【けいおん!】唯×梓スレ 2at ANICHARA2
【けいおん!】唯×梓スレ 2 - 暇つぶし2ch123:添い寝ゆいあず合宿編3/3
09/07/27 04:04:35 n6DYqbtP
「…私につかまってください」
「え、で、でも」
「いいですから」
促すと、唯先輩は戸惑い気味に、それでもしっかりと私の手をつかんだ。少し腰を落として、ぎゅっと引き上げると、素直に私の腕にしがみついくる。
そのまま抱きかかえるようにして、先輩の体を抱えこんだ。先輩の体からは、先輩がそういったようにすっかり力が抜けてしまっていて、私の思うがままになってる。
ああ、考えてみるとさっき達成できなかったこと、これで叶ったのかも。そう思い、私はくすりと笑った。
尤も、そんな風に余裕を持てていたのは最初のうちだけだったけど。
もともと疲労も相当だったこともあり、先輩を抱えて歩くということは私にとってかなりの重労働のようだった。正直、いつ倒れこんでもおかしくないほどの。
人一人の体重というのは、思ったよりもずっと重いんだ、と私は実感させられていた。
「あ、あずにゃん…もういいよ、置いてっていいから」
「へ、平気です、これくらい」
プルプル震える腕と足に何とか力をこめて、私はずるずると引きずるようにして歩く。
私がこんなに小柄じゃなければ、ムギ先輩みたいに力持ちだったら、すんなり唯先輩を運べていたのに。
「あずにゃん…」
唯先輩に、こんなに心配そうな顔をさせることも無かったのに。
そう思うと、悔しくなってしまう。
「あずにゃん、いいから。私の部屋、遠いし…もう無理だよ」
唯先輩の言うとおりだ。悪いことに、唯先輩に割り当てられている部屋はさっきまでいた演奏スペースからは一番遠くて。私の現状から、そこまでたどり着けずにダウンしてしまうことは目に見えていた。
だけど、唯先輩を置いていくなんて、私にはやっぱりとてもできないことだったから。
「…私の部屋なら…すぐそこですから」
「え?」
「そこまでなら、何とかいけます」
疲労で朦朧とする意識の中、そう告げる。何かとんでもないことを口にしている気がするけど、今はそんなことより唯先輩を寝床まで運ぶことのほうが大事だった。
がちゃりとドアを開け、鍵を閉める。這いずる様にベッドまでたどり着き、ばたりとベッドに倒れこんだ。
「もう駄目です…動けません」
「あずにゃん、ごめんねえ…」
そういうや否や、私にしがみついていた唯先輩の体から完全に力が抜け、スースー寝息を立て始めた。
先輩が寝たんだから、私は別のところに行かないと。そう思うものの、私もここが限界のようだった。
言葉通り、指一本動かせそうにない。
そう、だから仕方がないんです。それだけですから、特別、なんですよ―先輩
そんなどう考えても裏腹とした思えない言葉だけを、最後の抵抗とばかりにポツリと浮かべ。
私はゆっくりと、支えてくれるベッドに沈み込ませるように、意識を手放した。
今夜はいい夢を見られそうかも、なんてそんなことを思いながら。

―お休みなさい、唯先輩


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