09/06/02 05:12:50 HYoGBqqO
時計の針が朝の5時を回った。
俺「ガサゴソ・・・ガサガサ・・・」
律「ん~・・んん・・・?」
俺「あっ・・・!」
律「んん・・・なんだぁ・・・?」
俺「起きちゃったか・・・?」
律「ふわああぁぁ・・・」
俺「ご、ごめん・・・」
律「いま何時?」
俺「5時だけど」
律「なんだよぉ・・・」
俺「せっかくだし、散歩にでも行かないか?」
律「散歩・・・?」
暦の上では6月になったとはいえ
早朝の空気はひんやりとしていた。
律「ううう・・・ちょっと寒いかな・・・?」
俺「ほい、俺のジャケット貸すよ」
律「おう、さんきゅ・・・クシュン!」
俺「大丈夫か?」
律「うん。でも、どうしたんだよ?いきなり・・・」
俺「とっておきの場所があるんだ」
家から歩いて数分後。
近所の小高い丘に辿り着く。
律「うお・・・眩しい・・・」
俺「まあ、よく見ててくれよ」
律「ん、朝日が昇ってくる・・・?」
俺「綺麗だろ?」
律「おおっ!・・・すっげえ綺麗だ」
俺「ずっと前から律に見せたかったんだ」
律「すげえ・・・すげえよ・・・」
律は始めてみる景色にしばらく見とれていた。
律「なあ・・・?」
俺「ん?」
律「さっき私に言ったこと、本当か?」
俺「ん、何が?」
律「い、いや・・・その・・・"見せたかった"とかなんとか・・・」
俺「ん・・・そいつはどうかな?」
律「こんの~!誤魔化しやがって~!」
俺「はははっ・・・でも、そうじゃなきゃあんな凄い景色は見せらんないよ」
律「そっか・・・ありがとな」
暖かな陽光に包まれて、俺たちは来た道を歩く。
俺「律・・・」
律「ん?」
俺「ずっと、これからも俺と一緒にいてほしい」
律「わあってるよ!私のほうこそよろしく!」
俺「ああ、よろしく」
律の握った手はとても小さかったけど
大きな優しさに溢れていた。