09/05/16 01:07:18 HpT9gZdR
>>39
「麻雀を、やりませんか」
震える手で受話器を取ったタコスに、原村和はそう告げた。
「原村・・・さん」
「もう昔みたいに呼んでくれないんですね」
のどちゃん。
本当はそう呼びたかった。しかし、今のタコスにはその力はない。人との交わりを絶って居場所を作っていたのだから。
「もう、麻雀は無理だじぇ」
「そんなことありません」
強く。
原村和は昔と変わらない声でタコスに呼びかける。
「何度やってもアイツには勝てないじぇ・・・。次に負けたらもう」
一番大事な最後の何かも失ってしまう。もう何もかも奪われたのだ。下を向いて生きようと決めていた。
しかし、そんなタコスに原村が言ったのは意外なひとことだった。
「イカサマを仕込みました」
「え・・・?」
「ですから、イカサマを仕込んだんです」
「そんな、自動卓だじぇ」
「部室の全自動卓は磁力で牌を混ぜるタイプです。ですから、それ用にあつらえた牌を用意すれば
簡単にイカサマができるんです。部室の一番ドア側の席。そこに座れば字牌が偏るように調整しました」
何を。
言っているのだこの娘は。
しばらくタコスは原村の真意をはかりかねた。
「でものどちゃん、それは」
「呼んでくれましたね。名前。私も─」
咲を倒したいんです。殺しましょう宮永咲を。私たちの麻雀で。
その娘の声は、甘い誘惑だった。
51:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 01:54:07 ssrL7kFW
>>50
(・∀・)イイヨイイヨー
52:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 02:24:25 HpT9gZdR
>>50
>>50
「今日は公式じゃねーからな。テンイチで行こうぜ」
軽口を叩く咲をタコスは睨みつけた。
テンイチ。千点10円の賭博だ。もちろん公式ではありえない。コイツはこんな麻雀をやっていたのか。
「構わないじぇ」
構わない。負けても大した金額ではない。
「じゃあ、最初は二万五千円からスタードだ」 「え?」
タコスは驚いて思わず声をあげた。今、二万五千円と言わなかったか。
「なんだよ。テンイチってのは一点一円のことだろうが。なぁ原村」
ニヤニヤといやらしく笑う咲。その顔は普段京太郎や部長に見せる顔とはまったくの別人だった。
それでも、それでも最後に笑うのは自分だ。
一度意思決定してしまえば揺るぐことはない。上家の和を見ると、彼女もまた目に強い光をたたえていた。
三人で卓を囲む、いわゆる「サンマ」の状態で勝負は始まった。ジャラジャラと洗牌の音を聞きながら
タコスは今までの苦渋に満ちた仕打ちを思い出していた。今日ここでその全てを清算するつもりだった。
機械音とともに牌がせりあがり、自牌を取り終えてオープンしたとき、タコスは思わずため息をもらした。
(さすがだじぇ・・・のどちゃん)
役満大四喜イーシャンテン。
(いける)
そう確信した何巡かあとツモった西を招きいれ、迷わずタコスは一索を河に叩き付けた。
「負けるやつは、いつまでも負け続けるんだよタコス」
「な・・・!」
対面に座る咲の口が嘲笑を浮かべていた。
「平和のみ」
最後通牒のようにそう宣言する咲の口はどこまでも暗く、深く、タコスは自分が泥沼に落ちているかのような
錯覚を覚えた。咲の口から流れ落ちる泥はそのまま卓を満たし、タコスの足をとらえて離さない。
(泥が・・・どうして。こんな・・・)
親の三本場。すべて安手ではあったが、それでも三回も振り込んだタコスは、もう肩口まで泥の中にいた。
53:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 02:28:29 oqjlHQZa
なんという修羅場wwwww
54:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 02:47:15 HpT9gZdR
>>52
(くそっ・・・牌が・・・)
牌が寄っているのだ。
確かに和が仕込んでくれたイカサマは一流だった。労せずしてタコスは字牌を揃えることが出来た
のだから。しかしそれは一方で咲に数牌を片寄らせるという結果になってしまっていた。
手牌は役満字一色イーシャンテン。
しかしまたしても索子の老頭牌が浮いている。
おそらく咲の待ちもコレのどれかに絞っているはずだ。切ることは出来ない。
(別に役満じゃなくてもいいんだじぇ)
浮いている牌を手役に入れるのだ。幸いある程度面子はできている。
混一色チャンタ三暗子、それに風牌にドラ三・・・。倍満あるいは三倍満まで手が届く。
(まずは親を流すんだじぇ)
欲張らない。負け分は十分取り返せるのだ。
タコスはそのまま字牌の中を河に捨てた。
「通らばリーチ!」
「通しません」
そのとき、ありえない声をタコスは聞いた。
ゆっくりと牌を倒していくのは、まぎれもなく上家の和だった。
「ロン。跳満です」
そんな。
そんな。
何故、和が自分から上がるのだ。
「う・・・」
「嘘じゃ─ありませんよ」
泥が。
これは─
「の、のどちゃん」
「その呼び方は、気に入りませんね」
何が起こっているのだ。
誰かの笑い声が聞こえる。自分以外の誰もが自分を笑っている。狂っている。それはわかっている。
赤の他人が自分のことなど話題にするはずがない。その程度の常識は。
─直撃食らって男を取られたのよ。
頭の中で小鬼が囁く。
対面で哂っているのは、誰だ。
「誰も、信じられないなタコス」
あれは、悪魔だ。
55:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 02:50:53 ssrL7kFW
タコスカワイソス
56:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 03:50:04 0ydhU80G
黒咲wwwwww
57:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 03:57:15 i9KMKPuB
なんつー文才wwwwww
58:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 03:59:10 0b5A93r7
咲黒すぎw
59:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 04:21:25 ssrL7kFW
>>58
先っぽが黒ずんでるとな?
60:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 04:32:37 lXUX2cfF
オラにタコスぢからをわけてくれー!
61:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 07:49:13 fUxjX/cP
タコス冷静になれ
直撃は無理で上がれば
親なら3人麻雀だから7万2千点まで大丈夫
62:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 07:55:57 i9KMKPuB
これはもう素直に予想せずに読みたい
だから続きを
63:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 08:02:55 3wJrCgvH
良スレすぐるwww
64:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 08:09:51 vCBijGKP
くそ吹いたwwwwwwww
咲ちゃん黒すぎるwwwwwww
65:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 09:12:04 UQkSTinq
咲のOVAはこのストーリーで行こうよw ダーク咲最高だw
66:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 09:32:37 HKIXA3PD
>>65
脚本:片岡優希
67:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 09:39:30 PRBVFiF2
すぐ落ちるだろうなと思ってたら、良スレになってて吹いたwwwww
68:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 10:51:10 TlNBn37s
>>54
(クズだ。クズだ。コイツらはクズだじぇ!)
口の端に血が滲み、涙で前が見えない。最初の振込みから何度か振込み続け、ようやくそこに思い至った。
何のことはない。和と咲が組んでいるのだ。最初からタコスを陥れるための麻雀だったのである。
(仲間のふりして・・・)
役満の字牌が寄ってくるイカサマの卓。浮いている数牌を切れば咲が、手を変えるべく不用な字牌を切れば
和がそれで待っている。それは麻雀という名のリンチだった。
「しかし字牌のトイツ落としとはな。完全に下りちゃつまらねぇよ。アンコにしたらどうだ?」
これ以上ないくらいに嫌みな咲の言葉。
「ハコったらわかってるだろうなタコス」
わかっている。
二万五千点の、本来四人打ちの点数は他でもない、ただいち早くハコテンにするためだけに設定されたものなのだ。
それに気付いたときにはすっかりドロ沼に落ちていた。羽は汚泥にまみれ、二度と這い上がれない状態にまで折れた。
「・・・払うじぇ」
「足りない分はどうするんだ? そうか。京太郎に買ってもらえよ」
「え・・・」
嗜虐的な笑みを浮かべて咲は続ける。
「だから、京太郎に体を買ってもらえよ。なぁ。いくらでも払えるだろう? 好きなんだよなぁ。京太郎が」
(──!!)
息が、苦しい。コイツはどこまでクズなのか。
(・・・殺すじぇ。殺して。引き裂いて。吊るし上げて。切り刻んで。必ず。必ず殺してやるじぇ)
「好きなんだろう? 買って貰えよ。できるよなぁ? 一石二鳥だよなぁ? なぁ和」
浮かれている。
(いや、待て)
直前の咲の言葉がよみがえった。
(さっきの手はアンコを崩してのトイツ落しだじぇ。だから、たぶんコイツらは手牌まで完全にお見通しじゃないってことか)
探せ。そこに何があるか。タコスは不意におとずれた一筋の光明をたぐりよせる。
「もう、無理だじぇ。この半荘で終わりにしてもらいたいじぇ・・・」
「駄目だな。それじゃあガキの小遣いにしかならねえ。今日はとことん付き合ってもらうぜ」
「じゃ、じゃあ・・・」
ボロボロと涙をこぼすタコス。
(どこまでも毟り取るつもりだじぇコイツらは。だから、だからこそ・・・)
「じゃあ、レートを倍にしてほしいじぇ」
みすぼらしく。できるだけ惨めに。できるだけ相手の自尊心をくずぐるように。
「あぁ・・・構わないぜ。倍たぁ、豪儀じゃあねぇか。命の取り合いなら、歓迎だ。三尺高ぇ所にその首上げてやるぜ。お、おい、
どこ行くんだよ。まさか逃げる気か?」
ゲラゲラと嫌らしく笑う咲。あまりにものけぞった姿勢を取ったものだから、彼女には見えていなかった。
「ただの、小便だじぇ」
暗いドロの沼の、その一番底で不敵に笑うタコスの顔に。
その背中が敗者のソレではなかったことに。
69:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 11:54:41 UQkSTinq
>>68 福本マンガっぽくなってきたなw
タコスに逆転の目はあるのか…
70:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 12:10:08 fUxjX/cP
>>68
つうか咲完全にDQNだなwww
71:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 12:40:30 5Ci+KuJT
何この糞自演スレ
72:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 12:53:52 W8A41Pqy
いつの間にかタコススレになっている件について
73:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 12:55:01 idoNAeQJ
基地外妄想厨隔離スレはここですか?本スレには絶対こないでね
74:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 12:58:58 0ydhU80G
続きマダー
75:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 13:10:59 KOPHR2B9
_ _ _ _ _ _ _
,::: ‐:: ̄: : : : : : : : : : : : : :  ̄: : :、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :丶、
_ .、/: : : : : : : : : : : : : :, : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ.,-.‐.、
../ /: : : : : ,: : : : : :/: : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ _)_
/〈 /: : : : : /: : : : ./: : :.|: : : : : ,: : : : i: : : : : : : : /⌒ヽ': : : :`ヽ
./: : : ヾ|: : : : : |: : : : /|: : : :|: : : : : |: : : :λ : : : : : : .i 丿: : : : : ヽ
/: : : : .|: i: : : : : :| : : :| |: : .λ: : : :λ: : : ハ: : : |、: : ., `ーi ': |.i: : : : : : :ヽ
.|: : : : : | :l: : : : : λ::ハ |: : | ヽ: : : .|ヽ、: :| ヽ: :| !: :ノ: : : |: : | |: : : : : : : i
|: : : : : ゝ、ヘ: : : | ヽ:|. \ヽi ヽ、: | 丶/.丶:| !/|: : : :|: : |/ ,: : : : : : i
.|::ハ: : ハ: |: :丶、:| イ.⌒ヽ 丶 /⌒ヽ, .| : : : | : '//: : : : : /
Y ヽ:_| ゝ: : : :| ◯、_ノ ヽ、_.,◯ i: : : : | : :|/: : : ,: : /
/:イ: : ! / / / / / / /: : : /: :∠:_:/:/ ま、負けないじょ・・・
/:ノ |:: :ヽ、 /~~\ ∠: : : /: : / `' '
ヽ、:lヽ` 、 イ: : :/ノ!ノ
`'ヾ` ー ‐ - - - ‐ 一 ' ’ ''' ’’'
76:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 13:27:03 GfXtXLxf
煽るだけで何も創造できないヤツは放置
続きをヨロ
77:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 13:37:31 oqjlHQZa
本編でも影が薄いのにスレタイに名前すら挙がってないタコスに流れを奪われるなんて・・・
本当にかわいそうなのは咲
78:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 13:41:40 LU13pLAJ
変なスレあるなと思って来てみたら
なんでこんなダークなことになってんだよw
79:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 15:35:19 u30arOma
>>68
大三元字一色イーシャンテン。
タコスの思ったとおりだった。
どうあがいてもこの配牌から逃れることはできない。眼前の欲に囚われた瞬間、さらに深い泥沼へと落ちていく
片道切符。タコスは迷わず白、發を落としていった。
(とすると、この浮いている九萬が咲、中が和の当たり牌だじぇ)
「なんだよ。ベタ降りじゃねぇか」
愉快そうな咲を尻目にタコスは黙々と牌を捨て続けた。しかしわずか二巡目にして和の様子が変わる。
(三枚目の中・・・)
続いて咲にテンパイの気配。さすがに手が早かった。しかし、それでもタコスは切る手をとめない。一直線に
目的のテンパイまで数牌を切り続けた。その打牌は六索。
「てめぇ・・・」
ギロリと咲の表情が変わる。タコスに字牌が寄っているように、咲には索子が寄っている。一番の危険牌だった。
(そんなのわかってるじぇ。でもお前は上がらない。なぜなら・・・)
「リーチだじぇ!」
牌を曲げた瞬間。咲はそれが面白くてしょうがないとでも言いたげな表情をうかべた。
あたり前だった。和の当たり牌の中を所有し、そして和が中を三枚所有している以上、雀頭にすらすることが
できないのだから。
いわば死に手。当たり牌の中は絶望的なまでに出てこない。
そのことにタコスは気付いていない。そう思っているのだ。
(慢心だじぇ─―そしてお前は宣言する)
「覚えてるかタコス。てめぇと最初にやったときのことを―カンだ!」
途端に咲の手牌から二枚の西が裏返る。
(さすがだじぇ。その強運は)
それは咲が最初に部室に来たときの麻雀。彼女は手配のカンから嶺上開花でツモ上がりをして見せたのだ。
残り少ない点棒に倍のレート。ただタコスをハコにするだけなら直撃でいい。しかし咲はそれを選ばないと確信
していた。
タコスのリーチを跳ね飛ばす嶺上開花。この嫌らしい女はそれを一直線に狙ってくると。
しかしそれは。
「タコス。この嶺上牌で死ね」
泥のなかに張り巡らした毒の糸だった。
80:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 15:40:58 u30arOma
>>79
咲が腕をゆっくりと伸ばす。対面から嶺上牌に延びてくるその手を、タコスはがっしりと掴んだ。
「てめぇ、何のつもりだ!」
「お前はこのまま泥に沈んでいけ」
─言葉で人を殺せるのならば。
「何!」
「ロンだじぇ!」
驚愕の表情。次の瞬間、咲の目にありえないものが映った。
槍槓。
それも国士無双。
唯一捨て牌以外からロン上がりができる手役だった。一撃必殺の役満はその名のとおり、鋭い槍となって
咲の体を貫く。
「そんな……そんな偶然が」
「偶然じゃないじぇ。手役は字牌だらけ。中を切らずに直撃するのはこれしかないし、咲ちゃんの強運は
必ず西をカンするってわかってから、狙い撃ち楽勝だったじぇ」
もし本当にこの場を支配する強運をもっていたなら。この字牌が片寄る場にあって必ず西を四枚引いてくる。
タコスは咲の強運に乗ったのだ。
捨牌を見ていればすぐにわかったはずだった。見ていなかったのは、勝負に勝ったつもりになっていたから。
「親の役満直撃。ハコだじぇ咲ちゃん」
81:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 16:22:09 aopoOzEa
いや。マジで面白いw
タコスすげーw
82:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 16:48:29 A/tIngZz
かっこいい…
83:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 17:42:07 u30arOma
>>80
「咲ちゃん。咲ちゃんのおかげだじぇ。さすがだじぇ咲ちゃん」
見下すように咲の両耳から泥を流し込む。何度も何度も何度も。
その自尊心を踏みにじる。人格を殺して、尊厳を引き裂き、名誉を吊るし上げ、プライドを切り刻んで。
「てめぇ・・・もう一度その名で呼んでみろ。ただじゃおかねぇぞ」
「やめられないじぇ咲ちゃん」
「ブチ殺してやる!」
立ち上がった咲にタコスは雀卓を思い切り蹴り飛ばした。側面が咲の下腹部にめり込む。たまらずその場にくずれた。
「清算だじぇ、咲ちゃん」
つとめて相手の敵意をあおるように、タコスは言った。その挑発に咲は抵抗する術はなかった。
「も・・・もう一度だ!」
「往生際が悪いねぇ咲ちゃん。やるなら、そうだじぇ。レートは十倍だ」
あと一歩。もう少しで。
「この野郎なめやがって・・・」
「払えるのかな咲ちゃんは。そうだ。無理なら買ってもらうんだじぇ」
空気が凍りつく。
「なんだと?」
「だから京太郎に、体を買ってもらうんだじぇ咲ちゃん。いくらでも払えるよなぁ?」
声にならない声が咲の口から漏れる。それは獣のうなり声に似ていた。
「・・・十倍だ。吠え面かかせてやる」
弱った者は徹底的にいたぶり、しゃぶりつくす。それは他ならぬ和から教えてもらったことだった。
既に修羅場と化した部室では洗牌の音だけが響いている。親はタコスというのが条件だった。
「半荘の集中なら天才なんだじぇ。咲ちゃんは本気で勝負しないから負けちゃうんだ。わかるかな?」
咲の応えはない。牌が整い、理牌の小気味良い音に変わっていった。そうだ。必死に理牌するんだとタコスは呪いをかける。
今度は本気。咲の顔にはそう書いてある。負者はいつもそう思うのだ。さっきは手を抜いていたのだと。運が悪かったのだと。
「おやおやぁ、おかしいじぇ~」
沈黙のなか。タコスの声に咲は顔をあげた。
「なんだてめぇ」「いやいや困ったじぇ。今日は─」
タコスの指に押され、パタリパタリと牌が倒れていく。
「─やけに役満がでる日だじぇ」
それはビロードのカーテンのようになめらかに。
「う・・・」
「嘘じゃないじぇ咲ちゃん。またハコだじぇ咲ちゃん」
天和、四暗刻、字一色。それは最後通牒だった。
84:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 17:46:00 O/Bt1MaN
漫画化してくれ
85:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 18:17:21 u30arOma
それは簡単なイカサマだった。
最初、和から電話があったとき彼女はこう言ったのだ。
─それ用にあつらえた牌を用意すれば簡単にイカサマができるんです。
そのすり替えは完璧だった。理屈はわからないが、タコスの席には毎度毎回字牌があつまり、例外はなかった。
結局それはだまし討ちだったのだが、勝負の中でそれを変えることは不可能だった。しかし、そのコンビ打ちに
気が付いたとき、タコスの中で別の疑問が首をもたげた。
それでは。
それでは元々あった細工前の牌はどこへ行ったのか。
簡単な問題だった。簡素な家具しかない部室にないのならば、それは倉庫となっているトイレでしかありえない。
果たしてそこには本来の、細工前の牌がそのまま前種類置いてあった。
そこから一九字牌を抜き出して卓に戻ったのである。ネコのぬいぐるみに隠した字牌と握りこんだ一九牌。
いくら咲がリーチ後の嶺上開花を狙っているとは言え、そこまでタコスの運は強くは無い。左手に握りこんだ
牌を、上家がツモる瞬間を狙って不用牌とすりかえ、国士まで持っていったのだ。
しかしそれだけではない。さらに右手で握った未加工牌を手牌に入れ、同じ種類の不用牌を左手に握って処理した。
本来ならすぐにバレてしまうすり替え。しかしこの場は勝負でもゲームでもなかった。咲の必勝が約束された場
だったのである。誰もそのすりかえに注意を払うものはいなかった。
結果。白、東、南の暗刻が全て入れ替わり、不用牌として河に捨てられていく。それは次の戦いのための布石だった。
すりかえられた牌は卓内で混ぜられ、ここで「寄る字牌」と「寄らない字牌」に分けられる。
当然、和が細工した牌だけがより厳選されてタコスの手牌に入るのだ。あとは理牌しながら調整すればよい。
幸い、天和まで一つすりかえればいいだけだった。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。結局のところ勝負に勝って全てを失ったのだから。
その後タコスの姿を見たものはいない。
女だてらに「坊や」を名乗り、語尾に特徴のある雀士が登場するには、実に10年以上の歳月を待たねばならなかった。
そして京太郎は忘れられていた。
 ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
-=ニニニニ=-
/⌒ヽ _,,-''"
_ ,(^ω^ ) ,-''"; ;,
/ ,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
(.゛ー'''", ;,; ' ; 【咲 -Saki-】 京太郎×咲スレ 【夫婦】
_,,-','", ;: ' ; :, ': ,: :' ┼ヽ -|r‐、. レ |
_,,-','", ;: ' ; :, ': ,: :' d⌒) ./| _ノ __ノ
86:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 18:22:10 PRBVFiF2
オチにワロタ
87:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 18:24:39 lXUX2cfF
乙牌
88:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 18:26:29 0ydhU80G
ってタコスの勝利で終わりかよw
皆のタコスいじめへの期待はどこで消化したらいいんだw
ともかく乙
89:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 18:31:53 GfXtXLxf
だが、もはや『咲』ではないw
90:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 19:27:03 fFTJi0ro
優希―タコス―
91:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 19:30:07 0ydhU80G
和-Rezu-
92:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 20:48:58 UQkSTinq
>>85 終わったんかいいいwwww
でも面白かったw
ようやく咲×京太郎にスレになるんだな
93:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 21:06:23 W8A41Pqy
>>85
乙でした、GJ!
94:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 23:13:01 fUxjX/cP
京太郎×咲は京太郎が咲を引っ張るんだろうか
95:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 23:26:26 W8A41Pqy
>>94
だろうね
96:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/16 23:53:55 VenaDj7M
咲もまんざらではないんじゃないのか
97:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 01:04:05 M1XDazD2
おっぱいに釣られて和に惹かれていた京太郎だったが、
ある日自分が本当に愛しい女の子は
中学の頃から一緒にいた咲であったことに気づく
98:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 01:48:28 ML1JFGCc
作中ではどうでもいい存在の京太郎だが・・・俺は好きだぜ
99:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 02:01:31 LP3q9TFk
少しずつ惹かれ合う二人…
100:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 02:37:15 fiYyX6kc
/ ,///::::/:/:::::l::::/ / /::://::/:::::::://:::://:::::::::::/:l::::{ \_ノ::\
/ ̄ ̄ ̄ ̄\ //::/::/::/::::::l:::/ / /::/ /::/::::::://::::/ /:::::::::::/:::l::::l ⊆ゞ/ ̄ ̄ ̄\
/ 許 浮 | //:::/:/:::/::::::::l/ // /{::::::/ {:::/ /:::::::::::/:::::l::::l::::::::l| 京 .|
さ .気 | {::://:::/:{::::::::l/ア::::¨卞 |::::/ ゞ /::::::::::::/:::::/l::::l::::::::| 太 |
な は .| .l::{ {:::/:::',::::::ソ O:::::::ノ ヾ '7‐ ミ、/::::/::::/:::l::::l::::::::| 郎 .|
い .| ヾ ヾl:::::::ヾ,'  ̄ ̄ O:::::::::ハ /::::/:::::|::::|:::::::| .|
じ > ヾ:::l:::::l:::{ ///// ' 丶、:/ }/:::::/:::::::l::::l:::< : .|
ょ .| l l::::l小. .. __ //// /:::::/:::::::/::::l::::/.| |
.| ',:::l::lソ\ ゝ、__`ヽ /::::::/:::::::/::::/::/ | |
: | ヾヾ::州\ _.. -/::::::/:::::::/::::/ \___/
\____/ ,─ -、 リ::::/ ー─ .ア´::::::::{::::::/::::::/::::/
/ ` ー ´ /ー、ソソヾ::/:://::/
/ / ´ ̄ ̄ 7 7`'' ー、
/⌒`ヽ、 / / c / / ヽ
/ ヽ / / / / / }
101:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 03:11:30 PLb5tu9/
基地外隔離スレと聞いて荒らしに来ました
102:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 04:00:45 TcHsCSwe
すげえ
100レス超えてる
103:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 05:11:23 25RyAjLY
「ねぇ、宮永さんってちょっとカワイイよね」
「もー。やめんさい、後輩も見とるのに」
部室で先輩たちが楽しげに話している。京太郎はパソコンで牌譜をみながらそれを聞いていた。
いつもと変わらぬ麻雀部の面子は、男子生徒には若干肩身が狭い場所ではあったが、女の子
の秘密の会話ををすこし味わえるという意味では新鮮だった。
「まぁ、後輩ゆうもんはみんなカワイイもんじゃけ」
「うーん。そういうんじゃなくて、なんかこう、イタズラして困らせてやりたい、みたいな」
「部長はソノ気があるけん、洒落にならんわ」
実に楽しそうである。部長の竹井久と染谷まこは上級生なぶん、そういう話も得意なようだった。
女子生徒が多いせいか、どうもこの学校は同性愛的な風潮がおおらかで、今風に言えば「百合気質」
とも言うべき空気を感じることがある。
「失礼します」
「あ、おつかれー。ねぇ、和はどう思う?」
入ってきたのは原村和だ。
胸のあたりを筆頭にみごなプロポーションをした彼女は、京太郎のいわゆる憧れの人だった。今日も
その性格どおり綺麗な折り目の入ったプリーツをなびかせて歩いてくる。
「どう、と言いますと」
「宮永さんのことよ」
「え!?」
頬を薄く染める和。ご多分に漏れず彼女もソノ手の話には反応しやすい。複雑な心境ではあったが、
意中の人を見る京太郎には余計な雑音は届かない。
「ちょっとさ、宮永さんってカワイイよね。なんか誘惑したくなっちゃう感じ」
「ホラ部長、和も困っとろうが」
(え─?)
そのとき京太郎は見た。
ほのかに憧れていた少女の、その愛らしい顔に浮かぶ氷のような瞳を。
それはかつて見たことがないほど冷ややかで、逃げ場のないものだった。
「私は・・・そう言われても」
気が付けばいつもの和に戻っている。
(何だ、いまの?)
あの恐ろしい視線は。
それは京太郎が最初に抱いた違和感だった。
104:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 05:29:49 25RyAjLY
「私、きっと前世で宮永さんと恋人だったのだと思います」
「前世って・・・」
「生まれる前の、ずっとずっと昔のことです。そこでは私たちはいつも一緒で、若草物語の姉妹みたい
に仲が良くて、お互いがお互いを守っていたのだと思うんです」
「前世かぁ。いいわねそういう空想。嫌いじゃないわよ」
「空想じゃない!」
「え・・・ちょっとごめん。怒ら─」
「空想じゃありません。これは空想じゃない。だって私は覚えてるんです。昔なにがあったか、どんな
暮らしをしていたか、目を閉じればホラ、すぐにでも思い出せます。竹取物語ってご存知ですか?
登場するお姫様は前世の行いが悪くて地上に墜とされたんです。それはぬぐえない罪。彼女は前世
では天人だったんですよ。あぁ、きっと、宿縁というのは─」
「ちょっと、あなたヘンよ」
「私もきっと罪を犯したんですね」
「罪? あなた一体!」
「ぬぐえない罪。だから私は守らなければならない」
「やめて!」
「次の世も、その次の世も一緒でいるために。まず一人」
竹井久が最後に見たのは、せまりくるペンギン型のぬいぐるみだった。
105:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 08:06:56 fNbbu1bA
タコスはもういない設定は引き継いでるんだなw
106:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 09:39:59 U4oUN438
新作ktkr
107:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 10:06:22 fC86X4t4
惜しむらくは、ここが個人スレ用の板だということか…
次スレ立てる時は移転した方が良いと思う。
108:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 10:45:59 W8jRHefr
>>107
名義上、京太郎単独スレにすれば良くね?
109:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 13:02:59 QLM0OcF5
もはや京太郎関係なさすぎだろw
110:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 13:11:18 psaHse6K
空気こそ京太郎
111:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 13:16:17 B2LQKhLM
, ' ¨  ̄ ̄ `¨ 丶、
/: : : : :/ : : :\: :\: : : :\
/.:.:.:.: : : : l: : : : : : ヽ : \: : : :\
/.:.:.: :/: : : l : : : : : : : i: : : :ヽ: : : :ヽ
/.:.:.:.:/: : : : l : : lヾ.:.:.: :l: :ヽ: : i: : : : l
l.:.:l.:/: : : : : l : : l l:.:.:.::l:.:.: :', : :l : : : l
|.:.l.:l: : : : : : l : : { .l.:.:.:.:.}: : : l: : l:.:.:.: :l
|.:.l.:l: : : : : : l : :ヾ }.:.:.:/ソソリl:.:.:l:.:.:.:: l 京太郎さんは私と同類っすねっ!
|.:.l.;州小从八ヾ ソオ至ト、l: : l.:.:.: :l
|:.l.:ハ イ'{´埃 廴.::::}゙|: : :l: : : l
|::l.:.:ハ 辷ソ `ー ´ l:.:.:.:l:.:.:. l
|:l.:.:.:.ハ 丶 /: : : l: : ::l
l.:.:.:.: ハ. 、 -, , ':l: : : l: : : l
|:l.:.:.: : : :>: 、 . ィ{.:.:.:l : : l: : : l
|:l.:.:.: : : : : : rn}` ´ トi、:l: : ::l: : ::l
ヾ八从,, ァ´{. \ __ / }`ヽ、ノソツ
/ヽ,-、 , -- ¨´:. :./. :. l /::::::ヽ l.: ヽ:. :`丶 、
// / /:. :. :. :. :. :./:. :.:.ノl ヽ:::/ \l.: .: ヽ:. :. :. :/丶、
l i´ /-‐、 l:. :. :. :. :. :. :\,/':. i l::::l l\/:. :. :. :/:. :. :}
| | l l´ } l:. :. :. }:. :. :. :. /:. :. :l l:::::l /:. :.ヽ:. :. :. /:. :. :.:{
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{:\ /ヽ l:. :. :. /. :. :. :. :. :. :. ヽ: l:::::/:/:. :. :. :. :. :. :ヽ:. :. :.:::::::::...
ゞ_ーニ´:. :}、l:. :. :. {:. :. :. :. :. :. :. :. :.\//:. :. :. :. :. :. :. :. :.:}:. :. :. ::::::::::::.....
112:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 15:16:49 S2BNriF9
>>104
「・・・すみません少牌です」
京太郎が和のリーチに対し、赤五筒を捨てたところで勝負は意外な決着を見せた。
和が小さな声で凡ミスを宣言したからである。それは手牌の数が足りない状態を意味する言葉だった。何事にも卒がない
彼女にしてはめずらしい出来事だ。
「え・・・めずらしいね原村さん」 「これで咲ちゃんの勝ち決定だじぇー」
タコスがのけぞって大きく伸びをした。上がり放棄となるため僅差で咲の一位が確定したのだ。
「すみません・・・」
「おっぱいに栄養が行きすぎて思考がにぶってるんだじぇ」 「いってません」
いつからこんな雰囲気で麻雀を打てるようになっただろうか。京太郎は最近そのことについて考えることがよくあった。
中学生の頃からのクラスメートである咲は、消極的な性格が災いしてあまり目立つことがない。そんな彼女がこうやって
積極的に誰かの輪に加わろうとするのは、正直京太郎としては意外だった。
「なんか、いいな。こういうの」
「え? なに?」
咲が怪訝そうな顔をしてコチラを見上げた。
「いや何でもない。それより部長たち今日は遅いな」
京太郎がそう言うと、忙しなく牌を卓に落とし込んでいた和はこちらを見ずにある事実を告げた。
「今日は染谷先輩もいらっしゃらないみたいですし、私も熱があるみたいなので終わりにしていただいてもよろしいでしょうか・・・」
「え!? 原村さん病気なの? じゃあこんなことしてたら駄目だよ。帰って休まないと」
「そうだな。今日はお開きにするか」
のんびりとした午後。いつものとおり部活に参加して、いつものとおり皆で帰宅する日々を送るはずだった
京太郎たちは、今日に限ってはその普遍的な日々に追いつくことはできなかった。
帰宅を決めて帰る準備をしていたとき、にわかに校内が慌しくなったかと思うと、制服を着た警官が数名
学校にやってきたからである。
竹井久殺害の報せを受けたのはそのすぐあとだった。
113:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 15:19:10 S2BNriF9
>>112
「京ちゃん、私ゆるせないよ・・・」
「あぁ・・・」
泣きじゃくるタコスをなんとか落ち着かせ、気を失いかけた和に帰宅を促したあと、混乱する京太郎たちは
都合、ふたりで帰宅することになった。
「ナイフで刺されたらしい」
遺体は校舎の裏にそのまま放置してあったのだという。周囲の血の量から、殺害現場は別の場所だと推察
されているらしく、明日は部室へも警官がやってくるそうだ。これは先生から聞いた話だった。
「ねえ京ちゃん。もし部長が学校内で殺されたんだとしたら」
「お、おい。滅多なこと言うなよ」
「だって、もしそうだとしたら、犯人は鍵を持ってたってことになるよね。それから学校の構造を熟知していた
人物で、、簡単に遺体を持って運べた人・・・私、絶対に許さないよ」
その声はとても真剣で。
だから京太郎には何もいえなかった。
「いっしょに大会行きたかったな・・・」
「京ちゃん!」
突然咲が大声を出した。
「な、なんだよ」
「私、捕まえるよ。犯人を!」
そのあと咲は、何故かお祖父さんの名前にかけてどうのこうのと言い直していたが、それは聞かなかったことにした。
114:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 15:21:15 5dK6p+qm
>>112
部長wwwwwwwwwww
咲の性格がおかしくなってるSSあったりぶっ飛んだ設定の小説多いなwwww
115:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 15:28:43 7lD2iyLe
素晴らしいスレだ
116:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 16:04:03 fNbbu1bA
今度は部長殺害の真相を追え!!編かwww
タコスも普通に居るしw
117:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 16:11:10 RT1HL/Wk
続きがwktk
118:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 17:15:59 Ao6m26B2
噂を聞いてきた
パラレルワールド物としてはかなり面白い
アンソロジー本あたりなら載ってもいいレベル
つかなんちゅー才能と時間の無駄遣いw
119:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 17:46:10 dzF7vkhS
なぜか>>111が見えない
120:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 17:47:16 S2BNriF9
>>113
「部長が学校の誰から恨みをかってるなんて、とても信じられないよ」
咲は妙にしっかりとした声でそう言った。部長の死を乗り越え、もう別の方向に思考を転換している。
京太郎はそんな咲を頼もしいと感じていた。
「でも行きずりの犯行って線もあるだろ。それに恨みって・・・」
「ないよ。わざわざ犯行現場を移動して、その─遺体を運び出す意味がないじゃない」
咲は『遺体』の部分はひどく言いにくそうにしていた。さすがに昨日まで元気だった部長のこととなると、
あかの他人の死体とは全然違う。そのきもちは痛いほどよくわかった。
「それもそうか。じゃあ咲はやっぱり学校の関係者だと思ってるんだ?」
「うん。考えたくないけど。移動させたからには、移動させるだけの理由があったんだよ」
そんな理由があるだろうか。京太郎にはイマイチ思いつかなかった。
「それに・・・」
「なんだ?」
「校舎裏っていっても、教室のベランダから遺体を降ろせばすぐに移動できるじゃない? 大人じゃなくても
簡単にアソコに置くことはできると思うんだ。ロープかなにかあれば」
「お、おい、じゃあお前は、大人じゃない、学校の生徒が犯人だって言うのかよ!」
京太郎は思わずそう叫んでいた。それから、何ともいえない空気がながれ、二人は黙してしばらく歩いた。
「和、大丈夫かな」
学校ではひどく辛そうにしていた。
「うん。原村さんずっと調子悪いみたいだったしね。麻雀もはやめに切り上げたいみたいだった」
「え? お前気が付いてたのか?」
「ひょっとしたらって。原村さん、最後のときリーチのみの手で上がろうとしてたみたいだから」
確かにリーチのみで上がる、というのは珍しいことだった。
「それがどうして切り上げたかったってことになるんだ? ひょっとしてわざと少牌したってのか?」
「ううん。そうじゃなくて、だって、私との点差だと最低でも二飜はないと逆転できないから・・・」
「そか。リーチのみじゃ千点だもんな。和は負けん気が強いから必ず逆転狙ってくる・・・負けてもいいから
早く終わりたかったのか。確かタンヤオも付かない手でドラは八萬だったから、確かにリーチのみだ」
「そう─え?」
咲は突然立ち止まって口に手をあてた。
「おい、どうした?」
「原村さんの待ちは、少牌だったけど手役は完成してたから・・・だから・・雀頭だけ。京ちゃん、どうしよう・・・」
咲は口にてをあてたまま小さく震えている。その大きな瞳には涙がいまにもあふれ出しそうだった。
「だからどうしたんだよ」
「わ、わたし・・・わたし・・・・・・」
犯人わかっちゃったかも。
咲は震えながら、京太郎に残酷な考察を語り始めた。
121:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 18:00:47 lEhsRsgR
まさかこんな職人がこのスレに現れてくれるとは・・・
122:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 21:28:15 fNbbu1bA
咲が探偵になってる…w
123:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 21:49:00 zmg1PuNR
>>118
無理だろww
咲のキャラが変わりすぎだw完全にヤクザじゃねーかww
124:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 23:16:55 mZ3jssip
「くそっ!」
日が沈み暗くなった道で少年が一人、怒気を含んだ声をあげながら小石を蹴る。
彼の名前は須賀京太郎。清澄高校麻雀部に所属する男子生徒…とはいっても彼自身は戦力として扱ってもらえないばかりか、他の部員から空気扱いされるという不遇をかこっていた。
だがそれは自分はまだ弱いからで、いつか強くなればみんな自分を部員として認めてくれる―京太郎はそう自分に言い聞かせていた。
だが、そんな彼の思いは砕け散る事になる。
それは今日の放課後の事である。京太郎はいつもの様に自分が想いを寄せている原村和との気持ち悪い妄想に耽ふけながら、部室に入ろうとしていた。
「ところで彼について部長はどう思っとるん?」
ドア越しから先輩である染谷まこの声がする。一体なんの話をしているのだろう、京太郎は扉を開けずに会話を聞く事にした。
「そうねぇ…新しく宮永さんも来てくれた事だし正直な話、須賀君の扱いには困っているわ…」
先輩達は自分についての話をしている、だけど京太郎には部長の「扱いに困っている」という言葉が理解出来なかった。
125:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 23:29:53 ALfH6lD9
まだあったのかこのゴミスレ
126:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 23:44:25 8FLwpUvp
>>120
雨が降っている。
嵐の晩は唐突におとずれた。雷鳴がとどろき、あたかも古い電球のように室内に光を差し入れていた。
その部屋では洗牌の音が絶え間なく続いている。全自動卓からではない。手で丹念にまぜている音が。
「探し物はソコにはないよ」
雷鳴がいっそう強くなる。京太郎の声にその人物はゆっくりと振り向いた。
天の光が差し込んでその少女を一瞬強く照らす。
「貴方は─」
原村和。
それは見てはいけない秘密の儀式だった。
たったひとりの麻雀を目撃されてなお、その少女には威厳がある。しかしその威厳も、京太郎のあとに
続く人影があらわれるとわずかに陰りを見せた。
「原村さん」
「宮原・・・さん」
暗闇の中で相対する二人の少女。それは彼女たちの最初の邂逅よりもずっと運命的であった。
「宮原さん。何故ここに」
「必ず来ると思っていたから」
和は怪訝な顔をしてみせる。
「原村さんが、犯人だったんだね」
「犯人・・・? ひょっとして部長の・・・・・・さすがに無礼でしょう。何故そう思うのですか?」
「それは原村さんが上がり放棄をしたから。本当は京ちゃんからあがる予定だったんだよね?」
そのひとことで和の表情が変わる。
「何故─そう思うのです」
「原村さんなら、いつもの貴女なら必ず二飜以上で上がるはず。でもそうしなかった・・・できなかったから」
「できなかった? あたり前です。私は少牌をしていたのだから」
「違うよ。原村さんは元々少牌なんかしてない。リーチした原村さんが少牌なんて考えられない。
あれは原村さんがわざと雀頭を隠して少牌に見せかけたから」
「ならばいずれにせよ不可能ではありませんか。私の手はリーチのみ。ドラの八萬は宮永さん、
貴女が啼いていたではありませんか。残り一枚の八萬では、頭にならない」
「ドラは赤五筒。京ちゃんが捨てた牌とは別にもう一枚、赤五筒があったんだね原村さん」
雨音はいよいよ強く。
和が息を呑む音までも奪い去った。
「だから原村さんは京ちゃんの赤五筒でロンできなかった。二枚目の赤五筒が見えてしまうから。
そしてそのまま手牌を公開するのも避けなければならなかった」
「それは─」
「ここで、部長を殺したんだね」
127:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/17 23:48:35 8FLwpUvp
>>126
「ここで、部長を殺したんだね」
咲の一言は、和から最後の威厳までも奪い去るかのようだった。
「すべて、ご存知なのですね宮永さんは」
「知りたいなんて思わなかったよ。でも行かなきゃと思った。原村さんはきっとこの、部長の血が付いた
五筒を抜きに戻ってくると思ったから」
咲は手に持った牌を和に見せた。
それは京太郎が最後に捨てた赤五筒。実際は普通の牌の溝に竹井久の血が付着したままになっていた
ものだった。赤黒く変色してかたまり、一瞬ではそれとわからない。
「その五筒が捨てられたときには混乱しました・・・あるはずのない赤五筒がもう一枚・・・しばらく考えて、
証拠の不始末が原因だと思い当たったときに、私は上がりを放棄することを選びました。血は全部ふき取った
と思っていたのに。その五筒が私の手牌のなかにあったなら、こうして戻ってくることもなかったでしょう・・・」
自ら犯罪を告白する少女の顔には、何故か満足げなものが見て取れる。
京太郎はそれを物悲しく見つめていた。
それはある意味では究極の失恋だった。
「私には偶然など必要ないと思っていました。でも─」
あるんですね。こういう偶然が。
和の声は呪文のようにあたりに響く。
「原村さん、なぜこんなことを・・・」
「貴女にはわからないでしょう。前世でも、次の世でもきっとわからない。私たちはそういう関係なんです」
そういうと和は部室のドアを空け、雨の降りしきる屋上へと走っていった。
「和!」
「京ちゃん捕まえて!」
京太郎は急いであとを追う。和は屋上の一番端に行くとこちらを振り返った。
それは幽鬼のように艶やかで、頬にはりつ髪と濡れた服が妙になまめかしく、京太郎を圧倒した。
「来ないでください。誰にも見られたくないの」
「やめろ! 戻って来い和!」
「平気です。私はきっとまた同じ過ちを繰り返す。でもまた来世でいっしょだもの。そのために部室は
綺麗にしておきたかったのです。血の穢れは、絶対に許せなかった」
そのまま一歩後ろへさがる。
「和!」
飛びつく京太郎の手は届くことなく。
少女の体を下方へと奪い去っていった。
_
\ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、)
.|
/ ,、
/ ヽYノ
.| r''ヽ、.|
| `ー-ヽ|ヮ
| `|
ヽ, ,r .|
ヽ,r'''ヽ!'-‐'''''ヽ、ノ
,,,..---r'",r, , 、`ヽ、 ヾ
ヽ、__/ ./ハレハ i`ヽ、 `''r`ミ_
.レ//r,,,、 レ'レハヾ, L,,_ `ヽ、
"レ, l;;;l l;;;l`i.リレ' リ ̄~~
ヽ、 ワ `"/-'`'`'
`''''''''【咲 -Saki-】 麻雀探偵宮永咲 【夫婦】
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
128:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 00:00:51 M7aZG0gM
>>127
この落ちは酷いぞwww
129:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 00:05:07 gKAHZ5Up
>>126
>「宮原・・・さん」
何かの伏線かと期待するのはイケナイ事ですか。
130:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 00:51:21 sT1IzjMV
タコス、部長、和、皆消えていった…
そうか!職人の狙いは最後に残ったメガネを消す事でこのスレをスレタイ通りにs
131:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 01:03:36 XVgnS/e9
どうするんだこのスレ・・・・・・・・
132:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 01:08:03 XVgnS/e9
つか毎回最後のAAでごまかそうとするのやめろw
133:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 01:17:25 64hiFXMg
>>130
You have witnessed too much...
134:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 01:43:55 E5qfSeOO
自分で打ち切ったかのような終わり方だなw
次に期待w
135:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 02:22:12 BW0pm2T4
>>124
これはいつもの人とは別の人だよね
これはタコス苛めじゃなくて京太郎苛め?
136:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 05:39:44 HaU35jbM
>>127
一回くらいスレタイ通りの話し書けww
137:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 09:21:31 pvhzCcdH
ダーク咲と探偵咲は同じ人が書いてるのか?w
とにかく次は咲×京太郎のラブラブストーリーで頼むw
138:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 10:51:04 Hfqgt6Yg
原作でもそんな展開無いのに
139:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 11:43:32 lGlzIZKh
同じヤツが書いてんのか……
よくネタおもいつくな
140:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 12:40:28 E5qfSeOO
少しだけHなの希望
141:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 13:23:53 lGlzIZKh
URLリンク(usamimi.info)
~和の搾乳麻雀大会~
バカじゃないのw
142:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 16:45:46 ZYZMZq/9
>>124
「確かに須賀君は頑張っているかもしれない。でも、大会も近い訳だし彼に時間を割く事は出来ないのよ…」
「だから部長は今日、あやつに個人戦を棄権する様に話をする訳じゃな」
「ええ、須賀君には悪いけど彼には他の皆のサポートをしてもらうつもりよ」
なんだよ、それ。京太郎は思わずそう呟きそうになった。
つまり、他の部員の邪魔になるからお前は練習なんかしないでずっと雑用でもしてろって事か?
「それについて和はどう思っとるん?」
「私も……部長と同じ考えです」
和まで―どいつもこいつも俺がいなくなりゃ良いって事かよ。
京太郎は怒りのあまりギリッと歯を食いしばる。結局今日、京太郎は麻雀部の扉を開ける事が出来なかった。
「はぁ…」
京太郎は小さくため息をはく。自分は誰にも期待されていない…そう思うとやるせない気持ちになる。
強くなりたい、強くなって皆を見返してやりたい。京太郎は心の中で強く思う。
でも、京太郎は麻雀を始めたばかりのずぶの初心者…経験の差があり過ぎる。
かといって咲の様に力がある訳ではない…仮に努力をしたとしても、彼女達はさらに上の世界に行ってしまうだろう。
143:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 16:46:51 ZYZMZq/9
所詮、凡人である自分は彼女達のいる場所に行く事は出来ないのか。深い絶望と悲愴感が彼の心を支配する。
(力が欲しい、俺にも誰にも負けない絶対的な力が…)
京太郎は星空を見上げながらそう心の中で呟いた。
「ちょっとそこの兄さん!」
呼び止められた京太郎は声がした方に顔を向ける。そこには小さな露店に12歳ほどの小さな少年が一人座っていた。
「俺に…なんか用か?」
「少しだけ商品を見てってよ!色々と面白いものを売っているからさ!」
少年はあどけない顔でニッと笑いながら京太郎を見つめる。
「なんだ、ただの押し売りか?悪いけど俺はあまり金は…」
と京太郎はある一つの商品を見て言葉を止める。麻雀ツヨナール―京太郎はそう書いてあるドリンク剤を手にとった。
「おっ、兄さんお目が高い。そいつはね、飲むだけで麻雀が強くなるという凄いブツなんだぜ!」
「おいおい、そんな事ある訳ねーだろ?騙すにしてももっとマシな名前にしろよな」
「まぁまぁ兄さん、騙されたと思って買ってみてよ!特別に安くするからさ!」
馬鹿馬鹿しい、そう思いつつ京太郎は手に持っている麻雀ツヨナールを眺める。
144:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 16:47:41 ZYZMZq/9
でも、もし、これを飲むだけで麻雀が強くなれるなら、皆を見返してやる事が出来るなら……。
「なぁ、これって幾らするんだ?」
「おっ、さすが兄さん太っ腹!そいつは特別に1000円にしておくよ!」
「おいおい高いなぁ……まぁ、いっか」
京太郎はサイフから千円礼を取り出すと少年に渡す。
「まいど~!そのドリンクには制限時間があるから気をつけて使ってくれよな!」
「ああ、分かったよ。それじゃあな」
京太郎はツヨナールをポケットの中に入れると露店を後にした。
『ごめんなさい須賀君、あなたには何も期待していないの。だから皆の邪魔はしないでね』
『わりゃあ、何の役にも立ちゃしない雑魚じゃけん。さっさと麻雀部から消えんさい』
『なんでこんな奴が麻雀部にいるんだじぇ。手が汚れるから京太郎とは麻雀したくないんだじぇ』
『……もう麻雀部には来ないでくれませんか?はっきり言って存在自体が気持ち悪いんです』
『京ちゃん…ごめんね…私、皆と一緒に全国に行きたいの。だから……私達の前からいなくなって』
「うわぁぁぁぁ!」
大きな声をあげながら京太郎は布団から飛び起きた。
145:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 16:48:25 ZYZMZq/9
「はぁ…はぁ…夢か……」
大きく息を荒らげながら京太郎は立ち上がった。身体中が汗でビショビショに濡れている。
京太郎はタオルで身体を拭くと机に置いていたツヨナールをまじまじと眺めた。
本当にこれを飲むだけで強くなれるのだろうか?しかし、今の京太郎にはこのドリンクの効果を信じる事しか出来ない。
明日、麻雀部では大会に向けての練習がある。その時にツヨナールを使って皆に一矢報いてやるんだ。
「頼むぜツヨナール…お前の力だけが頼りだ」
明日の成功を祈りつつ京太郎は再び眠りについた。
146:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 18:15:21 E5qfSeOO
新作キター
ツヨナールwwwwwwwwwwwwwwwwwww
147:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 18:33:06 M7aZG0gM
ここに書いてるSSはもはや何でもありだなwww
148:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/18 22:16:10 DD9JLIeQ
>>(力が欲しい、俺にも誰にも負けない絶対的な力が…)
この台詞と中の人的に、某ブリタニア皇子を思い出したw
149:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 03:09:33 7Jz5j+g3
>>145
「それじゃあ皆、練習を始めるわよ!」
放課後の麻雀部、竹井久の声が部室に響く。
「おい、京太郎。昨日はなんで休んだんじゃ?休むなら休むって前もって言うべきじゃろうが」
染谷まこはどこか不機嫌そうな口調でジロリと睨み付けながら、コーヒーを運んでいた京太郎に問詰める。
「す、すいません染谷先輩…ちょっと急用が出来てしまいまして…」
「まぁまぁ、良いじゃないのまこ。須賀君、今回は許してあげるけど次からは気をつけてよね」
「は、はい。気をつけます…」
何を言ってやがる、あんな話を聞いた後で部室に入れる訳ないじゃないか。
久やまこ達に食ってかかりたい衝動を押さえつつ京太郎は頭を下げる。
「じゃあ最初は須賀君と和と優希と私で始めるわよ」
「部長も打つんだじぇ?」
「ええそうよ。私も練習しちゃ変かしら?」
久は不敵に笑いながら雀卓の椅子に座る、京太郎達も釣られる様に席に着いた。
「須賀君、重要な話があるんだけど……これが終わった後で、ちょっと良いかしら」
「あ、はい…分かりました」
久が話したい事が何か、京太郎にはもう分かっていた。久はこの半荘が終わった後に自分の大会についての話をするつもりなのだ。
150:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 03:11:02 7Jz5j+g3
この半荘も自分を潰すために部長が仕掛けた半荘。タコスはともかく部長と和はグル、二人がかりで徹底的に打ちのめして自信を喪失させた後、大会を棄権する様に諭すつもりなのだろう。
(えげつねぇな……)
本当にえげつない、そこまでして俺を爪弾きにしたいのかよ。
でもな部長、見損なったよアンタ。
今日の俺はいつもの俺じゃない。何せ今の俺には…ツヨナールの力があるんだからな。
(見せてやるよ、俺の力…ツヨナールの力をな!)
「じゃ、いくわよ」
「負けないじぇ~!」
「よろしくお願いします…」
勝負の時は来た。京太郎は意気揚々と自分の牌を開ける。
(な…何だこりゃあ!?)
八筒が暗刻になっている以外、全くのバラバラ。まさにガラクタ当然のひどい手だ。
京太郎は頭を抱え込む。やられた、やっぱり麻雀が強くなるなんてウソッパチだったんだ。
視界がグニャリと曲がりつつも京太郎は牌を切る。
(俺には…どうする事も出来ないのかよ)
半ばあきらめた様に京太郎は牌を切り続ける。だがツモっていく内に状況が変わっていった。
京太郎がツモる度に来て欲しい牌が面白いほどに来る。最初はバラバラだった手牌も気が付けばテンパイにまで手が進んでいた。
151:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 03:12:11 7Jz5j+g3
とはいえ役はタンヤオのみというゴミ手、京太郎は悩んだ。
このままタンヤオのみでいくか、それともテンパイを崩してさらに手を伸ばすか。
(よし、ここは暗刻を崩して平和を狙うか!)
そう思い、京太郎が八筒を掴んだその時。
ドクン……
(えっ…?)
京太郎は思わず八筒から手を離す。なんだ、今のは。
自分の中の何かが八筒を切るなと言っているのか?このままゴミ手でいけというのか?
京太郎の腹は決まった。
「リーチ!」
京太郎はタンヤオのみの手を崩さず、ツモ切りリーチを仕掛ける。
待ちは三万・二筒のシャボ待ち。
「うう~全く来ないんだじぇ~!」
タコスは苛立った様子で牌を捨てた。
捨て牌は三万。京太郎の当たり牌だった。
「タコス、それロンだ!」
「うええ~一発だじぇ!?」
「あら、須賀君が上がるなんて珍しいわね」
周りのざわつきを尻目に京太郎は自分の牌を倒した、だがこれで終わりではない。
まだ裏ドラが残っている……京太郎はゆっくりと王牌へと手を伸ばす。
ドクン……
まただ、またあの感じがする。一体なんだこの感覚は?
京太郎は動揺しながらも裏ドラをめくった。
152:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 03:13:23 7Jz5j+g3
「これは…!」
京太郎は息を呑んだ…めくられた牌は七筒。つまり裏ドラは八筒、モロ乗りだ。
和もまるで信じられないといった表情で七筒を見つめる。
「リーチ一発、タンヤオ、ドラ三で……ハネ満だ!」
京太郎は大きな声で宣言する。一方のタコスは涙目になりながらも点棒を京太郎に渡す。
「うう~!こんなの偶然なんだじぇ!次こそは上がってやるんだじぇ~!」
タコスの怨嗟の声が部室に響き渡る。だが考えに耽る京太郎の耳には届かなかった。
(もしかしたらツヨナールの効果が効いて来たのか…?)
東二局、京太郎の手はさっきよりもだいぶ良く早い内にテンパイになった。
ドラ対子のホンイツというデカイ役、しかも白を切れば三面待ちというおまけ付きだ。
(よし、いける!)
白を切ってリーチだ、京太郎は白を掴む。
ドクン……
再びあの感覚が京太郎を襲う。白は捨ててはいけないという事なのか。
だが、白はすでに部長が鳴いている。白を持ったままでは上がる事は出来ない。
それでも、捨ててはいけないのか。
(分かったよ…捨てなきゃ良いんだろ)
京太郎は白を切るのをやめ、代わりに三筒を捨てた。
153:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 03:14:14 7Jz5j+g3
「ロン、白のみよ須賀君」
久はゆっくりと牌を倒す。なんて事だ、まさかロンされるなんて。
このまま白を切っていればデカイ役を狙えたのに。
やっぱりさっきのモロ乗りは偶然だったのだろうか?それとも……。
「うわあ~ん!上がられちゃったんだじぇ~!せっかく役満を狙っていたのに~!」
タコスは悔しそうな様子で自分の牌を倒す。
国士無双テンパイ、待ちは―白。
もし、白を捨てていれば京太郎はタコスの国士無双に振り込んでいただろう。
「ふふっ、安い役で大きな役を流すのも戦術なのよ優希」
「あう~、残りの白は山の中かぁ……」
違う、白は俺が持っている。あの感じがあったから…俺は振り込まずに済んだんだ。
(フフフ……やれる!やれるじゃないか!ツヨナールの力で一矢報いてやる事が出来る!)
京太郎は確信する、ツヨナールの力を。そして自分に誓う、この戦いの勝者となる事を。
見せてやるよ皆…俺とツヨナールの力をな!
154:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 03:36:26 WLxA0PYX
ツヨナールつえー
155:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 07:16:07 48lcevmF
すぐ過疎ると思ったらまさかこんなSS職人が居つく良スレになるとはww
156:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 14:35:24 KpzFcFkG
ほしゅ
157:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 16:36:15 LQHyw+KM
ツヨナールくれ
158:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 22:13:50 HmVQcoNp
テンプレからも排除されたこの糞スレがこの先生き残るには・・・
159:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 22:57:32 iLZ/TwBA
てゆうか10年後はなんだかんだいって咲と京太郎が結婚しそうだよなwww
百合だったのは思春期にありがちな気の迷いみたいで
それでのどっち涙目展開にwwwww
160:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/19 23:57:34 zNh/jiLa
>>159
のどっちは一生ガチ百合なのかwwwwwwww
161:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 01:06:30 tKzqE/Sg
のどっちは、”No Future”
162:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 01:21:34 I/6JlOK4
>>161
意味がわかりませんw
163:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 03:15:00 6MMsW01K
“No Futanari”なら分かるんだがw
URLリンク(nagamochi.info)
164:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 17:00:57 Kq40uMc3
東三局は和が安手をツモり、東四局は全員ノーテンの流局で場が流れる。
そして京太郎が親の南一局。
「ポン!」
京太郎は部長が捨てた東を鳴いて一万を捨てる。
(張った…!)
京太郎のテンパイ。しかも、ただのテンパイではない。
東・北をポンし、白を暗刻にしての字一色テンパイ―南・中待ちの役満テンパイである。
これもツヨナールが成す奇跡なのだろうか、京太郎は思わず笑みを浮かべそうになる。
(だ…駄目だ…!笑うな…こらえるんだ!)
南・中はまだ河に一枚しか捨てられていない、上がれる可能性は十分にある。
役満をテンパイして数巡後、ついにタコスが南を捨てる。
(ついに来たぜ…)
字一色をロンして役満だ、京太郎は自分の牌を倒そうとする。
ドックン……
その瞬間、あの感覚がまた京太郎を襲った。
だが今回のは今までとはまるで違う。今までよりも力強く、そしてはるかに大きい鼓動。
ロンしてはいけないのか?ここでロンしなければ役満という大物手を逃す事になるというのに。
しかし、ツヨナールは京太郎にまだ上がってはいけないと命令している。
このまま役満を上がるか、それともツヨナールに従うのか…京太郎は困惑する。
165:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 17:04:02 Kq40uMc3
>>164
その時、久が山に手を伸ばそうとしているのが京太郎の目に映る。
まずい。
もし、ここで部長がツモったりでもしたらこの役満が水泡となる。
今はツヨナールに逆らってロンするしかない―京太郎は大きな声で宣言をする。
「ポン!」
京太郎の手牌から二枚の南が倒れる。
―京太郎は自分が何をしたのか理解出来なかった。
何故ポンなんだ。俺はロンしたんじゃなかったのか?
俺は、無意識の内にツヨナールに従ってしまったのか。
京太郎は混乱しつつも南を刻子にして中を捨てる。これで中待ちのフリテンになってしまった。
全く持って訳が分からない。ロンを放棄する必要がどこにある?
ツヨナールは俺に何を望んでいるというんだ。
「リーチ…」
和のリーチ宣言。もはや万事休すか、京太郎はため息を吐きながら自分のツモ牌を見る。
「――!」
京太郎は絶句する。
ツモった牌は―西。京太郎は自分の牌を見直すとゴクリと息を飲んだ。
字一色、そして小四喜……W役満テンパイ。京太郎の役満はさらなる高みに昇り、W役満へと進化する。
なるほど…こういう事だったのか。ツヨナールは俺に役満ではなく、W役満で上がれと言っていたんだな。
166:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 20:08:09 mbmX1E1I
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!
GJ
167:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 22:29:59 jBT7Rohs
トビ終了なら役満ロンしないのはアホすぎ
それでトップにとどかないとかならまだわかるけど
168:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 23:28:29 Kq40uMc3
ククク…ツヨナールは俺を邪魔者扱いした部長達に恐怖を与えるために、圧倒的な差をつけての勝利を望んでいるんだな?
だが、西は河に二枚捨ててある。部長達だって馬鹿じゃないから、字牌を三鳴きしている俺に対して振込む事はまず…ないだろう。
だが、今の俺にはツヨナールがある。絶対にW役満を上がってやる。
京太郎は中を勢い良く叩き付けた。京太郎の推測通り、三人はベタおりに徹する。
(フフフ…ふやけた麻雀しやがって……そんなんで大会に勝てるのかねぇ?)
自分達が馬鹿にしていた奴に対して逃げの麻雀を打つ、か…。
全くもってお笑い草だ。
だが、こっちだってアンタらから上がれないのは分かっている。
(俺の目的はただ一つ……ツモ上がりのみだ!)
京太郎は山から勢い良く牌をツモる。
(これはこれは…)
ツモったのは四枚目の白、京太郎はニヤリと笑うと白を倒した。
「カン!」
「カ、カン!?」
京太郎のカン宣言に部室にいる全員が驚愕する。
まさか
まさか
まさか
まさか宮永咲が得意とするあの技を―!?
雀卓から少し離れて勝負を見ていた咲は震えながらポツリと呟く。
「今の京ちゃん……まるでお姉ちゃんと同じ……怖いよ……」
169:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 23:30:11 Kq40uMc3
京太郎はゆっくりと嶺上牌へと手を伸ばす。いける、予感がある、俺の中のツヨナールが…ツモれると教えてくれている。
(ああ……俺の役満はここにある)
ダンッ…
牌を叩き付ける音が室内で響き渡る。全員が沈黙がする中、京太郎はすぅっと深呼吸すると高らかに宣言する。
「ツモ!字一色、小四喜……W役満だ!」
龍は風雲を得、卓上という名の天を支配する。
決着はついた。京太郎は三人を飛ばし圧倒的な差をつけて勝利を決める。
久達はただ、京太郎が倒した牌を呆然と見続ける事しか出来なかった。
その姿を見た京太郎の身体中をなんとも言えない快感が駆け巡る。
「いやー!まさかこんな役を上がる事が出来たなんて信じられないっすよ。麻雀って怖いっすね~!」
京太郎はわざとらしく大きな声で三人に話しかける。
ざまぁ見ろ。俺の事を邪魔者扱いした罰だ。
だが、まだまだだ…まだ終わらせはしない。
「んじゃ、続けましょうか部長!」
「えっ…?でも、勝負はもう…」
「何言っているんですか部長?練習は始まったばかりですよ。大会もある事だし……もっと頑張らないと…ね?」
京太郎は笑う…冷酷に、そして残忍に。
「次いきましょう」
170:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 23:34:30 oOnNB7Fo
>>169
役満をを外してダブル役満とか鷲頭様見たいだなwwww
171:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/20 23:41:25 oOnNB7Fo
>>165
いやよく考えたら
こんな馬鹿みたいに鳴いた手をチキンののどっちがリーチなんてするはずないという
突っ込みはヤボかwww
172:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:27:57 KwA/O/WA
「いやー!今日は愉快だねぇ!部長達のあの顔……思い出すだけでも笑いがとまらねぇ!」
昨日とは対照的に京太郎は一人、愉快そうに笑いながら帰り道を歩く。
結局、途中でタコスが泣きながらギブアップを宣言したため練習は終わった。
結果は連戦連勝、京太郎は部長達を徹底的に負かしてやった。
まるで、今まで溜まりに溜まって来た鬱憤を一気に吐き出すかの様に。
「しっかし、大したもんだぜ!ツヨナールの力はよ!」
あの薬のおかげで勝つ事が出来た。まさにツヨナールさまさまだ。
ツヨナールの力があれば俺は誰にも負けない。 ツヨナールがあれば俺は無敵になれるんだ。 欲しい、ツヨナールがもっともっと欲しい!
「やあ兄さん! 今日は御機嫌だね!」
京太郎が顔を向けると、昨日の少年がまた露店を開いている。
「よお! 昨日ここで買ったツヨナールのおかげで麻雀に勝つ事が出来たぜ!」
「だから言っただろ?ツヨナールの力は本物だってさ」
「へへ、確かに本物だったぜ。 そこでよ……相談があるんだけど…」
京太郎はポケットから財布を取り出すと少年を見つめる。
「高く買うからさ……ツヨナールをあるだけ全部くれないか?」
173:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:28:44 KwA/O/WA
何せ、飲むだけで強くなれるんだ。 こんなに素晴らしいドリンクはない。
例え金が必要だとしても、W役満を上がった時のあの快感に比べれば全然安いものだ。
しかし少年はさっきの笑顔から一転、真剣な表情で首を横に振る。
「兄さん……悪いけど、それは出来ない…」
「な、なんでだよ!?ツヨナールがあれば俺は…」
「兄さん、あのはね…自信をつけさせるためのものなんだ。使い過ぎちゃいけないんだよ…」
「なんだよ、それ。 自分から売っておいて、今さら売れませんだぁ?ふざけるなよ!」
「兄さん…今ならまだ間に合う。 もうツヨナールに頼るのはやめて、自分の力で勝負した方が良い。
その方が兄さんのためだ」
ブチッ―
少年の言葉に京太郎の中で何かが切れる。
「間に合う…?今さら何が間に合うってんだ…言ってみろよ、オイ?」
気が付けば京太郎は少年の胸ぐらをつかんでいた。
「い、痛いよ兄さん……放してよ…」
「いいか?俺みたいな凡人はな……力のある奴にはどんなに頑張っても勝つ事は出来ないんだ! 俺には…ツヨナールで強くなる事以外、やり方はないんだよ!」
咲や和を見て分かってしまった。力のある人間がどんな人間が。
174:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:30:30 KwA/O/WA
そして知ってしまった。自分には力がない事、力のない人間がどんな扱いを受けるという事を―。
「兄さん……ツヨナールで勝てば勝つほど兄さんの周りから人が離れていくよ? その孤独に……兄さんは耐えられるの?」
少年は京太郎の目をジッと見つめながら静かに問う。
(孤独、か……)
答えは決まっていた。
もしツヨナールをやめたとしても、待っているのは前みたいにパシリや雑用をやらされるだけの日常だ。
誰も俺の事なんか見やしない…まるで空気の様に皆の背中を見続けるだけの惨めな思いをするのはもうたくさんだ。
どちらにしろ孤独なら俺は―。
「ああ、耐えてやるさ……その孤独って奴によ!」
少年は京太郎の言葉にふぅっとため息をつくと、頭をポリポリとかく。
「分かったよ、兄さんがそこまで言うなら……売ってあげるよ」
「ほ、本当か!?」
「うん…だからその手を放してくれないかな?」
少年の言う通り京太郎は胸ぐらをつかんでいた手を放す。
少年は近くに置いてあった木箱の中をガサゴソと探した後、小さい段ボールを京太郎に差し出す。
「はい、兄さん……後悔しないでね…自分が求めた事なんだから…」
175:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:32:06 KwA/O/WA
「ああ…分かっている…後悔なんて誰かするかよ」
京太郎は段ボールを受け取ると万礼を数枚、少年に渡す。
少年の目がどこか悲しそうだった事に今の京太郎が気が付く事はなかった。
ついに手に入れたツヨナールを…これで俺は無敵だ。
このツヨナールを使って勝って、勝って、勝ちまくってやる。
もう誰にも俺を空気なんて呼ばせない、俺を馬鹿にする奴は誰だって叩き潰してやる。
暗闇の中、須賀京太郎は高らかに笑う。
彼は完全に取り付かれてしまった。
力という名の―狂気の闇に…。
176:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:34:34 sXJ1cpKW
なんという喪黒
177:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:35:34 pwE1dAWN
京太郎が王の力を得て孤独になっていくのか…w
178:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 00:54:47 Q2JSysaE
京太郎が輝いている
179:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 01:13:06 PaMceIG+
なんてひどいスレだ
スレタイが完全に無視されてるw
180:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 02:53:43 303CGoJb
しかし京太郎はオカズに苦労しなくていいな。あの部活のメンツだと。
181:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 02:59:02 0PaUO6Jb
文才あるなぁ
182:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 03:13:21 aOVBxb9M
新作きたー
183:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 06:28:25 9j1TM5r4
あのメンツだと男子入部希望者多そうなのになんで京太郎だけなんだろうな
184:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 06:30:56 KsQgm4iu
描くのが面倒なんじゃないか?
185:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 06:50:20 HASWUP0e
>>183
むしろ男自体少なくね?w
186:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 10:32:53 /HVKdmTK
男なんて京太郎だけで充分だろ
っていうかむしろ京太郎以外の男と絡むとこなんて見たくないわ
例えば和が別の高校の男子とお互いをライバル視しつつも認め合って・・・なんて耐えられん
>>183
>あのメンツだと男子入部希望者多そうなのに
二次元補正がかかってるだけで実際には・・・ってかのうせいm
187:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 10:49:18 9j1TM5r4
>>186
予選の清澄以外の対戦高はお世辞にも美人ではなかったぞ
188:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 10:52:47 MR4JzhEg
>>175
このノリで最後はアナキンみたいになる京太郎が見たい
189:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 19:28:29 raM+OLty
>>183
実際のところ、清澄の麻雀部があんな面々だってのが知れ渡ってないだけ。
物語冒頭で、咲が本を読んでいるシーンで桜が舞っているので、遅くても4月の第2週。
この時点で部長が『1ヵ月後の県予選』と言っているので、予選はゴールデンウィーク前後でしょう。
つまり、のどっち達が入学&入部してから1月くらいなので、男達も麻雀部があんな豪華な面子だとは夢にも思ってないんでしょう。
清澄麻雀部の部室は一般の部とは全然違う位置にありますしね。
多分こんな流れ
入学と同時にのどっちとタコスが麻雀部に入部
↓
のどっち目当てで京太郎が入部
(なんでわかったかは不明。同じクラスなのか、たまたま麻雀TODAYでも読んだのか)
↓
「あと一人で団体に出られる」ってな話でもあったんでしょう。京太郎が人数合わせに咲を連れてくる。
↓
いろいろあって、現在県予選
部長やまこは、優勝狙える面子が揃っただけで満足でしょうし、1ヶ月で咲たちを鍛えるので手一杯。
タコスは京太郎しか見てない。のどっちと咲はお互いしか見えない。
言いふらすとしたら京太郎だけど……こんなおいしい状況を、わざわざ言いふらしてぶち壊すようなバカじゃない!
……ってわけで、現在の状態なんでしょう。
もしかしたら、県予選が終わった後に雑誌に載ったら男子の入部希望者が殺到するかもしれません
190:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 19:48:43 bqVPWRs5
その日、風越女子高等学校の一室では県予選にむけて交流戦が行われていた。
他校の面子とただ一人戦う池田華菜の背中を、福路美穂子はじっと見つめている。それは次代を担う
池田にキャプテンの福路自身が課した試練だった。
─あなたはメンタル面で弱い部分があるの。実践の経験がたくさん必要ね。
池田はキャプテンの言葉を思い出す。
(これで上がればトップで終了だし)
オーラスの親。トップの池田と二位との点差はわずかに2000点。
「リーチ!」
上家のリーチが池田を射すくめる。
(このリーチに振り込めば終わり。現物のトイツを落とせばまだいける。いや、でも・・・)
池田の手が止まる。
テンパイを崩して打ちまわすか、あるいは勝負にいくか。攻める捨て牌は危険牌だった。
去年の大会の悪夢が脳裏をよぎる。大将戦で振り込んだ倍満はチームの敗北を決定付けた。
(勝つための撤退だし)
勝負をおりる手が動く。
「駄目よ」
そのとき池田の背後から声が響いた。
「キャプテン・・・」
「あなたの守るべきものは点数じゃないわ」
その真意は池田には理解できない。
「私はいずれいなくなるの。卒業するのよ。あなたはそのきチームを守らなくてはならない」
その声はかつて池田が聞いたことのないほど厳しい声だった。
「リスクを背負いなさい。キャプテンはね、後輩を守るの。その重圧から、不安から、恐怖から、
全てのプレッシャーから守るのよ。そのためにはいつも立っていなくては駄目」
福路の声にそれまでの思い出がよみがえる。久保コーチのしごきに自分が耐えられたのは、
ひとえにキャプテンの存在が大きかったのではなかったか。いや、自分に限らず他の部員も
きっとそうだろう、と。このひとはそうやって風越を守ってきたのだと。
191:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 19:50:18 bqVPWRs5
>>190
(キャプテンはやっぱすごいし─!)
じわりと目頭が熱くなる。
「だから勝ちなさい。敵ではなくあなたに。技術をつけて強くなるだけでは勝てない。本当に辛い
戦いに勝ったときに強くなるのよ。いま、あなたにその力がないというのなら」
─その一撃で強くなりなさい。
福路の声は確かな重みとなって池田に届く。
「リーチだし!!」
「ロン。1300」
失敗したが。
どう考えても無理のある危険牌切りをみて、福路美穂子は思わずうつむいてしまう。
こみ上げてきた笑いをかくすために。
(ふ、り、こ、ん、だ・・・二者択一で危険牌の方を・・・さすが華菜。期待を裏切らない子。
なんて可愛い私の子猫・・・ホラ泣いちゃえ、泣いちゃえ・・・泣いた! あんなに大きな涙
・・・ゾクゾクする─)
フルフルと震える池田を見て、風越女子のキャプテンは拳を握り締める。
次はドラをふりこませようと。
池田華菜の夜明けは、遠い。
\ヽ, ,、
`''|/ノ
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\, V
`L,,_
|ヽ、)
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./ ヽYノ
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にゃー ¨T:::' L-、___
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
192:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 20:47:32 j8pf9knn
―「ロン。1300」
ヽ./ : : : : : : : : : : ,: : : : : : : : : : : : : : : ヽ ヽ冫
:: |: : : : ::/::/: : : /」: : : /}: : : :}゙`「丁ヽハ:!:!: !: }
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: :l: : ヾ |/{:::::::::⊂. ′ ´ ! :::::ィ./ ト,ムノ:! , ,' '
:γ⌒ⅵヽ弋二;;ノ ゝ-.″ | }: : : :| //
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..',\ :::::::::: ノ: ::::! U
: : :| `ー´\ ,. , / !:! ! !
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193:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 21:11:17 Lgeow2Jq
>>191
キャプテンぱねぇ・・
194:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 22:03:01 aOVBxb9M
新作ktkr
195:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 22:19:28 B376p7D6
オヌヌメ2チャンネル見れば凄いな
196:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/21 23:42:14 /HVKdmTK
>>191
GJwww最後のAAワロスwwwwwww
197:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/22 02:26:28 iuv11dAm
なんだこのスレ…スレタイと全く関係ねーww
いいぞもっとやれ
198:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/22 14:20:08 no6Da9AB
__
,. ' ´:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.` 、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.丶
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l:.:.:.:./:.:.:.:./:.:.:.,:.:.:.|:.:.:.:.:l.:..:i.:..:...:....:.....',
li:.:.:.|:.:.:.:.:l:.:.:./l:.:./!:i:.:.i:ハ:.:|l:.l:.:.:.:l:.:.:...i 京ちゃん・・・中はダメ・・・
|:.r‐!:l:.:.`iー/‐ァァT':.:/フTナiT´:.:.|:トi、|
{:.{ ‐N、:.:{r―r-r l/!'―r-i'|:.:.:,リ:リヽ!
ヽ!ヽ _ `{. _ヒソ _ヒソノ/イ:|
`ヽ!ゝ ////////////j:i:/|ハ!
,∠_ ̄〈: :` こ__ー--_ュ,/く'
i: : : :ヽ 、ヽ : : ヽ 丁:i : : i: :ハ
|.: : : : :ヽi :ヽ: : : V: : |: : :}:/ : l
{: : : : : : :} : : ヽ: /: : :l : : l': : : |
ハ: : : : :ヽ! : : : V: : :/: : :/:/ : ヘ
199:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/22 14:34:38 h6V7M5bQ
咲の中に白濁液か
200:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/22 16:05:44 muhLZ38K
幼馴染だからちっちゃいころ一緒に風呂はいったこともあるんだろうな
それで貧乳は見慣れててタコスには反応しないで巨乳の和に惹かれるとか
201:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/22 19:57:28 PXay47uP
幼なじみだっけ?
202:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 00:38:48 zcEm89vR
幼なじみらしい
203:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 00:41:38 lVmdzsOs
ちょw もう200突破かよwww
204:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 01:16:51 zcEm89vR
なにが創作欲をかきたてるんだ
205:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 01:20:24 EBXSbXj1
京タコよりも京咲だな
でも久京もアリダナ
206:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 04:48:49 0MOjlPpB
初心者繋がりで京×妹尾
207:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 16:11:44 aCrjVJDH
京アニ
208:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 16:32:31 Vqpqt/v8
京京
京×女装京もしくはTS京
209:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 17:35:46 Nc1l6ULT
>>175
カチャ…カチャ…
麻雀卓の上で京太郎は一人、麻雀牌を理牌している。
京太郎がツヨナールを手に入れてから数日が経った。
いつもは賑やかなはずの麻雀部―だが今は誰も口を開こうとしない。
牌同士の擦れる音が部室で静かに響く。
「なぁ、タコス。暇だから二人麻雀でもやらないか?」
椅子に座っていたタコスは京太郎の方をチラッと見るが、怯えた様子ですぐに顔を俯ける。
「……遠慮するじぇ。どうせ京太郎には勝てないんだじぇ」
タコスは震えた声で京太郎に答える。いつもの元気な姿はそこにはなかった。
「そっか。じゃあ咲、俺と麻雀しようぜ」
「ごめん…私も遠慮しとくよ……」
咲もタコスと同じく京太郎から視線を逸らして答える。
「………ふーん」
京太郎は理牌の手を止め部室を見渡す。
久も、和も、まこも、京太郎の方を見ようともしない。まるで、京太郎を避ける様に。
その姿を見た京太郎は、やれやれといった様子で頭をかくとおもむろに口を開く。
「もう、やめにしませんか皆?気持ち悪いでしょう……こういうの」
返事はない。張り詰めた空気が部室内を漂う。
ただ、時計の針が動く音だけが六人の耳の中に入って来る。
210:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 17:36:27 Nc1l6ULT
「……誰のせいでこんなんなってると思っとるんじゃ……」
沈黙を破ったのはまこだった。彼女はスッと立ち上がると雀卓の前に移動して京太郎を睨み付ける。
その様子を京太郎はフンッと鼻で笑いながら眺める。
「どうしたんですか染谷先輩?まさか俺のせいだって言いたいんですか?」
「ああ、はっきり言ったる! 麻雀部がこんなん暗くなったのは、アンタがふざけた麻雀を始めたせいじゃろうが!」
まこと京太郎の衝突。久を始め、他の部員達はその様子を固唾を呑んで無言で見つめる。
「ふざけた麻雀って……俺はただ、普通に麻雀を……」
「普通?何が普通じゃ!ずっと一人に対して粘着し続けたりするんが普通の麻雀か!?
アンタがやっとるんは最低な麻雀じゃ!人の心を傷付ける下卑た麻雀じゃ!」
怒りに震えるまこの言葉。それを見た京太郎は両手で顔をゴシゴシ洗う様な仕草をした後、ニヤリと冷たい笑みを浮かべる。
「心外だなぁ……自分達が負けるのを俺のせいにされるなんてね」
「……なんじゃと?」
「俺に勝てないのは単純に皆が弱いのが原因でしょう?人のせいにしないで欲しいものですね」
バンッ!
まこは雀卓を強く叩き付ける。その表情は怒りに満ちていた。
211:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 17:49:57 THBavkfZ
京太郎カッケーwwwww
今まで最近スイーツがよく言う典型的な草食男子だったのに
完全に肉食だなwww
212:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 18:41:47 UpJIW1H1
続きキタ━━━(゚∀゚)━━━!!
正直>>175で終わったのかと思ってたぜ
ともかくGJ
213:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 19:04:51 EfMzcph2
個人的にはラスボスは京太郎であってほしい
実は照が偵察に送り込んだスパイだったとかで
214:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 19:45:32 gQvOoudh
粘着されてたの誰だっけ?
215:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 19:47:00 TjNISi0w
>>214
わからない・・・・・・
216:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 20:12:21 F6Hedbi1
続きktkr!
>>68のこのくだりが好きさw
_ , . -‐─-、,_
ィ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.、
. ,..'.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ヽ
/.:.:.:.:.:.:/.:.:./.:.:.:.:..イ.:.:.l.:.:.:.:.:ヽ
,'.:./.:.:.:/.:.:./.:/.:.:./ l.:.:.ハ.:.:.:.:.:::', 京太郎に体を買ってもらえよ。なぁ。いくらでも払えるだろう?
l.:/ .:.:.,'.:.:..:l/‐-/ l.:/ -',.:.:.:.::::', 好きなんだよなぁ。京太郎が。買って貰えよ。できるよなぁ?
|.:.>‐l .:.:>ちホ:::::::::::/ちホV.:.:.:.:.:| 一石二鳥だよなぁ?
|.:.{ |.:./{ ト-j:::::::::::::::ト‐j l/:}゙∨
',八__|/_ `´ `´ ハ.リ
)ハ::\ 'ー=-' ノ
Vl:::〕 r≦
,x<:::::::< ヽ:::`x
/ \ヽ:::\___}::://ヽ
217:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 21:06:14 O9erhzQ4
>>216
AAとセリフがマッチし過ぎwwwwwww
218:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 21:07:58 EbMtZ1V/
嫌やこんなん俺が愛した咲ちゃんやない・・(´;ω;`)
219:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 21:09:23 qtH0Dz8v
黒咲はいいねw
220:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 21:15:22 mgNovpaE
いつの間にか異色SSスレとして再生していたんだな
221:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 21:38:30 TjNISi0w
これ現在執筆者が二人いるんだよな?
222:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 21:55:22 8vfpTqI/
咲だけは京太郎と麻雀すると思ったんだが
どうやら違うんだなwww
粘着と言えばアカギの得意中の得意戦法で
Vシマネのアカギでは完全に矢作さんを二度と麻雀をできない風にしたからなwww
223:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 22:52:40 Nc1l6ULT
「京太郎……もういっぺん言うてみい」
「そ、染谷先輩…落ち着いてください!京ちゃんも…」
「咲は黙っとれ!」
まさに部室は一触即発の危機。それでも京太郎は面倒くさそうにあくびをすると、やれやれといった様子でまこを見る。
「だから言っているじゃないですか?皆が弱いから負けるんだって。 こんなんで大会に勝つ事なんて出来るんですかねぇ?
俺はもう心配で心配で……」
まこを馬鹿にするかの様な京太郎の言葉。
ついに堪忍袋の緒が切れたまこは京太郎の胸ぐらを掴む。
「わりゃあ、いつからそんな腐れになったんじゃ!?人を舐めんのも大概にせぇよ!」
恐ろしい形相で京太郎に詰め寄るまこ。
しかし京太郎はそんなまこに臆する事もなく、彼女を嘲笑った。
「やれやれ、そんなに俺に勝てないのが悔しいんですか染谷先輩。 なんなら俺の方は点棒なしで勝負してあげましょうか? それなら皆だって俺に勝てるかもしれませんよ」
「京太郎!わりゃあいい加減に…」
「やめて、まこ」
ようやく久が口を開く。普段は穏やかな久の顔も今は厳しい表情に変わっていた。
「ぶ、部長……」
「お願い、まこ……今は抑えてちょうだい」
224:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 22:53:29 Nc1l6ULT
久の言葉にまこは少し苛ついた様子で京太郎から離れる。
久は改めて京太郎の方を見ると顔をしかめた。
「須賀君、まこの言う通り最近のあなたはどうかしているわ。 確かにあなたは強くなったかもしれない。
でも、今のあなたには仲間を思いやる気持ちが全くないわ。
私の知っている須賀君は……皆の事を思いやる事の出来る優しい人間だったはずよ?
どうして、あなたは変わってしまったの?」
久は悲しそうな顔をして京太郎を見つめる。
京太郎はしばらくの間、黙ってうつむいていたがおもむろに立ち上がるとぶつぶつと何かを呟く。
仲間…?
仲間だって…?
ふざけんな…!
「京…ちゃん?」
咲が京太郎の名前を呼んだ瞬間、彼はいきなり高らかに笑い出した。
「フハハハ、アーハッハッハッ!ハハハハハ!アハハアハ!ハハハハ!」
狂気に満ちた笑いが部室内に響き渡る。
その異常な事態に久も、まこも、和も、咲も、タコスも―呆然と京太郎を見つめる事しか出来ない。
やがて、京太郎は笑うのをやめると冷酷な目つきで久の方に顔を向ける。
「部長、まさかアンタの口から仲間なんて言葉が出るなんて思いませんでしたよ。 正直、反吐が出るぜ」
225:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/23 23:51:19 GWd8Mq7J
黒杉www
226:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 13:52:57 en2FpAmL
もはやルルーシュww
227:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 14:06:46 6J8QWmtc
1話で京太郎の飲みかけの紅茶を
平然と飲んで間接キスする部長
228:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 14:18:29 RaDL4PrZ
>>227
京太郎の筆おろしをする久が見てみたひ
229:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 14:47:31 ZrxrIao6
タコスがヤンデレ化します
230:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 15:14:09 wdjZzHja
>>227
エロすなぁ
231:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 16:39:07 2WwcK0dY
みんなが京ちゃんに恋をしました。
232:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 19:01:44 4b/N8xkq
>>222
どうでもいいが……
V島根?
>>224
京ちゃんやめて!と泣きつく咲を妄想したくなるが
この淡い期待はもろくも打ち砕かれるんだろうなあ……
233:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 19:02:54 r0kdx8JJ
まともな流れで安心した
234:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 19:10:01 6dXN0vJ+
続きが楽しみすぎるw
235:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 19:37:14 G0L7YiBn
>>227
部長もお茶目だよな
俺の飲みかけと間違えてるとは…
236:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 21:07:29 wdjZzHja
島根・・
237:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 22:44:05 bwj3rCmE
>>209のタコスがもう可哀想で可哀想でいたたまれない…
これはひぐらしの問題編みたいなものなんだよな!?
この話が無事終わったら(無事には終わらなさそうだけどw)ほのぼの京タコの解答編が始まるんだよな!?
そうだと言ってくれw
238:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 23:44:37 oHv/R07O
>>237
一連のSSが始まった時からこのスレのタコスは不幸なんだ。
スレ民すら誰も本名で呼びすらしねぇw
_ , . -‐─-、,_
ィ .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.、
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l.:/ .:.:.,'.:.:..:l/‐-/ l.:/ -',.:.:.:.::::',
|.:.>‐l .:.:>ちホ:::::::::::/ちホV.:.:.:.:.:|
|.:.{ |.:./{ ト-j:::::::::::::::ト‐j l/:}゙∨ 負けるやつは、いつまでも負け続けるんだよタコス
',八__|/_ `´ `´ ハ.リ
)ハ::\ 'ー=-' ノ
Vl:::〕 r≦
,x<:::::::< ヽ:::`x
/ \ヽ:::\___}::://ヽ
239:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 23:49:40 r0kdx8JJ
咲AAの目の辺りの ちホ が気になって仕方ない件
240:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/24 23:58:38 oHv/R07O
なるほど、元のAA(ストパンの黒芳佳AA)から改変されたときに
目と眉のパーツ「ち」が少しずれた様なので気になるのかも知れない。
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|.:.{ |.:./{ ト-j:::::::::::::::ト‐j l/:}゙∨ 負けるやつは、いつまでも負け続けるんだよタコス
',八__|/_ `´ `´ ハ.リ
)ハ::\ 'ー=-' ノ
Vl:::〕 r≦
,x<:::::::< ヽ:::`x
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241:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:12:29 iE94mEov
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|.:.>‐ l .:.:>ちチ:::::::::::/ちチV:.:.:.:.:|
|.:.{ |.:./{ ト-j:::::::::::::::ト‐j l/:}゙∨ 負けるやつは、いつまでも負け続けるんだよタコス
',八__|/_ `´ `´ ハ.リ
)ハ::\ 'ー=-' ノ
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242:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:36:16 fmrr5cV5
>>224
京太郎は忘れていなかった。あの時、久達が話していた事を。
そして許せなかった。自分を爪弾にしようとした久達を。
「何が言いたいのかしら須賀君…?」
「とぼけないでくださいよ部長。 俺がいない時、皆で話していたじゃないですか……時間が勿体ないから俺を大会には参加させないってね」
その言葉に久は一瞬びっくりした様な表情をしたが、すぐに元に戻す。
「……聞いていたの?」
「ええ、扉の向こうで聞かせていただきましたよ…俺の扱いに困っているとかね。 咲が入部して俺が要らなくなったんでしょう?
全く、俺も皆のために一生懸命頑張って来たのにな……まるで馬鹿みたいだぜ」
京太郎は少し悲しそうな様子で頭を強く撫でる。
「それは違います!部長はそういうつもりじゃあ……」
「いいのよ、和」
何かを言いかけた和を久がとめる。久はフゥッとため息を吐くと京太郎の顔を眺める。
「須賀君…確かに私はあなたに大会の棄権を勧めようとした、それは認めるわ。
でも、それが理由で皆に嫌がらせをするのはお門違いというものよ。
責めるのは部長である私だけにして……これ以上、他の皆を傷付けるのはやめて…お願い」
243:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:37:08 fmrr5cV5
責任はあるのは自分だけ、だから皆を責めるのはやめて。
久のその言葉を聞いた京太郎はポリポリと頬をかくと、フッと鼻で笑った。
何を、今さら。
散々、皆で俺を馬鹿にしておいて都合が良いこった。マジでムカつくぜ―!
「おやおや部長、随分と俺以外の部員には寛容なんですね? あっ、なるほど。大会が近いから貴重な戦力には手を出すなって訳ですか…。
なんだかんだ言って部長も大会の方が―」
パシンッ!
久の平手が京太郎の頬を叩く。平手打ちされた所が見る見るうちに赤くなっていく。
久は平手打ちをした手を握り締めながら無言で京太郎を見つめる。
京太郎は叩かれた頬を何回か撫でるような仕草をした後、チッと舌打ちをすると鋭い目付きで久を睨み付ける。
「……分かったよ、分かったって…。 俺がここからいなくなればいいんだろ?
それが望みなんだもんな……アンタらの。 確かに俺はアンタらにとって何の役にも立ちゃしない疫病神だしな…。
麻雀部を辞めてやるよ…良かったじゃねぇか、これで前みたいに楽しい日々が戻ってくるんだぜ?
どうぞ五人で全国大会を目指して頑張ってください……今までありがとうございました……じゃあね」
244:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:38:14 fmrr5cV5
京太郎はヒラヒラと手を振ると鞄を持って扉へと向かって歩き出す。
「京ちゃん待って!」
咲の呼び止めにも振り返る事もせず、京太郎は部室から立ち去って行った。
「勝てば勝つほど俺の周りから人が離れていく……か」
京太郎は歩きながら手に持ったツヨナールを見つめる。
確かに俺の周りから人はいなくなった。しかし、どっちにしても同じ事だ。
弱いままでも俺は誰からも相手にされないだろう。
なら俺は―強者として生きていく。
でなければ……麻雀部を去った意味がないんだからな。
「京ちゃん!」
京太郎は後ろを向く。そこには肩で大きく息をする咲の姿があった。
「……何しに来たんだ咲」
「お願い京ちゃん、帰って来て……皆も京ちゃんの事を心配しているよ!」
「馬鹿だなぁ、咲…俺はやめるってはっきり言っちまったんだぞ? 今さら帰る事なんて出来るかよ」
「じゃ、じゃあ……一緒に謝ろう! 私も京ちゃんと一緒に皆に謝るから! 皆だってきっと許してくれるよ!
だから……だから戻って来て京ちゃん! お願い…やめるなんて言わないで…!」
目を潤ませながら咲は京太郎に戻ってくる様に説得する。
京太郎は何も言わず、ジッと咲を見つめる。
245:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:41:30 kOLljUA6
その時、イデが発動した。
246:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:41:35 HuU7gqQX
今度は右下のハ.リが気になるぞw
だが俺にはAAを作る能力は無い…
誰か
「あぁ・・・構わないぜ。倍たぁ、豪儀じゃあねぇか。
命の取り合いなら、歓迎だ。三尺高ぇ所にその首上げてやるぜ」
と
「タコス。この嶺上牌で死ね」
も頼む……!
ところで咲の口は開いているのか?
247:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:46:33 utbyOXsG
ようやく京咲展開が来たのかwww
248:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:47:30 HuU7gqQX
>>242-244
やっとみんなの咲ちゃんが帰ってきた!
249:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:50:22 PWA4jVqj
イデに吹いたwwwwwwww
250:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 00:57:31 EjGVJFON
原作は百合展開が受けなかったら京太郎×咲に路線変更したと思うから路線変更としてこれはいいねえ
251:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 01:15:40 sXuuCw0d
ここでまさかのスレタイにふさわしい内容
しかしツヨナールという名前を見るたびバッファロー五郎の顔が思い浮かんで困るw
252:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 01:30:32 PWA4jVqj
待て待て、これは黒崎の複線では・・・
253:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 02:00:15 KXpS5reK
>>252
筑鉄黒崎の櫛形ホーム?
254:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 02:25:29 ccOflGRA
池田の憂鬱
「ま、負けた…」
その日、池田は人生最大にして最悪の敗北を味わった。
「もうマジ無理だし…。麻雀やめようかな。キャプテンにも会わせる顔がない」
池田は落ち込んでいた。
彼女本来の覇気はすっかりとしょげ、自慢の猫耳も垂れ下がり憂鬱な色を出していた。
そこに鼻歌を歌いながら近づいてくる男一人。
「頑張っちゃった頑張った我々テンパイ即リーワーイワーイ♪」
この脳天気でKYな男こそ我らが主人公・京太郎である。
その男はその勢い故にその彼女とぶつかる羽目になった。
「あっスミマセン。ちょっと俺浮かれちゃってて♪!↑。ってえー」
彼も事態をようやく飲み込めた。
自分の前に泣いている女の子一人、童貞の彼が焦るのも無理はない。
255:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 02:39:45 ccOflGRA
「うわっ、あ、あの、すみません!気づかなくて…」
「だ、大丈夫ですかぁ~?」
「わ、わたしもうだめだよぉ…もうキャプテンにも見放されちゃうし!」
「わ、私が殴られるのはいいけど!きゃ、キャプテンが殴られるのはマジ勘弁して!だし。。」
「きゃ、きゃぷてぇえんん」
「ちょっと待て。そのキャプテンって奴にお前は見放されたのか」
「直接は言われてないけど、きっとそうに違いないし。だって私から麻雀取ったら何も残らない!!」
「直接言われてないならまだどうか分かんないだろ?今から会いに行ってこい」
「もし駄目だったらここに戻れ。俺がそのキャプテンて奴の所に一緒に乗り込んでやるから」
「でも…でも…」
「お前の中のキャプテンの記憶はそんな奴だったのか?負けたら見放すようなそんな冷たい奴だったのか?」
「(違う…キャプテンはいつも私に優しくて…それで、それで!)」
「ありがとう!私キャプテンの所に行ってくる!!」
256:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 02:51:14 ccOflGRA
彼女の背中を見つめながら京太郎は一人思いを巡らす。
自分は…自分はあんなに誰かの事をひたすら思うことが出来る
-そんな人間だっただろうか
-軽い気持ちでのどっちは俺の嫁!などとホザいていなかっただろうか
俺もまだまだだな、と彼は思う。
そしてまた登場人物が一人。
大将にして幼なじみである咲である。
彼女がもたらした知らせ、それは対戦相手の落とし物がもたらしたストーリー。
自分が対戦が終わり感慨に浸っていると猫耳がぽつんとテーブルに残されていたのに気づいたという。
そう言えば猫耳を付けていたのは確か池田さんだったかな?
そう思い彼女は持ってきたのだがこれからインタビューがあるという事だ。
よって必然的に選手ではない俺が運ぶ事になる。
京ちゃんよろしく!と彼女の言葉にああわかった、と返す。
257:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 03:11:33 YeEDlxXa
彼女とは長い付き合いだ。
周りからは夫婦と揶揄される事も多々あるが、お互い深い感情を持ってはいないだろう。
ついこの前の事だ。
タコスが「後ろがいいから席譲って欲しいんだじぇ」と合宿のバス席のお願いをした時
咲は何の迷いもなく一瞬で「いいよ」と即答したのだから。
いや待てよ、なんであの時タコスは後ろが良かったんだ…?
おっとそんな事を考えてる場合ではない、早く届けないと。
今にも猫ではなくライオンになってしまうかもしれない。
-風越女子高校前-
京太郎は緊張していた。
いったいどんなおっぱいが出てくるのかと思うと。
ん?あれ?この声?
中からは言い争うような声が聞こえた。
こりゃ取り込み中かな?後にしたほうが良さそうだと帰りかけたその時、耳に響く声。
「キャプテンには!!どうかお願いします…」
聞き覚えのある少女の声、キャプテンという単語。
これだけで彼に扉を開けさせるには十分だった。
今の彼を止められる者はいなかっただろう。
例えそれが地獄の門だと彼が知ったとしても。
彼が見た物、それはスラっとした女の人がさっきの女の子を殴ろうとしている場面だった。。
258:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 04:09:11 z+fI5+/s
タコスはタコス以外の呼び方ねーのかよwww
誰が書いてもタコスじゃねーかw
259:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 12:37:31 LWr3b3Ej
新展開www
260:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 19:33:35 fmrr5cV5
>>244
変わらないな、咲は本当に変わらない。
こんなになっちまっても咲は俺の事を心配してくれる。
昔からそう、コイツは自分よりも他人の事ばっかり心配してる。
咲は本当に優しい奴だ……ちょっと臆病な所もあるけどな。
「ありがとな、咲……こんな俺を心配してくれて」
優しい微笑みを浮かべる京太郎。その姿を見た咲は嬉しそうな表情で京太郎に駆け寄る。
「でもな、咲」
笑顔が、消えた。京太郎はどこか悲しそう目で咲を見つめる。
今の俺には…優しさなんて必要ないんだ。
俺に必要なのは『力』なんだ、絶対的な……力が。
「京ちゃん…?」
「俺はな、もう麻雀部には戻らないって決めたんだ。あそこには…俺の居場所はないんだからよ」
「……どうして?どうしてそんな事を言うの京ちゃん!? どうして京ちゃんは変わっちゃったの!
本当に、本当にどうして―!?」
涙をポロポロと流しながら咲は叫ぶ。
帰って来て欲しい、やめて欲しくない。その言葉が京太郎の胸に刺さる。
咲は俺のために泣いてくれている、それが今の京太郎にとって辛い。
もういい、ツヨナールの事を咲に言おう。そうすれば咲だってあきらめてくれるだろう。
261:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 19:34:32 fmrr5cV5
「―咲。 もし、俺が強くなったのは薬のおかげって言ったら……どうする?」
京太郎は鞄からツヨナールを取り出すと咲に見せ付ける。
「それ、どういう事なの……京ちゃん」
「俺が麻雀で強くなったのはこのツヨナールって奴のおかげなんだよ。 俺は練習前にこれを飲んで麻雀をしていたんだ。
はっきり言えば……俺はイカサマをしていたって訳さ」
京太郎は淡々とツヨナールの事を話す。咲は信じられないといった感じで彼の話を聞いていたが、話が進んでいく内に暗い表情へと変わっていった。
「どうだ咲。 薬を使っている奴をお前が麻雀部に引き戻そうとしているんだぞ?
それでも、お前は…俺の事を止めるのか?」
改めて咲を見る、咲は顔をうつむかせたまま動かない。
これで良い。これで咲もあきらめるだろう。
京太郎はフッと笑う、これで俺の周りから人はいなくなった……これで俺は一人だ。
京太郎が再び口を開こうとした丁度その時、咲が口を開く。
「だったら…だったらそんな薬やめちゃいなよ! 京ちゃんだってそんなの使って勝ったって嬉しくないんでしょ?
私、京ちゃんが薬を使っていた事を誰にも言わないよ!
ね?だから部室に戻って二人で皆に謝ろ!」
262:名無しさん@お腹いっぱい。
09/05/25 19:35:36 fmrr5cV5
まだ、心配してくれるのか。京太郎は自分の目頭が熱くなるのを感じた。
自分の事をこんなにも思ってくれる人がいる。
自分のために泣いてくれる人がいる。
京太郎は咲の元に歩み寄ろうとした―自分を思ってくれる彼女の元に。
『京ちゃんごめんね……私、皆と一緒に全国大会に行きたいの』
急にツヨナールを手に入れた夜に見た夢が京太郎の頭の中に浮かんだ。
京太郎は歩みを止め、拳を強く握り締める。
そうだ……俺は―。
「京ちゃん……?」
「ごめん、咲…俺にはこれを……ツヨナールをやめる事は出来ない。 だから俺は…麻雀部には戻れない」
風が流れる。京太郎は静かに、そして強く咲に言い放つ。
ピチャッ……
咲の目から大粒の涙が落ちた。
「なんで……分かってくれないの京ちゃん! 薬を使って勝ってもそんなの自分の実力じゃないんだよ!?
薬に頼るなんて、そんなのおかしい!おかしいよ!」
涙を拭かず、声を枯らしながら咲は叫ぶ。
私は京ちゃんにやめて欲しくない、ただそれだけなのに―その声がどうして京ちゃんに届かないの?
咲の目から溢れ出て止まらない。
一方の京太郎は咲の悲痛の叫びを目を閉じながら聞いている。