09/06/15 00:03:33 dSotrN0R
律「最近、私のニセモノがいるんだってさ」
律はそう言って笑った。
津についてははぼくも聞いたことがあった。律だと思わせておいて、律ファンの男子を惑わせる性悪な
やつらしい。でもぼく自身は実際に津を見たことはなかったし、本当にそんな女の子がいるのかどうか、
ずっと半信半疑だった。
そして、どんより曇って今にも雨が降り出しそうなあの日の帰り道、ぼくは津と出会ったんだ。
ぼく「(あれ?あの後ろ姿……律だ)おーい、りっ…」
津「え、あたし?イヒヒヒ」
振り向いたその少女は、ぱっと見は律によく似ているけれど、よく見ると髪型や表情が微妙に違って
いて……そう、それが津だった。
ぼく「お、お前は津!」
津「そうよ、あたし津よ~」
ぼく「津!お前、りっちゃんになりすましてタチの悪い悪戯をし放題らしいじゃないか」
津「あ~ら、あたしはあんたたちのためを思ってやってるのよ、イヒヒヒ……」
ぼく「??」
津「律は人気者だもんねぇ。律スレは紳士の社交場。でもたまに暴走したり、変態さんが紛れ込むことも
あるでしょ。で、あたしの出番よ。律らしくないキャラとか、変態紳士の妄想の中の汚れ役はあたしが
まとめて引き受けてあげるってわけ。イヒヒヒ」
ぼく「津……」
そのとき、ぼくには津が何だか不憫に思えてきたんだ。