09/06/14 00:24:16 7E221XLh
律「………そう…だよな。…それ、なのに、私、
澪に、ひどいこと…言っちゃって…っ」
俺「泣くなよ。澪だったら絶対分かってくれるから。」
律「…っ、ごめん…」
俺「ほら、鼻かめよ。澪はまだ来てないんだろ?
澪が来るまでに泣き止んどかないと、また心配させちまうぞ?」
律「うん……ありがとう。もう大丈夫。」
俺「そっか、よかった。でも、さっきノックしたのが俺じゃなくて
澪だったら、今頃澪の前で泣き喚いてたかもな(笑)」
律「ふふっ、それはないって分かってたよ。澪だったら足音で分かるもん。」
俺「…そっか。そうだったな。」
まただ。いつもコイツは、何も知らないまま俺を苦しめる。
澪への気持ちは友情だし、俺への気持ちも友情。澪への気持ちの方が、律の中で強いだけ。
…だけど、俺の律への気持ちは、違う。
澪に嫉妬してしまう俺に、今日の律のことをガキ呼ばわりする資格なんてない。
ちくしょう。それもこれも、鈍感なコイツが一番悪いんだ。
今日だってバンドの練習抜けて来たのに、コイツが俺に見せる表情は変わらない。
でも…
律「…話聞いてくれてありがと。助かったよ。」
この笑顔を見れるだけでも、他のヤツの何倍も幸せなんだよな…。
くそぅ、とんだ小悪魔だ。
俺「いいっていいって。それより早く風邪治して、澪とちゃんと仲直りして、
学園祭の練習、頑張れよ。」
律「うん、あんたもね。今年もあんたの高校と同じ日になっちゃったんだよな。」
俺「そうだな。俺のギターを聞かせられなくて残念だよ」
律「それは私のセリフだよ。私のドラム、あの頃より断然上手くなってるんだからな。」
俺「ほー、それはそれは、聞ける日が楽しみだな。」
いつもの悪ノリ。こんな時間も、本当に楽しいんだけど…
律「約束、忘れてないだろうな?私たちとあんたのバンドは…」
俺「いつかフジロックで対バンする、だろ?」
…その日までには、ちゃんと気持ちを伝えよう。