09/05/25 21:20:04 nB1TQ8xj
池田華菜の日記~4月11日付より抜粋~
4月11日 晴れ
今日部室でお昼ご飯に食べようと思って買い置きしてあった焼きそばパンを見たらないし!
友達に聞いても知らないって言うし困った。泣いた。
そしたらキャプテンがやってきてお昼ご飯をわけてくれた。なんでも、友達と先に食べてしまって
おなかが減ってないという話。
遠慮しようと思ったけど完食した。玉子焼きうまかった。またちょっと泣いた。
途中でコーチ(鬼畜)がやってきてまた文句を言いかけたけど黙認されたみたいだった。
キャプテン良い人。手作りのお菓子も最高だった。
久保貴子の日記~4月11日付より抜粋~
新入生が入ってきて、いよいよ大会に臨むべくチーム編成を検討する。
福路を筆頭に今年こそ全国へ行ってもらわねばならない。その意味では去年こそ本命だった。
結果を残せなければ私は更迭されるかもしれないが、悔いはない。
思えば去年のこの時期、私は池田華菜にかつての私を見ていたのだと思う。
かつて少女だった私は麻雀が好きで好きでたまらなかった。しかし環境が変わり、ただ麻雀が
好きなだけの少女を世間は許してはくれなかった・・・のだと思う。
チームを牽引するためには力だけではなしえないものがある。高みに立ってはじめて見える景色。
それを見たものだけが共有できる世界。池田にはそれを見てもらいたいと思う。誰よりもはやく。
いつまでも麻雀が好きなだけでは勝てない。
そのためなら鬼になろうと決めた。挫折を知っている私だからこそできるのだと信じている。
今日も昼食を忘れたと言って池田は福路に泣きついていた。ずぼらな所もかつての私に似ている。
面倒見がいい福路は弁当を分けてやっていたが、ふと気になって声をかけた。
彼女がついさっき昼食をとっていたのを見かけたからだ。福路がこちらに合図をするので何も言わな
かったが、余分に用意していたのだろう。
生徒をきつく叱る私と大らかな福路の性格でチームの絆は維持されている。彼女の気配りには本当
に助けられていた。
まずは予選。ここを勝ち上がって池田に全国の世界に立ってもらいたい。
一緒にすすめられていた、あのテトラポット状のお菓子はなんだろう。ひどく気になった。
4月11日 快晴
かつての私が大空へ飛び立つことを切に祈りながら