていた私たちは、あわや熱中症かという状態に陥っていた。
実際、先輩方が来られるのがもう少し遅かったら、かなりやばかったらしい。
保健室でぐったりする私たちに先輩方から下された採決は…「暑さが和らぐまで、日中一日5分以上のハグ禁止」というものだった。
そんな!それじゃ唯先輩分が枯渇しちゃいます!と抗議を入れそうになったものの。
私のキャラじゃないということと、先輩方は本当に私たちを心配して言ってくれたということがわかってたから、何も言えなかった。
それに、私が自重し切れなかったせいで、唯先輩をあんな目にあわせてしまったことは確かだし…
と言うわけでその次の日からの私は、ストップウォッチを片手にすることが日課になっていた。言いつけはちゃんと守らないと、あんなに心配かけちゃったんだし。
それでも、この一日5分までと言うのは思ったよりもずっときつかった。
まだ一週間もたっていないというのに、私の唯先輩分不足は半端じゃない。禁断症状でどうにかなってしまいそう。
それは、唯先輩も同じみたいだった。当初は神妙にしてた唯先輩も―唯先輩だけのせいじゃないから、そこまで落ち込まれても困るんですけど
―今ではこうして、時間の短さに不満を口にするようになっていた。それでも、ちゃんとその一線は守ってくれてるんだけど。
…私としては、我慢しきれずに強引に押し倒してくれても、問題ないんだけ…いや、それは駄目。また同じ轍をふむことになることは目に見えているから。
それに、私だけならともかく…唯先輩まで具合を悪くしてしまうのは…やはり駄目だと思う。
でもでも、やっぱり…これだけしか触れられないのは…辛い。
「そうだよね…」
って、なんでわたしの心の声に返事してるんですか。…ひょっとして私、声に出してました?
「うん」
あっさりと頷いて見せた唯先輩の笑顔に、ぽんっと音を立てて私の頬は熱くなった。おそらくは、ううん間違いなく、私の顔は真っ赤になってることだろう。
「ほい、あずにゃん」
そんな私に、唯先輩はその笑顔のまま、ほいって右手を差し出してきた。な、なんだろ。ほっぺに触れるでも、頭を撫でるでもなく、私の前でぴたっと唯先輩の手は動きを止めている。
「手、つなご。今気付いたんだけど、別に接触禁止ってわけじゃないんだから、これくらいなら平気だよ」
「あ、そ、そうですね…」
言われてみると…確かにその通りだ。何かすっかりそのつもりになっていたけど、別に触れちゃ駄目ってわけじゃなかったんだ…
差し出された先輩の手に、手を伸ばす。一日5分、その制限を超えて触れるのは本当に久しぶりで。すっかり自分でそう決めてしまっていたから、なんか嬉しさと背徳感が混ざって、変な感じがする。
それに…今まで散々抱きつかれたりしてたけど…こうして手を繋ぐのは初めてじゃ無かったかな。
そうっと手のひらを合わせると、きゅっと唯先輩の手が私の手を握り締めてきた。
まるで心臓が止まったかのような衝撃。ううん、これ本当にとまってるんじゃないのかな。
きめ細かな唯先輩の肌は吸い付くような感触で、ぎゅっと握り締められ押し付けられた部分からは、普段のそれよりもずっと―もちろん普段のスキンシップがこれに劣るというわけではないけど―唯先輩のぬくもりを伝えてくる。
手のひらだけなのに、何故か全身を抱きしめられているような、そんな感覚。意識がうっとりと何か熱いものへと沈んでいく。
もし場所が場所だったら…このまま唯先輩と倒れこんでしまってもいいと思えるくらいに。
「だ、駄目です!」
そう、完全に傾倒してしまう前に、私はあわてて意識を立て直した。さすがにこんなところでそんなになってしまうのは、いろいろ問題がある。
それに、きっと絶対にもうどう取り繕いも無いタイミングになった時点で、ガチャリと扉が開いて誰か入ってきてしまうような、そんな予感もしている。

27:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 13:14:07 PbGWsLZd
「あ、あずにゃん…いやだった?」
「へ?」
悲しそうな声に視線を戻すと、そこには今にも泣き出してしまいそうな唯先輩の顔が合った。
はっと気がつく。我に返った勢いで、私は唯先輩の手を振り払ってしまっていた。さーっと顔から血の気が引いていく。
「ち、違うんです!今のは、いやだったからとかじゃなくて…」
慌てて、そういうつもりじゃなかったことを伝えなきゃと思って、喋り出す。そしてそこで止まってしまった。何故なら、それ以上続けるということは、さっきの自分の心情を口にしないといけないってことで―それ、なんて羞恥プレイですか。
「じゃなくて…?」
私の否定に、唯先輩の顔はほっとした表情に。それでも私が言葉を途中で止めたことを怪訝に思ったのか、そう促してくる。ううん、ちょっと不安が混じってる。
やはり、続けないと駄目だよね…恥ずかしいのは確かだけど、それで唯先輩を傷つけるのはもっといやだから。
「いやだった…からではなくて、よすぎたからです」
「え?」
首を傾げられる。仕方なく、補足を入れる。…ああもう、恥ずかしいんですよ。
「ですから、唯先輩と手をつなぐのが…です」
「へ?」
唯先輩の首が、今度は反対側に傾ぐ。でも前回とは違って、じわじわとわかった!という表情に変わっていっていた。
「あずにゃ~ん…!」
唯先輩は、更に表情をキューンとしたモノへと変化させ、ばっと腕を広げて近づいてきた。いつもの、抱きつく1秒前のポーズ。
反射的に受け入れそうになったけど、慌ててぴとっと先輩の額に手のひらを当てて、ストップをかける。
「わ、だ、駄目です!今日はもう5分経っちゃってます!」
「えへへ、そうだったね…それじゃ、また手をつなごうよ!」
そうして私の返答も待たずに、額の手を両手でパシッと捕獲する唯先輩。
密かに額の感触を堪能していた私は、再び訪れた唯先輩の手の感触に、びくっとなる。
さっきと同じ、柔らかで暖かな感触。でもさっきと同じじゃない。両手で包み込まれている私の右手は、さっきの2倍…ううん、相乗効果なのか3倍も唯先輩をしっかりと感じていた。
「はぅ…っ」
まさしく3倍速。体の芯があっという間にジンジンと熱くなっていく。顔なんてもう真っ赤になっているに違いない。
唯先輩はにこにこしながら私の顔を覗き込んでいて、真っ赤になった顔を見られちゃってるはずなのに、何故かいつもの羞恥心は沸いてこなかった。
そんなことより、今の私はもっと唯先輩を感じていたい、なんて思ってしまっている。抱きつきたい、すりすりしたい、体中をぴっとりくっつけて、もっともっと感じていたい。
熱でぼやけそうな視界の中、一生懸命微笑む先輩に焦点を合わせる。抱きつくのは駄目―でも、触れるのは大丈夫。だから、こうして私と唯先輩は手をつないでるのであって。
そう、触れるのは―大丈夫。ですよね、唯先輩?
「え?」
夢見心地の私の鼓膜を、先輩の甘い声がこつんとたたく。疑問の声、だけどそれすらも、今の私にとっては起爆剤。
開いてる左手をすいっと伸ばして、柔らかなほっぺに触れる。その感触もあまりに心地よくて、私の意識を吹き飛ばしそうになったけど、今はもっと前に進まなきゃ。
瞳を真っ直ぐに先輩の瞳に合わせて、ゆっくりとその距離を縮めていく。
その瞬間が待ち遠しくて、精一杯急いでるはずなのに、何故かスピードはゆっくり。まるで時間の流れが遅くなっているよう。ううん、きっとそうなんだろう。
その瞬間もそうだけど、それにいたるまでのこの甘くてとろけそうなマシュマロみたいな時間も、一秒でも長く感じていたい、感じていてほしいと、そう思ってしまってるから。
私の意図を察したのか、先輩は一瞬だけ目を小さく見開き、そして優しく微笑んでくれた。ほんわりとしたいつものものとは少し違った、私を優しく包んでくれようとする意思を持ったほわっとした笑顔。
私を何度も虜にしてくれた、その笑顔。
先輩の目がまたゆっくりと閉じて、唇がほんの少しだけとがって、ほんの少しだけ開いて。もう後僅かで触れ合ってしまえる私を、優しく受け入れてくれる形へと変わっていく。
それまでの感覚を全て飲み込んでしまうほどの嬉しさを私の中に湧き上がらせてくれたそれに応えようと、私は最後の1ミリをゼロにしようと―した。

28:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 13:15:32 PbGWsLZd
ええ、したんですが。

「惜しかったね、あずにゃん」
耳元でこそこそっと囁かれる声に、私は気付かれないように小さくため息をつく。
つまりはその―結果として、私たちのファーストキスは未遂に終わってしまったということ。
もっとも、それを悔しくもしくは残念に思う暇も無く、ドアを開けた状態で固まってしまった先輩方を何とか解凍する努力に奔走させられたわけだけど。
「いいえ、あれでよかったんです。そもそも、学校であんなことをしようとしたことが間違ってたんですよ」
「うぅ…あずにゃんが冷たいよう。あずにゃんから―」
「ああ、もう、ストップです。終わりにしましょう…はい」
それでもまだ不満そうな唯先輩の口元に、私の口に入るはずだったケーキ付きフォークを差し出してみる。
反射的にぱくっと銜えた唯先輩の顔は、一瞬にしてほわっとしたものに変わる。
「…はっ、こんなのじゃ誤魔化されな―」
「はい」
「はむっ」
我に返ろうとする唯先輩に、その隙を与えず第二弾を投入。それに満足したのか、先輩はふにゃ~とおとなしくなってくれた。
本当は、私もまだ残念。許されるのなら、今すぐにでもさっきの続きをしたい…ってそう思ってる。
でも、今は焦らなくていいかな、って思ってる。
「唯先輩」
「ふにゃ?」
何故なら、私はもうひとつの抜け道に気がついたから。課せられた制約、その抜け道は抱きつかなければ大丈夫、だけじゃなくて―つまり。
「今夜、うちに誰もいないんです。もしよかったら―」

日中じゃなければ、つまり、夜になってしまえばいくらでも―先輩と触れ合えるということですから。


29:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 13:18:04 PbGWsLZd
ほしゅがてらにという長さじゃない…すみません
1レス以内と思っていたのですが、書いてるうちにどんどん
次から長くなるようなら、TXT上げかURL貼り付けにするようにします

30:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 13:18:49 UxqOCyXM
乙GJ
ニヤニヤしたよ
また頼むぜ

31:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 14:26:07 xX5wnKwU
>>29
やべぇwww
2828が止まらないwww

ちょっと気になったんだけど、添い寝シリーズって保管庫入んないのかな?

32:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 22:17:35 hzuL51uq
保管庫にも此処のスレ乗せて欲しいな…

>>29
さて、規制された二人のめくるめく夜の密会編はまだですか??いっそSSとしてまとめればおkかと。

33:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 23:51:07 03LCDr7k
唯と梓が付き合うことを発表した場合の周囲の反応を考えてみた


和・しっかりした娘だし、唯を任せても大丈夫そうね
憂・大好きなお姉ちゃんと大好きな梓ちゃんが一緒になるなんて幸せ二乗だよー
唯の両親・イェイ!
さわちゃん・ウェディングドレスは任せなさい!
さわちゃんの初恋の人・さわ子、やり過ぎ(色々と)
唯のクラスメート・唯~、がんばってー!
純・軽音部まじヤバイ
生徒会長・澪さまハァハァ
ジャズ研に入った梓の友達・梓に先を越された!
聡・てか誰だよ?
聡の友人・知るわけないだろ。そんなことよりや ら な い か ?
近所のおばさん・あら唯ちゃん。早いのねぇ
幼稚園の先生・唯ちゃん上手ね(ナニが)
ファーストフード店の店員(ムギの先輩)・ご一緒に百合姫はいかがですか?
ムギ・ちょっと日本国憲法を変えて来ますね(同性婚的な意味で)
斎藤・お嬢様、永田町へロビイストを送り込んでございます
楽器店の店員・さすが琴吹家、やることパねぇな…
澪・あの二人ならお似合いだな。安心して見てられるよ(私もいつか律と…)
律・順当順当w幸せになれよ~!(梓に澪取られなくて良かった…)
あずにゃん2号・にゃん(訳・ゆいあずは至高。異論は認めない)


34:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/21 23:59:31 e3pku1Be
確かに会長と聡にとっては他人事でしかないなw

35:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 00:02:51 cg38twfN
2号の意見に同意だな。もっとやれ

36:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 00:17:10 3YBWeuAh
これはムギを応援せざるおえない

37:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 01:50:24 +6kspBtA
唯の両親w

38:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:01:14 CtKYQ+hF
一番美味しいポジションにいるんだな憂め

39:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:21:23 kjn6q+5n
原作だとあずにゃんは唯のギターに憧れて軽音部入ったってのはマジか?
高校入学前に演奏聞く機会があったのだろうか…気になる
明日書店回って原作買いに行くか…

40:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:24:59 OlHtNcWI
>>39
新歓のときに演奏しててそれにほれたんじゃまいか

41:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:25:34 yhCkFyo/
うん
でもコミック版は唯より澪に懐いてる感じ
アニメは唯に懐いてる感じ

42:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:29:25 OlHtNcWI
>>41
でもいつも最後には出れてた。>原作
普段は澪先輩っていってるけど、本命は唯みたいな印象。

43:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:33:58 kjn6q+5n
そっか、新歓か…
何故か高校入学前になんかのツテで音源手に入れて、繰り返し聞くあずにゃんとか妄想してたわw
このまま妄想が爆発する前に明日原作買いに行ってくる

44:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 02:41:02 OlHtNcWI
>>43
その妄想はありだ。

45:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 04:02:54 kjn6q+5n
>>44
URLリンク(nagamochi.info)
そのまま突っ走った結果。汚くてすまん
俺は…寝ずに何を描いているんだ…。寝よう

46:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 04:04:27 yhCkFyo/
良いもの拝ませてもらった
ただ貴方にありがとうの言葉を

47:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 04:09:14 OlHtNcWI
>>45
GJ!!
おきててよかった……。
SSにしたいくらいだ。

48:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 05:44:54 zR83kFBC
>>45
GJ!!普通に上手すぎるんですけどwww
うーん自分の書いたssに絵でも付けてもらいたいくらですよ!

というわけで懲りずにss置いてきます。
『合図』
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

18歳未満が見ると目が潰れますのでご注意を
つーか俺は寝起きで何を投下してるんだ・・・orz

でも気にせずに仕事してきます。では!

49:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 08:54:42 cg38twfN
>>48
あずにゃん攻めマジ半端ねぇw
あずゆいに完全に目覚めましたGJ!

50:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 08:56:03 fL+lZ7vx
>>43
いや、原作は君の妄想そのまんまだけど

51:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 12:36:33 ehR0/r5L
単行本の2巻の最初に追加してるカラーのコマで梓が初対面の憂に話し掛ける時に
去年のライブの録音を聞いて、ハートマークを出しながらギターの人に憧れてた事を言ってたからねぇ。

52:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 12:38:01 ehR0/r5L
聞いて→聴いて

の間違いだった。

53:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 12:39:16 GWpj1qPe
>>45
これは素晴らしい。ありがとう

54:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 12:47:51 5b/H0BNT
尼から届いたばかりの放課後ティータイム聞いたぜ
こんなの聞かされてはあずにゃんも唯に惚れざるをえない

>45
・・・やばい、なんか涙出てくる
いいもの見せてもらったよGJ!

55:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 13:19:35 CtKYQ+hF
>>45
>>48
素晴らしい

56:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 22:13:37 CiVc9d9U
>>45>>48
お前らGJ過ぎるんだよ…。

57:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 22:59:03 VlX3I/nY
>>45
あなたが神か…

58:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 23:00:12 VlX3I/nY
>>48
いつも神がかった作品をありがとう、GJ!

59:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/22 23:45:59 /V5wqYG1
放課後ティータイムは曲がいいだけでなく
ジャケで唯と梓が隣どおしでくっついてるってのも嬉しい
これからも唯梓絵がどんどん増えてほしいものだ

60:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/23 01:05:35 stNPrAU0
唯梓絵もそうだけど、唯梓のツインギター&ダブルボーカルをやってほしいねぇ。

2期で期待したいところ

61:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/23 09:42:58 vv8Kem3v
iPS細胞とかいうので女同士でも子供が作れるらしいですよ唯先輩

62:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/23 09:58:54 0sJk8pXT
思わずググってしまったが、ハンパねぇな
URLリンク(news.livedoor.com)

63:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/23 23:14:19 vv8Kem3v
産むのはどっちになるだろ

64:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/23 23:15:57 FV2qhqv8
個人的な好みで申し訳ないが、梓がお父さん、唯がお母さんなイメージ

65:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/23 23:52:08 MDoi2T8W
梓がお母さんだろ

66:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 00:00:17 0sJk8pXT
先輩!先輩!先輩!先輩ぅぅうううわぁああああああ 
ああああああああああああああああん!!! 
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!! 
先輩先輩先輩ぅううぁわぁああああ!!! 
あぁ!クンカクンカ! 
スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん 
んはぁっ!唯先輩の髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! 
間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!凸モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!! 
文化祭ライブの先輩かわいかったよぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!! 
風邪治って良かったね先輩!あぁあああああ!かわいい!先輩!かわいい!あっああぁああ! 
後ろから抱きつかれて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!! 

67:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 00:02:01 xnBYvaVY
>>66
ビビっときた

68:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 01:53:48 FBudhUOm
>>66
あずにゃんwwおちつけw

69:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 01:58:33 xtam8XSP
>>66
こんな感じで暴走したあずにゃんが唯に抱きついてきたら
唯はどんな反応するんだろ

70:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 02:05:18 LGzhG6/X
とりあえず落ち着かせるため得意の「いー子いー子」とすりすりでKO

71:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 03:48:52 gAFA9R2c
そして我に返って自分の行動を振り返り、真っ赤になる梓を見て
今度は唯が暴走状態になるわけですね

72:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 09:09:09 N5vqfhER
新作SSできたんで置いてきますね。
なんか最近SS書くのにはまってるなぁ...

「逆襲の唯」
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

73:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 10:02:04 TVFxM6GB
>>72
ここ全年齢板だからR-18ならその注意書き入れたほうがいいよ
それとエロパロと百合萌えスレ用の保管庫に保管して大丈夫?

キャラ個別板LR(抜粋)
アニメキャラの話題のうち、単体キャラ/カップリング/グループ/キャラ対決など
特定のキャラ限定の話題を扱います
●エロ・下品な話題はPINKちゃんねるへ(18歳未満禁止)

74:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 10:02:05 JSQULoD2
>>72
新作乙です!
これは放課後もう1ラウンドくらいありそうですねw
唯梓はベッドに放り込むと、
攻守交替しながら延々といちゃいちゃしてそうだなあw

75:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 10:35:21 iAHAHgKi
>>72
朝からGJ
今日は好い日になりそうだ。

76:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 10:42:09 /hxBK0Yo
>>72
いつも乙

77:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 13:45:57 vZmsnJ9Y
>>72
タイトルワラッタw
すさまじい萌えぶりです。

>>73
保管庫に保管した作品も百合まとめ欄に入れてたから大丈夫じゃないの?

78:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 14:29:28 +GWzDyS6
唯がSであずにゃんがMですか
なんか唯なら、部室でもどこでもイチャイチャしそう
でも、あずにゃんは真面目だから…
「こんなトコで…だめですよ、唯先輩! 」
「あずにゃん…そんなに嫌?」
「えっ…い嫌ではないですけど…」
「なーんだぁよかった!!えいっ」
「ちょっ唯先輩!?…もぉ」





79:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 15:33:44 OBIKeALi
>>78
ゆいあずに触発された律と澪がイチャイチャチュパチュパ解禁し、それを眺めるムギがハァハァして、
さわちゃんはいけないオモチャを差し入れるわけですね!
BigHit!軽音部まじパねぇ!

80:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 21:45:46 xtam8XSP
>>72
エロに走るのもいい
しかしエロ抜きでのいちゃつきも素晴らしいことを忘れないでほしい

81:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/24 23:02:53 dRfqFbGy
>>79
淫乱すぎる部活だな


だがそれもいい

82:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 01:02:03 bh6yGbZK
部活しろよw

83:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 06:56:27 fkza2kya
あずにゃんを抱きかかえて
頭を撫でながらたいやきを食べさせてあげる唯

84:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 10:59:04 q0JNpLTh
>>83
当然、その前に唯があずにゃんの頭の上に猫耳を取り付けていますよね

85:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 16:01:31 p+R2+w6k
ガチャ
梓「こんにちは、ってあれ?誰もいないや。でも鍵は空いてたし荷物も置いてあるし、待ってたら来る、よね」

ガチャ
唯「ヤホ―、ってあれ?あずにゃん一人だけ?」
梓「あ、こんにちは唯先輩。そうなんですよ、ただ鍵も空いてましたし荷物も置いてあったんで
  少し席を外されてるんだと思います」
唯「ふーん、そうなんだ。せっかくみんなのためにおやつ持ってきたのになあ」
梓「珍しいですね、唯先輩がお菓子持ってくるなんて」
唯「最近話題になってる鯛焼き持ってきたんだよ。少し並んだけど、みんなにも食べてもらいたくてさ」
梓「えっ、鯛焼きですか!?」
唯「おお、珍しくあずにゃんが食いついてきた。そういえばあずにゃんって鯛焼き好きなんだっけ?」
梓「はい!大好きです!」
唯「鯛焼き……、あずにゃん……、そうだ。いいこと思いついちゃった」
梓「何ですか、唯先輩」
唯「ねえ、あずにゃん。鯛焼きって魚の形してるよね」
梓「だから鯛焼きっていうんじゃないですか」
唯「そこであずにゃんにクイズです。魚が好きな動物っていったら何が思い浮かぶ?」
梓「えっと、猫ですか?」
唯「せいかーい!そしてここにその猫の耳がデザインされたカチューシャがあります」
梓「ま、まさか……」
唯「ねえ、あずにゃん。猫耳つけて鯛焼き食べてくれない?」
梓「い、いやですよ。なんでわざわざそんなことしないといけないんですか!」
唯「えー、いいじゃんいいじゃん。猫耳が似合うのはもう分かってるんだからさ、
  猫耳着けたあずにゃんが魚に飛びつく猫みたいに鯛焼きを美味しそうに頬張る。
  その光景だけでご飯三杯はいけちゃうよ」
梓「いけなくていいですよ!とにかく、私はやりませんからね」
唯「そんなこと言っちゃうんだー。それじゃあこの鯛焼きはお預けしちゃおうかなー」
梓「えっ……」
唯「ほらほらー、羞恥心なんか捨てちゃってさー、食欲に身をゆだねようよー」
梓「うぅ……」
唯「私相手に今更恥ずかしがることもないでしょー、ほらー、とっても美味しそうだよー」
梓「わ、わかりましたよ。着けますよ、着ければいいんですね」
唯「それじゃ、さっそく着けてくれるかな?」
梓(私、もしかして唯先輩に遊ばれてる?ああ、もうどうにでもなれ!)スチャッ
唯「おお!やっぱり似合うよあずにゃん」
梓「そ、そうですか」
唯「うん、すごい似合ってるよ。ニャーって言って、ニャーって」
梓「ニャ、ニャア……」
唯「ああ、もう可愛すぎる!それじゃ言うこと聞いてくれた可愛い子猫ちゃんにはご褒美をあげなきゃね。
  ほら、お待ちかねの鯛焼きだよ」
梓「あ、ありがとうございます」
唯「ちょっと、ダメだよあずにゃん」
梓「え、何がですか?」
唯「今あずにゃんは子猫なんだよ、ニャーしか喋っちゃダメ!」
梓「そ、そんなこと言ってなかったじゃないですか!」
唯「じゃあ、あーげない」
梓「わ、わかりました。もうここまで来ちゃったんですから、やります、やりますから」

86:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 16:07:27 p+R2+w6k
唯「はい、よく言えました。それじゃ改めて、子猫ちゃんにお待ちかねのご褒美だよー」
梓「ニャ、ニャア」モグモグ
唯「どう、美味しい?」
梓「ニャン♪」
唯(あずにゃんホント可愛いなあ、ホンモノの猫より可愛いよ。……そうだ!)
 「あずにゃん、ちょっとこっち来てくれる?」
梓「ニャ?」トコトコ
唯「ここ、おいで?」
梓「ニャ!?ニャーニャー」
唯「いいからおいでって」グイッ
梓「えっ!?」
唯「えへへ、あずにゃん捕まえた」
梓「ちょっ、ちょっと唯先輩!?」
唯「こーら、あずにゃん」
梓「あ……、ニャ、ニャニャニャー」
唯「こらこら、そんなに暴れないの」
梓「ニャン……」
唯「あずにゃんが可愛すぎるからいけないんだよ、あんなの見せられたら誰だって一人占めしたくなっちゃうよ。
  それにしてもホント可愛いなあ、このまま持って帰りたいよ」
梓「ニャニャ!?」
唯「もちろん冗談だよ。だからせめて今だけ、楽しませて、ね?」
梓「ニャア……、ニャン!」
唯「ありがと、あずにゃん」ナデナデ
梓「ニャア……」
唯「そうだ、鯛焼き多めに買ってきてたんだけど、もうひとつ食べる?」
梓「ニャン♪」
唯「それじゃ、あーんして」
梓「ニャー」パクッ
唯「えへ、美味しい?」
梓「ニャンニャン♪」
唯「それは良かったー」ナデナデ
梓「ニャア♪」
唯「さてと、いつまでもあずにゃんとこうしていたいけど、もうすぐみんなも来るだろうし、もうそろそろ終わりにしようか。
  ゴメンねあずにゃん、私のわがままに付き合わせちゃって」
梓「ニャニャ、ニャーニャーニャー」
唯「アハハ、もう普通に喋っていいよ」
梓「あ、わかりました。いえ、そんなことないですよ。なんだかんだで私も楽しんでましたし」
唯「それなら良かったよ、じゃあ今度から定期的にやってもらおうかな?」
梓「そ、それは……」
唯「冗談だよ。やってもらいたいってのはホントだけどね、無理は言わないよ。
  でも、今日はホントありがと、あずにゃんの新しい顔が見れた気がするよ」

ガチャ
律「お、唯と梓が来てたか。ゴメンゴメン、今日締め切りの書類出すの忘れててさ、急いで出しに行ってたんだよ。
  ……って、あれ?梓、どうしたんだ?」
梓「え、何ですか?」
律「いや、猫耳なんか着けちゃってさ」
梓「ニャッ!?」


おしまい

87:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 16:51:13 fYViHhAq
ニャアアアアアアッ!

88:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 17:06:36 s7zdesG8
やばいにゃああああああああああああっ!!!

89:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 17:46:13 q0JNpLTh
>>86
GJ!!
たまらなく!可愛すぎるww
やっぱり猫耳あずにゃんに唯が抱きつきながら食べさせてあげる光景は絵になりますね!

90:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 17:50:28 AyNomLvY
多分、あなたは気づいてないと思うけど
 私はちゃんと あの時
      あなたに恋をしたんですよ? 先輩
文化祭のライブ 正直 あまり期待はしていなかった
   曲が始まると 顔つきが変わって
 汗をかきながら 一生懸命に だけど、誰よりも
 嬉しそうで   笑顔だった。

音を間違えたり、歌詞を間違えたり ミスはたくさんあった。
 でも、こんなに楽しそうなバンド始めてみた。
        私も、一緒にこの人達とー!!

「あずにゃーん、鯛焼きあるけど食べるー?」
「いただきますっ…てほら、唯先輩練習しますよ!ここ軽音部でしょ?」
「えー…鯛焼き食べないと力が出ないー …あずにゃん、食べさせて?」
「何言ってるんですか、もう 自分で食べてください!」
 まったく、私や澪先輩がいないとちっとも練習しないんだから…
「あずにゃん、私のコト…嫌い?」
「えっあっその…ち、違いますっ嫌いとかじゃなくてむしろ逆でー…」
「逆で?」 「……」 「 その続きは??」 「…スキ…ですけど」 
「エー?ゴメン、キコエナカッタ、モウ一回イッテー?」
     聞えてるくせに…
「もぉ!!唯先輩なんて知りませんっ」
ここで もう一度 スキなんて言ったら
 …なんか負けたみたいで悔しいので
       もぅ一生スキだなんていいません
「あずにゃん、あと一回!あともう一回言って!!」
              …多分。

91:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 18:05:33 MGwD/X7P
>>86
>>90
こwwwれwwwはwwwたまらんwww
GJ!

92:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 20:15:55 MGwD/X7P
SS投下するのは初めてだ…しかし、出来は保証できない
URLリンク(wiki.livedoor.jp)
※唯澪前提で唯←梓(つまり片想い)
唯とあずにゃんがくっつかねぇなんてダメだ!って人は回避推奨です

93:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 20:34:21 Mp9CnGTV
>>86>>90
甘い物ばっかりだと糖尿病になるんだよな…好きだけどw

>>92
泣けたよ俺……GJだよあんた…。

このスレも職人が増えて嬉しい限り…

94:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 21:09:31 s7zdesG8
>>92
切ねぇよぉ~
でもGJ!

>>93
うむ、もっともっと職人さんが増えてくれればいいよなぁ~

95:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 21:50:13 qdbJHBna
>>92
な、んな…切なくて俺が泣くわ…

13話見ると部活帰りは最初は5人→紬は電車、律澪と唯梓で別れて帰るんだな
唯梓あああああああ!!!

96:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 22:14:43 eooHg13R
>>95
そうなんだよ!唯梓的に注目のシーンだった!
案外、家が近いのかもな。で、週末は殆どと言って良いほど平沢家にお泊まりするあずにゃん、と。
もちろん既にご両親には挨拶済みです。

97:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 23:19:41 TQaQzLTW
さらっと流してたけど唯って梓の家知ってたんだな
しかしあの回の唯は梓に対してかっこよすぎだとおもうんだ

98:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/25 23:25:05 CANKt21H
>唯って梓の家知ってた

憂が知ってたのかもしれないけどこれ重要だな~
梓も徒歩通学なのね

99:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 00:31:40 7D8nsL8p
帰り道、二人っきりの唯梓タイム!!
話してるうちに、平沢家へ
「ご飯食べてきなよ~」と憂と唯の誘いを断れずいっしょに晩御飯。
「明日学校休みだし泊まってきなよ~」とまたも憂と唯の誘いを断れずお泊まり。
やばいww妄想が止まらんwwwww誰か止めてくれ

100:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 01:21:05 EnvFlFAY
唯のあずにゃん包囲網完成

101:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 06:58:54 7v2DQzmM
妄想が爆発したのでSSを書きなぐりました。置いてきます。

「ラブレターパニック!」
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

102:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 07:07:19 ozNwn9T9
>>101
やきもちをやく唯がこんなに可愛いものだとはおもわなかった。
しかもおちがwwたしかに唯は後輩とかにもてそうだ。

GJ!

103:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 10:37:07 5EudYfPW
>>102

唯恐っww
嫉妬のあまり不安が解消するまでの間Sお姉さまに覚醒して
あずにゃんに迫って弄っちゃう光景もまたそれはそれで良いですね!
紬が意識を失いそうになるほど悶えてしまう気持ちが分かります。

104:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 10:42:03 5EudYfPW
って、>>102ではなくて>>101の間違いでした。

105:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 10:42:42 0eqomu58
ドSのやきもちとは斯くも恐ろしいものか…



106:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 11:26:36 +YxuFrx+
うわああああ!!
唯になって梓とイチャイチャしたいよおおおお!!

107:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 11:53:59 t4J3t3MA
俺は梓になって唯とにゃんにゃんしたいな

108:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 15:18:11 q9Zvlobj
律「それじゃあな、今日はお疲れ」澪「それじゃ、また明日」
唯「じゃあねー」梓「お疲れ様でした」

唯「ふいー、今日は疲れたねー」
梓「そうですね、今日は珍しくずっと真面目に練習しましたからね。
  でも、真面目に練習ってのが珍しくていいんでしょうか?」
唯「毎日毎日肩肘張っちゃってるといざって時に疲れちゃって力出せないよ。
  締めるときは締めて、抜くときは抜いて、楽しみながら上達できたら一番だと私は思うな」
梓「そうかもしれませんね」
唯「ねえ、ちょっとコンビニ寄っていい?」
梓「いいですよ、何買うんです?」
唯「今日は珍しくお茶の時間もとらずに練習したからさ、ちょっとお腹空いちゃったんだよね。
  あずにゃんも何か買ってく?」
梓「いえ、大丈夫です。それじゃ私、外で待ってますね」
唯「じゃあ急いで買ってくるよ」

唯「お待たせー。それじゃあずにゃん、どっちか選んで」
梓「え、何ですか?」
唯「あずにゃんにもアイス買ってあげようと思ったんだけど、何が好きか分からなかったからさ、
  二種類買ってきたんだ、といってもどっちもガリガリ君だけどね。さあ、好きなほう選んでいいよ」
梓「そんな、悪いですよ」
唯「いいっていいって、たまには私にも先輩らしいことさせてよ。それに、もう買っちゃったんだしさ」
梓「そう、ですね。それじゃお言葉に甘えさせてもらいます」

唯「う~ん、冷たくて美味しいねえ」
梓「はい、美味しいです。でもホントすみません、奢ってもらっちゃって」
唯「んもう、私からやったことなんだからいいってば。
  それにしても、そっちも美味しそうだね。ねえ、あずにゃん、一口ちょうだい?」
梓「いいですよ、どうぞ」
唯「ありがとー、それじゃいただきまーす。……うん、あずにゃんのも美味しいなあ。
  それじゃあずにゃん、私のも一口食べていいよ」
梓「そんな、いいですよ」
唯「私だけ貰っちゃ不公平だよ。ほら、パクッといっちゃって」
梓「それじゃいただきます。……こっちも美味しいですね」
唯「結論、夏食べるアイスはやっぱり美味しい、だね」
梓「フフ、そうですね。あっ!?」
唯「ん?どうしたのあずにゃん?」
梓「当たりです!私、アイスの当たりって初めて見ました」
唯「おお、私って妙なところで運使っちゃってるよ」
梓「これ、あとで先輩にお返ししますね」
唯「いいよー、二つの中からあずにゃんが選んだやつが当たりだったんだから、それはあずにゃんのだよ」
梓「でも、いいんですか?」
唯「いいんだよ、グリーンだよー!」
梓「アハハ、何言ってるんですか、先輩。それじゃ、お言葉に甘えて貰っておきます。
  では、私むこうですからここでお別れです」
唯「それじゃあまた明日ねー、バイバーイ」
梓「はい、お疲れ様でした。アイスありがとうございました」

梓(当たり買ってくるなんて、唯先輩、運強いなあ。
  あ、でも、二つの中から当たりを選んだ私も運が強いのかな?
  ……だけど、交換しちゃうのはなんかもったいない気がするな。
  うん、せっかくだし、記念に取っておこうっと)

109:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 15:33:33 7D8nsL8p
↑おお後輩と先輩っていいなぁ
 ほんわかしてて平和で。

110:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 16:07:40 7D8nsL8p
キミを見てると いつもハート DOKI☆DOKI 
揺れる思いは マシュマロみたいに ふわ☆ふわ 

いつもがんばる (いつもがんばる) 
キミの横顔 (キミの横顔) 
ずっと見てたら 顔赤くなるよね 

夢の中なら (夢の中なら) 
二人の距離 縮められるのにな 

あぁ カミサマお願い 
二人だけの Dream Time ください☆ 
お気に入りの あずにゃん抱いて 今夜もオヤスミ♪ 

ふわふわタイム (ふわふわタイム)  
ふわふわタイム (ふわふわタイム)  
ふわふわタイム (ふわふわタイム)


ふとした仕草に 今日もハート ZUKI★ZUKI
さりげな笑顔を 深読みしすぎて over heat!
いつか目にした キミのマジ顔
瞳閉じても 浮かんでくるよ
夢でいいから 二人だけの Sweet time 欲しいの

あぁ カミサマどうして
好きになるほど Dream night せつないの
とっておきのくまちゃん 出したし 今夜は大丈夫かな?


もすこし勇気ふるって
自然にキス
何かが変わるのかな?
そんな気するけど

だけどそれが一番難しいのよ
キスのきっかけとかどうしよ
てか段取り考えてる時点で 全然 自然じゃないよね
あぁ もういいや 寝ちゃお 寝ちゃお 寝ちゃおーっ!
寝ちゃおーっ!!

あぁ カミサマお願い
一度だけの Miracle Time ください!
もしすんなり キスできれば その後はどうにかなるよね

ふわふわタイム (ふわふわタイム)  
ふわふわタイム (ふわふわタイム)  
ふわふわタイム (ふわふわタイム)


俺は…一体何を…


111:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 16:38:56 gl+zbnfz
>>108
あれ??其処は間接キスとかってあずにゃん一人だけがドキドキして真っ赤になる展開は??

>>109
…気にするな…俺なんて仕事中も余裕だぜv

112:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 16:41:05 gl+zbnfz
>>111失礼アンカミス;

>>109>>110

113:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 17:29:58 +YxuFrx+
>>110
これ歌ってるのが澪だったらマジで許さん

114:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 17:40:19 97W7s7XW
まぁまぁまぁまぁまぁまぁ
澪はあずにゃんとは呼ばないから安心しろ

115:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 18:49:04 dk8lNGFw
>>111
希望に添えるかは分からないが>>108の四段落目からの別バージョン

唯「う~ん、冷たくて美味しいねえ」
梓「はい、美味しいです。でもホントすみません、奢ってもらっちゃって」
唯「んもう、私からやったことなんだからいいってば。
  そうだ、せっかく二種類あるんだから食べ比べしてみようよ。
  ほら、あずにゃん、私の食べていいよ」
梓「え!?」(そ、それって間接キス!?)
唯「そのかわり、あずにゃんのも食べさせてね、ってあずにゃんどうしたの?顔赤いよ」
梓「な、何でもないです」
唯「それじゃあずにゃん、はい、あーん」
梓(唯先輩と間接キス、しかもあーんまでしてもらって……。
  この光景、憂が見たら羨むんだろうな)パクッ
唯「どう?美味しい?」
梓「はい、とっても美味しいです」
唯「でしょでしょー、それじゃあずにゃんのも食べていい?」
梓「もちろんいいですよ。はい、どうぞ」
唯「んもう、あずにゃん。あーんしてあげたんだから私にもあーんしてよ」
梓「ええっ!?そ、それは恥ずかしすぎますよ」
唯「えー、私にやらせといてあずにゃんはやってくれないのー?」
梓「そ、それは先輩が勝手に……」
唯「いいじゃーん、減るもんじゃないしさー」
梓「……分かりましたよ。それじゃ先輩、あーんしてください」
唯「ラジャー!あーん」パクッ
唯「う~ん、あずにゃんに食べさせてもらって美味しさ倍増だよ」
梓「誰に食べさせてもらったって味は変わりませんよ」
唯「そんなことないよ。あずにゃんの愛がこもってるから、より美味しく感じるよ」
梓「な!?何言ってるんですか!?」
唯「えへへ」
梓「ホントにもう……」(その笑顔は反則です、その笑顔ひとつで全部許しちゃいますよ)

116:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 19:23:18 AlIkJbmk
>>113
律「(私の澪には)歌わせねーよ?」

117:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 23:43:34 rVTT1QYK
・暑いの苦手
・クーラーも苦手
・恥じらい?なにそれおいしいの?
・よさこい!!

以上の条件から、夏期に家で練習するときは唯は必ず水着、梓も強引に着せられて結局二人とも…
と思うんだがどうだろう

118:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/26 23:47:36 t4J3t3MA
>>117
素晴らしいと思います

119:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 00:58:23 QvQ7uIXQ
>>115
いいなぁいいなぁ
2人ともかわいいなぁ

120:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 02:03:41 juA2bmPY
>>115
よしもっとやれ

121:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 04:01:31 n6DYqbtP
もう保守する必要もないほど活気が出てきて嬉しいこの頃
添い寝ゆいあず合宿編

「やった、弾けたよあずにゃん!」
唯先輩はそういって、本当に嬉しそうな笑顔をこちら向けた。
見ているこっちのほうが嬉しくなってしまいそうな、満面の笑み。
一瞬それに見とれそうになって、慌ててこほんと咳払いをして、気を取り直す。
「さすがです、先輩。これで完璧ですね」
「ううん、あずにゃんのおかげだよ~」
そういって唯先輩は、ふわって手を広げてきゅっと私を捕まえると、ギューっと抱きしめてくる。
この抱きつき癖はどうにかならないのかな、と思うものの、気がつけば苦笑を浮かべつつもそれを受け入れている自分がいた。
そしてそんな自分も悪くないと思っている自分もいたりして。
そうだ、たまにはこちらから抱き返してみるのもいいかも―更にはそんな風に思ったりもしちゃってる。
…きっともう夜遅いから、寝ぼけてきているから、ぼうっとした頭がそんなことを考えちゃってるのかもしれない。
「ゆいせんぱ―」
「それじゃ、あずにゃん、通して弾いてみようよ!」
私が手を広げたその瞬間、まるで狙ったかのようなタイミングで唯先輩はぱっと私から離れて、しゃきっとギターを構えて見せた。
「あずにゃん?それ何のポーズ?」
「…なんでもありません」
膨れそうになる頬を懸命に押しとどめて、こぼれそうになるため息も何とか押さえ込んで、私はぱたりと手を下ろした。
なに?と唯先輩は首を傾げて見せるものの―こんなこと、正直に弁明できるわけ無いじゃないですか。
「それより、合わせるんでしたよね?じゃあ、行きますよ」
「うぅ、あずにゃんが何か怒ってるよぅ…」
「別に怒ってません!」
そういう私の顔は、きっと少し怒った顔してるんだろうな、と思うものの、それくらいは許してください。
だって―やはり少しは、残念だって思ってしまってるから。―うん、もしまた同じ機会があったら、今度は少しだけ、素直になってみよう。
「それじゃ、いくよ、あずにゃん~」
ほわっとした声、だけどもギターを構えた途端、唯先輩の顔は1人のギタリストの顔になる。
相変わらずふんわりほわっとしてるけど、ここって決めたときの先輩は、先輩の目はとても真剣だから。
「はい、いつでも」
私の目を一瞬だけ見つめ、先輩はきゅっと小さく、軽やかにピックを振り上げた。

「あずにゃん、もう一回いくよ~」
これで何度目になるんだろうか。先輩は相変わらずにこにこと楽しそうにギターを抱えて、私を見つめてくる。
その演奏は回を追うごとにどんどん洗練されていって、おそらくは無意識だと思うんだけどアレンジもどんどん増えていって、私のほうは逆にそれに追いつくのに精一杯になっている。
「も、もう一回ですか?」
というよりは、正直なところ相当に疲れていた。日中海であんなに遊びまわった上に、バーベキューに肝試し、そして花火。楽しかったのは認めるけど、さすがに体力の限界が近づいている。
むしろ私よりはしゃぎまわっていたはずの先輩は、何故まだこんなに元気なんだろう。
「あずにゃん、もう疲れちゃった?」
「い、いえ、そんなことは…」
駄目駄目、せっかく先輩がその気になってくれてるんだから―私から水をさすなんてとてもできない。
それに―疲れてるのは確かだけど、先輩と一緒に練習できるこの時間はやはり私にとってとても充実してて、そして楽しい時間だから。

122:添い寝ゆいあず合宿編2/3
09/07/27 04:03:19 n6DYqbtP
「駄目だよ、あずにゃん。無理はいけないって憂も言ってたよ」
そういうと先輩はあっさりギターを下ろすと、もうおしまいってにこっと笑って見せた。
「…すみません、せっかく練習に誘ってもらったのに…」
「いいんだよ~。というよりね、私誰かに止められないと朝まで弾いちゃってるみたいだから」
「へ!?じゃ、じゃあいつ寝てるんですか」
「だから、いつもは憂がもう寝なきゃ駄目だよ、お姉ちゃんって止めてくれるんだ」
「なるほど…」
普段練習してないって思ってたけど、一度やり始めると…ってことなんだ。やりすぎなところは唯先輩らしいけど…でも少し見直したかも。
それにしても憂の物真似、何でそんなに無駄に上手なんですか。
「…って、もうこんな時間じゃないですか!」
ふと、チラッと目に入った時計の短針は、もう随分0をオーバーしていた。いくら合宿といっても、寝過ごしても咎める人がいないといっても、だからといってこんなに夜更かしをしてもいいというわけじゃない。
「わあ、すごい時間だね~」
「すごい時間だね~じゃありません。早く寝ないと…明日こそ皆でちゃんと練習できたらって思ってたのに…」
「そうだね、たっぷり寝て、たっぷり遊ばないとだもんね」
「違います!…もう」
ののほんと私の台詞をあっさり改変してくれた先輩に膨れて見せたものの、でも唯先輩が実はちゃんと練習してるってこともわかったし―私も皆で遊ぶのは楽しかったから、少しくらいはいいかも、と思ってしまってる。
澪先輩も、息抜きは必要って言ってたし。それに―ああいう風に過ごすことは、今まで知らなかった顔が見えたりして、もっとよく先輩方のことを知ることができて、バンドとしては必要なことなのかもしれない。
「…あれ~?」
そんな私の思考に、唯先輩ののんびりした声が割り込んできた。
見ると、ギターをカバーにしまったまま、唯先輩はぺたりと座り込んだままだった。
私はというと、すでにギターを収納して肩にかけ、すぐにでも部屋に戻れる状態。
「どうしたんですか、早く戻りましょう」
「ええとね…」
少し困った、そんな唯先輩の笑顔。
「…もう眠くて、体に力が入らないみたい」
「ええ!?」
言われてみると、さっきギターを奏でていたときのどこからそんなエネルギーが沸いてきてるんだと思えるほどにピカピカ輝いていた唯先輩は、今はガス欠を起こした上にオイルも老朽化して動かない中古車のようにへなへなとしている。
「ええと、立てないんですか?」
私の声に、先輩はぐぐっと力をこめたものの、すぐにへなっとなってしまう。
「えへへ、動けないみたい。私はここで寝るからいいから、あずにゃんは戻りなよ」
あきらめ気味の声色で唯先輩はそう私に告げた。
「駄目です、そんなになるまで疲れてるんですから、こんなところで寝たら風邪を引いちゃいますよ」
「あぅ…そうかなあ」
そういう先輩はもうすっかりへたりこんでいて。そんな先輩を置いて、私だけが戻るなんてとてもできない。できるわけがない。
私はきゅっと唇をかむと、肩にかけていたギターを外し、唯先輩のギターを持つと、並べて壁に立てかけた。
そして、なにしてるのかな?とこちらを眺めている唯先輩に向き直ると、右手を差し出して見せた。

123:添い寝ゆいあず合宿編3/3
09/07/27 04:04:35 n6DYqbtP
「…私につかまってください」
「え、で、でも」
「いいですから」
促すと、唯先輩は戸惑い気味に、それでもしっかりと私の手をつかんだ。少し腰を落として、ぎゅっと引き上げると、素直に私の腕にしがみついくる。
そのまま抱きかかえるようにして、先輩の体を抱えこんだ。先輩の体からは、先輩がそういったようにすっかり力が抜けてしまっていて、私の思うがままになってる。
ああ、考えてみるとさっき達成できなかったこと、これで叶ったのかも。そう思い、私はくすりと笑った。
尤も、そんな風に余裕を持てていたのは最初のうちだけだったけど。
もともと疲労も相当だったこともあり、先輩を抱えて歩くということは私にとってかなりの重労働のようだった。正直、いつ倒れこんでもおかしくないほどの。
人一人の体重というのは、思ったよりもずっと重いんだ、と私は実感させられていた。
「あ、あずにゃん…もういいよ、置いてっていいから」
「へ、平気です、これくらい」
プルプル震える腕と足に何とか力をこめて、私はずるずると引きずるようにして歩く。
私がこんなに小柄じゃなければ、ムギ先輩みたいに力持ちだったら、すんなり唯先輩を運べていたのに。
「あずにゃん…」
唯先輩に、こんなに心配そうな顔をさせることも無かったのに。
そう思うと、悔しくなってしまう。
「あずにゃん、いいから。私の部屋、遠いし…もう無理だよ」
唯先輩の言うとおりだ。悪いことに、唯先輩に割り当てられている部屋はさっきまでいた演奏スペースからは一番遠くて。私の現状から、そこまでたどり着けずにダウンしてしまうことは目に見えていた。
だけど、唯先輩を置いていくなんて、私にはやっぱりとてもできないことだったから。
「…私の部屋なら…すぐそこですから」
「え?」
「そこまでなら、何とかいけます」
疲労で朦朧とする意識の中、そう告げる。何かとんでもないことを口にしている気がするけど、今はそんなことより唯先輩を寝床まで運ぶことのほうが大事だった。
がちゃりとドアを開け、鍵を閉める。這いずる様にベッドまでたどり着き、ばたりとベッドに倒れこんだ。
「もう駄目です…動けません」
「あずにゃん、ごめんねえ…」
そういうや否や、私にしがみついていた唯先輩の体から完全に力が抜け、スースー寝息を立て始めた。
先輩が寝たんだから、私は別のところに行かないと。そう思うものの、私もここが限界のようだった。
言葉通り、指一本動かせそうにない。
そう、だから仕方がないんです。それだけですから、特別、なんですよ―先輩
そんなどう考えても裏腹とした思えない言葉だけを、最後の抵抗とばかりにポツリと浮かべ。
私はゆっくりと、支えてくれるベッドに沈み込ませるように、意識を手放した。
今夜はいい夢を見られそうかも、なんてそんなことを思いながら。

―お休みなさい、唯先輩

124:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 05:26:40 99Rx2t+p
もういいから早く式挙げろ

125:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 06:51:30 1KSHZTXm
>>121
サイコーです。
もっとやってほしいです。

あ、あとついでにSS置いてきます。
「琴吹紬の暴走」
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

126:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 09:56:28 WSbEwMIC
乙です

ハイペースの投稿ありがとう

127:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 10:10:38 juA2bmPY
もうタマリマセンワー

128:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 10:21:04 aA9AvuX+
私は紬になりたい

129:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 20:19:51 GHRr645D
紬の唯梓ビデオはどのくらいの量になるのだろう
結婚式ではぜひ上映すべきだな

130:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 20:30:39 B+zILj/K
>>121-123
だから二巻のカバー裏で二人は一緒に寝てたのか…

131:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 20:42:07 juA2bmPY
>>129
おいおい結婚式に小さな子供とか来たら教育に悪いだろ

132:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 21:18:46 gmliofiU
>>131
待て。
来たのが小さい女の子だったらむしろ英才教育じゃないか。

133:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 22:25:28 d8F+pCiB
>>123
原作とアニメを上手く繋げてて感動したwwww

ガチなのもいいけど俺はこういうほわほわな二人が好きだ…

134:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 22:37:30 BcEHW9Uw
>>133
ここでそれを言うなら「はわほわ」だろ

135:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/27 23:51:10 gVBd0LV6
…とりあえず誰かこのはわほわバカップルの婚姻届出してくれ…
んで二人ともウエディングドレス着て公衆の面前で抱き合って誓いの口付けしちゃって……

>>121
添い寝が本気で保管庫にうpされる事希望w

そして>>125は結婚してくr…いやして下さいそして今後も唯梓下さい♪

136:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 02:11:41 3O5UrntG
確かに添い寝氏のはこのまま捨て置くにはあまりにも惜しい


137:添い寝ゆいあずおうち編
09/07/28 14:06:48 2hFUmMsH
ほしゅがてらに添い寝ゆいあずおうち編
合宿編の続きを書こうと思ってたら、別ベクトルに妄想が―

「あずにゃ~ん…」
先輩の甘くとろけるような声で、ぼんやりと意識が浮上してくる。
まるでまどろんでいるかのような感覚。でも先輩が呼んでるのなら、起きなきゃ。
そう思って、浮かび上がってきた意識をそのまま覚醒へと向かわせる。
「あずにゃんはかわいいねぇ」
まだぼんやりとした視界に映るのは、いつもの唯先輩の顔。柔らかくて優しくて暖かな笑顔。なんかほっとして、また眠りに落ちてしまいそうになる。
先輩はぎゅっとわたしの体を抱え込んでくれていて、私の頭を優しく撫でていてくれて、それが本当に気持ちよくて―
―あれ、なんでこんな状況になってるんですか…?
ふとした疑問。そう、なんでこんなことになっているんだろ。まどろんでいる、ということは私は今まで寝ていたと言うことで。
ね、寝起きでこんな…ことしてるなんて、まるで、そう、恋人同士のそれみたいじゃないですか―
「だめだよ、あずにゃん。あずにゃんは今猫なんだから、にゃー以外は禁止」
―な、なんですか、それは。
「ほら」
つーっと唯先輩が指で何かをなぞる。途端にゾクゾクと未知の感覚が体を駆け巡る。
何かと頭頂部に手を伸ばせば、そこにはふにゃっとした感触の何かが。そして同時に、ふにゃっと触られた感覚も伝わってくる。
「こんなにかわいい耳としっぽが付いてるんだよ。だから、あずにゃんはかわいい猫」
そんな唯先輩の台詞の直後に、きゅっと尾?骨を引っ張られるような、そんな感覚が伝わってくる。
「ニャッ…!」
「そうそう、う~ん、かわいいよあずにゃん~」
思わず口から漏れた悲鳴に、それが望んだ形であったことに満足したのか、唯先輩は私のその部分をさわさわといじってくる。
頭頂部にあるという耳とやらは見えないけど、しっぽの方は私も見ることが出来た。先輩に撫でられて、フルフル動くそれは、その猫のしっぽは間違いなく私のお尻から生えていた。
―嘘、本当だったんだ。
驚愕の言葉は、声にならなかった。代わりに私の口から出たのは、ニャアっていう猫みたいな鳴き声だけ。
先輩はそんな私をかわいいと思ったのか、しっぽを撫でる手を止めて、きゅーっと抱きしめてくる。
それがとても気持ちいい。普段は口にしたりはしないけど、先輩にきゅーっとされるのは、私はとても大好きだった。
びっくりしていた気持ちが次第に落ち着いてくる。だんだんそれが、どうでもいいことのように思えてくる。
気が付けば私の喉はゴロゴロとなり、甘えるように先輩の胸元に頭をこすり付けていた。
―ああ、これじゃ本当に猫みたいです、私。でも、先輩の猫にだったら、なってみてもいいです。
「うふふ、嬉しいよぉ~あずにゃん」
迂闊に零れた台詞。唯先輩はそれにはちゃんと反応してくれた。さっきはにゃーじゃなきゃ駄目って言ってたのに。
先輩は、やっぱりずるい。
―そんなずるい先輩は、こうです。
そう言って、猫みたいにぺろぺろ先輩の首筋を舐める。ううん、猫みたい、じゃないか。今わたしは先輩の猫なんだから、そんな言い方はおかしいよね。
「もう~くすぐったいよ、あずにゃん」
「ニャ~…ゴロゴロ…」
喉を鳴らす私に、先輩は小さくくすりと笑うと、反撃とばかりに私をまた撫ではじめた。ぴくりと体が小さく跳ねる。
ぎゅーっとされるのも好きだけど、こうして撫でられるのも私は好きなんだ。ふにゃっと体から力が抜けて、私は行動を中断させられる。
「あ~ずにゃんっ…ふふふ」
そんな私の様子に、先輩は調子に乗って、撫で回す範囲を更に広げていく。体全体、満遍なく先輩の手が触れて行く。その度に、私の体はぴくぴくと震えていく。
―せ…んぱい…もう、調子に…乗りすぎです。
「あずにゃん、にゃー、だよ?」
―もう。
「ニャ…ア」
心地よさに薄れていく意識の中、それでも最後に先輩の要望にこたえようと、私はそう小さく鳴いて。
ふわふわとした眠りの中に意識を落としていった。

138:添い寝ゆいあずおうち編2/2
09/07/28 14:07:25 2hFUmMsH
「…はっ!」
気が付くと、私はガバっと身を起こしていた。あわててきょろきょろと周りを見回す。
ここは自室のリビングで、私はソファーの上。どうやらその上で眠ってしまっていたらしい。
私は自分の頭頂部に手を伸ばす。―無い。
次にお尻の方に手を伸ばす。―無い。
うん、無くて当たり前で、むしろあってくれたら色々困ることになってたんだけど。だけど、つまり、そうだということは。
「夢…?」
一瞬にして私の頬が沸騰する。ボッ、なんて音を立てちゃってる。
でも、無理は無い。だって、さっきまでの私は、あんな夢を見ちゃってたんだから。
穴があったら入りたい、とはまさにこんな気持ちなんだろう。
「んぅ…あずにゃ~ん…?」
頭を抱えてソファーに自傷的ヘッドバンキングを試みてる私の耳に、唯先輩の声が聞こえてきた。
―え?
思わずきょとんとして、慌てて佇まいを整える。ここは私の家のリビングのはずで、それなら何故唯先輩の声がするんだろう。
声のしたほうに目を向けると、そこにはソファーの上、気持ちよさそうに寝息を立てる唯先輩の姿があった。
そして、その懐には私ではなくて―また預かることになったあずにゃん2号の姿。
「…あ」
そこでようやく、私の頭は全てを思い出した。ううん、ようやく目が覚めたというべきなのかな。
あずにゃん2号―本当の名前、なんだっけ―を再び預かることになって、それを聞きつけた唯先輩がうちに遊びに来るって言って。
先輩が一人でうちに来るのは初めてだったから、色々緊張したり、期待してたりしてたのに。
唯先輩はあずにゃん2号にかまいっぱなしで、私にはほとんどかまってくれなくて。
挙句にはあずにゃん2号を胸に抱きしめてすやすや眠ってしまったんだ。
私はそれにすっかり腐ってしまって、不貞寝気味に隣のソファーに横になって―
「…それで、だったんだ…」
二重に恥ずかしくなる。つまり私は、あずにゃん2号が羨ましくて、同じようにして欲しくて、あんな夢を見てしまったということなんだろう。
「…馬鹿ですね、私」
眠る先輩に声をかける。当然のことだけど、先輩は返事をしてくれない。だけどその代わりに、先輩は少しだけあずにゃん2号を抱く腕を広げてくれた。
―あずにゃんの分もあるよ。なんて、そう言わんばかりに。
「…本当に馬鹿です、私」
おそらくは私の勘違いだと思う。先輩はちょっと夢見心地に動いただけで、そんな意味は本当は無かったのかもしれない。それでも今は、その妄想を信じていたかった。
「あずにゃー…ん」
ああ、そう思ってしまったこと自体、私は先輩を見くびっていたのだろう。だって、先輩の腕は、寄り添った私のことをちゃんと抱きしめてくれたんだから。
「唯先輩…」
嬉しくなる。嬉しさが溢れて、弾けてしまいそうになる。先輩を力いっぱい抱き返したかったけど。
「にゃあ…」
先輩の胸の中で、私の胸の中で、あずにゃん2号が小さな声を上げる。そうして、私の胸元に甘えるように頭をこすり付ける。
「もう、あずにゃん2号…今だけだからね」
先輩と私の間、少しだけだけど、分けてあげるから。…そう、最初からそうしておけばよかったんだ。先輩と一緒になって、あずにゃん2号と遊んでいればよかった。
嫉妬なんて、必要なかった。だって先輩の腕は、今こうして私を抱いてくれているから。
先輩を抱き返そうと思っていた右手を、そっとあずにゃん2号に添えてあげる。応えるように、あずにゃん2号はくるりと背を丸めて、私の手のひらへその形を合わせた。
「起きたら…一杯遊んであげるからね…唯先輩と一緒に」
そう、一杯遊んであげよう。私と唯先輩の間に、あずにゃん2号がいる時間を楽しもう。それはきっと楽しいし、大切な思い出になるから。
「でも、唯先輩…」
あいていた左手を、そっと唯先輩のほっぺに当てる。んぅ、なんて可愛い反応が返ってきて、私は思わずくすりと笑ってしまう。
そしてこつんと額を当て、視界一杯に広がった唯先輩に、小さく囁いた。
「あずにゃん2号にわけた分、後でしっかり私に返してくださいね…」
それでもそう言ってしまう私は、きっと嫉妬深いってことなんだろうなと、もう一度くすりと小さく笑った。

139:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 14:17:00 2hFUmMsH
以上となります。
それと、wikiへの勧誘ありがとうございます。
まとめwikiの方へは、元々添い寝は保守ネタだったということもあり、今のところはいいかな…と。
というより、編集したこと無いのでミスってえらいことになると怖いというのが一番だったりもします。
貯まってきたら、編集の仕方勉強するか、適当なスペースに一覧上げるかしようかと思います。

140:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 14:20:06 2hFUmMsH
>>125
いつもあまあまなのありがとうございます!
>>128と同じフレーズが浮かびましたw

141:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 15:57:41 6O0tdYdf
あらあらまあまあまあまあ

142:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 16:48:07 tXDxsrIi
はやく結婚しちまえ
だが、結婚するって言った時の憂の反応が気になる。
ヤンデレ化するか、しないか…見ものだな。

143:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 16:56:24 ovrdlLoT
>>139
お前大好き

144:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 18:46:05 fcuycgOr
>>139
2号がGJすぎる

145:ゆいあずでばれんたいんとか
09/07/28 21:16:16 OOq+qxhN
 2月13日、明日は女の子の日。
「お姉ちゃん、できた~?」
 私は、憂に教えてもらってチョコを作っている。
「まだだよ~」
 自分で作るのは今回が初めてだから、上手くできない。
 やっぱり無理なのかなぁ……。
「はぁ……」
 隣を見ると、憂がお手本に作ってくれたチョコレート。
 ……憂は、本当に何でもできてうらやましいな……。
「お姉ちゃん?」
 そんなことを考えて落ち込んでいると、憂に声をかけられた。
「ん……なに?」
 自分の声に覇気が無いのがわかる。
「なんだか落ち込んでるみたいだけど、どうしたの?」
 憂が心配そうに聞いてくれる。
 ……本当に、よくできた妹だなぁ……。
「なんだかね……」
「うん」
 憂は静かに話を聞いてくれるから話しやすいな……。
「憂みたいに上手くできなくてね……」
「うんうん」
 相槌も忘れないし。
「自分が嫌になってきちゃったの……」
「……」
 私が話し終えると、憂は目を閉じて何かを考え出した。
「う、憂……?」
 どうしたんだろうと思って声をかけると、憂は目を開いて、
「上手にできなくてもいいんだよ?」
 と言った。
「へ?」
「味が変でも、形が不恰好でも、そこに気持ちがこもってたらそれでいいんだよ」
「そ、そうかなぁ……」
 私だったらやっぱり嫌だと思うけど……。
「そうだよ!」
 でも、憂は自信満々って顔でそう断言してくれた。
「ち、ちなみに……根拠とかあるの?」
 憂のことだからあるに決まってるだろうけど……。
「お姉ちゃんだって、梓ちゃんから貰ったチョコなら、どれだけ味が変でも形が不恰好でも喜んで貰うでしょ?」
「そ、それはそうだけど……ってどうしてあずにゃん限定!?」
 びっくりして確認すると、憂はあっけらかんと、
「だって、お姉ちゃん梓ちゃんのこと好きなんでしょ?」
 そう言ってくれた。
「すすす好きぃ!?」
 どきどき。
 憂の突然の言葉に心臓の鼓動が速くなる。
「違うの?」
「ち、ちがうっていうか……どうしてそう思ったの?」
「だって、お姉ちゃん梓ちゃんのお話をするときが一番楽しそうなんだもん」
「そ、そうかな……?」
 そんなつもりは無いんだけど。
「今作ってるチョコだって、梓ちゃんにあげるんでしょ?」
「そ、そうだけど……」
「だから、梓ちゃんのことが好きなのかなって」
「そうなんだ……」
 憂は変なところで鋭いからなぁ……。隠し事ができないや。
「それで、実際はどうなの?」
「な、何が……?」

146:ゆいあずでばれんたいんとか
09/07/28 21:17:32 OOq+qxhN
>>145

 憂、ちょっと顔が怖いよ……。
「梓ちゃんのこと、好きなの?」
 ……ここまできたら、隠しても無駄だよね……。
「たぶん……好きなんだと思う……」
「……そう」
 観念して打ち明けると、憂はようやく追究しなくなってきた。
「だったら、とにかく気持ちをこめて作れば梓ちゃんも喜ぶと思うよっ」
「そ、そうかな?」
「そうだよっ! ……あ、あとは作ってる間、梓ちゃんの喜ぶ顔を思い浮かべてるといいと思うよ?」
「あずにゃんの喜ぶ顔?」
「うんっ! お料理を作るときはね、そうするとおいしくなるんだっ」
「そ、そうなんだ」
「だから、お姉ちゃんもがんばってねっ」
「う、うん……。ありがと、憂」
 素直に感謝すると、憂はそれじゃーねと言って二階へ上がってしまった。
 ……憂、泣いてた?
 なんだか目から水が垂れてたけど……。
「―うんうんっ! 今はそれよりもチョコ作りに専念しよっ」
 せっかく憂がアドバイスしてくれたんだもん。ちゃんと作らなきゃっ。



「―できたっ」
 あれから何度も失敗を繰り返して、完成したのは結局2時ぐらいだった。
 いつもなら寝ている時間帯だ。
「後はこれを冷蔵庫に入れてっと……」
 明日の朝には固まってるよね?
「あずにゃん、よろこんでくれるかな~」
 憂は気持ちがこもってればそれでいいなんて言ってくれたけど……。
「―うん、憂を信じるっ」
 心配してもなるようにしかならないんだし、今日はもう寝よう。
 ……おやすみなさい―

147:ゆいあずでばれんたいんとか
09/07/28 21:18:18 OOq+qxhN
 翌日、放課後。
「あ~ずにゃ~んっ」
 だきっ。
「わわっ……どうしたんですか、唯先輩」
 ティータイムの前に渡さないとっ。
「私ね、チョコ作ってきたの~」
 ぴくっ。
 そう言った途端、あずにゃんが反応した。
「唯先輩が、チョコレートを……ですか?」
「うんっ」
「だ、誰にですか……?」
「あずにゃん、ちょっと目が怖いよ……?」
「答えてください、誰に作ってきたんですか?」
「それはもちろん、あずにゃんにだよっ」
 答えると同時に、チョコの入った箱をあずにゃんに突きつける。
 こうでもしないと恥ずかしさで死んじゃいそう。
「え……私に、ですか?」
「そうだよっ」
「……」
 あれ、どうして無言……。
「あ、あずにゃ―」
「ありがとうございます、せんぱいっ」
「―わわわっ」
 どうしたのかなと思って顔を覗き込もうとしたら、急にあずにゃんに抱き付かれた。
「あ、あずにゃん……?」
「私、嬉しいです。先輩からチョコレートをもらえるなんて」
「えっと……」
 とりあえず、あずにゃんには喜んでもらえたんだよ……ね?
「そ、それはわかったから……とにかく、食べてくれないかな?」
「あ、そ、そうですね……せっかく先輩が作ってくれたチョコレートですし……」
「う、うん……初めて作ったから上手くできてるかどうかわからないけど……」
 ―ぱくっ。
「ど、どぉ……?」
「もきゅもきゅ……ちょっと、苦いですね……」
「や、やっぱり……」
 分量間違えたのかな……。
「でも」
 また落ち込みそうになったところで―
「先輩の気持ちがこもってるみたいで、なんだか胸がほわほわします」
 ―あずにゃんがそんなことを言ってくれた。
「うんっ! だいすきって気持ちをこめたよ!」
 もうやけくそっ!
「せんぱい―」
「うん?」
「―わたしも、せんぱいのことが、だいすきですよ」
「―うんっ!」



Fin

148:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 21:19:04 OOq+qxhN
お目汚し失礼した
それでは

149:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 21:51:32 uEIi7ZQ/
>>148
GJ

150:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/28 22:06:39 SFveBwhc
>>148
かわ唯な!GJ!

最近ss多くて嬉しい限り!

151:↓コイツをどう思う
09/07/29 00:37:46 2e4fifqy
ある日唯は梓に呼び出された。
唯「え・・隊を辞めるって?」
梓「はい・・両親の病気が悪化して・・」
唯「・・・・わかった。あずにゃんはお父さんとお母さんの所にいってあげて」
梓「で・・でも・・」
唯「しょうがないよ。そういうことじゃ・・」
梓「本当にすいません」
梓が隊を去ったその日から・・・。
学校
ハ「ねえ?唯」
唯「・・・・・・・」
苺「おい、平沢」
魔「ちょっと唯・・」
枯「お~い、唯ちゃ~ん」
唯「・・・・・・・あずにゃん・・・」
任務(戦闘)中
敵「おい、あれ見ろよ」
敵「ああ」
敵「背中がガラ空きだぜ」
敵「死ね!!隊長格!!」
唯「あずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃん」
敵「なっ・・・」
敵「うぎゃあああああ!!」
敵「う・・うわあああああ!!」
敵「ゆ・・ゆるして・・・ぐえっ・・」
苺「おい、これ以上やるとまずいんじゃねえのか?」
ハ「確かに・・いつもの唯ちゃんじゃないわね」
枯「バンド練習にも身が入ってないようだったし・・唯ちゃん」
魔「もう、これくらいでやめようよ梓・・・」
隊長室
唯「さてと・・早くを終わらせないと・・」
唯はそう言い机の上を見る。そこには、積み上げられた書類の山があった。
普段なら、これを梓と二人で片付けるのだが・・・。
唯(そっか・・あずにゃんいないんだった。それにいつもこんなに手伝ってもらってたんだ。・・・隊長なのに・・・)
唯はそう思うと、地道に片づけていくことにした。しかし。
唯「あ・・何だか眠くなって・・・」
睡魔に勝てずに寝てしまった。
数時間後
?「起きてください、唯隊長」
唯「あと少し~」
?「ダメです。こんな所で寝たら、風邪ひきますよ」
唯「・・・あ・・あれ・・あずにゃん?」
梓「はい、唯隊長」
唯「あ・・ああ・・あずにゃ~~~ん!!」
梓「ちょっ・・唯隊長。苦しいです」
唯「ふぇえええ~ん。よかったよかった」
梓「泣かないでください。唯隊長。それに・・・」
唯「ふぇ・・それに?」
梓「この書類の山を片づけちゃいましょう。手伝いますよ」
唯「うん」
翌日から、副隊長に引きずられていく情けない隊長の姿が、再度目撃されたという。
~END~

↑すいません、痛いオリジナル設定とか、けいおんじゃないキャラ(ハ、苺、枯、魔)とかだして。唯×梓のつもりで書きました。

152:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 00:56:35 JmZc3uh4
ハ、苺、枯、魔ってのがどこの誰だか分からん

153:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 01:14:07 nIqiphRo
文化祭のライブがきっかけに可愛い後輩達になつかれるようになった唯を見て
嫉妬してしまうあずにゃんが見たいれす

154:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 01:29:15 bUWYOP0L
>>153
同志発見!
「あのギターの先輩、カッコイイよね」
「今度はなしかけてみようかな」
なんて話してるクラスメイトを見て、普段の唯先輩を知らないから
なんて余裕を見せている梓だったけど、
紹介を頼まれて、それくらいならと紹介して、クラスメイトと楽しそうに話す唯を見て
なんかどよどよとした気持ちが生まれてきて戸惑ったり。
クラスメイトが帰って、嬉しそうにしている唯に、きつく当ってしまったり。
そしてすぐに後悔して、私なにやってるんだろと落ち込んだりして。
そのあとでこじらせるか、すぐ仲直りさせるかで短編か長編に分岐か…
妄想が膨らみますね!

155:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 01:59:06 niBGkqAF
>>153

「中野さん、ちょっといいかな?」
 今日もクラスの子に声をかけられる。
「うん? 何か用?」
 だいたいわかるけど……。
「その、軽音部に平沢先輩っているでしょ?」
 やっぱり。
「唯先輩がどうかした?」
 半ばテンプレとなった返事を返すと、その子は顔を赤らめながら、
「できたら、私のことを紹介してほしいなって……」
 そんなことを言うのだった。
「はぁ……」
 正直、今まで何度も繰り返してきたやり取りだから驚かないけど……。
 ―唯先輩、意外ともてるんだなぁ……。
 確かに、かわいいのはわかるけど……。



後はしらん

ところでここって他のところで投下したのでもいいのか?

156:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 02:09:52 JmZc3uh4
そのような不届き者は後でこっそり憂さんが穏便に始末します
「ごめんね、お姉ちゃんと梓ちゃんと私の邪魔をする人はどうしても許せなくて…」


黒いってレベルじゃねえな

157:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 06:36:40 CJAGWZ0V
寝起きでss置いてきます。

「少女達の憂鬱」
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

158:勝負あり! 1-2
09/07/29 06:41:06 mwuB18eB
>>155

(うぅ…気が重い…)

いつもは楽しみでしょうがない音楽室への足取りは今日はとてつもなくて重い…
押し切られたとは言え自分の好きな人に別の娘を紹介しなくちゃならないなんて、こんなにきつい話はない

なにより断り切れなかった自分にすごくイヤだ…
後ろではクラスの娘が唯先輩がどれだけカッコいいか、ずっと力説してるし…

(唯先輩がステキなのはもう十分知ってるよ…)

心の中でクラスメートに反撃しながら、私は音楽室のドアを開いた

「遅くなりましたー…」
「あ~ずにゃ~んっ」

…開いた瞬間には、もう唯先輩の顔が私の間近にまで迫っていて……って早ッ!



159:勝負あり! 2-2
09/07/29 06:41:59 mwuB18eB
「まちくたびれてあずにゃん分が切れそうだったよ~」
「きょ、今日は掃除当番だから遅くなるって言っといたじゃないですか」
「これでも我慢してたんだよ~。あんまり寂しいから教室まで迎えに行こうかなって思っちゃったけど…」
「昨夜あんなにお話ししたじゃないてすか…」
「でもでも、あずにゃん、昨日は泊まってってくれなかったし…やっぱり寂しいよ~…ぎゅ~っ」
「も、もう、唯先輩ったら…」
「あれ~?今日はお客さんと一緒なの?」
「へ?あ!」

いつも通りのスキンシップにのめり込んでて忘れそうになっちゃったけど、今日はクラスの娘と一緒だったっけ!

「初めまして、あずにゃんの嫁こと平沢唯ですっ!あ、でもでもあずにゃんも私の嫁なんだよね~。
どっちも女の子の場合、なんて言うのがいいのかな?先輩だしメインギターだから私のほうが旦那様って名乗るべきかな?
どう思う?あずにゃん?」
「えぇっと………」

…引き受けた以上、最低限の責任は果たそうと考えてはいたんだけど。
紹介を始める前に私についてきたクラスメートは目を丸くしたまま固まってしまい、
続いて顔を真っ赤にして卒倒してしまった…

は、初めて見る人には刺激強かったかな…

慌てて彼女を抱き起こしたら「ゆいあず最高!」と言われちゃいました(しかも鼻血つきで)。


160:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 10:19:41 +/+dNirp
>>157
相変わらず素晴らしいぜ

>>159
まさかの紬二号

161:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 12:05:35 743gJfhm
>>139
とりあえず添い寝は1から読み直したいのでうp願う。載ってれば誰かが保管庫に転載してくれるはずw

>>148
当然あずにゃんからのお返しも有りますよねv??

>>157
おk、待ってましたw

>>159
昨日はって事はしょっちゅう泊まりこんでるんですね、判ります。


…如何やら俺は『ゆいあず』と言う名の不治の病に陥ってるようだ。

162:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 12:29:36 nBEUYQTb
決して終わらない、エンドレスユイアズです

163:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 12:31:51 VME0Cptu
>>157>>159
GJ!
どちらともオチにワラタw

>>161
添い寝シリーズはwikiに誘導してたよ。

164:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 13:21:54 VME0Cptu
って、ごめん…食い違いな事言ってしまったけど、添い寝さんの唯梓はこっちに行けば見れるよ。

URLリンク(www39.atwiki.jp)

165:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 14:03:52 M9SaubWz
外では蝉が元気いっぱい鳴いている夏休みのある日。
「えと、ここはこうやって、それからこう……。よし、出来た!」
「では忘れないうちにもう一度やってみましょうか」
音楽室にいるのは私と唯先輩の二人だけだった。

澪先輩は夏期講習が、律先輩とムギ先輩は朝に予定がそれぞれ入っていたために軽音部としての練習は午後からとなっていた。
だけど前の日に唯先輩が『みんなとの練習の前に教えてほしいとこがあるんだけどいいかな?』とのお願いをしてきたため、
断る理由もない私は朝から音楽室にこもって唯先輩と二人きりでギターの練習していた。
先輩に頼られて悪い気はしないし、私もいつか唯先輩と二人で練習したいと思っていたこともあって、この状況はとても嬉しかった、……んだけど、
「ふう、それにしても暑いねー」
「そうですね……」
この時すでに音楽室は想定外の暑さとなってしまっていた。
窓は開けてるけど残念なことにほぼ無風状態のため空気の流れがほとんどない。
そこへ夏の太陽の灼熱光線というダブルパンチで音楽室はまさに蒸し風呂状態となっていた。
静かにしてても汗はとめどなく流れるし、心なしか脈も速くなっている気がする。

「ホント、夏なんかなくなっちゃえばいいのに。あずにゃんもそう思わない?」
「……」
「あずにゃん?」
「……え、何です?」
唯先輩がどうしたの?と言わんばかりの表情で私の顔をうかがっている。無意識とはいえどうやら唯先輩を無視してしまったらしい。
これもきっと暑さのせいだ。暑さのせいで頭が回らなくなってきてるんだ。しっかりしなきゃ。
自分にそう言い聞かせ、唯先輩の言葉に反応できなかったことを自省する。
「あずにゃん大丈夫?少し休む?」
私の様子を見かねた唯先輩が心配して声をかけてくれた。唯先輩のこんなさりげない優しさに私は何度となく助けられてきた。
暑さに少しやられ気味だけど、優しい先輩にこれ以上心配をかけさせないためにもここは元気なところをアピールして安心させてあげなきゃ。
「ひえ、せんふぁい。だひじょうふれす」
唯先輩を安心させよう、その考えとは裏腹に呂律の回っていない言葉。それは私の異常事態を示すには十分だった。
「はれ?」
「あずにゃん!?どうしたの!?」
思いがけない私の舌足らずな返答に唯先輩は驚きを隠せず、より大きな声で私に呼び掛ける。
しかし私は唯先輩の呼び掛けに答えることすらできずに意識を闇へと落としてしまった。


「……ん」
目を覚ますと私は見知らぬ場所にいた。何か情報を求め、ふと横に目をやるとそこには両親と白衣を着た人が立っていた。
その白衣の人―お医者さんの話によれば、私は中度の熱中症だったらしく、音楽室で倒れてここに運ばれたそうだ。
ただ中度といっても侮ってはいけないようで、放置したり誤った処置をすれば命の危険もあったと聞かされ私は背筋の凍る思いがした。
念のため一日の入院措置がとられること、そしてすぐに対応してくれた人に感謝すること、その二点を告げて先生と両親は病室を出て行った。
一人になった病室で私は考える。
あの時一緒にいたのは……、ぼんやりとした記憶を必死で呼び戻すと一人の先輩の顔が浮かんできた。
「唯先輩だ……」
命の恩人といっても過言ではないその人は、私の中の想像にもかかわらず私に笑いかけてくれている。
その夏の太陽よりも明るい笑顔に私の胸は熱くなった。
「唯先輩……」

166:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 14:07:19 M9SaubWz
翌日、何事もなく退院を迎え病院を出るとそこには軽音部の先輩たちが待ってくれていた。
両親は私がすでに心配する状況でないこともあり、先に帰るから先輩たちと話してきなさいと言ってその場を去っていった。

「あっずにゃーん」
真っ先に唯先輩が抱きついてきて、想像ではない本物の笑顔をめいっぱい私の顔に擦り寄せてくる。
いつもなら少しばかり鬱陶しく感じることもあるこのスキンシップも、今はとても嬉しく思える。
そんな私たちの様子を見ながら澪先輩が私に話しかけてきた。
「梓、無事でよかったよ。それにしても昨日はかなりびっくりしたぞ。
 授業中に突然唯がやってきて、『澪ちゃん大変、あずにゃんが倒れた』って言うもんだからさ。
 先生もみんなも、もちろん私も呆気にとられてると『何してるの、早く行ってあげて。私は救急車呼ぶから』って」
「凄い行動力と決断力だったんだよな、普段からそれくらいやってくれりゃいいのに」
律先輩の皮肉交じりの褒め言葉に、唯先輩は私に抱きついたまま答える。
「だって大事な大事なあずにゃんが大変なことになっちゃったんだよ。そこには他に私しかいなかったんだし、当たり前のことをしただけだよ」
唯先輩は当たり前のことだと言ってるけど、緊急時に実際に行動できる人は少ないと聞く。
唯先輩が早急に行動を起こしていなかったら私は一体どうなっていたのか。それを考えると感謝の気持ちから涙が出てきた。
「唯先輩、グスッ、本当に、グスッ、ありがとうございました」
突然泣き出した私に唯先輩は戸惑いの表情を見せた。だけどすぐにニコリと微笑み私の頭を撫でながら優しく語りかけてくれた。
「あずにゃんが一番大変だったんだよね。ごめんね、私がもっと早く気付いてあげてたらこんな大変な思いさせずにすんだのにね」
―どうして唯先輩が謝るんですか?唯先輩のおかげで私は今こうしていられるんですよ―
溢れ出る気持ちを伝えようとするのに、涙のせいで全く言葉になってくれない。そんな自分が悔しくて、私は唯先輩の胸を借りて泣き続けた。
そんな私を唯先輩は何も言わずにずっと優しく抱きしめてくれていた。

どれだけ泣いただろう、私はゆっくりと唯先輩の胸から顔を離す。
「……すみません。みっともないとこ見せちゃいましたね」
「ううん、いろいろあったんだから泣きたいときは泣いていいんだよ。嬉しいことも辛いこともみんなで分け合おう」
唯先輩は相変わらず温かく、そして少し恥ずかしい言葉をかけてくれる。
……いつからだろう、そんな唯先輩に特別な想いを抱きだしたのは。
その答えは分からない。いや、分かる必要なんかないのかもしれない。今、この瞬間、唯先輩が好き。もうそれでいいじゃない。
この出来事は私の中でぼんやりとしていた唯先輩への想いをはっきりとしたものにさせるために神様が私に与えた試練でありプレゼントだったのかもしれない。
なら、その神様に対して私の答えを示さなくちゃ……。

「唯先輩、本当にありがとうございました。私、この出来事であることに気付いたんです。
 いえ、気付いたというより、改めて気付かされたって言ったほうがいいのかもしれません。
 それを唯先輩に言うべきか一晩かけて考えたんですけど、言うことにしました。聞いてくれますか?」
「なーに?あずにゃん」
純粋無垢な笑顔を私に向けて続きを待つ唯先輩。
もう何度となく見てきた笑顔なのに、そのおかげであの時とは違う理由で脈が速くなる。
高まる気持ちを抑えるために私は大きく深呼吸をし、覚悟を決めて唯先輩と正対する。
そして、心からの気持ちを精一杯言葉にして唯先輩にぶつけた。


「私、唯先輩のことが……」

167:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 14:52:31 niBGkqAF
>>164
あー、勝手に保管しといたんだけど大丈夫だった?
他にもいろいろ保管してるんだけど、だめなら言ってくれ
確認したら削除するから

とりあえずまとめてGJ

168:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 19:08:44 VME0Cptu
>>166
GJ!
その後の唯はあずちゃんの告白の返事間違いなしにしか思えないね!

>>167
多分、作者さんと管理人さんが容認してるなら大丈夫じゃないかな?

169:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 20:17:45 niBGkqAF
>>168
そうか
管理人は放任主義だし作者がどう思うかだな
しばらくは回答待ちしとくよ

170:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 22:00:59 dm/Q7HXy
>>164
見れないんだが・・・

171:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 22:06:03 niBGkqAF
>>170
どういう意味で見れない?
文章が消えてる? リンクが繋がらない?

172:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 22:34:28 dm/Q7HXy
>>171
URLがクリックできないし直接入力しても繋がらない



173:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 22:52:37 +/+dNirp
普通に繋がるけどな
やり方が悪いんでない?

174:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:11:25 FJmV+UeP
まさかと思うがh抜き知らないとかじゃないよな

175:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:17:36 dm/Q7HXy
h抜きって何?

176:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:22:08 FJmV+UeP
それくらいググれ

177:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:23:06 4UcxQiNw
少しは自分で調べろよ
URLリンク(ja.wikipedia.org)

あと、2ch見るなら専ブラ使えよ。(専ブラが何か聞くなよ

178:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:29:28 dm/Q7HXy
h抜きの意味が分かったしつながった!
協力してくれた方々本当にありがとう

179:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:38:41 9G1DrecR
みなさんお疲れ様です。

唯×梓×澪×美穂子(キャプテン)×ハルヒ×なのは×秋葉×苺×紬×サヴァリス×律

書けたらいいな。

180:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/29 23:40:55 9G1DrecR
↑おもらし×ドラ×ピンクも

181:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 00:07:58 niBGkqAF
期待してる

182:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 11:41:49 ay7YK5za
誰も突っ込まないんだなw

今年も合宿に行くとしたら必ず唯梓描写を出してほしいなぁ。
後、夏祭りを一緒に行くイベントもあったらいいなぁ、と思っている。

183:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 19:04:17 YZ0/YLuZ
合宿では今年も一緒に寝てくれるさ

184:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 22:44:31 H4rQ0G3S
澪スレより転載
URLリンク(ranobe.com)
やはりこの2人はもうなんていうかその

185:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 22:59:26 iQ/OHxdk
>>184
とりあえずムギは俺と変わってくれマジで

186:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 23:35:57 KLq7T0mi
いい加減誰か唯と梓の結婚後の話書いてくれ

187:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/30 23:41:14 9PkkA4vO
>>184
ムギが後押ししてるっぽいw

188:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 00:56:08 ydXcA1wz
>>184
これは破壊力抜群!あずにゃんの表情がもうたまらん!

189:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 01:03:16 qiVjus4N
そう見える

190:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 03:17:40 xHM1Xo77
>>184
唯と梓はお互いでいい表情をしながら一番おいしい位置にいるなw
片方の手で重ねあいつつ、もう片方のあずにゃんの手を唯が握ってて素晴らしい!

191:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 14:31:26 0CKM4OFJ
なんだこの唯梓画像はwwけしかrもっとやれ!!
ムギ、これからも後押しお願いします。

192:ゆいあずでばれんたいんとかあふたぁ ◆/BV3adiQ.o
09/07/31 21:22:12 DgM2/N97
 唯先輩からチョコレートをもらった後。
「おじゃましま~す」
「はいどうぞ」
 お返しを用意していなかった私は、唯先輩を家に招待することにした。
「今日は両親とかいないの?」
「はい、二人とも仕事で外に行ってて」
「そっか、じゃあ今は二人っきりだね」
 ぴくっ。
 二人っきりという何気ない言葉にどきりとする。
 そうか……今、唯先輩と二人っきりなんだ……。
 いまさらその事実を認識する。
「あずにゃん、どうしたの?」
「あ、いえ……なんでもないです」
 内心のどきどきを悟られないように普段通り答える。
「そっか」
 すると、唯先輩はあっさりと引いてくれた。
 ……ほぅっ。
「それじゃ、上がってください」
「うんっ」
 心臓を落ち着けてから、唯先輩を家に上げる。
 ……こんなのでこの先大丈夫なのかな……。

193:ゆいあずでばれんたいんとかあふたぁ ◆/BV3adiQ.o
09/07/31 21:23:04 DgM2/N97
「それにしても、あずにゃんから誘われるとは思わなかったよ~」
 廊下を歩きながら、隣で唯先輩がそんなことを言う。
「そりゃ……お返しがまだでしたから」
 言いながら、もらったときの暴挙を思い出して赤面する。
 気持ちが暴走しちゃったからなぁ……。
「お返しって……今から作るの?」
「はい」
 気がつくと、リビングに着いていた。
「チョコ作るのってそんなに早くできるの?」
「まぁ、少し待っててください」
「わかった」
 唯先輩にはリビングで待っててもらい、私は台所へと向かう。
「えっと、まず―」
 牛乳150ccを電子レンジで1分間暖める。
「その間に……?」
 買ってきたチョコレートを細かく砕いてカップに入れる。
「牛乳が温まったら―」
 それを半分ぐらいカップに注いでよくかき混ぜ、チョコレートを溶かす。
「しっかりと溶けたら……?」
 残りの牛乳を全部注いでよく混ぜ、マシュマロを浮かべる。
「最後に―」
 マシュマロが膨らむまで電子レンジで暖める……と。
「―できたっ」

194:ゆいあずでばれんたいんとかあふたぁ ◆/BV3adiQ.o
09/07/31 21:23:57 DgM2/N97
 完成したものを持ってリビングへ向かうと、唯先輩は開口一番に―。
「待ちくたびれたよぉ~」
 ―ぶーたれた。
「待たせてしまってすみません」
 言いながら、左手に持ったカップを掲げると、
「それ、なぁに?」
 途端に元気になる先輩。
「ホットチョコレートです」
「いいにお~い」
「これが、私からのお返しです」
「わぁ~い」
 ……どうしてこんなことをしたのかわからない。
「―え?」
 喜んで伸ばされる唯先輩の手を寸前で避けると、目の前には不服そうな唯先輩の顔が。
 そのまま左手を口に持っていく。
 ごくごく。
「え、ちょ、それ私のじゃ―」
 それ以上、唯先輩の言葉は続かなかった。
「んむ……」
「ん……」
 私が、唯先輩の口を塞いだために。
 舌で唯先輩の唇を割り、口内へと侵入する。
 そして、チョコレートを口移ししながら唯先輩の舌を見つけ出し、私の舌を絡める。
 ……甘い。チョコレートの甘さもあるんだろうけど、唯先輩の舌はとても甘かった。
「んっ……んぐ……」
「ふ……ん、ぅ……」
 唯先輩の腰に手を回す。
 私は、唯先輩の舌の甘さを味わいながら目を閉じた―



「―ぷはっ」
 それから何分経っただろうか。
 軽く10分ほど唯先輩の口内を味わい尽くし、ようやく唇を離した。
「あっ……」
 唯先輩はまだ満足してないとでも言いたげな顔でこちらを見てくる。
 赤い顔に潤んだ眼がいやらしい。
「……これが、私からのお返しです」
「お返し……」
「満足ですか?」
 そう言うと、唯先輩は恥ずかしそうに、
「まだ、満足してないかな……」
 と、言った。
 あぁもうどうにでもなれっ!
「それじゃ、続きは私の部屋で―」
 勇気を出して自室に誘うと、唯先輩はますます顔を赤くしながら―
「うんっ」
 ―だけど、とびっきりの笑顔でそう返事をしてくれた。



Fin

195:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 21:25:22 DgM2/N97
本スレでおさるさん食らったためこちらに先に投下
行数制限忘れてて1つレスが増えて申し訳ない
転載と思われちゃかなんので酉を一応

お目汚し失礼した
それでは

196:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 21:40:06 +CcFakDT
>>195
GJ
まったくここは心のオアシスだよ

197:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 22:02:27 5ySFbNZM
>>195
最高でした

198:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/31 23:16:03 GUWMqArR
>>195
あれ?なんか鼻から赤い鼻水が・・・・・・

199:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/01 00:10:49 /HvUSIH/
>>195
ニヨニヨが止まらないww

自分もss置いてきます。
「第1次ねこ大戦!」
URLリンク(wiki.livedoor.jp)

あ、一応R-18なんで、気をつけてください。

200:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/01 00:26:38 dNlYC3fa
>>199
俺最近 「ゆいあずシリーズ EP○  ※『○○○○○○』の続き」  
って所を見るだけでもうハァーン(AA略  ってなるw

URLリンク(up2.viploader.net)



201:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/01 01:34:29 phbB2Oiu
>>200
ああ、おそろいだなんてもうかわいい

202:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/01 01:50:08 HsPEGeCH
やばい・・・理性が・・・。

203:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/01 13:23:29 IQUNJe5f
>>199
最高でした!

2人はもっと日常的にねこ耳おそろでいてもいいような気がしてきた
ギターひくときとか

204:名無しさん@お腹いっぱい。
09/08/01 13:55:18 LwfOwgQt
「えーと、確かここら辺のはず……。あ、もうみなさん集まってる」
私が集合場所に到着すると、すでに先輩たちは集まっていた。
「すいません、お待たせしました」
「遅い!先輩を待たせるとはどういうことだ!」
律先輩のお怒りの言葉がとんでくる。
「おい律、梓だって集合時間より前に来たんだからそんなに怒るなよ」
澪先輩が助け舟を出してくれた。澪先輩の言うとおり、私がここに到着したのは集合時間の十分前だ。
十分前に着けば大丈夫、その考えが間違いだった。
何かイベントごととなったときの先輩―特に律先輩の行動力をすっかり忘れていた。
「まあ、そうだな。梓も遅れたわけじゃないし、気を取り直して行くとするか」
すぐに機嫌を取り戻した律先輩の号令で、私たちは花火大会会場に向けて出発した。

「今度の花火大会、みんなで行かない?」
律先輩の一言で軽音部のメンバーで花火大会へ行くことは半ば強制的に決定した。
「ちなみに、参加資格は浴衣を着てくることね」
そのとき提示された参加資格をちゃんと守って、当日は全員浴衣姿で集まった。
最初は正直面倒だと思ったけど、澪先輩の凛とした姿やムギ先輩のはんなりとした立ち居振る舞い、
そして唯先輩の普段とは違う可愛らしさが見られたのであのとき浴衣を着てくるように言ってくれた律先輩に心の中で感謝の言葉を述べた。
律先輩は、まあカッコよかったかな。

会場に到着してみるとすでに人で溢れかえっていた。
「みんな、はぐれるなよ。特に梓は小さいんだからより気をつけろよ」
「言われなくても気をつけますよ。あと身長のことは言わないでください。きっともう少し大きくなるはずです」
律先輩、心配してくれるのは嬉しいですけど、一言余計です。
「私は今のままのあずにゃんが好きだけどな。だってあずにゃん仔猫みたいで可愛いんだもん」
可愛いって小動物的可愛さですか。後半部分を少し残念に思っている自分がいた。
「でもこの人だかりだとホントにはぐれちゃうかもしれないね。あずにゃん、手、繋ぐ?」
「え、えと、すみません。それはさすがに……」
唯先輩の心遣いはとても嬉しいけど、人前でそれはさすがに恥ずかしい。
私が断ると唯先輩は少し残念そうに差し出した手を引っ込めた。
悪いことしたかな、とも思ったけど、改めて私から手を差し出す勇気はなかった。

律先輩が花火見物の穴場ポイント知っているというので全員でそこへ向かうこととなった。
私はお祭り名物の屋台を眺めながら先輩たちについていく。すると不意に何かとぶつかった。
何かと思って目をやると、見たところ小学校低学年ぐらいの男の子がキョトンとした表情で私を見ている。
推測するにお互いよそ見をしていて気づかずにぶつかってしまったようだ。
知ってる人とはぐれちゃダメだよ、そう注意して男の子と別れる。そのとき私はあることに気づいた。
―あれ?先輩?
そこにいるはずの先輩たちがいない。誰も私が立ち止まったことに気付かなかったのだろうか。
すぐ近くにいるだろうとしばらく先輩たちを探してみるけど、誰一人見つけられない。
早く見つけたい、そんな気持ちを無視して慣れない浴衣という格好、加えて夏の暑さが私の体力を容赦なく奪っていった。
しかたなく近くにあったベンチに座り込む。
何年振りだろう、私は迷子になっていた。言いようのない不安が私を包む。
高校生にもなって、と思われるかもしれないけど、やっぱり一人は心細い。
さっき律先輩に気をつけろと言われたばかりだったのに、さっき男の子に注意したばかりなのに、
そして、何故恥ずかしがらずに唯先輩の提案を受け入れておかなかったのか、後悔の念が私を襲う。
「……そうだ、携帯」
焦りが周りを見えなくさせていた。
なんで早く気付かなかったんだろうと自嘲して、私は浴衣に合わせて持ってきた小物入れの中から携帯を取り出そうとした。
「あれ?あれ?……ない!?」
家に忘れたのか、はたまたどこかで落としたのか、そんなことはどうでもよかった。
唯一の連絡手段であり頼みの綱であった携帯がない。その事実が私を奈落の底に突き落とす。
「どうしよう……」
一度安心してしまった反動で、不安は絶望へと変化してしまった。
冷静になって考えれば他の解決策が浮かんだのかもしれない。
しかし心理状況がそれを許してくれない。私は捨てられた仔猫のようにただただ震え、どうすることもできなかった。


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