【咲 -Saki-】 京太郎×咲スレ 【夫婦】at ANICHARA2
【咲 -Saki-】 京太郎×咲スレ 【夫婦】 - 暇つぶし2ch479:名無しさん@お腹いっぱい。
09/07/04 02:31:50 aaGsyrWA
>>478
「ロン。ダブ東ドラ3─」
咲の親。連荘してはや3回。ここにきてようやく逆転の兆しが見えはじめていた。
「なんと・・・」
老人の顔からは動揺は伺えない。
「そういう命の捨て方がありましたか・・・」
「構わねぇよ。この親で、手前ぇを潰すんだ」
「京ちゃん」「見るな!」
咲の後ろで京太郎は辛うじて立っていた。腕からつたった血は足元に大量の血溜まりをつくっている。
もう何分そうしているだろうか。切り裂いた腕はジンジンと脈打ち、固まるたびに何度も傷つけた。
「仕組みさえわかりゃ怖くない。この場は、この俺が支配する」

血。
それも大量に。

人間はどれほどの量まで血液を失うことに耐えれるだろう。京太郎はそれを考える。
「どっちでもいいや」
目的はこの勝負に勝つことだった。
ここで何人の命が失われたか。それも京太郎にとってはどうでもいい。誰かがやるならばと。もう一度
強く腕を切り裂いた。
「誰だって命は惜しいわよ。あなたはそれでも生きたいと思ったことはないの」
部長が言う。
「私は・・・」
「不老不死なんて夢だわ」
「おお・・・」
はじめて。
はじめて老人は前を向き。その相貌を京太郎たちに晒したのかもしれなかった。
「そこまで知っていらっしゃる」
「最初に見たときから・・・あなたもかつて使命を持っていたのね」

「身体髪膚受之父母不敢毀傷孝之始也─潮時ですか」

「潮時にしては遅すぎたわね」
「私とて、生きねばならなかった」
「それでも私たちには私たちの都合があるわ」
「左様─しかし生きるためにはこうするしかなかったのです。土地のものに秘術を教え、財と引き換えに
自らを神に祀り上げさせ、それでも成し遂げられなかった。人間というのは。やはり─」

─死にますな。

その老人の寂しげな声と同時に、咲の和了の声を京太郎は遠くで聞いた。


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