09/05/23 17:35:46 Nc1l6ULT
>>175
カチャ…カチャ…
麻雀卓の上で京太郎は一人、麻雀牌を理牌している。
京太郎がツヨナールを手に入れてから数日が経った。
いつもは賑やかなはずの麻雀部―だが今は誰も口を開こうとしない。
牌同士の擦れる音が部室で静かに響く。
「なぁ、タコス。暇だから二人麻雀でもやらないか?」
椅子に座っていたタコスは京太郎の方をチラッと見るが、怯えた様子ですぐに顔を俯ける。
「……遠慮するじぇ。どうせ京太郎には勝てないんだじぇ」
タコスは震えた声で京太郎に答える。いつもの元気な姿はそこにはなかった。
「そっか。じゃあ咲、俺と麻雀しようぜ」
「ごめん…私も遠慮しとくよ……」
咲もタコスと同じく京太郎から視線を逸らして答える。
「………ふーん」
京太郎は理牌の手を止め部室を見渡す。
久も、和も、まこも、京太郎の方を見ようともしない。まるで、京太郎を避ける様に。
その姿を見た京太郎は、やれやれといった様子で頭をかくとおもむろに口を開く。
「もう、やめにしませんか皆?気持ち悪いでしょう……こういうの」
返事はない。張り詰めた空気が部室内を漂う。
ただ、時計の針が動く音だけが六人の耳の中に入って来る。