09/06/13 14:12:47 IgKPCc+U
エピソード5・目覚めー澪編(2/2)
豪炎は消え、魔法使い達は静まり返った。
セーラ「な…っ…私の魔法を打ち消しただと?」
澪「…い、生きてる…私生きてる!」
その時、白髪の老人と少女が現れた。それは、これより北西の雪原にそびえる僧都リゲルの長ハクと、紬だった。
ハク「セーラ殿、待たれよ!」
セーラ「ハ、ハク様!?」
紬「澪ちゃん、大丈夫!?」
澪「ム、ムギ!!」
ハク「事情は後で話しましょう。まずはこの少女の縄をほどいていただけませんかな」
その夜――…
セーラ「澪、と言ったか。まずは詫びよう。すまなかった。私はセーラ。古代遺跡シアで生きる魔法使いの末裔たちの長だ。ただ…澪、魔法を使えるのか?」
澪「魔法なんて知らないよ…むしろなぜあの時炎が消えたのか…」
セーラ「そこだ。ハク様、澪から不思議な気配を感じませんか」
ハク「ええ、紬さんとは違う…あなた方に似た魔法の力を…」
セーラ「澪、ちょっと来い。私が直々に魔法を教えてやる。まあ、簡単なメラとイオだけだがな」
澪「わ、私が魔法!?」
紬「澪ちゃん、頑張って。そして一緒に死の谷を越えて王都フェリスまで行きましょう!」
次の日――…
セーラ「どうやらお前には素晴らしい素質があるらしいな、完璧だ」
澪「つ…疲れた…」
紬「お疲れさま、お茶にする?…あ、部室じゃ…ないんだね」
澪「ムギ…。早くみんなに会って、元の世界に戻ろう!」
紬「そうねっ!」
ハク「私が送れるのはここまでじゃ。この短剣を持って行きなさい。魔を退ける効果がある。癒やしの心を忘れずにな」
紬「ハクさん、お世話になりました。私、このご恩は忘れません」
セーラ「澪、いろいろとすまなかったな。死の谷はここから東に行ったところにある。それからこの弓矢は餞別だ。気をつけてな」
澪「ああ、ありがとう」
澪と紬は魔法使いと僧侶に別れを告げ、死の谷を目指して東へと旅立った。