09/07/28 21:16:16 OOq+qxhN
2月13日、明日は女の子の日。
「お姉ちゃん、できた~?」
私は、憂に教えてもらってチョコを作っている。
「まだだよ~」
自分で作るのは今回が初めてだから、上手くできない。
やっぱり無理なのかなぁ……。
「はぁ……」
隣を見ると、憂がお手本に作ってくれたチョコレート。
……憂は、本当に何でもできてうらやましいな……。
「お姉ちゃん?」
そんなことを考えて落ち込んでいると、憂に声をかけられた。
「ん……なに?」
自分の声に覇気が無いのがわかる。
「なんだか落ち込んでるみたいだけど、どうしたの?」
憂が心配そうに聞いてくれる。
……本当に、よくできた妹だなぁ……。
「なんだかね……」
「うん」
憂は静かに話を聞いてくれるから話しやすいな……。
「憂みたいに上手くできなくてね……」
「うんうん」
相槌も忘れないし。
「自分が嫌になってきちゃったの……」
「……」
私が話し終えると、憂は目を閉じて何かを考え出した。
「う、憂……?」
どうしたんだろうと思って声をかけると、憂は目を開いて、
「上手にできなくてもいいんだよ?」
と言った。
「へ?」
「味が変でも、形が不恰好でも、そこに気持ちがこもってたらそれでいいんだよ」
「そ、そうかなぁ……」
私だったらやっぱり嫌だと思うけど……。
「そうだよ!」
でも、憂は自信満々って顔でそう断言してくれた。
「ち、ちなみに……根拠とかあるの?」
憂のことだからあるに決まってるだろうけど……。
「お姉ちゃんだって、梓ちゃんから貰ったチョコなら、どれだけ味が変でも形が不恰好でも喜んで貰うでしょ?」
「そ、それはそうだけど……ってどうしてあずにゃん限定!?」
びっくりして確認すると、憂はあっけらかんと、
「だって、お姉ちゃん梓ちゃんのこと好きなんでしょ?」
そう言ってくれた。
「すすす好きぃ!?」
どきどき。
憂の突然の言葉に心臓の鼓動が速くなる。
「違うの?」
「ち、ちがうっていうか……どうしてそう思ったの?」
「だって、お姉ちゃん梓ちゃんのお話をするときが一番楽しそうなんだもん」
「そ、そうかな……?」
そんなつもりは無いんだけど。
「今作ってるチョコだって、梓ちゃんにあげるんでしょ?」
「そ、そうだけど……」
「だから、梓ちゃんのことが好きなのかなって」
「そうなんだ……」
憂は変なところで鋭いからなぁ……。隠し事ができないや。
「それで、実際はどうなの?」
「な、何が……?」