09/06/17 16:30:08 YoeTpmMO
律「じゃあ後で私のドラム叩かせてやるからさっ」
梓「別にいらないです!ていうか、ドラムとギターじゃ全然違うじゃないですか…
それにコレは私がギター始めた時からずっと使ってて愛着があるんです!」
律「はあ?何だよそれ、あたしがドラム大事にしてないっていうのかよ!?」
梓「やっ、ち、違います!そういう意味で言ったんじゃ…」
急に声を荒げて怒りをあらわにした律に、自分の発言の不用意さに気づく梓。
自分の方がキャリアが長く、このギターも長く使っている…そんな自負の気持ちもあったが
梓は無意識に『この人よりも、私の方が音楽も楽器も愛している』と思いこんでしまっていた。
普段の、なにかと練習を怠る姿や、ふざけて自分や澪に悪戯をしたり、冗談を言ったり…
そういったイメージばかりが印象に残り、不真面目な人間だと思っていたが、
そうではない律も、梓はちゃんと知っていた。
一度練習を始めれば、皆が納得いくまでとことんやりこむ情熱を持ち、
メンバーの気持ちを察して、時に励ましたり、冗談を言って緊張をほぐしたり…
そういう律のことを、無意識にとはいえ見下してしまっていたとに気づき、
梓の胸には申し訳なさと情けなさがこみ上げてきた。
そんな梓の表情から、言葉にならない言葉を拾い上げた律は
ふうっと軽く息をこぼすと、肩をすくめて 表情を柔らかく崩した。
律「まあ…確かに叩いて使うドラムと ほっそい弦を鳴らすギターじゃ違うもんなぁ」
梓「…!」
律「梓はギター歴も長いしそのギターも4年くらい…5年だっけ?」
自分の、謝りたい気持ちに先回りして 律自身に許されてしまった。
それが気恥ずかしさとなって、ますます『ごめんなさい』の一言が出てこなくなる。
行き場のない気持ちが身体をぐるぐると廻り、梓に行動させた。